日本からの輸出に関する制度

水産物の輸入規制、輸入手続き

カナダの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2018年8月

カナダへの水産物の輸入では、生きたモズクガニ、およびフグの輸入は禁止されています。
また、生きた、もしくは生の軟体動物甲殻類、貝類(アサリ、ムール貝、牡蠣、ホタテなど)の輸入は、カナダ食品検査庁が特定品種の輸入を認めた国で、当該国の認定した施設の製品のみ輸入が認められています(ただし、ホタテは内臓や卵部分を除去した貝柱のみの場合は本規制の対象外です)。調査時点で輸入が認められている国・地域は、チリ、EU、韓国、メキシコ、ニュージーランド、サンピエール島およびミクロン島、米国のみで、日本からこれらの輸出を行うことはできません。

この他、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、カナダ政府は2011年4~6月にかけて日本からの輸入食品・飼料の定期検査を行うとともに、安全性を証明する書類の提出を求めていましたが、2011年6月13日以降、こうした上乗せ規制は撤廃されており、前述品目以外の輸入禁止(停止)は行われていません。

なお、関連リンクの「根拠法等」に掲載している「水産物検査規則」は、2019年1月15日の「カナダ食品安全規則」施行に伴い撤廃となります。

2. 施設登録、商品登録、輸入許可等(登録に必要な書類)

調査時点:2018年9月

カナダの水産物の輸入業者は、カナダ食品検査庁(Canadian Food Inspection Agency:CFIA)より発行される輸入ライセンスを輸入前に取得する必要があります。輸入者は、ライセンス申請に際して輸入製品に対する全責任が課せられるとともに、製品の各規則への準拠を保証することが求められます。
ライセンスには水産物輸入ライセンス(Fish Import License)と品質管理プログラム輸入ライセンス(Quality Management Program Import(QMPI)License)の2種類があり、どちらかを取得する必要があります。有効期限はともに1年間で、前者の申請料は500カナダドル、後者は5,000カナダドルです。
前者では、カナダ食品検査庁から通達があるまで輸入者の製品販売が禁止されています。後者では、カナダ食品検査庁の提示する輸入者向け品質管理プログラムの基準に適応する品質管理計画を開発・実施することが求められ、自ら製品検査を行いカナダ食品検査庁に結果を報告することが求められます。

ライセンスの取得に加えて、輸入業者は事業者番号(Business Number)をカナダ歳入庁(Canada Revenue Agency)から取得し、カナダ国境サービス庁事務所に輸出入口座を開設する必要があります。その後、製品がカナダに到着する前に、カナダ国境サービス庁へ電子取引プログラム(Electronic Data Interchange: EDI)を用いて輸入手続きを行います。製品輸入前、あるいは輸入後48時間以内に、製品の種類、量、製造者名、原産国、輸送の際のそれぞれの製品の保管場所など、全24項目をCFIAに所定フォーム(Fish Import Notification Form)で届け出る手続きが必要です。

なお、カナダ食品検査庁(Canadian Food Inspection Agency: CFIA)は2018年6月13日、2012年に施行されたカナダ食品安全法(Safe Food for Canadians Act)の下、カナダ食品安全規則の最終版が官報で公示され、2019年1月15日の施行となることを発表しました。新規則は食品の種類別に設けられている14の現行規則を統合し、すべての食品にかかわる輸入、輸出、カナダ国内の州間の移動を規制するもので、輸入食品の安全に対する輸入業者の責任の強化、カナダ食品検査庁による輸入業者の把握、安全性に疑いのある輸入品の迅速な確認・対応と当局への連絡などが求められ、当該輸入食品の輸入業者はライセンスが必要となります。

冒頭に述べた2種類のライセンス供与は水産物検査規則に基づくプログラムですが、2019年1月15日のカナダ食品安全規則施行に伴い、水産物検査規則が撤廃されることから本プログラムも廃止されます。2019年1月15日以降は、カナダ食品安全規則のライセンス供与プログラムに基づく輸入者ライセンスを取得しなければなりません。ただし、輸入者は2019年1月15日以降も2種類のライセンスの有効期限内は新たにカナダ食品安全規則による輸入者ライセンスを取得する必要はなく、有効期限失効後にカナダ食品安全規則のライセンスを取得すればよいことになっています。輸入者ライセンスの取得要件については、「食品関連の規制」の「6.その他(食品安全・衛生規則)」を参照ください。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2018年9月

カナダ食品検査庁では、カナダの水生動物への防疫を目的として全国水生動物衛生プログラム(National Aquatic Animal Health Program)を実施し、水生動物の輸入を管理しています。2012年12月10日からカナダに輸出される日本産水生動物のうち、カナダ食品検査庁(CFIA)が提示したリストに記載された魚種(内臓・エラが除去されたものは除く。日本で対象となると考えられるのは、餌用天然魚のみ)については、CFIAによる水生動物衛生輸入許可および輸出国が発行する検疫に関する証明書の添付が必要となりました。当該証明書は各都道府県で発行されます。また、水生動物衛生輸入許可については、関連リンクの「カナダ食品検査庁 水生動物衛生輸入許可申請書」に必要事項を記入しカナダ食品検査庁へ申請します。

