日本からの輸出に関する制度

清涼飲料水の輸入規制、輸入手続き

英国の輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2025年9月

EU離脱に関する規則

英国では、2018年EU(離脱)法〔2020年EU(離脱協定)法にて改正〕に基づき、EU離脱移行期間終了時点のEU規則が、「EU維持法(retained EU law)」として引き継がれ、原則として英国の国内法体系に直接組み込まれています(移行期間終了時点のEU規則は国内法となり、EU指令に基づいた国内法の効力も維持)。一方で、移行期間終了後は、EUおよび英国それぞれにおいて規則改正が行われており、関連規則がEUと英国で相違が生じている可能性がある点に留意してください。
例えば、混合食品に関する規則などについては、EUで2021年4月21日から新たな規則が適用されていますが、混合食品の分類や輸入時に添付すべき書類などについて、注意が必要です。
* 2023年EU維持法(廃止および改革)により、2024年1月1日より「EU維持法(retained EU law)」の呼称から「同化法(assimilated law)」に変更されましたが、便宜上、本ページでは維持規則という表現を用います。

放射性物質規制

東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、英国への輸入に際しては、一部の食品について政府が発行する放射性物質検査証明書が必要な食品が必要でしたが、2022年6月29日をもって、英国で適用されていた日本産食品に対する放射性物質の輸入規制は、撤廃されました。なお、EU規制が適用される北アイルランドについても、2023年8月3日に放射性物質規制が撤廃されています。詳細は、農林水産省のウェブサイトで確認することができます。

英国への入域条件

英国に清涼飲料水を輸出するには、維持規則(EC)178/2002(食品一般法規則)、維持規則(EC)852/2004(一般食品衛生規則)、維持規則(EC)853/2004(動物性食品衛生規則)、維持規則(EU)2017/625(新公的管理規則)などの食品安全・衛生や公的管理に関する規則に基づき、一次生産から加工・流通に至るまで、英国が求める衛生基準を満たす必要があります。
なお、「公的管理」とは、食品衛生、動物衛生、動物福祉および植物衛生などに関する一連の規則の適用を確実なものとするため、政府当局が実施する検査、検疫、監査、監督などの各種管理措置を指します。

英国に輸出しようとする清涼飲料水が、乳成分やハチミツなど動物性原材料を含む場合は、混合食品や動物由来食品の規制の対象となります。
例えば、乳成分を含む清涼飲料水の場合、英国/EU HACCP認定施設で加工された乳製品を使用する必要があります。ただし、2025年9月現在、日本国内に乳製品を製造する認定施設は存在しません。また、日本はハチミツの残留モニタリング計画の承認を受けていないため、ハチミツが日本産か否かにかかわらず、ハチミツを使用して日本で製造された清涼飲料水を英国に輸出することはできません。詳細は、本ポータルサイトの「英国」の「混合食品」で確認してください。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2025年9月

清涼飲料水の製造施設や輸出事業者についての登録は必要ありません。

公的証明書(衛生証明書)

清涼飲料水が、乳成分など動物性原材料を含み、混合食品や動物由来食品に該当する場合は、当該動物性原材料について、英国/EU HACCP認定施設由来のものを使用する必要があります。また、動物性原材料の種類や使用割合によって、政府発行の衛生証明書の添付が必要になる場合があります。詳細は、本ポータルサイト「英国」の「混合食品」の「輸入規制」で確認してください。

原産地証明書

日英包括的経済連携協定(以降「日英・EPA」)の適用を受けるには、原産地証明(日本原産の証明)が必要となります。日英・EPAでは、自己申告による原産地証明制度が採用されており、輸出者または輸入者のいずれかが、自ら原産地を証明することとされています。詳細は税関のウェブサイト「EPA・原産地規則ポータル」で確認することができます。
輸出者は、日英・EPAに定める義務を履行できる限り「輸出者自己申告」が可能で、財務省関税局・税関「日英・EPA自己申告及び確認の手引き(2020年12 月)」に記載されているとおり、同EPA第3章 付属書3-Eに規定された原産地に関する申告文を、日本語または英語で、インボイスその他の商業上の文書に記載することとなっています。

申告の際に記載する「輸出者参照番号」とは、日本で登記された企業およびその他の組織に対して国税庁が付与する13桁の法人番号を指します(輸出者が登録番号を有しない場合には、記入欄は空欄で可。)
詳細については、関連リンクのジェトロ「日英EPA解説書:日英EPAの特恵関税の活用について(2021年3月)」を参照してください。 また、「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」への英国の加入に関する議定書が2024年12月15日に発効しており、同協定の適用を受ける場合についても、同様に原産地証明が必要となります。

関連リンク

関係省庁
英国 環境・食料・農村地域省(DEFRA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国食品基準庁(FSA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
2018年EU(離脱)法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020年EU(離脱協定)法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020年 公的管理(動物、飼料、食品、植物衛生など)(修正)(EU離脱)規則(2020 No. 1481)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC) 178/2002(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC) 852/2004(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC) 853/2004(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU)2017/625 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU)28/2012(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則 決定2007/275/EC((英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2007年 ナチュラルミネラルウォーター、湧水、ボトル入り飲料水(イングランド)No. 2785規則(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2015年 天然ミネラルウォーター、水源水、ボトル入り飲料水(ウェールズ)No. 1867規則(2022年改正)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2018年 天然ミネラルウォーター、水源水、ボトル入り飲料水(イングランド)(改正)No. 352規則外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2012年 ヒト用医薬品規則(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「2007年天然ミネラルウォーター、水源水、ボトル入り飲料水(スコットランド) (No. 2)規制(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。
その他参考情報
英国食品基準庁(FSA)一般食品法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国食品基準庁(FSA)清涼飲料水の輸入(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
DEFRA「ガイダンス: ボトルウォーターの種類の比較」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
DEFRA「ガイダンス : 天然ミネラルウォーター : 認定の手順」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
DEFRA「ガイダンス: 天然ミネラルウォーター認定リスト」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
DEFRA「ガイダンス: 英国域外 天然ミネラルウォーター認定リスト」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
DEFRA「ガイダンス : 天然ミネラルウォーター イングランドでの製造方法とラベル表示」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
DEFRA「ガイダンス : 天然ミネラルウォーター地方自治体向けルール」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
DEFRA「ガイダンス: 食品基準:表示と成分」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ 英国のEU離脱対応マニュアル(食品関係)(2020年11月)
財務省関税局・税関「日英EPA 自己申告及び確認の手引き(2020 年 12 月)」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(721KB)
ジェトロ「日英EPA関連情報」
ジェトロレポート「EUにおける新しい公的管理・植物衛生・動物衛生制度に関する調査(2021年3月)」

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2025年9月

「2.施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)」に記載のとおり、動物性原材料を含む清涼飲料水は、混合食品または動物由来食品に関する規制の対象となります。このため、動物性原材料の種類や使用割合によっては、衛生証明書を添付し、動物検疫を受ける必要があります。
詳細は、本ポータルサイト「英国」の「混合食品」で確認してください。

英国の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2025年9月

英国域外から輸入される食品については、維持規則(EC)178/2002に基づき、英国の規制が求める衛生基準などとの同等性(輸出国と特定の合意がある場合はその合意事項)を満たす必要があります。

