関税制度
最終更新日:2025年07月08日
管轄官庁
                    国土安全保障省(DHS)
国土安全保障省 税関・国境警備局(CBP)
                
                国土安全保障省(Department of Homeland Security:DHS )
)
            
                国土安全保障省 税関・国境警備局(Customs and Border Protection:CBP )
)
            
関税率問い合わせ先
国際貿易委員会(USITC)
                国際貿易委員会(International Trade Commission:USITC )
)
            
関税体系
関税率は、一般税率(NTR税率)、特別税率(FTA、GSPなど特恵税率)と法定税率(特定2カ国に対する税率)の3本立て。
関税システム
現行の関税法は1930年の関税法(Tariff Act of 1930)が基本となり、合衆国法律集(USC)のタイトル19「関税(Customs Duties)」として整理されている。また、1993年に成立した税関現代化法により、順次電算化が進んでいる。
- 関税システムについて:米国関税率表(後述のリンク参照)の一般解釈「General Notes」に記載
- 税関・国境警備局(CBP)の決定、ルール、関税規則案、一般通知などの情報
関税率
                関税率は「米国関税率表(United States Harmonized Tariff Schedule)」によって定められる(品目の分類に関しては、次項「品目分類」 を参照)。
                米国関税率表:国際貿易委員会(USITC) "Harmonized Tariff Schedule "
"
            
                HSコードに基づく関税率の検索データベース:USITC "USITC Tariff Database "
"
            
- 貿易相手国による関税率
                    米国の貿易相手国のほとんどは、「正常貿易関係(Normal Trade Relations:NTR)」ステータスとして扱われている。「NTR」は以前、「最恵国(Most Favored-Nation:MFN)」待遇と呼ばれていたが、大部分の貿易相手国が「MFN」待遇だったことから、特別に「最恵国」ではないという指摘に基づき、1998年から「NTR」と呼ばれるようになっている。 NTR諸国から米国に輸入される製品は、原則として同率関税が課される。米国が、あるNTR国から輸入する製品の関税率を引き下げ、あるいは関税を撤廃する際は、同じ措置が他のNTR国すべてに適用される。 NTR諸国の中には、1年間だけのNTRステータスを大統領から取り付けるか更新する必要のある国がある。そのほか、NTRステータスではあるものの、米国の法律によって通商制裁または通商制限を課せられている相手国として、イランなどがある。NTRの中に含まれない国として、キューバと北朝鮮がある。 CBP "Column 1 / Column 2 / MFN / NTR - Countries that does business with the United States  " "また、バイデン政権は、2022年4月8日にロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロシアおよび協力国のベラルーシのNTRステータスを撤回する法案に署名、両国へのNTR付与を撤回した。 
- 関税率(Tariff)の分類
                    - 一般税率:NTR諸国向け税率。日本も同税率が適用される(ただし、日米貿易協定が対象とする品目については、特別税率が適用される)。
- 特別税率:FTAや貿易協定等締結国に対する特恵税率や特定の開発途上国に対する一般特恵関税(GSP)など、特恵措置が適用される国、輸入品に対する税率。詳細は「特恵等特別措置」の項目参照。
- 法定税率:キューバ、北朝鮮、ロシア、ベラルーシの4カ国に対して適用される税率。旧来は共産圏諸国向けの税率であったが、対象国が徐々に減り、2001年末にアフガニスタンとベトナムも除外され、一時、適用国は2カ国のみになった。その後、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、2022年4月以降にロシアとベラルーシが新たに加えられている。
 
