第15回英国・アフリカビジネスサミット開催、アフリカビジネスの可能性について対談
(英国、アフリカ、ウガンダ)
ロンドン発
2025年09月25日
英国のロンドンで9月12日、「第15回英国・アフリカビジネスサミット」が開催された。貿易・投資・イノベーションをテーマに、政府関係者、投資家、起業家などが参加し、英国とアフリカ諸国の戦略的協力関係に焦点を当てた対談が行われた。
登壇者のウガンダ中央銀行副総裁オーガスタス・ヌワガバ氏は、投資先としてのウガンダの魅力として、「アフリカ諸国の中でも長期間、治安が安定している」「外国人投資家が企業や資産を自由に所有できる制度が整備されている」「中央銀行のインフレ抑制策によって、インフレ率が3.9%と安定している」「環境・社会・ガバナンス(ESG)に配慮したグリーンファイナンス導入を推進している」点を紹介した。
元英国アフリカ貿易使節のドラール・ポパット氏は、世界の通商環境が変化する中で、英国とアフリカの貿易パートナーシップ構築の重要性が高まっていると述べた。具体例として、「以前はスペインなどから輸入されていた果物や野菜について、ブレグジット(英国のEU離脱)以降、アフリカが供給者として英国に輸出する機会が拡大している」と述べ、ウガンダ航空は英国向け直行便を週4便運航し、毎回約15トンの果物や野菜を輸出していると紹介した。また、ウガンダの首都近郊では、英国輸出信用保証局(UK Export Finance)の支援を受けて工業団地が建設されており、今後も同国でさらなる工業化が進むとの展望についても言及した。
ケンブリッジ商工会議所の国際貿易・経済開発マネージャーのイロナ・カルパノス氏は「英国の投資家は、不安定な現地情勢や汚職などへの懸念から、対アフリカ投資へ慎重な傾向がある」と指摘。同商工会議所はアフリカの現地規制・政策に関して、英国で情報発信をする役割を担い、アフリカ諸国の在英大使館など英国内外の関連機関とも連携して、投資家や輸出業者などとのマッチングを通じて対アフリカビジネスを促進していると述べた。
イベントの様子(ジェトロ撮影)
(植松麗良)
(英国、アフリカ、ウガンダ)
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