バイデン米政権、サプライチェーン強化策発表、エネルギーやICTなど6分野で

(米国)

ニューヨーク発

2022年02月28日

米国のバイデン政権は2月24日、国内製造業の活性化と重要製品のサプライチェーン強化に向けた計画を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ジョー・バイデン大統領は2021年2月、重要製品のサプライチェーンに関する大統領令に署名し、関連省庁に各分野のサプライチェーンの評価と強靭(きょうじん)化策の提言を命じていた(2021年2月26日記事参照)。今回、大統領令署名から1年以内の見直しが求められていた、エネルギー、運輸、農産物・食料生産、公衆衛生、情報通信技術(ICT)、防衛の6分野について、所管省庁がサプライチェーンを強化するための戦略を策定した(注1、2)。

ホワイトハウスの報告書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)や各省の発表によると、これらのうち、エネルギー分野では、クリーンエネルギーへ着実に移行するためのサプライチェーン確保に向け、60以上の施策が打ち出された。連邦政府は、クリーンエネルギー製品に使用される重要鉱物資源の持続可能な抽出・加工・精製に関するイノベーション支援などを行う(2022年2月24日記事参照)。連邦議会に対しては、国内におけるクリーンエネルギー製造・展開に対する税制支援の法制化などを提言した。

運輸分野では、港湾や橋、道路などの貨物輸送インフラへの投資や、サプライチェーンに関わるデータの改善など5つの領域で対応策が定められた。インフラ投資では、2021年11月に成立した超党派インフラ投資雇用法(2021年11月9日記事参照)に基づく資金も活用するとしている。ICT分野では、サプライチェーンに関わるリスクとして、プリント回路基板などのハードウェア製品の国外依存や知的財産の窃取などを特定。これらに対応するため、国内のICT産業基盤の活性化や、同盟国・パートナー国との強靭なサプライチェーン構築などの具体策が示された。

ホワイトハウスは、サプライチェーンの長期的な強靭性を高める施策として、輸出入銀行を活用した製造業の輸出支援や、財務省および中小企業庁による小規模製造業向けの資金支援などを挙げた。また、連邦政府の中でサプライチェーン強靭化の取り組みを制度化するため、バイ・アメリカン法の運用強化を掲げた。行政管理予算局(OMB)が近く、政府調達において国内で製造された重要製品・素材を優遇する規則の詳細を発表する(注3)。政府調達により、重要製品の国内需要を安定的に創出する狙いだ。

(注1)大統領令署名から100日以内の見直しが求められていた、半導体製造や先端パッケージング、電気自動車用バッテリーを含む大容量バッテリー、希土類(レアアース)を含む重要鉱物、医薬品および医薬品有効成分の4分野に関する強化策については、2021年6月10日記事2021年6月11日記事参照。

(注2)エネルギーはエネルギー省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます運輸は運輸省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます農産物・食料生産は農務省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます公衆衛生は保健福祉省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます情報通信技術(ICT)は商務省および国土安全保障省PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)防衛は国防総省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますがそれぞれ報告書を発表している。

(注3)バイデン政権は2021年7月、バイ・アメリカン政策強化の一環として、連邦調達規則の改正案を発表し、国内最終製品と認められた「重要製品」に対する価格優遇の枠組みの創設を提案している(2021年7月30日記事参照)。

(甲斐野裕之)

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