米USTR、USMCA見直しに向け、メキシコと5月に初の公式2国間交渉会合の開催で合意
(米国、メキシコ、カナダ)
ニューヨーク発
2026年04月22日
米国通商代表部(USTR)は4月20日、ジェミソン・グリア代表とメキシコのマルセロ・エブラル経済相による、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に関する共同声明
を発表した。メキシコ経済省は4月16日、グリア代表がUSMCA見直し協議のため、同月19~20日にかけて同国を訪問すると発表していた(2026年4月20日記事参照)。
2020年7月1日に発効したUSMCAは、条文上、発効から16年後に失効すると定められている。ただし、発効6年後の見直しで3カ国が延長に合意すれば、合意時点から16年間延長される。2026年7月1日に初めての見直しを迎える(注1)。
共同声明によれば、グリア代表とエブラル経済相は、経済安全保障や補完的貿易措置(注2)、主要工業製品の原産地規則の強化、重要鉱物に関する協力、2国間貿易上の懸案事項などについて協議を進めるよう、双方のチームに指示した。両国はこれら課題に関する技術協議を3月に初めて実施し、定期的に行うことで合意している(2026年3月19日記事参照)。また、グリア代表とエブラル経済相は、5月25日の週にメキシコシティで、USMCA見直しに向けた初の公式2国間交渉会合を開催することでも合意した。そのほか、今回の訪問でグリア代表は、クラウディア・シェインバウム大統領と、米国とメキシコの貿易・経済関係について協議した。
グリア代表はUSMCAに関して、米国の製造業の能力強化と良質な雇用創出に関する目標の全てを達成できていないとして、「欠陥」が解決可能な場合にのみ、USMCA延長を支持するとの立場をとっている。ただし、USTRが指定する「欠陥」の解決は容易でないとみられ、7月1日の見直しでは延長で合意できないとの見通しが根強い(2025年12月19日記事参照)。
また、USMCAを延長するには3カ国での合意が必要となるが、米国はカナダとはいまだ協議などを開始していない。グリア代表は4月に行った講演で、カナダとは5月頃から開始するとの見通しを示している(2026年4月14日記事参照)。
USMCA見直しの見通しについては、2026年2月20日付地域・分析レポート参照。
(注1)見直しで延長に合意できなかった場合、それ以降毎年、見直しを継続する。見直しで合意できれば、その時点から16年間延長する。合意できない状態が続けば、USMCAは条文に従い2036年に失効する。
(注2)トランプ政権が結んだ相互貿易協定において、補完的貿易措置は、米国が安全保障上の理由から、関税などの輸入制限措置を課す際に、相手国にも同等の措置を求める内容として位置付けている。こうした米国の方針は、2026年2月6日付地域・分析レポート参照。
(赤平大寿)
(米国、メキシコ、カナダ)
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