このほか、カナダ食品検査庁では、安全でない水産品が国内へ持ち込まれないように輸入検査プログラム(Import Inspection Program)を実施し、水産品の輸入を管理しています。同プログラムについては、「輸入手続き」から「2.輸入時の検査」を参照してください。

また、病害虫(キバチの一種、キクイムシ類、マツノマダラカミキリなど)が梱包材に付着して侵入してくることを防止するため、カナダ食品検査庁では輸入貨物の木材梱包材(クレート、木箱、ダンネージ(荷敷き)、パレット、ケーブルドラム、スプール/リールなど)に、「植物検疫措置に関する国際基準No.15(ISPM No.15)」(以下、国際基準No.15)に沿った消毒処理を要求しています(厚さ6ミリ以下の木材や、プライウッドやパーティクルボード、OSB(雑木破砕接着合板)、ベニヤ板などは対象外)。

カナダでの輸入手続き

1. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2018年9月

カナダ食品検査庁では、同庁ウェブサイトで自動輸入参照システム(Automated Import Reference System)を導入しており、商品ごとに通関時に必要となる書類や情報を公開しています。水産物(例:HS03721:ホタテ貝柱)の輸入に際して提出が求められる書類および情報は次のとおりです。

  • 品質管理プログラム輸入ライセンス(Quality Management Program Import Licence)もしくは水産物輸入ライセンス(Fish Import Licence
    および
  • 外国加工施設(Foreign Processing Establishment
  • 単位容器のタイプ(Unit Container Type
  • パッケージ数(Number of packages
  • 総重量/総量(Total Weight/Volume
  • 包装ごとのユニット数(Number of units per package
  • 単位重量(Unit weight
  • 単位容器・測定単位(Unit container unit of measure
  • ロットコード/サイズ(Lot code/size
  • 商標名(Brand name

ただし、2019年1月15日のカナダ食品安全規則の施行に伴い、同日以降は輸入事業者がカナダ食品安全規則の元に発行される新ライセンスを保持していなければ輸入を行うことができません。

2. 輸入時の検査

調査時点:2018年9月

カナダ食品検査庁では、リスクに基づいた手法で輸入水産物の検査体制を整え、検査を行っています。検査体制は以下の4つの方法から構成されています。

輸入水産物の検査内容および名称
検査内容 検査名称
1. 輸入水産物のリスクに基づくサンプル検査 年間サンプル計画
2. カナダの輸入要件に不適合の輸入水産物のリスク管理 強制検査リスト
3. 潜在的なリスクのある輸入水産物のリスク管理 強化検査リスト
4. 商品監視および調査 特例案件
  1. 年間サンプル計画
    年間サンプル計画では、水産物輸入ライセンス保持者の年間輸入総量の5%をサンプル採取することを目標として、前年度の検査結果を基に水産物の品種や製品のリスクが考慮され、次年度の計画が策定されます。
  2. 強制検査リスト
    検査に不合格の水産物情報はリスト化されています。不合格品がリストに掲載されると、当該生産者の輸入貨物は4出荷物分継続して検査が行われます。4回とも合格した場合には強制検査リストから除外されます。なお、検査項目は、環境汚染物質や海洋毒素などの水産物の種類に関係する検査と添加物など加工工程に関する検査項目に分かれており、不合格であった分野の検査についてのみ継続して確認が行われます。
  3. 強化検査リスト
    安全でない可能性がある水産物もリスト化されています。リストに記載の製品が輸入される場合には、カナダ食品検査庁が検査を行うか、輸入業者が製品の安全性についての証拠書類を提出します。リストは半年ごとに見直しが行われ、カナダ食品検査庁が安全と判断した場合には、製品はリストから除外されます。
  4. 特例案件
    1から3以外にも輸入業者向け品質管理プログラムの執行状況の監視や調査を目的として検査が行われます。

なお、環境汚染物質や重金属、残留薬物検査の種類や方法は、関連リンクの「その他参考情報」で詳細を確認してください。

3. 販売許可手続き

調査時点:2018年8月

カナダで水産物を販売するのに必要となる、連邦政府が定める免許や登録はありませんが、一般的に食品の販売には、州、地方自治体が定める免許の取得や事業の登録が必要です。これらは、州、地方自治体が独自に定めており、業態などによって必要となる手続きは異なります。

4. その他

調査時点:2018年8月

なし

関連リンク

品目の定義

本ページで定義する水産物のHSコード

0302.11-0308.90 :魚ならびに甲殻類、軟体動物

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