上半期の小売・サービス売上高、前年同期比9.3%増と堅調に推移
(ベトナム)
ホーチミン発
2025年08月13日
ベトナム統計局の7月5日付発表によると、2025年上半期(1~6月)の小売・サービス売上高(推計値)は3,416兆8,000億ドン(約19兆1,341億円、1ドン=約0.0056円)で、前年同期比9.3%増と堅調な伸びを示した。内訳は、小売りが7.9%増の2,613兆ドンで全体の76.5%を占め、宿泊・飲食サービスが14.7%増の409兆ドン、観光サービスが23.2%増の46兆ドン、その他サービスが12.3%増の348兆ドンだった(添付資料表1参照)。
現地報道によると、小売りの中で伸びが大きかったのは文化・教育関連(前年同期比11.5%増)で、食品(9.5%増)、衣料品(6.1%増)、家具・家電(5.5%増)が続いた。省・市別にみると、商都ホーチミン市が15.8%増の654兆ドン、首都ハノイ市が12.1%増の455兆ドンだった(添付資料表2参照)。
統計局によると、2025年上半期の労働者の平均月収(推計値)は830万ドンで、前年同期と比べて76万ドン(10.1%)増加した。内訳は、男性930万ドン、女性710万ドン、都市部1,000万ドン、農村部は720万ドンだった。
ホーチミン市を中心に、日系企業の新規出店進む
ホーチミン市は、ベトナム全国の小売・サービス売上高のうち約2割を占めることから、近年、ベトナムに初めて進出する日系小売・サービス業のほとんどが同市に1号店を出店している。2025年3月以降の日系企業の主な出店状況は次のとおり。
- 2025年3月、老舗洋食レストランの三笠会館がホーチミン市直属トゥードゥック市の商業施設に海外1号店をオープン。
- 2025年4月、ニトリホールディングスがホーチミン市中心部の商業施設内にベトナム4号店となるグローバル旗艦店をオープン。
- ロイヤルホールディングスと双日の共同出資によるROYAL SOJITZ VIETNAM COMPANY LIMITEDは、2025年4月にベトナム1号店となる洋食店「THE ROYAL」(2025年5月2日記事参照)、5月に和食居酒屋「博多いねや」(2025年6月6日記事参照)、8月に「炭火いねや」をオープン。
- 2025年5月、日本のイタリア料理レストランチェーン、サイゼリヤがホーチミン市内のショッピングモールにベトナム1号店をオープン(2025年5月16日記事参照)。
- 2025年6月、すしレストランチェーンを展開するゲンキグローバルダイニングコンセプツがホーチミン市中心部の商業施設にベトナム1号店をオープン(2025年6月30日記事参照)。
- 2025年7月、ドラッグストア大手のツルハホールディングスがホーチミン市中心部にベトナム1号店をオープン(2025年8月7日記事参照)。
今後も、日系飲食チェーンを中心に、ベトナムへの新規出店や多店舗展開が表明されており、ホーチミン市を中心に消費市場として期待される。
(新田和葉、トゥ・ハー)
(ベトナム)
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