品目分類
商品の名称および分類についての統一システムに基づく「HSコード」により分類される。
- 概要
 連邦政府機関の国際貿易委員会(International Trade Commission:USITC)では、従来の複雑な関税制度を簡素化したHTS(Harmonized Tariff Schedule)と呼ばれる国際統一関税システムを米国に適用するために、HTSA(Harmonized Tariff Schedule of the United States Annotated)を編纂。その中で、品目分類とそれぞれの品目説明、一般税率、輸入量(個数)制限、特別税の有無および税率、その他の留意事項を公表している。関税一覧の細目を策定するのは国際貿易委員会(USITC)だが、現場での裁量権は、国土安全保障省傘下の税関・国境警備局(CBP)に帰属する。
- 分類番号
                    - 仕組み
 2005年からのHTSでは、従来6ケタだった基本品目分類番号を4ケタに変更し、その4ケタ番号の後に、詳細分類ごとの2ケタと4ケタの拡張コードで品目種類を規定する。例えば、HTS第15章72節(SECTION 15 Chapter 72)では、「銑鉄」の基本品目分類コードが「7201」と決められており、その銑鉄が合金ならば「7201.50」に絞り込まれ、それがさらに鏡鉄(マグネシウムとの合金)なら「7201.50.3000」となる。
 このように、HTSには、第1章(Live Animals;Animal Products)1~5節、第2章(Vegetable Products)6~14節と続き、全22章にわたり、すべての品目がコードごとに列挙されている。
- コード表
                            米国関税率表:USITC "Harmonized Tariff Schedule  " "任意の品目の税率は、次のウェブサイトで検索できる。 
 USITC "USITC Tariff Database " "
 
- 仕組み
関税の種類
                    品目により従価税、従量税あるいは併用税となる。
詳細は、次項「課税基準」参照。
                
課税基準
輸入量と輸入価格(FOB価格)を基準に課税。
課税方法は次のとおり。
- 輸入貨物の輸入量(重量、体積、あるいは個数)と輸入価格(FOB価格)を基準に、輸入者が関税率表に基づき自己申告で納税する。品目によって、従量課税、従価課税、あるいは併用課税が適用される。
- FOB価格がドル以外の外国通貨建ての場合、船荷証券記載の輸出日時点の公定換算レート(四半期ごとに発表)を使用するよう規定されている。また、特殊関税としてアンチダンピング関税や相殺関税があり、商務省の決定に基づき、その都度定められた関税率が適用される(毎年1月1日付で改訂)。
- 輸入時に輸入者が納入する関税は予定納税(Estimate Duty)であり、1年以内(通常は314日以内)に税関から通知される確定関税との差異があれば、この差額分が徴収もしくは還付される。これを関税清算(Liquidation)と言い、この決定に不服を申し立てることもできる。
対日輸入適用税率
一般税率が適用される。※日米貿易協定の対象品目を除く。
                日本からの輸入品に適用する関税率は、日米貿易協定の対象品目(一部の工業品および農産品・加工食品)については特恵税率、その他は一般税率が適用される。しかし、米国内の産業から調査要請や抗議が持ち込まれた場合、必要に応じて、国際貿易委員会(USITC)や税関・国境警備局(CBP)、通商代表部(USTR)、商務省が調査に乗り出すことがある。
                ※一般税率は以前の最恵国税率。詳細は「関税体系」を参照。
                日米貿易協定については、ジェトロの記事「日米貿易協定早わかり」を参照。
            
調査中の税関通告(Customs Ruling)は、CBPのウェブサイトにある関税判定オンライン・サーチで検索が可能。
                関税判定オンラインリサーチ:CBP "About the Customs Rulings Online Search System (CROSS) "
"
            