飲料水

英国において、水道水以外のボトル入り飲料水は、「天然ミネラルウオーター(natural mineral water)」、「水源水(spring water)」と「その他のボトル飲料水」に区別されます。イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドでそれぞれに規則が定められていますが、ここでは、イングランドで適用される「2007年天然ミネラルウオーター、水源水、ボトル飲料水(イングランド)規則」(以降「ボトル飲料水規則」)について記載しています。ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの規則も構成は基本的に同じです。

天然ミネラルウオーター

英国で「天然ミネラルウオーター(natural mineral water)」と表示して販売する場合、ボトル飲料規則第2条および「ガイダンス : 天然ミネラルウオーター イングランドでの製造方法とラベル表示」により、次の要件を満たす必要があります。

  1. 自然湧水または掘削された地下水源に由来すること
  2. 人体の健康に害を及ぼす寄生虫、病原菌、化学物質、放射性物質が存在しないこと
  3. 水源が汚染の危険性から保護されていること
  4. 次の特性が保持され、通常の飲料水と明確に区別できること
    • ミネラル含有量、微量元素、その他の成分および適切な場合は特定の効果によって特徴づけられる性質
    • 本来の純度(水源からボトル詰めまで成分が変わらない)
  5. 当局により認定を受けていること

具体的な要件や基準値については、関連リンクの「ガイダンス : 天然ミネラルウオーター イングランドでの製造方法とラベル表示」を参照してください。

さらに、ボトル詰めは水源地で行う必要があり、次の5種類の処理を除き、その他の処理を行うことは禁止されています。

  1. オゾン濃縮空気による酸化処理(処理条件が指定)
  2. ろ過・沈殿処理による鉄・硫黄化合物などの不安定元素の分離
  3. 物理的な方法による遊離二酸化炭素の除去
  4. 活性アルミナによるフッ素除去処理(処理条件が指定)
  5. 炭酸ガスの導入または再導入

日本産のミネラルウオーターであっても、「天然ミネラルウオーター」と表示して販売する場合には、ボトル飲料水規則に規定された要件を満たすものとして英国当局の認定を受け、「天然ミネラルウオーター認定リスト」に掲載される必要があります。イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドのいずれかの当局への申請によって、英国全土で有効な認定を受けることが可能です。

天然ミネラルウオーターの認定を希望する場合、環境・食料・農村地域省(Department for Environment, Food and Rural Affairs : DEFRA )外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのガイダンス「天然ミネラルウオーター : 認定の手順」に記載された当局宛てに電子メールを送付することで、申請書および申請方法に関するガイダンスを入手することができます。

なお、2025年9月現在、「天然ミネラルウオーター認定リスト」に掲載されている英国外の水源地はヨーロッパ近郊のみとなっており、日本の水源地の天然ミネラルウオーターで認定されているものはありません。

水源水

英国で「水源水(spring water)」と表示して販売する場合、ボトル飲料水規則第3部第10条および「水源水の生産・ラベル表示のガイダンス」により、次の要件を満たす必要があります。

  1. 自然湧水または掘削された地下水源に由来すること
  2. 人体の健康に害を及ぼす寄生虫、病原菌、化学物質、放射性物質が存在しないこと
  3. 水源が汚染の危険性から保護されていること

天然ミネラルウオーターとは異なり、ミネラル含有量や構成成分の保持の要件はなく、当局による認定は不要です。

また、ボトル詰めは水源地で行う必要がありますが、処理条件は制約されていません。ただし、オゾン濃縮空気による酸化処理や活性アルミナによるフッ素除去処理を行う場合には、指定の処理条件に従う必要があります。

その他のボトル飲料水

天然ミネラルウオーターおよび水源水以外の水をボトル詰めして販売する場合は、人体の健康に害を及ぼす寄生虫、病原菌、化学物質、放射性物質が含まれていないことを満たす必要があります。一方で、水源、構成成分、処理条件について制約はありません。原産地について消費者に誤解を与えないことを条件として、公共水源や民間水源を含む、あらゆる水源の水をボトル詰めすることが可能です。また、規定内の調整(ミネラルの追加、pH調整、炭酸化など)や、一部の食品添加物の使用が認められています(「4.食品添加物」の項を参照)。

表1 ボトル飲料水の種類ごとの違い
天然ミネラルウォーター 水源水 ボトル飲料水
自然または掘削された地下水源から採水され、汲み上げられている ×
病原性の寄生虫や細菌が存在しない
水源地またはボーリング孔でボトル詰めする ×
水源やボーリング孔が汚染から保護されている
「本来の純度」を維持する (水源からボトル詰めまで特性が変わらない) × ×
成分が「安定」して、長期間にわたって一貫性が保たれている × ×
化学物質、微生物、放射性物質の基準を満たす
許容される処理 5種類の処理 方法のみ可
生産・販売前の地方自治体の公式認定 × ×
ラベル表示への成分の記載義務 × ×

果実ジュースなど

「果実ジュース(Fruit juices)」や「果実ネクター(Fruit nectars)」に関しては、「2013年果実ジュースおよび果実ネクター(イングランド)規則」(以降「果実ジュース規則」)で規格が定められています(ウェールズ、スコットランド、北アイルランドも同様の規則を定めています)。

製品区分は、

  • 果実ジュース(fruit juice)
  • 濃縮還元果汁(fruit juice from concentrate)
  • 濃縮果汁(concentrated fruit juice)
  • 水抽出果汁(water-extracted fruit juice)
  • 脱水・粉末果汁(dehyderated/powdered fruit juice)
  • 果実ネクター(fruit nectars)

に分かれており、それぞれ、最小果汁含有量、Brix値(糖度)、添加可能な成分・物質、処理方法などの要件が規定されています。
果実や果汁を用いず、水に香料や甘味料を加えて調製した「フレーバー飲料(Flavoured drinks)」については、「果実ジュース規則」の対象ではなく、「ボトル飲料水規則」の「その他のボトル飲料水」として扱われるので、果実や果汁を用いているように誤認させる名称・表示をしないように注意してください(「6.ラベル表示」の項を参照)。
なお、濃縮還元果汁の還元などに使用される水は、「2016年水道水(水質)規則」の基準に適合する必要があります。

表2 果実ジュースなどの区分
名称 参照条項・別表 製法 添加可能なもの
果実ジュース
(Fruit juice)
第4条、
別表2、別表11
果実を搾汁
(未発酵)
  • 同一果実由来の回収香気成分
  • 同一果実由来の果肉・細胞
  • 酒石酸塩(ブドウ果汁のみ)
  • 塩・香辛料・香草(トマト果汁のみ)
    ※糖類・甘味料は一切禁止
濃縮還元果汁
(Fruit juice from concentrate)
第5条、
別表3、別表13
濃縮果汁
+飲用水で復元
  • 同一果実由来の回収香気成分
  • 同一果実由来の果肉・細胞
  • 酒石酸塩(ブドウ果汁のみ)
  • 塩・香辛料・香草(トマト果汁のみ)
    ※糖類・甘味料は一切禁止
濃縮果汁
(Concentrated fruit juice)
第6条、
別表4
果汁から水分を除去(通常 50%以上)
  • 同一果実由来の香気成分・果肉・細胞
  • その他 、別表で許可されたもの
水抽出果汁
(Water-extracted fruit juice)
第7条、
別表5
果実を水で拡散抽出(搾汁不可の果実対象) 別表で認可された成分・物質のみ
脱水・粉末果汁 (Dehydrated/powdered fruit juice) 第8条、
別表6
果汁から水分をほぼ完全に除去 別表で認可された成分・物質のみ
果実ネクター (Fruit nectar) 第9条、
別表7、別表12
果汁や果実ピューレ+水
(+糖や蜂蜜 ≤20%)
  • 同一果実由来の香気成分・果肉・細胞
  • 糖または蜂蜜の添加可(合計最大20%)
  • 甘味料は 添加物規則に適合

