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シンガポール発コ・リビング事業者、日本展開へ
コ・リビング、という新しい暮らし方(後編)

2020年2月26日

シンガポールの大手コ・リビング事業者「ハムレット(Hmlet)」と三菱地所は2019年10月、合弁会社「ハムレット・ジャパン(Hmlet Japan)」を設立し、12月、東京都渋谷区神泉町に日本第1号の物件となる「ハムレット・渋谷・松濤」を開業した。職住一体型の新しい居住スタイル「コ・リビング」についての記事後編では、ハムレット・ジャパン代表取締役の佐々木謙一氏に日本でのコ・リビング事業に関して聞いたインタビュー(2019年12月18日)結果を報告する。

質問:
ハムレットへの出資、日本で合弁会社を立ち上げた経緯は。
答え:
私自身が2019年3月までシンガポールに駐在しており、複数の不動産テックのCEO(最高経営責任者)と面談した。中でもコミュニティーが充実し、アプリなどのテクノロジーも積極的に導入しているハムレットに最も将来性を感じたことから、提携・出資に至った。

ハムレット社のロゴ(左)、ハムレット・渋谷・松濤の外観(ハムレットジャパン提供)
質問:
日本ではどのような顧客をターゲットとしていくか。
答え:
日本への進出に当たって、主なターゲットとしているのは、(1)日本の大企業の社員、(2)起業家やフリーランス、ユーチューバーなど新しい働き方をしている日本の若者、(3)外国人の日本駐在員、(4)外国人の日本長期滞在者、の4カテゴリーだ。現在の入居者は、海外に拠点を持ち日本でもビジネスを展開する経営者など、日本と海外を行き来する人が多い。
質問:
コ・リビング市場として、日本にも多くのシェアハウス事業を展開するプレイヤーがいる中で、どのように差別化を図るか。
答え:
まず1点目として、前述したターゲットのうち、(3)外国人の日本駐在員、(4)外国人の日本長期滞在者については、日本で現在展開するソーシャルアパートメントなどとはターゲットが違うため、競合しないと考えている。特に、当社では英語など言語面でのサポート態勢が整っている点が強みと考えている。2点目は、テクノロジーの活用だ。ハムレットでは、メンバーのみが使用可能なスマートフォン用アプリを導入している。メンバー間の交流やイベント情報の発信などのコミュニティー形成面のみならず、外部の清掃会社やクリーニング会社との提携などを進め、室内の清掃などをアプリから発注できる仕組みを整えている。
質問:
ハムレット最大の特徴である「コミュニティー」について、日本ではどのようにマネジメントしていくのか。
答え:
シンガポールでも開催しているような、クローズドなイベントから大型のイベントまで、広く展開することを考えている。パーティーなどでも、海外のスタイルでそのまま日本でも開催するというわけでなく、日本に合った日本人にも参加しやすいかたちでの開催を考えている。例えば、物件の共用スペースで入居者とコミュニティーマネジャーで料理を作るイベントや、近くの公園でスポーツやヨガをするなど、メンバーが気軽に参加できて交流を深められるイベントを企画していきたい。イベント情報については、先に述べたアプリケーションで検索できる。
質問:
シンガポールを軸に香港、オーストラリアに展開するハムレットだが、各海外拠点はどう連携しているか。
答え:
例えば、シンガポールから日本へ1カ月以上滞在する場合は、月額の家賃を払ってもらえれば、そのまま入居できる。また、部屋の貸し出しのみではなく、出張時の訪問先や交通面などのサポートも行う。各地のコミュニティーマネジャーが連携し、情報共有を密に行ってサポート態勢を取る。

ハムレット・渋谷・松濤の屋内共有スペース(左)と屋外(ハムレットジャパン提供)
質問:
今後の日本での物件展開についてどのように考えているか。
答え:
当面は都内での展開を目指しており、主要地域、主要沿線を中心に展開していく予定。その後、名古屋や大阪、場合によっては福岡など人の流入が見込まれる地域での展開を考える。人口や市場規模の差もあることから、数年後には、日本における物件数がシンガポールの物件数(2019年末現在、2400床)を上回ると試算している。

コ・リビング、という新しい暮らし方

  1. シンガポールで広まる職住一体型世帯
  2. シンガポール発コ・リビング事業者、日本展開へ
執筆者紹介
ジェトロ シンガポール事務所
南原 将志(なんばら しょうじ)
2014年、香川県庁入庁。2018年4月ジェトロ海外調査部アジア大洋州課。2019年4月より現職。
執筆者紹介
ジェトロ・シンガポール事務所 調査担当
本田 智津絵(ほんだ ちづえ)
総合流通グループ、通信社を経て、2007年にジェトロ・シンガポール事務所入構。共同著書に『マレーシア語辞典』(2007年)、『シンガポールを知るための65章』(2013年)、『シンガポール謎解き散歩』(2014年)がある。

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