特恵等特別措置
米国が特恵条約、国内法などで特恵等特別措置を認めている相手国や輸入品に関するプログラムは、次のとおり。
- 一般特恵関税制度(Generalized System of Preferences:GSP)※2020年12月31日で失効。
- 米国・オーストラリア自由貿易協定(United States-Australia Free Trade Agreement)
- 米国・バーレーン自由貿易協定(United States-Bahrain Free Trade Implementation Act)
- 米国・メキシコ・カナダ協定(United States-Mexico-Canada Agreement:USMCA)
- 米国・チリ自由貿易協定(United States-Chile Free Trade Agreement)
- 米国・イスラエル自由貿易協定(United States-Israel Free Trade Area)
- 米国・ヨルダン自由貿易協定(United States-Jordan Free Trade Area Implementation Act)
- 米国・中米・ドミニカ共和国自由貿易協定(Dominican Republic-Central America-United States Free Trade Agreement Implementation Act)
- 米国・モロッコ自由貿易協定(United States-Morocco Free Trade Agreement Implementation Act)
- 米国・シンガポール自由貿易協定(United States-Singapore Free Trade Agreement Implementation Act)
- 米国・オマーン自由貿易協定(United States-Oman Free Trade Agreement Implementation Act)
- 米国・ペルー貿易促進協定(United States-Peru Trade Promotion Agreement Implementation Act)
- 米国・韓国自由貿易協定(United States-Korea Trade Agreement Implementation Act)
- 米国・コロンビア自由貿易協定(United States-Colombia Trade Promotion Agreement Implementation Act)
- 米国・パナマ自由貿易協定(United States-Panama Trade Promotion Agreement Implementation Act)
- アフリカ成長・機会法(African Growth and Opportunity Act:AGOA)
                    ※ただし、ギニア、マリ、エチオピアの3カ国については、米国通商代表部(USTR)が2021年11月2日、人道的問題を理由に、緊急措置がない場合は2022年1月1日付でAGOAに基づく特恵待遇から除外すると発表し、同日除外となった。同年11月1日にバイデン大統領はブルキナファソも2023年1月1日に特恵待遇から除外すると議会に通知した。さらに、2023年10月30日には中央アフリカ、ガボン、ニジェール、ウガンダの4カ国について、重大な人権侵害への関与や政治的多元主義、法の支配を十分に保護していないことを理由に2024年1月1日に特恵待遇から除外した。一方でモーリタリアについては労働者権利保護や強制労働撤廃への取り組みを評価し、2024年1月1日からの特恵待遇の復活を認めた。 
 USTR:2024年AGOA適格国・非適格国リスト(AGOA Eligible and Ineligible Countries – 2024 (109KB)) (109KB))
- 米国・カリブ海貿易法(United States-Caribbean Basin Trade Partnership Act)
- カリブ海経済回復促進法(Caribbean Basin Economic Recovery Act)
- アンデス諸国関税優遇および麻薬撲滅法(Andean Trade Promotion and Drug Eradication Act:ATPDEA)
- 自動車製品貿易法(Automotive Products Trade Act)
- 民間航空機貿易協定(Agreement on Trade in Civil Aircraft)
- 薬品貿易協定(Agreement on Trade in Pharmaceutical Products)
- 染料用中間化学物質に関するウルグアイ・ラウンド譲許(Uruguay Round Concessions on Intermediate Chemicals for Dyes)
- 日米貿易協定(U.S.-Japan Trade Agreement)
- 日米重要鉱物サプライチェーン強化協定(Agreement between the Government of Japan and the Government of the United States on Strengthening Critical Minerals Supply Chains)
                ※米国は1992年香港政策法に基づき、貿易制度上、香港には中国本土と異なる待遇を与えてきたが、トランプ大統領は2020年7月14日、中国政府による香港への国家安全法導入を受け、香港を中国本土と別に扱うことを正当化できる自治がもはや維持されていないとし、香港への優遇措置を停止する大統領令を発表した。これにより、U.S. Code 1304の香港への適用が停止され、香港原産の物品は中国原産と同様に扱われることになった。
                大統領令13936(The President's Executive Order on Hong Kong Normalization )
)
            
USTR:
- 一般特恵関税制度 "Generalized System of Preferences:GSP " "
 ※2020年末での失効を受けてのUSTRによるFAQ"GSP Expiration: Frequently Asked Questions (39.9KB)"も参照。 (39.9KB)"も参照。
- 各国・地域との自由貿易協定 "Free Trade Agreements " "
交渉中、発行待ちなどの協定については「WTO・他協定加盟状況」の項目を参照。
関連法
1993年に成立した税関現代化法、アンチダンピング・相殺関税(AD/CVD)プログラム、その他の輸入制限措置
税関現代化法
増え続ける通関申告への対応として、税関と輸入者双方がコンプライアンス確保の共同責任(Shared Responsibility)を負うことを定めた。税関当局に対しては「インフォームド・コンプライアンス」として、輸入者が適切な通関申告をできるような情報の提供および指導する責任を課した。一方、輸入者に対しては、コンプライアンスへの「適切な注意」と「記録管理」の責任を課している。
                税関・国境警備局(CBP)"Recordkeeping (243KB)"
(243KB)"
            