果実ジュースなどへの添加が認められている成分、物質

果実ジュースなどには、果実ジュース規則別表8により、次の成分の添加が認められています。

  1. 維持規則(EC)1925/2006によって認可されたビタミンまたはミネラル
  2. 維持規則(EC)1333/2008によって認可された食品添加物
  3. 酸味を調整する目的で添加する次の果汁(総量が製品1リットルあたり3グラムを超えないものとし、「無水クエン酸」と表示する。)
    • レモン果汁
    • ライム果汁
    • 濃縮レモン果汁
    • 濃縮ライム果汁

また、同規則別表9により、次の物質の添加も認められています。

  1. 維持規則(EC)1332/2008の要件を満たす次の酵素製剤
    • ペクチン分解酵素(ペクチナーゼ)
    • タンパク質分解酵素(プロテナーゼ)
    • デンプン分解酵素(アミラーゼ)
  2. 食用ゼラチン
  3. タンニン
  4. シリカゾル
  5. 木炭
  6. 窒素
  7. 吸着粘土としてのベントナイト
  8. 維持規則(EC)1935/2004に準拠する、パーライト、洗浄済み珪藻土、セルロース、不溶性ポリアミド、ポリビニルポリピロリドン、ポリスチレンなどの不活性な濾過助剤および沈殿剤
  9. 維持規則(EC)1935/2004に準拠し、柑橘類ジュースのリモノイド配糖体、酸、糖(オリゴ糖を含む。)またはミネラル含有量に重大な影響を与えることなく、リモノイドおよびナリンギン含有量を減らすために使用される化学的に不活性な吸着助剤

これらに加えて、果実ジュースについては、同種の果実から適切な物理的手段により得られた復元風味、果肉および細胞、酒石酸の復元塩(ぶどうジュースに限る。)、塩、香辛料および香草(トマトジュースに限る。)を加えることが認められています。一方で、果実ジュースに砂糖やハチミツを加えることは認められていません。果実ネクターについては、重量の20%を上限として、砂糖またはハチミツを加えることが認められています。

関連リンク

関係省庁
英国 環境・食料・農村地域省(DEFRA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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根拠法等
2018年EU(離脱)法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020年EU(離脱協定)法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020年 公的管理(動物、飼料、食品、植物衛生など)(修正)(EU離脱)規則(2020 No. 1481)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC) 178/2002(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC) 852/2004(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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2007年 天然ミネラルウォーター、湧水、ボトル入り飲料水(イングランド)No. 2785規則(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2015年 天然ミネラルウォーター、水源水、ボトル入り飲料水(ウェールズ)No. 1867規則(2022年改正)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2018年 天然ミネラルウォーター、水源水、ボトル入り飲料水(イングランド)(改正)No. 352規則外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「2016年 水道水(水質)規則 No.614」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「2013年フルーツジュースおよびフルーツネクター規則 No.2775」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。
その他参考情報
英国食品基準庁(FSA)一般食品法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国食品基準庁(FSA)清涼飲料水の輸入(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2025年9月

一部農薬の上限値(MRL:Maximum Residue Limit)がEUと英国で違う基準が適用されている可能性がある点に注意が必要です。

最大農薬残留基準値(MRL)

英国では、使用可能な農薬について、ポジティブリスト制を採用し、食品や飲料の種類ごとに許容される残留農薬の上限値(MRL:Maximum Residue Limit)が規定されています〔維持規則(EC)396/2005〕。清涼飲料水(ジュースや発酵飲料を含む。)に使用される原料(加工前の未加工原料)は同規則ANNEX II、IIIに設定されたMRLを順守する必要があります。同規則のANNEX II、III に掲載のない農薬・作物の組み合わせに対しては原則、一律基準(0.01ミリグラム/キログラムまたは不検出)が適用されます。同規則第19条により設定された基準値を上回る原料を使用して加工・混合、または希釈することは禁止されています。

果実ジュースなどについては、原料となる果実などのMRLについて確認が必要となります。すべての食品に適用されるMRLについては、関連リンクの「MRLデータベース」で検索可能です。当該データベースは科学的評価に基づき更新されるため、最新の情報を確認する必要があります。

一方、天然ミネラルウオーター、水源水、その他のボトル飲料水(最終製品)のMRLについては、「2007年天然ミネラルウオーター、水源水、ボトル飲料水(イングランド)規則」別表2 第3部に規定されており、農薬ごとの基準値は0.1マイクログラム/リットル(μg/L)以下、総農薬量は0.5µg/L以下、特定の農薬として、アルドリン(Aldrin)、ディルドリン(dieldrin)、ヘプタクロル(heptachlor)、ヘプタエポキシド(heptachlore epoxide)については、0.03μg/L以下と定められています。
※なお、ヘプタクロルは日本国内では農薬として登録されていません。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2025年9月

汚染物質(重金属を含む。)に関しては、EUでは、2025年7月から、規則(EC)1881/2006に代わって新規則(EU)2023/915が適用されていますが、英国では引き続き規則(EC)1881/2006が維持規則として適用されています。

維持規則(EC)1881/2006は、食品カテゴリーごとに含まれる汚染物質の上限値を規定しています。ここでの「汚染物質」とは、意図的に食品に添加されたものではなく、食品の生産(作物管理、畜産、獣医療における作業を含む)、製造、加工、調理、処理、包装、梱包、輸送および保管などのプロセスまたは生育環境に由来して、食品中に存在する物質をいいます〔維持規則(EC)315/93 第1条(1)〕。これらの最大規定値を超えるものは原材料としても使用できないとされています〔維持規則(EC)1881/2006第3条〕。

例えば、果実ジュース、濃縮還元果汁、果実ネクターについては、同規則ANNEXで、鉛、カドミウム、無機スズ(缶入りの場合)などの重金属、パツリン、アフラトキシンB₁、オクラトキシンAなどのカビ毒の上限値が定められています。原料として使用される果実などについても汚染物質の上限値に注意が必要です。

天然ミネラルウオーター、水源水、ボトル飲料水については、「2007年天然ミネラルウオーター、水源水、ボトル飲料水(イングランド)規則」別表2の第3部において、重金属、有機汚染物質、多環芳香族炭化水素(PAHs)などの上限値が、第4部において、放射性物質(トリチウム、ラドン)の上限値が定められています。

4. 食品添加物

調査時点:2025年9月

英国やEUでは、着色剤や保存料、酸化防止剤、その他乳化剤・安定剤などの食品添加物と、食品香料および食品酵素を区別し、これらを総称して「食品改良剤(Food Improvement Agents)」としています。食品改良剤については、ポジティブリスト形式での規制が採用されており、認可された食品改良剤のみが使用を認められています。

