日本からの輸出に関する制度

花きの輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する花きのHSコード

0601 りん茎、塊茎、塊根、球茎、冠根および根茎ならびにチコリーおよびその根(第12.12項のものを除く。)
060210根を有しない挿穂および接ぎ穂
060230シャクナゲ、ツツジその他のツツジ属の植物(接ぎ木してあるかないかを問わない。)
060240バラ(接ぎ木してあるかないかを問わない。)
060290その他の生きている植物(盆栽が含まれる。)
0603 切花および花芽(生鮮のものおよび乾燥し、染色し、漂白し、染み込ませまたはその他の加工をしたもので、花束用または装飾用に適するものに限る。)

具体的な製品の内容により異なる場合があるため、詳細は必ず確認してください。

米国での輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2022年9月

日本から切花を輸入するにあたって、実が付いているものおよびワシントン条約(CITES)が関係するものは、輸入許可が必要です。 切花に実が付いている場合には、Form PPQ 587(植物または植物製品輸入許可申請書)を用いて輸入許可を申請します。
ワシントン条約が関係する切花を輸入する場合には、Form PPQ 621(保護されている陸上植物または植物製品の輸入、輸出または再輸出の事業を行うための保護植物許可申請書)およびForm PPQ 587を用いて輸入許可を申請します。
申請はオンラインまたは郵送で可能ですが、輸入許可証のプロセスの迅速化のため、米国農務省(US Department of Agriculture:USDA)の動植物検査局(USDA APHIS)はオンライン申請を推奨しています。

なお、2022年9月30日をもって、APHISはePermitsによる新規許可申請の受付や更新の発行を終了し、eFileで申請することを求めています。ePermitsのデータはAPHIS eFileに移行されないことから、ePermits の許可証の有効期限が切れた場合は、APHIS eFile で新たに申請する必要があります。

【保護植物許可証の申請手続きやForm PPQ 621に関する問い合わせ先】
PPQCITESESAPermits@usda.gov
1- 301-851-2046

キク属の一部などは栽培園地検査などの条件を満たす必要があり、植物検疫証明書などが必要です。詳細については「3.動植物検疫の有無」の項を参照してください。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2022年9月

日本から花きを輸入するにあたって、通関に必要な書類は次のとおりです。

通関書類
  • エントリーマニフェスト(CBP Form 7533)あるいは貨物引き取り申告(CBP Form 3461)、またはポートディレクターが要求する商品の引き取りに必要なその他の書類
  • 通関権の証明
  • 商業インボイスなど
  • パッキング・リスト
  • その他輸入が認められるか否かを判断するために必要な関連資料・情報(Entry Summary (CBP Form 7501)、船荷証券(Bill of Lading)、輸入許可証(Form PPQ 587: 植物または植物製品輸入許可申請書、Form PPQ 621:保護されている陸上植物または植物製品の輸入、輸出または再輸出の事業を行うための保護植物許可申請書による許可証などが必要なこともあり)、原産地証明(必ずしも必要ではないが求められることもあり)、輸出検疫証明書(植物検疫証明書:phytosanitary certificate(※))など)
  • インポート・セキュリティ・ファイリング(Import Security Filing: ISF)。(海上輸送で米国に輸入される貨物は、最後の外国港を出発する24時間前にISFの申請が必要となります。)

(※)植物検疫証明書について
2022年10月1日から、APHISとCBPは植物検疫証明書とフォームに関して、署名された原本およびアップロードされたコピーの両方を受理しています。受理可能な書類は次のとおりです。

  • 普通紙またはセキュリティ用紙に署名またはデジタル署名された植物検疫証明書のハードコピーの原本。
  • 植物検疫証明書およびフォームの署名されたハードコピー原本のスキャン。
  • 署名またはデジタル署名された外国での検査および/または処理証明書のハードコピーの原本、および、署名またはデジタル署名された PPQ Form 203のコピー。
  • 署名された外国での検査および/または処理証明書とPPQ Form 203のスキャンまたはデジタルコピー、および
  • 参加国(ただし日本は未参加)のePhytoシステムで作成された植物検疫証明書。

品目によっては輸入許可証を求められることがあります。詳しくは、輸入規制「2.施設登録、輸出事業者商品登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)」を参照してください。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2022年9月

米国に輸入される切花は、すべての輸入要件を満たし、有害な植物の害虫や病気がないことを確認するため、輸入時の検査の対象となります。輸入時の検査において米国の税関・国境警備局CBPの担当官が切花に有害な植物性害虫や病気を見つけた場合、または入国要件を満たしていない場合、切花の輸入は拒否されます。

米国へ輸出が可能な切花は、米国農務省(US Department of Agriculture:USDA)の動植物検査局(USDA APHIS)が輸入を許可した品目のみで、植物によっては輸出国の植物検疫証明書が必要です。検疫条件はUSDAのACIRデータベースで確認ができます。
例えば、ユリ、カーネーションなどについては、国名に日本、そして植物の種類にユリ、カーネーションと植物名を入力すると輸出国の植物検疫証明書は不要という情報が確認できます。

