グリーン分野に投資機会、ジェトロ・アフリカ所長ウェビナー開催

(アフリカ、南アフリカ共和国、エジプト、モロッコ、コートジボワール)

中東アフリカ課

2023年02月08日

ジェトロは12627日、ウェビナー「現地所長が語る-2023年のアフリカビジネス展望-」を開催した。1日目はヨハネスブルク、カイロ、ラバト、アビジャン事務所(注)から4人が登壇し、各国の最新動向と今後の展望について講演・議論した。

1部では、各所長が現地の最新情勢について講演。ヨハネスブルクの石原圭昭所長は南アフリカ共和国の電力不足(2023年1月30日記事参照)の現状や、シリル・ラマポーザ大統領の汚職疑惑(2022年12月2日記事参照)について説明した。カイロの福山豊和所長は物価上昇(2022年12月26日記事参照)の現状のほか、2022年にエジプトで開催された国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP272022年11月22日記事参照)に触れた。ラバトの本田雅英所長はアルジェリアやイスラエル、スペインなど周辺諸国との関係変化について説明。アビジャンの水野大輔所長は周辺諸国の政情不安やウクライナ情勢に触れつつ、コートジボワールが高い経済成長を維持している(2023年1月31日記事参照)とした。

2部はパネルディスカッション。(1)新型コロナウイルスとウクライナ情勢の影響、(2)アフリカビジネスの現状と課題、(3)ビジネスの新たな芽をテーマに議論した。

どの国も、新型コロナウイルス感染はピークアウトしているものの、ウクライナ情勢の影響が大きいと指摘。カイロの福山所長は、エジプトは小麦輸入をロシアとウクライナに依存しており、財政負担が拡大したと説明した。ラバトの本田所長は、食糧・エネルギー価格の上昇によって市民生活が圧迫されていると述べた。

現状と課題について、ヨハネスブルクの石原所長は、南アでは治安や電力不足など問題は多いが、消費者層が成熟しており、さまざまな分野で可能性があるとした。カイロの福山所長はエジプトについて、煩雑な手続きなどを挙げる一方、人口の多さや安定した政治、電力の安定供給など、ビジネス環境が整っているとした。ラバトの本田所長は水不足(2022年12月22日記事参照)などを挙げつつも、モロッコの政治・社会情勢が安定しているとした。

最後に有望分野について議論。アフリカのグリーン分野の可能性が示された。ヨハネスブルクの石原所長は、南アで採掘されるプラチナを使ったグリーン水素が注目されていると説明(2022年12月28日記事参照)。カイロの福山所長は、エジプトではCOP27を契機にグリーン関連の機会が広がっているとした。ラバトの本田所長は、再エネやグリーン水素製造などに機会があると述べた。

このウェビナーは331日までオンデマンド配信している。ジェトロ・メンバーズ1口につき、先着1人目まで無料。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

(注)アビジャン事務所の水野大輔所長は録画講演を配信。パネルディスカッションは不在。

(梶原大夢)

(アフリカ、南アフリカ共和国、エジプト、モロッコ、コートジボワール)

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