日本からの輸出に関する制度

コメの輸入規制、輸入手続き

米国の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2019年8月

コメは、米国農務省(USDA)で穀物の品質基準を担う、農業マーケティング局(Agricultural Marketing Service)によって規格が定められています。精米の定義として、殻および少なくとも外側のぬか層が除去されており、種子、もみ、または異物の含有率が単独でまたは組み合わせで、10.0%以下である、米の全粒または割れ粒であることが指定されています。

関連リンク

関係省庁
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その他参考情報
農業マーケティング局から入手できる主な情報

2. 残留農薬および動物性薬品

調査時点:2019年8月

米国における農薬の規制は環境保護庁(EPA)と食品医療品局(FDA)が管轄しています。EPAは農薬の種類と最大残留農薬限度(MRL)の承認と登録、FDAは食品においてEPAが設定した規制を執行する役割を担っています。

EPAは、農薬成分および未加工の農産物ごとに残留農薬の許容量を設定(ポジティブリスト制)しており、米国に輸入されるコメは、その基準を満たしていなければなりません。なお、一部の農薬成分については、人体に安全だとして許容量の設定を免除しているものもあります。

許容量を超えて農薬成分が残留しているコメ、およびEPAが残留農薬の許容量設定も免除も行っていない農薬成分が残留しているコメは、米国に輸入することができないため、日本から米国向けのコメ輸出にあたっては、使用可である農薬か否か、そして残留する農薬の許容値について事前に確認しておく必要があります。
食品の残留農薬に関する基準の詳細は、関連リンクの「米国連邦規則集第40巻パート180(40CFR Part180)」に係る説明項目(Indexes to Part 180 Tolerance Information for Pesticide Chemicals in Food and Feed Commodities)で確認してください。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2019年9月

食品に含まれる有毒および有害な物質の許容量は、食品医薬品化粧品法第406条に基づく規則で定められています。現在、FDAが規則で食品に関して暫定残留許容濃度を定めている物質はポリ塩化ビフェニル類(PCB類)のみで(21CFR Part109.30)、ヒ素および有害重金属などの汚染に関する規制については、総括的な法的水準は決められていないのが現状です。それぞれの有毒・有害物質が長期的に健康に与える影響は不明確とし、有害な物質の含有はなるべく避けることが望ましいとされています。

1. 有毒・有害物質の欠陥対策レベル

FDAは、有毒・有害物質に関する欠陥対策レベルをガイダンス「ヒト向け食品および動物飼料に含まれる有毒・有害物質に関する対策レベル」として2000年に発行しています。同ガイダンスでは、19種類の有毒・有害物質について、食品と飼料の品目別に対策レベルの値(ppmなど)が設定されています。各物質の欠陥対策レベルの値は食品によって異なりますが、同ガイダンスでは、ヘプタクロルおよびヘプタクロルエポキシド(殺虫剤の一種)について「コメ」においては0.3ppmと設定しています。

なお、このガイダンスには規則のような法的拘束力はありませんが、FDAが法的措置を発動するかどうかを決定する際の基準と位置付けられています。従って、有毒・有害物質の含有量が欠陥対策レベルを下回っている必要があります。

2. トータルダイエットスタディに基づく参考指標

米国では、1991年からさまざまな食品に含まれる物質(ヒ素および有害重金属などを含む)のトータルダイエットスタディ(Total Diet Study:TDS)が実施されており、FDAのウェブサイト上で結果が公開されています。これは法的に設定された許容量や基準値ではありませんが、米国で消費されているさまざまな食品中におけるヒ素や有害重金属などの含有量について、最小値、最大値、平均値などを知ることができるため、参考指標として有効利用することができます。
2017年発表の直近データでは、2006年から2013年のサンプリングで次のような結果となっており、米国で消費されている食品に含まれるヒ素および有害重金属などの参考指標として活用することができます。ここでは一例として、白米(栄養分添加、調理済み)の例を取り上げます。

白米(栄養分添加、調理済み)に含まれるヒ素および有害重金属等の参考指標(mg/kg)
名称 最小値 最大値 平均値
ヒ素 0.036 0.111 0.063
カドミウム 0.000 0.014 0.006
0.5 1 0.8
0 0 0
マンガン 3.00 5.80 4.40
亜鉛 3.70 7.70 5.50