表3 英国における食品改良剤の定義
食品改良剤 根拠法 定義
食品添加物 維持規則(EC)1333/2008 それ自体は通常は食品として消費されないもの、栄養価の有無を問われないもので、食品の一般的な原材料としては通常は使用されない物質で、食品の製造、加工、調理、処理、包装、輸送、保存の段階において技術的な効果(防腐、酸化防止、色の定着など)を意図的に追加することにより、その物質やその副産物が直接的・間接的に食品の構成要素となるか、なることが十分に予想される物質。E番号で表示される。
ただし、次の物質は食品添加物として使用されない場合本規則の適用外である。
  • 加工助剤(processing aids)
  • 植物の健康に関する共同体ルール(EU加盟当時の植物衛生関連規則のこと)に従って植物や植物製品の保護のために使用される物質
  • 栄養素(nutrients)として食品に添加される物質
  • 維持指令98/83/ECの範囲に該当するヒトの消費を意図した水の処理などで使用される物質
  • 維持規則(EC)1334/2008の範囲に該当する香味料
その他、添加物とみなされないものについては同規則第3条を確認のこと。
食品香料 維持規則(EC)1334/2008 それ自体は食品として消費されず、香りや風味を添えるか、もしくは変えるために食品に添加される製品。香料物質、香料調整品、熱処理香料、スモーク香料、香味料前駆体、その他香料およびこれらの複合物からなる。
‘flavouring”というそのままの表示、あるいは具体的な香料の名称または香料の説明(description)で表示。天然(Natural)の記載については同規則第16条の条件を満たす必要がある。
食品酵素 維持規則(EC)1332/2008 植物、動物、微生物、または植物、動物、微生物に由来する製品から得られる製品で、微生物の発酵によって得られる製品も含む。
同規則で定められている食品酵素の名称または販売時の説明(description)を考慮して表示。

2025年4月1日より英国では、「2025年食品・飼料(規制製品)(改正、廃止、関連規定および経過規定)規則」の施行により、維持規則(EC)1333/2008などが大幅に改正され、承認が必要な製品(規制製品)である飼料添加物、食品添加物、食品酵素、食品香料、食品接触素材、遺伝子組換え製品、新規食品および燻液について、承認制度の簡素化や承認製品の公表方法の変更が段階的に進められています。食品添加物を含め、英国で承認されている規制製品は、順次、英国食品・飼料規制製品登録簿への掲載が一元化されることになっています。ただし、2025年9月現在、経過措置期間の状態であり、以降の説明は、今後運用面で変更される可能性がある点に留意してください。

食品添加物の使用条件(使用可能な食品カテゴリー、濃度限度など)は、これまで維持規則(EC)1333/2008のANNEX II(食品への使用が承認されている食品添加物のリストおよび使用条件)およびANNEX II〔食品添加物、食品酵素、食品香料、栄養素への使用が承認されている食品添加物(担体を含む)のリストおよび使用条件〕により示されていましたが、同規則の改正により削除されています。食品添加物の使用条件は、英国食品・飼料規制製品登録簿に掲載されることになっていますが、2025年9月現在、当該登録簿では、過去の維持規則(EC)1333/2008のANNEX IIおよびANNEX IIIを参照する仕様となっています。

本ページで定義する清涼飲料水「14. Beverages(飲料)」については、食品カテゴリーが次のとおり分類されています。
14 飲料
14.1 ノンアルコール飲料 14.1.1 水(指令2009/54/ECで定義されている天然ミネラルウオーター、水源水、その他のボトル入りまたはパック入りの水を含む)
14.1.2 指令2001/112/ECで定義された果実ジュースおよび野菜ジュース
14.1.3 指令2001/112/ECで定義される果実ネクター、野菜ネクターおよび類似製品
14.1.4 フレーバー飲料
14.1.5 コーヒー、茶、ハーブおよび果実のインフュージョン(抽出物)、チコリ、茶、ハーブおよび果実の抽出物ならびにチコリの抽出物。抽出用の茶、植物、果実およびシリアルの調製品、ならびにこれらの製品のミックスおよびインスタントミックス
14.1.5.1 コーヒー、コーヒー抽出物
14.1.5.2 ほかのノンアルコール飲料

14.1から14.1.5のカテゴリーに関連する添加物については、関連リンク「Categories 13.1.4 to 14.1.4」「Categories 14.1.4 to 14.2.7」「Categories 14.2.7 to 16」から参照できます(2025年9月現在の情報)。

例えば、「天然ミネラルウオーター、水源水、その他のボトル入りまたはパック入りの水」については、「調製されたテーブルウォーター」に限り、リン酸とその誘導体(E338-452)の添加が500ミリグラム/リットル(P2O5換算)を上限として認められています。

維持規則(EC)1333/2008 ANNEX IIに記載されていない場合であっても、ANNEX IIIに掲載されている添加物や担体(キャリア)については、定められた使用条件に従って食品添加物、食品酵素、食品香料、栄養物(ビタミン・ミネラル)に使用することが可能です。さらに、ANNEX II PART B(食品への使用が認められるすべての食品添加物のうち、着色料、甘味料を除くもののリスト)や、PART Cのグループ分類〔「quantum satis(適量)」の使用を認める〕についても確認が必要です。

なお、ANNEX IIのうち、キャリーオーバー(注)の原則に基づく添加物または着色料の存在が認められない食品のリストを定めていたTable 1およびTable 2については、ANNEX Iaとして同規則に引き続き残されています。「天然ミネラルウオーター、水源水、その他のボトル入りまたはパック入りの水」は、Table 1およびTable 2に掲載されているため、キャリーオーバーによる添加物や着色料の存在は認められていません。また、「果実ジュース、果実ネクター、野菜ジュース、野菜ネクター」は、Table 2に掲載されているため、キャリーオーバーによる着色料の存在は認められていません。
(注)添加物が直接添加されていない場合であっても、その添加物の使用が認められている原材料から持ち越され、食品中に存在すること。ただし、最終食品中の添加物の量が、適切な技術的条件および適正製造規範(GMP)に基づいて原材料を使用した場合に導入される量を超えないことが条件。

維持指令98/83/ECの対象であるヒトの消費を目的とした水(※本ページでは「水源水」および「ボトル飲料水」が該当)については、その処理に使用される添加物質に関して、維持規則(EC)1333/2008は適用されない(=ボトル飲料水規則によって規律される)こととなっています。

食品香料については、食品添加物と同様に、英国食品・飼料規制製品登録簿への移行が進められています。食品酵素については、調査時点においてポジティブリストが完成していないため、ポジティブリスト形式による使用規制は適用されていません。

なお、栄養的・生理学的な効果を有するビタミン・ミネラルなどの食品への添加(※これらは食品添加物に該当しません。)については、維持規則(EC)1925/2006により規定されています。

5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2025年8月

食品接触素材(Food Contact Material)に関する規制

英国では、食品用の容器・包装をはじめ、調理器具や食品製造機械、食品輸送用のコンテナなど、食品と接触することが意図されている、または通常の使用条件において食品と接触することが合理的に予見されるあらゆる素材・製品を食品接触素材(FCM : Food Contact Material)と定義しています。維持規則(EC)1935/2004により、すべての食品接触素材は、消費者への健康被害ならびに食品成分に許容できない変化を引き起こしてはならないこと、食品の味・香り・食感などを劣化させてはならないことが定められています。また、維持規則(EC)2023/2006においては、食品接触素材の製造工程における適正製造規範(GMP:Good Manufacturing Practice)が規定されています。

なお、すべての食品接触素材について、英国政府当局に求められた場合には、製品のトレーサビリティー情報、品質保証・品質管理関連資料を提示する必要があります〔維持規則(EU)1935/2004第17条、維持規則(EU)2023/2006第7条〕。
これらの一般原則を定める規則に加え、特定の食品接触素材については、個別の規則が定められており、定められた条件に準拠していることを示す適合宣言書の添付が求められています。

