ロイヤルHDと双日、ベトナム外食事業に参入、1号店の洋食店オープン

(ベトナム)

ホーチミン発

2025年05月02日

日系外食大手ロイヤルホールディングス(以下、ロイヤルHD)は4月18日、日系大手商社の双日との共同事業として、ベトナム南部ホーチミン市でベトナム1号店となる洋食店「THE ROYAL」を開店した。双日にとっても、ベトナムでの外食事業参入は初となる。

同事業は、ロイヤルHDが2024年8月に設立した現地法人ROYAL SOJITZ VIETNAM COMPANY LIMITED(ロイヤルHDの100%出資)による運営。今後は同法人に双日が増資し、合弁での運営を予定する。ロイヤルHDと双日は、2021年2月に資本業務提携を締結し、2024年7月には共同出資会社を通じてシンガポールで「ロイヤルホスト」ブランドでは初の海外直営店を出店するなど、協力して海外展開を進めている(注)。

1号店は、ホーチミン市1区の外国人観光客なども多く行き交う中心部に位置する路面店としてオープンした。「THE ROYAL」という店舗名は、ロイヤルHDが1953年に日本国内で開店したレストラン第1号店に由来し、グリル料理をメインに、お酒も楽しめるダイニングのBAR&GRILLをコンセプトにしている。ROYAL SOJITZ VIETNAM COMPANY LIMITEDの中西喜丈General Directorによると(4月16日ヒアリング)、「食材などは、できる限り現地のものをうまく使う方針」とし、野菜はベトナム中部高原地帯のダラット産のものを使用。双日はベトナムの乳業大手ビナミルクと同国北部ビンフック省で国内最大級の牛の食肉加工工場を稼働しており、牛肉は同工場のものを使用するなど、双日とのシナジーを意識した事業展開を行う。

また、中西氏は、ベトナムでスピードをもって出店することを目指し、ロイヤルHDが展開する「ロイヤルホスト」や「てんや」など、1ブランドに特化した出店ではなく、立地に合わせて洋食・和食など、ジャンルを決めて出店していく意向だという。2店舗目は和食業態を、ホーチミン市1区の日本人街近くにオープン予定だ。

写真 店舗外観(ジェトロ撮影)

店舗外観(ジェトロ撮影)

写真 ランチメニュー(ジェトロ撮影)

ランチメニュー(ジェトロ撮影)

(注)両社は、シンガポール以外の海外展開では、銚子丸を含む3社で、米国において寿司(すし)を中心とする新業態の共同事業展開の計画を進めている。

(三木貴博)

(ベトナム)

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