初の日米関税協議を実施、閣僚級での協議継続で一致

(米国、日本)

ニューヨーク発

2025年04月18日

日米両政府は4月16日、米国による関税措置に関する協議を行った外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。日本からは赤澤亮正経済再生相が参加した。赤澤経済再生相はドナルド・トランプ大統領を表敬訪問した後、スコット・ベッセント財務長官、ハワード・ラトニック商務長官、ジェミソン・グリア米国通商代表部(USTR)代表と閣僚間で協議した。今後も閣僚級の協議を継続することで一致した。

赤澤経済再生相とトランプ大統領の会談は約50分行われた。内閣官房の発表によると、トランプ大統領からは、日本との協議が最優先との発言があり、日米双方は、赤澤経済再生相とベッセント長官らの担当閣僚間で率直かつ建設的な協議を続けていくことを確認した。トランプ大統領は会談後に「大きな進展があった」、翌日には「生産的だった」と自身のSNSに投稿した。

閣僚間の協議は約75分間行われた。赤澤経済再生相は、米国の関税措置は極めて遺憾だと述べ、日本の産業や日米両国の投資・雇用に与える影響などについて説明し、関税措置の見直しを申し入れた。トランプ政権は2025年1月の発足以降、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく中国、メキシコ、カナダへの追加関税(2025年3月4日記事2025年3月7日記事参照)、1962年通商拡大法232条に基づく鉄鋼・アルミニウム製品への追加関税の拡大(2025年4月7日記事参照)、同232条に基づく自動車・同部品への追加関税(2025年4月3日記事参照)、IEEPAに基づく相互関税(2025年4月14日記事参照)など複数の関税措置を発表している。これらのうち、日本からの対米輸出に直接的に影響するのは、鉄鋼・アルミ製品および自動車・同部品への追加関税、相互関税となる(注)。なお、日本は2019年以降、対米投資額で国別1位となっており(2024年9月6日付地域・分析レポート参照)、製造業の雇用創出数でも、52万9,200人で国別1位PDFファイル(6.0MB)(2022年時点)となっている。

今回の協議の結果、日米間で(1)双方が率直かつ建設的な姿勢で協議に臨み、可能な限り早期に合意し首脳間で発表できるよう目指すこと、(2)次回の協議を4月中に実施すべく日程調整すること、(3)閣僚レベルに加え事務レベルでの協議も継続することで一致した。

日本の石破茂首相は今回の協議を受け、閣僚級協議の推移を見ながら最も適切な時期に訪米し、トランプ大統領と会談する意向を示した。石破首相とトランプ大統領は、2月に初の首脳会談を行っている(2025年2月10日記事参照)。

(注)メキシコ、カナダに進出している日系企業も多数おり、これらの国への追加関税措置も日系企業のビジネスに影響している(2025年1月15日付地域・分析レポート参照)。

(赤平大寿)

(米国、日本)

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