アンチダンピング・相殺関税(AD/CVD)プログラム(Antidumping and Countervailing Duty:AD/CVD)
- 概要
                    米企業に対する外国企業によるダンピングや輸出国政府による補助金等の供与の影響を緩和することを目的とした政策で、米国の主要な貿易救済措置として発動されてきた。主要管轄機関はCBP、商務省、国際貿易委員会(USITC)。 - ADとは米国の産業に実質的な損害をもたらす外国産品に対し、当該産品の正常価格との差額を関税として課す措置。
- 輸出元の国で売られる価格(正常価格)より低い価格で(米国市場で)売られる外国産品があれば、ダンピングとして認識される。
- 当該外国産品の正常価格と米国市場での価格差を「ダンピング・マージン」と呼ぶ。
- CVDとは輸出国政府が同国の企業に供与した補助金等の支援により競争力を高めた産品の輸入が、米国の産業に実質的な損害をもたらす場合、その補助金の効果を相殺するために発動可能な関税引き上げ措置。
- AD/CVD法は、ダンピングや外国政府による自国産業の輸出支援(特に補助金)および国内の産業への損害等を調査する権限を米政府機関に与える。
 
- AD/CVD調査
                    AD/CVD法に基づくダンピングおよび補助金調査は商務省(DOC)とITCが直接関与する。AD法に基づき外国産品によるダンピングの有無を調査する際、DOCは、当該産品の米国内価格と輸出国内価格を検証する。CVDの場合は、輸出国政府の補助金の存在、特定性などを検証する。ITCは米国の当該産業にもたらされた損害を精査する。 申請→調査開始→ITCの仮決定→DOCの仮決定→DOCの最終決定→ITCの最終決定といったプロセスを経る。損害が認定されなければ、その時点で調査は終了する。ITCの6人の委員の裁定により、最終決定が下される。 税関・国境警備局(CBP) "Antidumping (AD) and Countervailing Duties (CVD)  " "国際貿易委員会(USITC): 
その他の輸入制限措置
                トランプ前政権下で輸入規制措置が発動される機会が増えた。トランプ前大統領は、2018年1月に米国際貿易委員会(USITC)による1974年通商法201条調査結果に基づき、太陽光セル・パネルおよび洗濯機・その部分品の輸入に対して緊急輸入制限(セーフガード)措置の発動を決定。3月には商務省(DOC)による1962年通商拡大法232条調査結果に基づき、鉄鋼・アルミニウム製品に対してセーフガード措置の発動を決定した。
                さらに、米通商代表部(USTR)による1974年通商法301条調査結果に基づき、中国産品の輸入に対して2018年7月から追加関税の賦課を開始した。7月には、乗用車、プリンター部品、磁気ディスクドライブ等のストレージなど計818品目(リスト1)に対して追加的に25%、8月には電気機器や半導体など計279品目(リスト2)に対して追加的に25%、9月には計5,745品目(リスト3)に対して追加的に10%、2019年5月には10%の税率を25%に引き上げた。
                その後、2019年9月に3,243品目(リスト4A)に対して15%の追加関税を発動した。12月には残りのリスト4Bに対して15%の追加関税を発動する予定であったが、同月に中国との貿易交渉の第1段階の合意を受けてリスト4Bの発動を見送ると同時に、第1段階の米中経済・貿易協定の発効を受けて2020年2月14日以降、リスト4Aの追加関税を15%から7.5%に引き下げた。
                301条に基づく報復措置は、発動から4年間が満了する最後の60日間に、報復措置による恩恵を受ける国内産業界から継続要望がなければ終了することになっている。USTRは2022年9月に、継続要請を受理したため中国への追加関税を継続すると発表した。
                それ以降もバイデン政権は追加関税の見直しを進め、2024年5月に基本的には既存の追加関税を維持しつつ、鉄鋼・アルミニウム、半導体、電気自動車(EV)、バッテリー、重要鉱物、太陽電池、船舶対陸上(Ship-to-Shore:STS)クレーン、医療製品などの戦略分野で追加関税を3段階に分けて引き上げる旨発表した。第1段階の引き上げは鉄鋼・アルミニウム、EV、EV用リチウムバッテリー、太陽電池など計367品目を対象として同年9月27日に引き上げられた。さらに、同年9~10月にかけては中国原産のタングステン、ポリシリコン、ウエハーをあらたに追加関税の対象に含める旨提案、利害関係者からパブリックコメントを募った。
            