さらに、2025年4月1日より英国では、「2025年食品・飼料(規制製品)(改正、廃止、関連規定および経過規定)規則」の施行により、承認されている食品接触素材についても、順次、「英国食品・飼料規制製品登録簿」への掲載が一元化されることとなっています。
例えば、同登録簿の「Food contact material authorisations(食品接触素材)」では、素材ごとに、添加剤(Additive)またはポリマー製造助剤(PPA : Polymer Production Aid)としての使用可否、モノマー、出発物質(Starting Substance)または微生物発酵から得られる高分子としての使用可否などを検索することが可能です。
ただし、2025年9月現在は経過措置期間であり、今後、運用面で変更される可能性がある点に留意してください。

なお、EUでは、食品接触を意図した「再生プラスチック」に関して、旧規則である規則(EC)282/2008が廃止され、2022年10月10日から新規則(EU)2022/1616が施行されていますが、英国では引き続き旧規則が適用されているため、注意が必要です。また、EUにおいて2025年1月に、ビスフェノールA(BPA)などを食品接触材料用途において使用禁止とする規則(EU)2024/3190が施行されていますが、英国では適用されていません。ただし、2025年10月2日から12月24日まで、BPAなどの食品接触素材用途での使用禁止に関する意見公募が実施されており、今後、2026年後半以降に段階的に使用が禁止される可能性があります。

さらに、英国では安全の予防的観点から、竹やその他の植物由来の材料(もみ殻、麦わら、麻など)を含むプラスチック製の容器や調理器具の流通が禁止されているため、注意が必要です(植物由来の材料のみの容器は流通可能です)。

なお、イングランド、ウェールズ、スコットランドで地域ごとに食品接触素材の規則が制定されています。詳細は、関連リンクの「根拠法等」を参照してください。

表4 食品接触素材に関する主な規制
食品接触素材 規則・指令 主な内容
プラスチック・熱可塑性エラストマ-(TPE) 維持規則(EU)10/2011 ポジティブリスト形式での使用規制がなされており、同規則ANNEX Iのリストに掲載されている物質を原料として製造されたプラスチックのみが、食品接触素材として使用可能となっている。このリストは科学的評価に基づき更新されるため、随時確認する必要がある。
アクティブ・ インテリジェント素材 維持規則(EC)450/2009 〔鮮度保持などの目的で食品から物質を吸収する素材(吸湿材など)、容器内に物質を放出する素材(防腐剤を放出する鮮度保持材など)、食品の状態を監視する素材(温度変化に反応する素材など)〕
食品と誤認されるおそれがある場合には、3mm以上のフォントサイズで“DO NOT EAT’’と表記する必要がある。
再生プラスチック 維持規則(EC)282/2008 FSA により承認された「認可されたリサイクル工程(authorised recycling process)」から得られた物質を原料として再生されたプラスチックに限定される。安全性を担保できること(汚染物質の除去、原料の管理、最終製品の適合性試験等)を示すデータに基づいて評価される。
セラミック 維持指令 84/500/EEC カドミウムと鉛の検出上限値が規定されている。
再生セルロース フィルム 維持指令 2007/42/EC ポジティブリスト形式での使用規制がなされており、同規則ANNEX IIのリストに掲載されている物質を原料として製造された再生セルロースのみが、食品接触素材として使用可能となっている。
ビスフェノールA(BPA) 維持規則(EU)2018/213 乳幼児向け食品に接触することが意図された包装材の原料への使用が禁止されている。
エポキシ樹脂 維持規則(EC)1895/2005 エポキシ誘導体の定義と使用制限が規定されている。
ゴム 維持指令 93/11/EEC エラストマーまたはゴムに由来するN-ニトロソアミンおよびN-ニトロソアミンに転化可能な物質の放出、基準、分析方法について規定されている。

ペットボトルの蓋の設計に関する規則

EUでは容量3リットル以下の使い捨てプラスチック飲料ボトルに対し、キャップや蓋がボトル本体から離れない構造とすることを義務付けるEU指令 (EU) 2019/904が、2024年7月3日から適用されていますが、英国では、現時点において本規則は適用されていません。

プラスチック包装税(Plastic Packaging Tax)

英国では、2022年4月1日以降「プラスチック包装税(Plastic Packaging Tax)」が導入されており、12カ月の間に10トン以上の完成プラスチック包装部品(finished plastic packaging components)を製造または輸入する事業者には、登録・報告義務が課されています。税制の登録事業者は、再生プラスチックの重量比30%未満のプラスチック包装部品に対し、1トンあたり223.69ポンドが課税されます。(※2025年4月1日より変更、税率は年度ごとに更新されます。)

複数の素材で構成される包装の場合、ほかの素材に比較して、重量比でプラスチックが多く含まれる場合は「プラスチック包装部品」とみなされます。例えば、プラスチック・アルミニウム・厚紙を含む封入包装で、プラスチック部分の重量比がほかの素材よりも大きい場合には、その封入包装全体の重量が「プラスチック包装部品」とされます。

例1 プラスチック:アルミニウム:厚紙 = 4グラム : 3グラム : 3グラムの場合、10グラムすべてプラスチック包装税の課税対象となります。

例2 再生プラスチック:バージンプラスチック:再生アルミニウム:再生段ボール紙 = 1グラム : 4グラム : 2グラム : 3グラムの複合素材の包装の場合、プラスチック成分のうち、再生プラスチックの割合が20%となり、30%未満であること、プラスチック成分の包装全体に占める割合が50%であることから、包装全体の10グラムが課税対象となります。

例3 ガラス瓶とプラスチック製の蓋および紙製の外箱からなる清涼飲料水などの包装の場合には、それぞれが個々の要素の包装と捉えて算定されます。例えば、プラスチック蓋のみを一つの包装と捉え、再生プラスチックの含有割合が30%未満の場合、蓋部品に対して課税されます。

課税の対象や登録方法、重量の算定方法に関しては、英国歳入関税庁が公表しているガイダンスを確認してください。同ガイダンスの例示によれば、使い捨て用として設計されたボトルは、詰め替えて再利用できる場合であっても課税対象とされる一方、再利用を前提として設計された飲料ボトルについては、課税対象外とされています。

包装の拡大生産者責任(Extended Producer Responsibility for packaging)

英国では、2025年1月1日に施行された「2024年生産者責任義務(包装および包装廃棄物)規則」に基づき、包装商品を製造または輸入する事業者が包装廃棄物の処理費用を負担する仕組みである「包装に関する拡大生産者責任」(EPR; Extended Producer Responsibility for packaging)が導入されています。2025年10月以降、大規模生産者を対象として、廃棄物の処理費用の請求が開始されています。

年間50トン超の包装を製造または輸入する、年間売上高200万ポンド超の事業者を「大規模生産者」、年間 25トン超 (50トン未満)の包装を製造または輸入する、年間売上高が100万ポンド超の事業者を「小規模生産者」と定義(個人事業主、子会社、グループ会社を含む)しています。大規模事業者または小規模事業者に該当する事業者は、自らが英国市場に投入した包装について、包装種類、素材、数量、供給国、消費国などの詳細データを定期的に収集し、報告しなければなりません。さらに、大規模事業者については、表5の包装廃棄物の処理費用を負担することになります。

