米中が首都ワシントンで首脳会談、トランプ政権2期目では3回目
(米国、中国)
ニューヨーク発
2026年09月25日
米国のドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席は9月24日、首都ワシントンで、トランプ政権2期目では3度目となる首脳会談を行った。
2025年10月に韓国で行った1回目の会談において、米国は中国に対する追加関税率を合計で20%にとどめることや、輸出管理規則(EAR)上のエンティティー・リストなどに掲載される事業体が50%以上所有する事業体も輸出管理の対象とする「関連事業体ルール」の適用、および301条に基づく中国船の入港に対する手数料徴収を2025年11月から1年間停止することなどで合意した。一方で中国は、希土類(レアアース)に関する輸出管理と関連措置の停止などで合意した(2025年11月4日記事参照)。その後、2026年5月に中国で行われた2度目の会談では、経済安全保障上で重要でない分野での米中間の貿易や投資の在り方を議論する枠組みとして、「貿易委員会」と「投資委員会」の設立に合意した(2026年5月19日記事参照)。
各種通商措置の適用停止期限が11月に迫っていることから、今回の首脳会談では、これら措置の行方が注目されていた。首脳会談後の公式発表はまだないものの、財務省のスコット・ベッセント長官は首脳会談の前日の9月23日に、両国が各種通商措置の一時停止を2027年1月10日まで延長することで合意したと述べている(政治専門紙「ポリティコ」9月23日)。なお当初、米国は6カ月間、中国は2年間の延長を求めている、と報じられていた。この点について、米中関係に詳しい専門家は、米国は中国がレアアースの輸出再開を完全に履行していないと考えており、中国に対して完全履行を求めるため「両首脳が会談する機会が年内にあと2回(注1)ある限り、中国側が望むようなかたちにはならない」との見方を示していた(注2)。
貿易委員会については、首脳会談の冒頭、トランプ氏が「まったく新しい仕組みであり、信じられないほど成功を収めている。われわれのチームは、米国の農家や牧場主に対する新たな市場アクセスを含め、より均衡のとれた貿易関係の構築に向けて取り組んできた」とその進展を強調した。米国通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表も9月20日に、貿易委員会が「運用開始された(operationalized)」(注3)と述べている(米通商専門誌「インサイドUSトレード」9月24日)。ただし、関税引き下げの対象となる具体的な品目や時期などについての公式発表はいまだない。
なお、通商政策に詳しい法律事務所によると、中国がレアアースなどの輸出規制の一時停止に同意した理由の1つが、米国連邦通信委員会(FCC)による通信機器などの輸入・販売規制だとされている。FCCは近年、輸入や販売の禁止対象となる通信機器を拡大しており、直近では8月に、ヒューマノイドや四足歩行ロボット、パワーインバーターなどを禁止対象に指定した(2026年8月3日記事参照)。同法律事務所によると、今回の米中首脳会談を踏まえて、FCC規制がどのように変わっていくかも焦点の1つだという(注4)。
(注1)11月に中国で開催されるAPEC首脳会議、12月に米国で開かれるG20サミットでの会談の可能性が指摘されている。
(注2)ジェトロによる米中首脳会談直前に行ったインタビュー。
(注3)USTRは貿易委員会の設置に向け、パブリックコメントを募集していた(2026年6月4日記事参照)。募集は7月に締め切られたが、その後、委員会の設置に関する正式発表はない。米国の通商政策に詳しい弁護士によると、「operationalized」という単語は、法的に特別な意味はないという。
(注4)ジェトロによる米中首脳会談直前に行ったインタビュー。なお、FCCによる規制は、本来、特定の通信機器に絞って輸入や販売を禁止する設計となっている。だが、2025年末から対象セクター全体を規制するようになり、米国企業の間でも戸惑いが広がっているとされる。また、FCCには輸入を禁止するよう法務執行官を配置する権限もないため、現在も詳細な規定作成は進行中だという。
(赤平大寿)
(米国、中国)
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