サイゼリヤ、ホーチミン市にベトナム1号店をオープン
(ベトナム)
ホーチミン発
2025年05月16日
日本のイタリア料理レストランチェーン、サイゼリヤは5月8日、ホーチミン市内のショッピングモール「ギガ・モール」(注)4階にベトナム1号店となる「サイゼリヤ」をオープンした。同社は、日本国内に1,043店舗、海外に593店舗(2025年2月末時点)を展開し、海外は中国(上海・広州・北京)、香港、台湾、シンガポールに続いての出店となる。
日本で人気メニューの「ミラノ風ドリア」6万ドン(約336円、1ドン=約0.0056円)、「マルゲリータピザ」(6万ドン)、「辛味チキン(2個)」(3万ドン)などをリーズナブルな価格で提供する。一方、日本のグランドメニューにはない商品も取りそろえる。例えば「フルーツサラダ」(4万ドン)は、ベトナムのレストランで人気があるドラゴンフルーツやマンゴーなどの果物が入ったメニューだ。また、ベトナムのレストランチェーンでは導入が少ないドリンクバーも3万ドンで提供している。
日系飲食チェーンの進出が増加
ベトナム国内のレストラン情報を掲載するウェブサイト「Foody.vn」によると、ベトナム国内の日本食レストラン数は、2025年5月現在で2,688店(うちホーチミン市には1,219店)となっており、2015年の約680店から10年間で約4倍に増加した。
ベトナムの販売時点情報管理(POS)端末を提供するiPOS.vnとネスレプロフェッショナルが共同でまとめた「ベトナム食品・飲料市場レポート2024」によると、2024年のベトナムの飲食市場は前年比16.6%増の688兆8,000億ドンで、独立店のシェアが92.7%、チェーン店が7.3%だった。売上高の前年比は、独立店が16.2%増(640兆5,370億ドン)に対して、チェーン店は21.5%増(48兆2,620億ドン)と伸びた。また、2024~2028年のチェーン店の年平均成長率(CAGR)は14.0%と、独立店の8.7%を上回ることが予想されている。近年、ホーチミン市を中心に、ベトナムへ初進出する日系の飲食チェーンも増加している。例えば、牛丼チェーンを展開する松屋フーズホールディングス(2025年4月18日記事参照)、外食大手ロイヤルホールディングス(2025年5月2日記事参照)がベトナム1号店をオープンしており、今後も日系企業の飲食チェーンの進出が見込まれる。
店舗外観(ジェトロ撮影)
提供されているミラノ風ドリア(左)、フルーツサラダ(右)(ジェトロ撮影)
(注)ホーチミン市直轄のトゥードゥク市に、2019年1月にオープンした大型の商業施設。延べ床面積は11万平方メートルを超え、地上7階から地下2階にわたって小売りの専門店や映画館、テーマパークなどのエンターテインメント施設を備える。ホーチミン市中心部から車で約30分。
(小林真龍)
(ベトナム)
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