表5 2025/26年度の包装廃棄物処理費用の基本料金単価(トンあたり)
素材 基本料金
アルミニウム 266ポンド
繊維複合材料 461ポンド
ガラス 192ポンド
紙または板紙 196ポンド
プラスチック 423ポンド
259ポンド
木材 280ポンド
その他(竹、セラミック、銅、コルク、麻、ゴム等) 259ポンド

また、年間登録料として、大規模生産者は2,620ポンド、小規模生産者は1,216ポンドを支払わなければなりません。

一義的に責任を有するのは包装を英国市場に投入する製造者または輸入者ですが、詳細なデータを報告する必要があるため、例えば日本から食品を輸出する場合でも、輸出者は輸入者から包装に関するデータの照会を受ける可能性がある点にご留意ください。

詳細については、英国政府の「ガイダンス: 包装の拡大生産者責任:リサイクル義務と廃棄物処理手数料」で確認できます。

使い捨てプラスチックの一部制限と禁止

2023年10月1日から、イングランドでは、一部の使い捨てプラスチック製品のオンラインまたは店頭での販売・提供が禁止されています。具体的には「ポリスチレン製の食品および飲料の容器」「ドリンク用マドラー」「風船の棒」「カトラリー」が該当します。一方で、「皿、ボウル、トレイ」「ストロー」「綿棒」についても販売・提供制限の対象ですが、免除要件が設けられています。例えば、レストランなどでの使い捨てプラスチック製「ストロー」については、顧客が自由に取れない場所に保管し、顧客から求めがあった場合のみ、提供することが認められています。

また、テイクアウトなど、購入後すぐに消費される食品や飲料の場合、使い捨てのポリスチレン(発泡スチロール)製容器で提供することが禁止されています。ただし、サプライチェーンを通じて未加工または未調理の食品を輸送するために使用されるポリスチレン製の食品容器および飲料容器については、引き続き供給が可能です(例:鮮魚の保管および輸送を目的としたポリスチレン製の箱など)。なお、本制限の対象となる「発泡スチロール」の技術的な定義に関しては、英国政府のガイダンス「包装に関する拡大生産者責任:規制当局の合意の立場と技術的な解釈(英語)」で確認してください。

さらに、スコットランドおよびウェールズでも使い捨てプラスチックの販売・提供に関する制限が導入されていますが、対象製品や制限・禁止の範囲がそれぞれ異なります。

飲料容器のデポジット・リターン・スキーム(DRS)

飲料容器のリサイクル率の向上などを目的として、2027年10月1日より、飲料容器の返却制度(Deposit Return Scheme: DRS)が導入される予定です。消費者が飲料を購入する際に購入金額にデポジット(預り金)が上乗せされ、所定の回収ボックスに飲料容器を返却したらデポジットが返還される仕組みとなっています。イングランド、スコットランドおよび北アイルランドでは、飲料用のペットボトル、スチール缶、アルミニウム缶で容量が150ミリリットルから3リットルのものが対象、ウェールズではガラス瓶も対象となる予定です。対象製品は、デポジット制度に関するロゴやコードをラベル表示する必要があります。

関連リンク

関係省庁
英国食品基準庁(FSA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国 環境・食料・農村地域省(DEFRA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国歳入関税庁 (HMRC)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
維持規則(EC)1935/2004(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC)2023/2006(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC)1895/2005(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU)10/2011(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC)450/2009(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持指令 2007/42/EC(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持指令 84/500/EEC (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC)282/2008 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2018年EU(離脱)法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU)2018/213 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持指令 93/11/EEC (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC) 853/2004(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2012年食品接触素材・物品に関する規則(イングランド)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2012年食品接触素材・物品に関する規則(ウェールズ)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2012年食品接触素材・物品に関する規則(スコットランド)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「生産者責任義務(包装および包装廃棄物)規則 2024 No.1332」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「2025年 食品及び飼料[規制食品(改正、廃止、影響ならびに経過規定)] 規則 No.361」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。
その他参考情報
英国食品基準庁(FSA) 食品接触材について(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国食品基準庁(FSA) 食品接触材の規則 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府 「英国規制食品・飼料登録簿」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国食品基準庁(FSA)「認可食品接触プラスチック材料の物質登録簿の使用に関するガイダンス」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
HMRC「プラスチック包装税の完成部品と大幅な変更の定義」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
DEFRA「ガイダンス : 包装の拡大生産者責任:リサイクル義務と廃棄物処理手数料」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
DEFRA「包装に関する拡大生産者責任:規制当局の合意の立場と技術的な解釈(英語)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
DEFRA「ガイダンス:包装に関する生産者責任の拡大:包装データファイルの作成」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
DEFRA「ガイダンス:包装の拡大生産者責任(EPR)のファイルを作成する方法」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
DEFRA 「ガイダンス : 使い捨てプラスチックの禁止と制限」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
DEFRA「ガイダンス : デポジット返還制度:飲料メーカーと小売業者の責任」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国デポジット管理機構 (UK Deposit Management Organisation) (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品との接触を意図したプラスチック素材と製品に関する規則(EU)No 10/2011に関するEUガイドライン(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(884KB)
EU加盟国の食品接触素材に対する独自規制に関するレポート(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「海外向け食品の包装制度調査」

6. ラベル表示

調査時点:2025年8月

天然ミネラルウオーターおよび水源水に必要なラベル表示

「天然ミネラルウオーター(natural mineral water)」や「水源水(spring water)」としてラベルに表示するには、「2007年天然ミネラルウオーター、水源水、ボトル飲料水(イングランド)規則」(以下「ボトル飲料水規則」)に規定される規格を満たす必要があります(「1. 食品規格」を参照)。

「天然ミネラルウオーター」「水源水」および「ボトル飲料水」について、個別のラベル表示規定の仕様(一部)は次のとおりです。

表6 「天然ミネラルウオーター」「水源水」「ボトル入り飲料水」の個別ラベル表示規定
項目 天然ミネラルウォーター
(Natural Mineral Water)
水源水
(Spring Water)
ボトル飲料水
(Bottled Drinking Water)
販売名称(Sales description)の記載 必須:「natural mineral water」
「spring water」など他の種類と誤認させる表示を禁止
必須:「spring water」
源泉・原産地を誤認させる表示を禁止。「natural mineral water」など他の種類と誤認させる表示を禁止
「drinking water」「water」等適切な表示:「natural mineral water」、「mineral water」や「spring water」など他の種類と誤認させる表示を禁止
源泉名・採水地名 必須 :ラベルに源泉名と採取地を表示
源泉や採水地を誤認させるラベルは禁止
必須 : ラベルに源泉名と採取地を表示
源泉や採水地を誤認させるラベルは禁止
表示義務なし
分析組成・主成分の表示 必須:主要なミネラル・成分分析値 任意だが特徴成分分析表示可 表示義務なし
承認された脱炭酸処理の表示(完全/部分的) 行った場合、「fully de-carbonated」または「partially de-carbonated」と記載 行った場合、「fully de-carbonated」または「partially de-carbonated」と記載 表示義務なし
承認されたオゾン酸化処理表示 行った場合「…subjected to an authorised ozone-enriched air oxidation technique」を組成近くに記載 同様に表示義務あり 表示義務なし
フッ化物 1.5mg/L超の警告 「…contains more than 1.5mg/L of fluoride: not suitable for regular consumption by infants and children under 7 years of age」を商品名付近に明記 表示義務なし/任意 表示義務なし
実際のフッ化物含有量表示 表示義務(組成分析値としてmg/L単位) 表示義務なし/任意 表示義務なし
承認された吸着技術(authorised adsorption technique): 鉄・マンガン・硫黄・ヒ素除去等の表示 (例 活性アルミナ) 表示義務はないが、処理によって変化した成分値(例:フッ化物濃度低下)は「分析組成(characteristic constituents)」に反映 表示義務はないが、処理によって変化した成分値(例:フッ化物濃度低下)は「分析組成(characteristic constituents)」に反映 表示義務なし
消費期限・製造者等
(Name / Address of Bottler / Business Operator)
必須(一般食品表示規則) 必須(一般食品表示規則) 必須(一般食品表示規則)
表7 発泡性の天然ミネラルウオーターの販売名称
炭酸水の販売名称 製法
‘naturally carbonated natural mineral water’ ボトル詰め後の炭酸ガス含有量が源泉と同じミネラルウオーター。生産者は、同じ湧水から、源泉で自然に発生する量と同じレベルまで炭酸ガスを再導入しなければならない。それ以上の炭酸ガスを添加することはできない。
‘natural mineral water fortified with gas from the spring’ ボトル詰め後の炭酸ガス含有量が、湧出時よりも高いミネラルウオーター。生産者は、同じ湧水から炭酸ガスを再導入するが、源泉で自然に発生した以上の炭酸ガスを添加できる。
‘carbonated natural mineral water’ 他の供給源から(元の供給源からではなく)添加された炭酸ガスを含むミネラルウオーター。