                また、USTRは2019年10月、1974年通商法301条調査結果に基づき、EUが欧州大手航空会社エアバスに不当な補助金を拠出していることへの対抗措置として、EU原産品の輸入品目に対して、追加関税の賦課を開始した。そのうち、2020年3月には大型民間航空機への追加関税を10%から15%に引き上げ、同年8月にはドイツやフランス産ジャム7品目を追加関税の対象に加えるなど一部変更している。さらに、2021年1月12日からは、フランスとドイツ産のワイン等酒類の一部(追加関税率25%)、航空機部品の一部(同15%)も追加関税の対象に加えた。
                ただし、EUおよび英国との大型民間航空機メーカーへの補助金問題については、2021年6月15日(英国とは同17日)にバイデン大統領が貿易紛争の解決に向けた新たな協力枠組みを記した了解を両国・地域との間で交わした旨発表、追加関税を5年間停止することになった。
            
                最新の関税率については「米国関税率表」を参照。
                米国関税率表:USITC "Harmonized Tariff Schedule "
"
            
関税以外の諸税
                    税関が、関係官庁に代わって徴収する諸税や手数料がある。
内国消費税、商業貨物税関使用料、港湾維持料など。
                
                関税以外に、税関が他の官庁に代わって徴収する諸税や手数料は次のとおり。
                CBP "Duty, Taxes and other Fees required to import goods into the United States "
"
            
内国消費税(Excise Tax)
                税関が、内国歳入庁(IRS)に代わって、輸入貨物に対する内国消費税を輸入時に徴収する。
                対象品目は、アルコール飲料やたばこ等。
            
                財務省 アルコール・タバコ税貿易管理局(Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau:TTB)
                "Tax and Fee Rates "
"
            
                その他対象品目等、詳細についての問い合わせは各輸入港まで。
                各港湾の連絡先:CBP "Locate a Port of Entry "
"
            
商業貨物税関使用料(Merchandise Processing Fee)
税関の使用料。2.の免除貨物を除き、関税無税品を含むすべての貨物を対象として徴収される。
- 現行手数料率
                    - 2,500ドル以上または繊維製品などの制限品目以外の輸入申告額(FOB価格)の0.3464%(最低31.67ドル~最高614.35ドル)。
- USMCA実施法により、カナダおよびメキシコの原産品は無料(ただし、USMCA特恵関税の申請と併せて免除の申請をする必要がある)。
- 略式輸入(制限品目以外の2,500ドル未満の小口貨物)の場合は2.53~11.40ドル。
                            連邦官報 "COBRA Fees to be Adjusted for Inflation in Fiscal Year 2024  " "
 
- 手数料免除貨物
                    - 米国関税率表第98類の減免税品目(一部例外あり)
- 米国属領(グアム、米領サモア、ヴァージン諸島、プエルトリコ)産品
- 後発開発途上国産品
- カリブ海諸国経済復興(CBI)対象国・地域産品
- イスラエルとの自由貿易協定対象産品
- その他自由貿易協定の対象国・地域産品(例外あり)
 
港湾維持料(Harbor Maintenance Fee)
                水資源開発法(1986 年Public Law 99-662)および同法改正に基づき、輸入品、国内貨物、外国貿易地域(FTZ)への搬入、商用船舶に対し従価税が課される。
                費用:積荷価値などの0.125%。
            
