中国EU商会提言書、内部・外部の不均衡を指摘、サービス業中心の産業構造への移行や予見可能な制度運用を提言
(中国、EU)
北京発
2026年09月28日
在中国の欧州企業の団体、中国EU商会は9月22日、中国政府に対するビジネス環境改善などの要望をまとめた提言書を発表した。提言書では、会員企業が中国で事業を展開する上で、さらなる改善が必要とされる重要課題を「内部不均衡」「外部不均衡」に分類し、提言を行っている(注1)。
このうち、「内部不均衡」では、「需要と供給」「政府調達」「知的財産権」「脱炭素」を課題として挙げている。
「需要と供給」においては、中国市場における「内巻」(注2)式の競争に触れた上で、サービス業中心の経済構造へ移行することが、製造業への過剰な支援を抑制し、高齢化が進む中国社会のニーズに応える上でも有益であるとした。加えて、人材育成政策の見直しを行い、より多くの学生がサービス関連分野に目を向けるよう誘導することで、サービス産業全体の発展につながると提言した。
「政府調達」においては、情報通信技術(ICT)、医療・ヘルスケア機器や医薬品などの調達に関し、「中国製」の定義を過度に限定しないことや、製品および部品の分類、現地化率、コスト算定方法について、明確で標準化された定義を策定し、一貫性と予見可能性のある運用を確保することなどを提言した。なお、国務院は2025年9月に、政府調達における国産品基準などに関する通知を発表していた。同通知では、通知の施行日から5年以内に、製品別に中国国内生産部品コスト比率の要件などを定めるとしている(2025年10月3日記事参照)。
また、「外部不均衡」では、「貿易」と「投資」を課題に挙げた。
「貿易」では、中国の輸出面での圧倒的な優位性と、それに伴う貿易不均衡はEU単独の懸念ではないと指摘した。EU・中国間では関税水準の不均衡が貿易不均衡をさらに拡大しているとした。加えて、中国がより予見可能かつ適用範囲を限定した輸出管理制度を確立すれば、企業は中国からの調達を継続することへの信頼を高め、それに基づく投資計画を立てやすくなるとした。
「投資」では、海外の法律事務所が、中国の法律事務所と同様の法的形態で事務所を設立できるようにすることや、コンピュータ予約システム(CRS)分野における海外事業者に対する参入機会の提供などを提言した。
中国EU商会のイェンス・エスケルンド会頭は、「需要の拡大だけではなく、供給サイドの役割にも同等に目を向け、政策を通じて需要と供給のより良い均衡を実現することが、中国と主要な貿易相手国との緊張緩和にもつながる可能性がある」との見解を示した。
(注1)今回の提言書では1,600社超の会員企業の意見を集約している。
(注2)「内巻」とは過度な競争を指す。
(西島和希)
(中国、EU)
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