天然ミネラルウオーターのミネラルなどの表示については、次の基準を満たす場合に各表示事項を使用することができます。

表8 「天然ミネラルウオーター」のミネラルなどの表示基準
表示事項 使用基準
Low mineral content
低ミネラル含有
固形残留物として算出したミネラル塩含有量が 500 mg/L以下
Very low mineral content
非常に低ミネラル含有
固形残留物として算出したミネラル塩含有量が 50 mg/L 以下
Rich in mineral salts ミネラル塩が豊富 固形残留物として算出したミネラル塩含有量が 1500 mg/Lを超える
Contains bicarbonate
炭酸水素塩を含有
炭酸水素塩含有量が 600 mg/Lを超える
Contains sulphate
硫酸塩を含有
硫酸塩含有量が 200 mg/Lを超える
Contains chloride
塩化物を含有
塩化物含有量が 200 mg/Lを超える
Contains calcium
カルシウムを含有
カルシウム含有量が 150 mg/Lを超える
Contains magnesium
マグネシウムを含有
マグネシウム含有量が 50 mg/Lを超える
Contains fluoride
フッ化物を含有
フッ化物含有量が 1 mg/Lを超える
Contains iron
鉄を含有
二価鉄含有量が 1 mg/Lを超える
Acidic
酸性
遊離二酸化炭素含有量が 250 mg/Lを超える
Contains sodium
ナトリウムを含有
ナトリウム含有量が 200 mg/L を超える
Suitable for a low-sodium diet
低ナトリウム食に適する
ナトリウム含有量が 20 mg/L 未満

果実ジュースなどのラベル表示

果実ジュースなどのラベル表示については、「2013年果実ジュースおよび果実ネクター規則」(以下「果実ジュース規則」)に規定される各製品区分の規格を満たした場合に限り、製品名を使用することができます。同規則第10条に「使用果実の表示」が規定されており、[x] 部分に使用果実を明示する必要があります。

    • 果実1種類(single)の場合、製品名 [x] 部分に、その果実の名称を含める。
    • 果実2種類(double)の場合、製品名 [x] に、その2種類の果実の名称を含める。
      果実3種類以上(multiple)の場合、「使われているすべての果実名一覧(リスト)」または、「『Several fruits (数種類のフルーツ)』などの表示」、「使用された果実の数(例:「フルーツ3種入り」など)」のいずれかの表示を選択できる。

※ただし、酸味を調節する目的で添加されたレモン果汁、ライム果汁、濃縮レモン果汁、濃縮ライム果汁は「無水クエン酸」として表記され、果実の種類数として数えない。

これらの商品名や成分表示中の果実名の並び順は、使用された果実またはピューレの配合量(容量)の多い順に記載します。果実名については、一般名(Appleなど)または学名(Malus domestica Borkh.など)を用います。

表9 果実ジュースなどの販売名称
製品区分 製品名
果汁
(Fruit juice)
“[x] juice”
濃縮還元果汁
(Fruit juice from concentrate)
“[x] juice from concentrate”
濃縮果汁
(Concentrated fruit juice)
“concentrated [x] juice”
水抽出果汁
(Water-extracted fruit juice)
“water extracted [x] juice”
脱水/粉末果汁 (Dehydrated / powdered fruit juice) “dehydrated [x] juice” or “powdered [x] juice”
フルーツネクター (Fruit nectar) “[x] nectar”

消費者向け事前包装された食品のラベル表示規則

英国で流通する事前包装された食品(ケータリング向け食品含む)のラベル表示は、維持規則(EU)1169/2011(通称INCO規則)および「2014年食品情報規則(The Food Information Regulations 2014 No.1855)」で規定されており、輸入食品についても同様に適用されます。英国で流通し消費者に販売される時点から、輸入者もしくは販売者に対して表示の義務が課されます。アレルギー物質や栄養成分の表示など、日本と比べて義務表示の対象が広い項目もあるため、注意が必要です。

包装済みの混合食品を輸出する場合、維持規則(EU)1169/2011第9条(次の表の中では「同規則」)および関連EU維持規則に基づき、次の項目を表示する義務があります。
また、特定栄養用途食品や英国規則で特例が認められている場合を除き、いかなる食品情報についても、ヒトの病気を予防、治療または治癒する効果があるかのような表示や、そのような特性に言及したりすることは禁止されています。これらは、オンライン販売などの手法により遠隔地から販売を行う事業者にも同様に適用されます。

日本から清涼飲料水を輸出する場合、同規則第9条に基づき、次の項目を表示する義務があります。 定義などの詳細については「食品関連の規制」の「1. 食品規格」の項で確認してください。

表 10 維持規則(EU)1169/2011第9条に規定されるラベル表示義務項目
(1) (2) (3) (4) (5) 項目 英国補完規則 補足説明

食品の名称
「イングランド ボトル飲料水規則」や「2013年 果汁規則」他 食品の名称は、次の優先順位で記載する必要があります。
  1. 法的名称:英国国内規則等で定められた名称。
    例:「イングランド ボトル飲料水規則」に規定される法的名称「Mineral Water(天然ミネラルウオーター)」「Spring Water(水源水)」、「2013年 果汁規則」に規定される「Fruit Juices(果汁)」「Fruit Nectars(ネクター)」など
  2. 慣習的名称:当該販売国で消費者に食品名称として受け入れられている名称。その名称以外に説明が不要なもの。
  3. 説明的名称:混同を避けるための説明的な名称、および必要に応じてその用途を示す名称。
商標やブランド名は食品名として不可
その他、ANNEX VI に該当する個別項目が要求される場合もあります。

