トランプ米政権、韓国に対する自動車関税などを引き下げ
(米国、韓国)
調査部米州課
2025年12月09日
米国の商務省国際貿易局(ITA)と通商代表部(USTR)は12月4日、韓国に対する相互関税や自動車関税の修正について官報で公示
した。米韓両政府が11月に発表した共同ファクトシートに含まれていた関税措置の見直しを一部実施した(2025年11月18日記事参照)。米国税関・国境警備局(CBP)も12月3日、事業者向けのガイダンスを発表
した。
官報では、相互関税、1962年通商拡大法232条に基づく自動車・同部品、木材に対する関税、航空機・同部品に対する関税の修正を定めた(注)。相互関税、自動車・同部品関税、木材関税は、一般関税率(MFN税率)または米韓自由貿易協定に基づいて適用される特恵税率と合わせて15%を課す。いずれの関税措置も、一般関税率または特恵税率が15%以上の場合には課さない。これにより、各関税率はEUや日本と同じになる(2025年9月5日記事、2025年9月25日記事参照)。韓国に対する相互関税は8月から15%に設定されていたが、一般関税率などに上乗せして適用されていた。
WTOの民間航空機貿易に関する協定の対象品目(無人航空機を除く)については、相互関税と鉄鋼・アルミニウム(2025年8月19日記事参照)、銅(2025年8月4日記事参照)に対する232条関税の対象外とする。
自動車・同部品関税の修正は米国東部時間2025年11月1日午前0時1分、それ以外の関税の修正は同11月14日午前0時1分にさかのぼってそれぞれ適用する。適用日以降に支払った関税は、CBPのガイダンスに従って還付申請できる。ガイダンスには、自動車・同部品に対する修正後の関税も特定関税の累積停止措置の対象になることなども記されている(2025年11月5日記事参照)。
なお、米韓の共同ファクトシートでは、米国で入手できない特定の天然資源などに対する相互関税の撤廃も盛り込まれていたが、今回の官報では記載がない。
(注)232条に基づくトラック・同部品関税は、今回の関税修正には含まれない。木材関税の修正の対象品目は、25%の追加関税が課されている布張り木材製品と、キッチンキャビネット、洗面化粧台、それらの部品(2025年10月1日記事参照)。
(甲斐野裕之)
(米国、韓国)
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