トランプ米大統領、スマホなど半導体関連製品を相互関税の対象外とする覚書発表

(米国、世界)

調査部米州課

2025年04月14日

米国のドナルド・トランプ大統領は4月11日、相互関税の対象外となる品目を明確化する大統領覚書を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。相互関税が適用されない半導体関連製品を追加した。米国税関・国境警備局(CBP)も同日、これら品目の輸入に関するガイダンスを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

4月5日に発動した相互関税は、1962年通商拡大法232条に基づいて追加関税が課されている鉄鋼・アルミニウム製品や自動車・同部品などには適用されない。また、相互関税を定めた大統領令の付属書2で列挙されている半導体や銅、 医薬品、エネルギー製品なども対象外となる(2025年4月3日記事参照)。

今回の大統領覚書では、当初の発表に含まれていなかった半導体関連製品も相互関税の対象外になると明確にした。具体的には、米国関税分類番号(HTSコード)4~8桁ベースで20品目を挙げた。パソコン(HTS8471)やスマートフォン(HTS8517.13.00)、半導体製造装置(HTS8486)などが含まれる。スマホの2024年の米国輸入額を国別にみると、中国が8割以上を占める。トランプ氏は4月10日から国・地域別の相互関税の適用を一時停止する一方、中国に対しては相互関税率を125%に引き上げて維持しており(2025年4月11日記事参照)、スマホは相互関税によって国内での販売価格が上昇すると懸念されていた品目の1つだった(注)。

今回対象外となった20品目は、相互関税の発動日である4月5日にさかのぼって対象外となる。そのため、同日以降にこれら品目を輸入して支払った相互関税分の関税は払い戻しを申請可能だ。CBPのガイダンスでは、貨物が通関許可されてから10日以内に手続きを行うべきとされている。

相互関税の対象外となった半導体関連製品に関して、トランプ氏は自身のSNSで「異なる関税『バケツ』に移っただけだ」と述べ、エレクトロニクス製品のサプライチェーンを含めて「国家安全保障に関わる関税の調査」を行うことを検討していると明らかにした。これは232条に基づく調査を念頭に置いているとみられる。トランプ氏はかねて半導体や医薬品などの国内製造を促すため、それら品目に追加関税を課す方針を示している。トランプ政権が4月3日に要旨を発表した「米国第一の通商政策」に関する報告書でも、商務省は232条に基づく新たな措置を検討する分野として半導体を含めている(2025年4月7日記事参照)。

(注)今回相互関税の対象外となった20品目を中国から輸入する場合、最恵国(MFN)税率や、1974年通商法301条に基づく追加関税率、フェンタニルの流入阻止を目的とした国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく追加関税率(20%)などは従来どおり課される。

(甲斐野裕之)

(米国、世界)

ビジネス短信 12d60c334c5579c7