中国政府、米国と経済・金融ワーキンググループ設置

(中国、米国)

北京発

2023年09月27日

中国政府は9月22日、米国と経済・金融に関する2つのワーキンググループを設立したと発表した(注1、2)。各ワーキンググループは、経済・金融分野に関する問題に対し意思疎通と交流を強化するため、定期ならびに不定期に会合を開催するとしている。中国財政部と米国財務省が「経済ワーキンググループ」を主導し、中国人民銀行(中央銀行)と米国財務省が「金融ワーキンググループ」を主導する。

中国政府の発表によると、中国と米国の両国首脳によるインドネシア・バリ島での首脳会談(2022年11月16日記事参照)における重要な合意を実行するために、中国の何立峰副首相と米国のジャネット・イエレン財務長官が経済領域ワーキンググループの設置に合意したとした。

環球時報は9月22日、感染症流行後の世界経済の回復と持続的成長は楽観視できない状況で、世界の2大経済大国である中国と米国が経済・金融の分野で意思疎通と連携を強化し、世界市場の信頼と予測性を安定させることは国際社会が共通して期待することだと報じた。

シンガポールの大手メディアのシンガポール・プレス・ホールディングス(SPH)の中国語新聞である聯合早報は9月22日、今回のワーキンググループの設置は中国と米国の間で最近実施されてきたハイレベル外交の成果でもあるとしている。6月以降、米国からアントニー・ブリンケン国務長官、イエレン財務長官、ジョン・ケリー気候変動担当大統領特使、ジーナ・レモンド商務長官が相次いで中国を訪問している。王毅・共産党中央政治局委員は9月16日から17日にかけてマルタでジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)と複数回にわたって会談し、韓正・国家副主席もブリンケン国務長官と9月18日の国連総会に合わせて会談した(注3)。同紙は、こうした高官レベルの接触は中国と米国の利益になるとみており、両国首脳は関係強化のために11月にも会談する予定と報じている。

香港の英字新聞であるサウスチャイナ・モーニングポスト(南華早報)は9月22日、何副首相とイエレン財務長官の支援の下で行われたこの共同の努力は、習近平国家主席とジョー・バイデン米国大統領が就任後初の対面会談で交わした約束の最初の具体的な成果といえると評価した。

(注1)9月22日に中国中央人民政府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます中国財政部外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます中国人民銀行外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが発表。

(注2)米国側の反応は2023年9月25日記事参照

(注3)各会談については各ビジネス短信を参照。

(亀山達也)

(中国、米国)

ビジネス短信 6d9163a6156781bb