3. その他

米国では、連邦レベルより州レベルでさらに厳しい規制を設けている場合があるため、詳しくは、州、地方自治体のウェブサイトで確認してください。

一般的に、カリフォルニア州は、全米で最も食品に対する規制が厳しいとされています。具体的には、カリフォルニア州法プロポジション65(安全飲料水および有害物質施行法:Prop.65)の警告表示に係る改正で、2018年8月30日以降は、警告文に有害物質名を少なくとも一種類表示し、その物質を’含む’ではなく、’暴露する’という表現にする、インターネットでの販売にも該当する製品には警告文の表示をすることが義務付けられました。なお、生殖毒性があるとされるビスフェノールA(BPA)に関しては、当該製品の容器に表記する、または小売店の棚の表示でも製品を明確にすることにより消費者などに警告することが義務付けられました。BPAに関しては、緊急法に基づく暫定措置として、全体警告を認め、個々の商品もしくは商品棚への警告の義務は免れていましたが、2017年12月30日で終了し、2017年12月31日以降は個々の商品もしくは商品棚への警告表示が必要となり、全体警告も認められません。Prop.65の有害物質リストは900種類以上に及び、年に2~3回はリストの内容が変更されるので、確認の際には必ず直近のリストを参照してください。

4. 食品添加物

調査時点:2019年8月

精米については、食品添加物に関する規制はありません。

ただし、米国に輸入されるコメの加工品に含まれる食品添加物に関する規制は、合衆国法典第21巻348条(21U.S.C.348)Food Additivesに基づいて行われています。食品添加物の定義は、合衆国法典第21巻321条(21U.S.C.321)により規定されており、食品に対して直接または間接に使用が認められている食品添加物やそれに係る規則は、米国連邦規則集第21巻パート170 から189(21CFR Part170-189)に列挙されています。

米国において新規の食品添加物を使用する場合には、GRAS通知、または食品添加物申請(Food Additive Petition:FAP) をFDAに申請し、事前許可を得る必要があります。

なお、食品の製造、梱包、包装、輸送または保管に用いられる資材を構成している物質であって、食品の性質に技術的な影響を与えないものを食品接触物質とよび、食品添加物として定義しています。食品接触物質に関する情報は、後述の「5.食品包装規制」の項目を参照してください。

着色料に関する規制は、合衆国法典第21巻379条e(21USC379e)に基づいて行われています。使用することができる着色料は、日本で許可されているものとは異なるため、FDAウェブサイト上の「使用が許可されている着色料一覧(Color Additive Status List)」と「米国連邦規則集第21巻パート70~82(21CFR Part70-82)」を確認してください。

特に、赤色102号については日本をはじめEUやアジアの主要国では食品添加物として使用が認められていますが、米国では認められていません。また、クチナシ、ベニバナ、ベニコウジも日本では古くから着色料として広く使用されていますが、米国では食品添加物として使用することはできません。

5. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)

調査時点:2019年8月

食品の製造、梱包、包装、輸送または保管に用いられる資材を構成している物質であって、食品の性質に技術的な影響を与えないものを食品接触物質(Food Contact Substances:FCS)といいます〔食品医薬品化粧品法第 409 条(h)(6)、合衆国法典 21U.S.C.348(h)(6)〕。FDAは、食品接触物質を間接添加物(Indirect additive)として、食品添加物として定義しています。なお、包装などの資材を構成している成分が溶出し食品に移行するかどうかを確認する責任は、資材の製造業者に委ねられています。

食品接触物質は、FDA 規則に合致している物質(次の1を参照)でない場合は、FDA への食品接触物質通知(次の2を参照)が必要です。

1. 食品接触物質の規制の適合確認

次の規則にあてはまらない食品接触物質は、FDA への食品接触物質通知をしなければなりません。

  • 間接添加物(連邦規則集 21CFR Part174~179)
  • GRAS(連邦規則集 21CFR Part182,184,186)
  • 1958年以前に容認されている物質(Prior Sanctioned Material, 連邦規則集 21CFR Part181)
  • 規制の適用除外になる物質(Threshold of Regulation Exemption, 連邦規則集 21 CFR Part 170.39)

