バイデン米政権、カリフォルニア州や産業界と協働で重要鉱物のサプライチェーンを強化

(米国)

ニューヨーク発

2022年02月24日

ジョー・バイデン米国大統領は2月22日、重要鉱物のサプライチェーン強化策の成果を発表するバーチャル形式のラウンドテーブルを開催した。ジーナ・マッカーシー国家気候担当大統領補佐官やカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(民主党)に加えて、関連企業の幹部が出席した。この取り組みは、バイデン大統領が2021年2月に署名した、重要製品の国内サプライチェーンを強化するための大統領令14017号に基づくものとなる(2021年2月26日記事参照)。

同大統領令では、署名から100日以内に、優先度の高い半導体製造や先端パッケージング、電気自動車(EV)用バッテリーを含む大容量バッテリー、希土類(レアアース)を含む重要鉱物、医薬品および医薬品有効成分のサプライチェーンに関して、担当長官にリスクの特定と対処法を大統領に報告するよう指示しており、2021年6月にその結果をまとめた報告書が公表されていた(2021年6月10日記事6月11日記事参照)。同報告書は、今回取り上げられた重要鉱物に関して、省庁横断の作業部会を設立して国内で重要鉱物を生産・加工できる区域を特定することや、政府による資金援助の枠組みを活用することなどを提案していた。

ホワイトハウスがラウンドテーブル前に公表したファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、蓄電池やEV、風力タービン、太陽光発電パネルなどクリーンエネルギー関連を中心に、重要鉱物の需要は次の数世代で400~600%も増え、EVに使用されるリチウムやグラファイトなどに絞ると需要の伸びは4,000%にもなるとしている。一方で米国は、これら重要鉱物の供給を中国など一部の国からの輸入に依存している。バイデン大統領は「こうした状況を変えるために」大統領令に署名したと強調した。ファクトシートでは、産業界と協働した主な取り組み・成果として、次を含む事項を挙げている。

気候変動対策を最重要課題の1つに掲げるバイデン政権としては、クリーンエネルギー産業で需要増が見込まれる重要鉱物に関する国内サプライチェーンの強化を急ぎたい構えだ。

(磯部真一)

(米国)

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