特に注意が必要なのは、米国連邦規則集 第7巻319.74条(7 CFR 319.74) に関する検疫対象のキク切花の輸入検疫令です。キク白さび病の宿主植物として記載されている種の切花であるため、キク切花を輸出するためには、「輸入規制」の「3.動植物検疫の有無」に記載の対応が必要となります。

米国での輸入検査の際にキク白さび病が発見された場合は、再発防止について日米の植物防疫機関が合意するまで、当該キク切花を生産した栽培園地からの米国向けのキク切花の輸出はできません。

輸入時の検査・検疫にかかる問い合わせ先は次のとおりです。

【問い合わせ先】
USDA’s Plant Protection and Quarantine’s Customer Service
Plantproducts.permits@aphis.usda.gov
1-301-851-2046
1-877-770-5990 (フリーダイヤル自動音声システム)
1-301-734-5786(Fax)

なお、米国に輸入される切花には残留農薬検査と重金属等検査は該当しません。

4. 販売許可手続き

調査時点:2022年9月

米国で切花を販売するために必要となる、連邦政府が定める免許や登録はありませんが、一般的に、州、地方自治体が定める免許の取得や事業の登録が必要です。これらは、州、地方自治体が独自に定めており、業態などによって必要となる手続きは異なります。
詳しくは、州、地方自治体のウェブサイトで確認してください。

5. その他

調査時点:2022年9月

なし

米国内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2022年9月

米国に輸入される花きは、関税の対象となります。日本から米国へ輸入される切花に課せられる関税(一般税率)は品目によって異なります。 関税表は、米国国際貿易委員会(USITC)が管理しています。関税率については、関連リンクの「世界各国の関税率(WorldTariff)」で確認してください。

花きの関税率
HSコード 税率
0601:りん茎、塊茎、塊根、球茎、冠根および根茎ならびにチコリーおよびその根(第12.12項のものを除く。) 19.2¢~$1.44/1000
1.4~3.5%
060210:根を有しない挿穂および接ぎ穂 4.80%
060230:シャクナゲ、ツツジその他のツツジ属の植物(接ぎ木してあるかないかを問わない。) 1.9%(次に注記)
060240:バラ(接ぎ木してあるかないかを問わない。) 無税
060290:その他の生きている植物(盆栽が含まれる。) 無税
1.4~4.8%(次に注記)
1.4¢/kg
0603:切花および花芽(生鮮のものおよび乾燥し、染色し、漂白し、染み込ませまたはその他の加工をしたもので、花束用または装飾用に適するものに限る。) 3.2~6.8%(次に注記)

2019年12月4日に日本国会で承認された日米貿易協定(2020年1月1日発効)により、原産地規則を満たす一部の加工食品が米国側で関税削減または撤廃の対象となります。例えばHSコード 060230のシャクナゲ、ツツジその他のツツジ属の植物の関税は、一般的には1.9%ですが、同協定により無税となっています。HSコード 060290に含まれる生きている多年生植物(ランを除く)やその他の生きている植物の関税は、一般的には1.4~4.8%ですが、同協定により無税となっています。HSコード 0603に含まれる切花(生鮮のもの)(ミニチュア(スプレー)カーネーション)と、切花および花芽(乾燥し、染色し、漂白し、染み込ませまたはその他の加工をしたもので、花束用または装飾用に適するもの)の関税は、一般的にはそれぞれ3.2%と4%ですが、同協定により無税となっています。そして、HSコード 0603に含まれる切花(生鮮のもの)(ラン、キク、ゆり(リリウム属のもの)、アンスリウム、アルストロメリア、カスミソウ、ユリ、キンギョソウおよびその他の花)の関税は一般的には6.4%ですが、段階的に2年目に50%関税削減され3.2%となっています。

2. その他の税

調査時点:2022年9月

州、地方自治体へ納付する売上税
米国内では地方自治体により売上税が課されます。州ならびに郡や市の地方自治体により売上税の合計税率が異なるため、USITC、CBP、州、地方自治体のウェブサイトで確認する必要があります。

3. その他

調査時点:2022年9月

商業貨物税関使用料、港湾維持料
輸入者は切花の輸入にあたって、関税だけでなく商業貨物税関使用料(Merchandise Processing Fee:MPF)を納付する必要があります。正式通関(Formal Entry)の場合、MPFは輸入申告価格(FOB価格)の0.3464% で、最低27.75ドル、最高538.40ドルです。さらに、船便による輸入の場合には、輸入者は貨物価格の0.125% の港湾維持料(Harbor Maintenance Fee:HMF)を納付する必要があります。これらは米国国土安全保障省・税関・国境警備局(CBP)が徴収しています。
州、地方自治体へ納付する売上税
米国内では地方自治体により売上税が課されます。州および郡や市の地方自治体により売上税の合計税率は異なるため、USITC、CBP、州、地方自治体のウェブサイトで確認する必要があります。

その他

調査時点:2022年9月

なし