その他
関税払戻し、減免税措置、一時的な免税輸入
関税の払戻し
貨物を米国から再輸出した場合、輸入した際に支払った関税、内国消費税の99%を、原則として、輸入者からの申請に基づき払い戻す制度。ただし、アンチダンピング税や相殺関税は対象外(19USC1313)。
適用対象は次のとおり。
- 同一状態での再輸出および破棄貨物
 3年以内に再輸出、または税関監視下で破棄された場合。
- 違約品
 契約上の見本、使用に合致しない物品、受荷主の合意なく送られてきた貨物で、90日以内に税関の管理下に戻され、税関の監督下で再輸出された場合。
- 製造貨物
 輸入品の一部または全部を用いて米国で製造された物品が、輸入後5年以内に再輸出された場合。
- 代替貨物
 輸入貨物と同種類の国内品または関税支払品を用いて、輸入後3年以内に製造もしくは生産し、5年以内に再輸出された場合。
                U.S. Code 1313 "Drawback and refunds (184KB)"
(184KB)"
            
                税関・国境警備局(CBP)"Drawback "
"
            
減免税措置
輸入時に一定の条件を満たしている場合には、関税対象品目であっても当該関税が減免される。主な規定は次のとおり。
- 米国関税率表第98類は、無条件減免税あるいは税関保証金(ボンド)を差し入れるとの条件下で特定減免税が適用される輸入事例を20項に分類、規定している。例えば、船積用のコンテナ、米国政府機関の購入品、在米外国政府・国際機関の輸入品、商品見本、米国水産業者による水産物、ボンド差し入れによる展示品や一時輸入品など。
                    米国関税率表:USITC "Harmonized Tariff Schedule  " "
- 再輸入品
                    米国から輸出され、再輸入される貨物は、外国で加工、組立等により付加価値が付くか否かで分類が異なる。原則として、貨物が輸出時と同じ状態で戻ってくれば免税。外国で付加価値が付けば、付加価値分だけが課税され、減税扱い。 CBP "HTS Subheading 9801  " "
ATAカルネによる一時的な免税輸入
- 概要
                    ATAカルネは、ATAカルネ条約に加盟する各国の商工会議所国際事務局が作成する、関税の支払いなしで暫定輸入をするための保証付きの通関書類である。主に見本品を輸出する際に用いられ、保税担保による方法(Temporary Importation under Bond:TIB)と同様の効力を有する。 TIBよりも手続きが簡素なため、多くの輸入者が利用している。ATAカルネの有効期間は1年で、この期間内であれば、米国への輸出入が回数の制限なしに可能。また、米国に限らずATAカルネ条約加盟国への輸出入も可能である。 TIBとの違いは、TIBの場合、輸入者自身の入国手続きとは別に、書類の記入や保税支払いなどの通関手続きを済ませなければならないが、ATAカルネの場合は、出国前に、カルネと呼ばれる通関書類を発行するだけで、あとは手続きの必要がない。発行には、手数料と保証金の支払いが必要。 
- ATAカルネの対象商品
 商業用見本品や専門職用機器、広告用材料のほか、コンピュータやカメラ、産業機械、宝飾品のほか、美術品など。ただし、農作物や予め売買が予測される商品の輸入は、この限りではない。
                ATA カルネについて:商務省国際貿易局(ITA) "ATA Carnet "
"
            
外国貿易地域(Foreign Trade Zone)に搬入される輸入品
1934年外国貿易地域法に基づき、外国貿易地域(Foreign Trade Zone:FTZ)が設けられている。FTZに搬入された貨物は無期限の蔵置が認められており、FTZから国外に再輸出された場合は、通関手続きと関税支払いは免除される。他方、米国市場での販売を目的にFTZから米国内に持ち込む場合は、通関手続きおよび関税の支払いが必要となるが、[1]FTZに持ち込んだ原材料や部品に係る関税、または[2]これら原材料や部品を用いてFTZ内で生産した完成品に係る関税、のどちらかを選択して支払うことが、一般的には可能になっている。
                FTZについて:CBP "About Foreign-Trade Zones and Contact Info "
"
            






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