米税関、マレーシア企業のパーム油製品に対する輸入差し止めを撤回、人権状況の是正受け

(米国、マレーシア)

ニューヨーク発

2026年01月21日

米国税関・国境警備局(CBP)は1月15日、マレーシア企業FGVホールディングス・ベルハッドおよびその子会社、ならびに合弁会社(総称してFGV)が生産したパーム油製品に対する違反商品保留命令(WRO)を撤回外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしたと発表した。同日以降、FGVのパーム油製品の米国輸入が再び認められるようになった。

米国の1930年関税法307条は、強制労働、児童労働、囚人労働などの労働搾取を通じて生産された物品の輸入を原則禁止しており、CBPは、強制労働などの関与を推定した場合、WROを発令し、対象物品の輸入を差し止める。また、強制労働などの関与を正式に認定(Finding)した場合には、対象物品の輸入を差し止め、押収・没収する(2025年11月21日記事2025年12月22日記事参照)。

今回のCBPの発表によると、FGVはWRO発令以降、強制労働指標に対処する行動計画を策定・実施し、未払いの賃金や移民労働者が支払った人材派遣料の払い戻しとして8,500万ドル以上を返済するなど、是正措置を講じた。CBPのロドニー・スコット局長は「同社はCBPが求めた是正を行い、それによりサプライチェーンの公平性および安全性が確保された」と述べた。また、CBP貿易局の局長エグゼクティブアシスタント代行のスーザン・トーマス氏も「これらの補償を通じ労働の価値を回復することで、米国企業にとって公平な競争環境を確保する」と述べた。

今回のWROの撤回により、発令中の有効なWROは54件(認定は8件)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますとなった。CBPは2020年以降、マレーシアのパーム油製品について、サイム・ダービー・プランテーションおよびFGVへWROを発表していたが、サイム・ダービー・プランテーションに対するWROは2023年2月に撤回した。そのほかマレーシア関連では、2021年以降、使い捨て用手袋を製造する4社にWROを発表していたが、2024年10月時点で全て撤回した(注)。今回のFGVのパーム油に対するWRO解除により、マレーシアに対するWROは全て解除された。

(注)マレーシア産パーム油製造企業サイム・ダービー・プランテーションに対するWRO撤回については2023年2月6日記事参照。マレーシア企業の使い捨て用手袋のWRO撤回については、2023年2月10日記事2023年4月28日記事2023年9月22日記事ならびに2024年10月16日記事参照。

(久峨喜美子)

(米国、マレーシア)

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