米税関、232条に基づく銅への追加関税に関するガイダンスを発表

(米国、世界)

ニューヨーク発

2025年08月04日

米国税関・国境警備局(CBP)は7月31日、1962年通商拡大法232条に基づく、銅の輸入への追加関税に関するガイダンスを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ドナルド・トランプ大統領は7月30日、232条に基づき、銅の半製品(semi-finished copper products)および銅を多量に利用する派生品(intensive copper derivative products)に、50%の関税を課す大統領布告を発表した。ただし、この時点では対象となる米国関税分類番号(HTSコード)や、関税額の計算方法が明らかではなかった(2025年7月31日記事参照)。

大統領布告では、追加関税対象品目に、銅の半製品として銅パイプ、銅線、銅棒、銅板、銅管など、銅を多量に使用する派生品としてパイプ継手、ケーブル、コネクタ、電気部品などが挙げられていた。ガイダンスでは、これらの対象が、HTSコード7406~7413、7415、7418~7419、8544に分類される8桁ベースの80品目となることを示した(添付資料表参照)。

また50%の追加関税率は、対象品目に含まれる銅含有量の価値にのみ課される。銅含有量の価値は、買主が売主に支払うべき総額で、請求書などに基づいて決定される。CBPは証憑(しょうひょう)として、製造に使用される部品表、製造に使用された材料の請求書、価値を証明する会計書類などを例示している。輸入者はこれら書類を、CBPの要請に応じて提出できるよう保存しておく必要がある。銅以外の価値に対しては、一般関税率(MFN税率)に加え、これまでに発表された追加関税やアンチダンピング関税(AD)・補助金相殺関税(CVD)などの対象になっている場合は、これらの関税も課される。

なお、232条に基づく銅および自動車・同部品の双方で追加関税の対象となっている場合は、自動車・同部品に対する追加関税のみが課される。また、相互関税の適用対象外(注)は、銅の232条追加関税の対象品目を加えて適用される(相互関税は課されない)。

(注)相互関税では、一部の銅製品が適用対象外として定められている(2025年4月3日記事参照)。

(赤平大寿)

(米国、世界)

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