トランプ米政権、「聖域都市」政策巡ってロサンゼルス市を提訴

(米国)

ロサンゼルス発

2025年07月02日

米国司法省は6月30日、ドナルド・トランプ大統領の再選直後にロサンゼルス市が施行した「サンクチュアリシティー(聖域都市)」政策を巡って、同市のカレン・バス市長(民主党)と市議会に対し、訴訟を起こしたと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

ロサンゼルス市では、2024年11月19日に同市を「サンクチュアリシティー」に指定し、財産や職員など市の資産を移民政策執行に利用することを禁じる条例が市議会の全会一致で決議されていた。司法省は、この「サンクチュアリシティー」政策は連邦法に違反しているだけでなく、同市が移民取り締まりに向けた連邦当局への協力を拒否したことが最近の無法状態、暴動、略奪、破壊行為の一因となり、連邦政府は混乱を鎮圧するために、州兵や海兵隊を派遣せざるを得なかったとしている(2025年6月12日記事参照)。

パム・ボンディ司法長官は今回の提訴に関して、「『サンクチュアリシティー』政策はロサンゼルスで最近発生した暴力行為、混乱、法執行機関への攻撃の主因であり、ロサンゼルスのような地域は連邦法を無視し、不法移民を米国民より優先することで、あらゆるレベルの法執行を弱体化させている」と述べている。また、カリフォルニア州中部地区連邦検事のビル・エッサリ氏は「合衆国憲法の最高法規条項は、市がどの連邦法を執行し、どの連邦法を執行しないかを選択することを禁じている。市の違法かつ差別的な条例は、強制送還対象者が連邦法の執行を逃れることを支援し、無法で安全でない環境を助長していた。今回の訴訟はこの状況を終わらせることに貢献するだろう」とコメントしている。

(堀永卓弘)

(米国)

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