2. FDA への食品接触物質通知(Food Contact Substance Notification)

食品接触物質の製造業者あるいは供給業者は、上市の 120 日以上前にその物質の情報をFDA に通知しなければなりません(連邦規則集 21CFR Part170.100)。通知から120日の間に FDA から異議申し出がない場合はその通知が有効となり、食品接触物質の使用が合法となります(連邦規則集 21CFR Part170.104)。ただし、食品接触物質通知は、申請した製造業者に対して有効となるものであるため、同じ物質であっても申請した製造業者以外の製造業者には、通知の効果は及びません。提出方法および提出先については関連リンクの「その他参考情報」の「申請フォーム FDA3480」を参照してください。

なお、カリフォルニア州におけるビスフェノールA(BPA)の警告表示については、食品関連の規制 「3.重金属および汚染物質」を参照してください。

関連リンク

関係省庁
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根拠法等
合衆国法典
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米国保健福祉省・食品医薬品局(FDA)から入手できる主な情報
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その他

6. ラベル表示

調査時点:2019年8月

コメを含む食品のラベル表示は、公正な包装および表示法(Fair Packaging and Labeling Act)により規制されています。コメを商業目的で米国に輸入するには、CBPおよびFDAが定める表示を行わなければなりません。
条件によっては表示義務が免除されますが、一般的に表示しなければならない項目は次のとおりです。表示は英語で行わなければなりません。詳しくは、関連リンクの「食品表示ガイド」(FDA)で確認してください。

主要表示パネル:PDP(Principal Display Panel)
  1. 食品名称 / 識別事項
  2. 内容量・正味重量
情報パネル:IP(Information Panel)
  1. 原材料名〔未加工のコメの場合は必要ない。ただし、2種類以上の原材料(添加物を含む)が使用されている場合は、それぞれの名称を表示しなければならない。また、アレルギー原因物質を含む場合は、その名称を表示しなければならない。〕
  2. 栄養成分表示(未加工のコメ、および輸入後に加工、再包装されるコメには表示の義務はない。)
  3. 製造業者、包装業者、流通業者のいずれかの名称と住所
  4. 警告および取り扱い上の注意
  5. 原産国

なお、4.栄養成分表示について、2016年7月26日に改正法が施行されました。改正のポイントは次のとおりです。

  • 消費者に見てほしいサービングサイズやカロリーの文字をより大きく太字にして強調する。
  • 栄養素表示に”added sugars”を新たに追加する。
  • ビタミンA、ビタミンCの代わりにビタミンDとカリウムの表示を追加する。

FDAは食品製造業界が対応に必要な期間を考慮し、2018年5月、改正法への対応期限を当初の期日からそれぞれ1年半延期し2020年1月1日まで、ただし売上高1,000万ドル以下の小規模製造業者は2021年1月1日までとすることを公表しました。

7. その他

調査時点:2019年8月

米国に輸入されるコメ・コメ加工品の安全は、FDAが管轄しています。米国にコメ・コメ加工品を輸出する製造/加工、梱包、保管施設は、食品の衛生および安全性を確保することを目的とした現行適正製造規範(Current Good Manufacturing Practice In Manufacturing, Packing or Holding Human Food:CGMP)に従った衛生管理などを行う必要があります。

また、2011年1月に成立した食品安全強化法(Food Safety Modernization Act:FSMA)第103条により、米国で消費される食品を製造/加工、梱包、保管する施設は、危害分析およびリスクに基づく予防管理(Hazard Analysis and Risk Based Preventive Controls)によって、食品安全計画の策定と実施が義務付けられています。FSMA第301条に基づき、輸入業者による外国供給業者検証プログラム(Foreign Supplier Verification Program:FSVP)として、輸入食品に対する安全検証活動にも応える必要があります。さらに、2019年7月以降は、第106条に基づき「意図的な食品不良事故の防止(食品防御)」にも対応する必要があります。適用対象や要件などの詳細は、関連リンクの「食品安全強化法(FSMA)に関する情報」(ジェトロ)で確認してください。

なお、未加工の農産物の生産などについては、食品安全強化法第105条(Standards for Produce Safety:農産物の安全性基準)の施行に伴い、科学的根拠に基づく具体的な安全基準を定めた規則(Produce Safety Standard)が制定されています。コメは食用穀類(food grains)として定義され、生で消費されないため、同規則の対象である「農産物」の定義には含まれていません。

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