原材料リスト
「2013年 果汁規則」など ・原則として、すべての原材料(食品添加物や酵素を含む)を重量順に表示。食品に占める割合が2%未満の原材料については、重量順と異なるかたちで列挙することも可能。
・複合原材料(compound ingredients)は、複合原材料の表示名を記載したうえで、その後に括弧書きで当該構成要素(サブ原材料)を記載。
・食品添加物および食品香料は、その機能カテゴリー(酸化防止剤、防腐剤、着色料など)を示し、続けて物質名またはE番号を表示。
・加工助剤や最終製品技術的な機能を持たない担体(キャリア)などについては同規則20条を参照。(加工助剤は通常、成分表示の義務対象外だが、加工助剤が製品中に残留してアレルゲン性を生じる場合は表示義務あり)

・単一原材料で下記の場合は表示不要(例 水)
(i) 食品名が成分名と同一
(ii) 食品名が成分の性質を明確に識別できる

・果汁や果肉飲料に添加された果肉、果汁割合、添加物、香料、甘味料、水は「2013年 果汁規則」に則る特定の表示が必要

・その他の表示免除に関しては、第19~20条、ANNEX VIIを確認してください。特に、アレルゲン由来の成分が関与する場合などは、表示免除が適用外になります。
Allergen informationアレルゲン表示 「2014年 食品情報規則」 表示が義務付けられているアレルギー物質は、次のとおり
原材料リストの標記を太字、色を変えるなど強調表記が必要

グルテンを含む穀物(小麦、大麦、オーツ麦など)および同製品(一部例外あり)
甲殻類および同製品
卵および同製品
魚および同製品(一部例外あり)
ピーナッツおよび同製品
大豆および同製品(一部例外あり)
乳(ラクトースを含む)および同製品(一部例外あり)
ナッツ類および同製品
セロリおよび同製品
辛子および同製品
ゴマおよび同製品
濃度が 1kg/1l当たり10mg 超の二酸化硫黄または亜硫酸塩
ルピナス(マメ科植物)および同製品
軟体動物および同製品

含有量表示
(QUID)
「2006年度量衡(包装商品)規則」
英国での数量計測方法や単位
次の場合、食品の製造または調理時に使用された原材料の量的表示 (%)を表示が必要
  • 当該原材料が、商品名に使用される、消費者がその名称から通常連想する場合(例 'strawberry yoghurt'という名称の場合、イチゴの割合(%)を表示)
  • 当該原材料がラベル上で言葉・写真・図で強調されている場合
  • 当該原材料がある食品を特徴づけ、通常、消費者は名前と関連付けて考えることが想定される場合(例 サマープディングのフルーツ)
  • 特定の要件や量の表示が不要な例外についてはANNEX VIIIに規定
内容量/正味量 「2006年度量衡(包装商品)規則」 重量単位「g, kg」または容量「㎖, ℓ」で表示
文字の大きさは重量に応じ、次のとおり表示する必要あり。
公称重量 文字の高さ
50g以下 2mm以上
50g超200gまで 3mm以上
200g超1,000gまで 4mm以上
1,000g超 6mm以上
また、容量誤差の許容範囲(容器に記載された公称重量と実質重量の誤差)については、「2006年度量衡(包装商品)規則」により、規定されています。
公称重量(g) 許容範囲
(公称容量より少ない場合)
公称重量 に対する% g
5 ~ 50 9
50 ~ 100 4.5
100 ~ 200 4.5
200 ~ 300 9
300 ~ 500 3
500 ~ 1,000 15
1,000 ~ 10,000 1.5
任意表示ですが、eマークを使用する場合、表示されている正味量が関連するEU維持規制に準拠する必要があります。
〇g
eマーク
図:eマーク
賞味期限または消費期限 適切に保管された場合に当該製品がその特性を維持できるまでの日付、「賞味期限(the date of minimum durability)」を表示。
微生物学の視点からみて傷みやすく、短期間で危険となりうる食品の場合、日本と同様に「消費」期限(the ’use by’ date)を表示する必要あり。

特殊な保存条件や使用条件
記載がなければ適切な使用が困難な場合に記載。
特別な保存条件や使用条件を必要とする場合や開封後の食品の適切な保存または使用を可能にするために、必要に応じて保存条件や消費期限を表示することが可能。例:「冷暗所で保管」
食品事業者 (FBO)の名称または販売業者、および所在地 食品情報について責任を負う、英国に拠点のある輸入者または製造者/販売者(ブランドオーナー)の事業者名(Name or trade name)および住所を表示。

原産地
・消費者が真の原産国または起源地について誤解し得る場合、食品に添えられた情報またはラベルが異なる国または起源地を暗示する場合、原産国の表示が必要。
・原産地を想起させる国旗などがパッケージに表示されている場合も、同様
・最終製品の原産地と、最終製品に含まれる主原料の原産地が異なる場合、当該主原料の原産地を記載するか、「(〇○:主原料)は(××:最終製品の原産地)に由来しない」(○○ do/does not originate from ××)と記載
(例えば、最終製品の「オレンジジュース」の原産国が英国と表示しており、主原料の「オレンジ」の原産地がスペイン産の場合「この主原料であるオレンジはスペイン産」と記載するか、ラベルに「オレンジは英国産ではない」と明記する)(維持実施規則 (EU) 2018/775)

主原料とは、最終製品の50%以上を占める原材料、または、製品の名称から消費者が通常想起する原材料(オレンジジュースの「オレンジ」)を指す。

栄養表示
単一の原材料または原材料カテゴリーから成る未加工製品や飲用を目的とした水(炭酸(carbon dioxide)や香味料(flavourings)のみを添加しただけのもの含む)、コーヒー抽出物・チコリ抽出物・全粒/挽いたコーヒー豆(カフェイン除去のもの含む)、ハーブ・果実の浸出(ティー類)等(栄養価を変えない風味付けのみ)に関して、栄養表示の義務は免除される。
ただし、この場合でも「栄養や健康に関する強調表示」をしている場合は栄養表示が義務付けられる。

栄養表示が義務付けられている場合、以下の項目を100gまたは100mlあたりで表示する。これに加え、一食あたりの栄養素を表示することも可能。

・エネルギー量(kJおよびkcal 両方)
・脂肪(g)
・飽和脂肪酸(g)
・炭水化物(g)
・糖類(g)(単糖類および二糖類の合計値)
・タンパク質(g)
・塩分(g)〔(塩分)=(ナトリウム含有量)×2.5で算出〕

製造ロット番号 「The Food (Lot Marking) Regulations 1996」 維持指令2011/91/EUならびに「1996年 食品(ロット印字)規則」により英国内で流通する包装済み食品は、製造ロット番号を表示する必要があります。EUでは「L」の文字に続けてロット番号を表示することが推奨されていますが、英国では、賞味期限や消費期限が日/月形式で表示されている場合、この情報をロット番号とすることが可能です

「イングランド ボトル飲料水規則」The Natural Mineral Water, Spring Water and Bottled Drinking Water Regulations
「2013年 果汁規則」The Fruit Juices and Fruit Nectars (England) Regulations 2013 N°2775」
「2014年 食品情報規則」The Food Information Regulations 2014 N°1855
「2006年度量衡(包装商品)規則」The Weights and Measures (Packaged Goods) Regulations 2006 N°659
「1996年 食品(ロット印字)規則」 The Food (Lot Marking) Regulations 1996 維持規則(EU)1169/2011 ANNEX IIIには追加表示義務が規定されています。主な例は次のとおりです。

  • 添加物維持規則(EC) 1333/2008により認可された甘味料(一種ないし複数種)を含む場合、「甘味料入り〔with sweetener(s)〕」を名称に添える。
  • 糖(類)と規則(EC) 1333/2008に認可された甘味料(一種ないし複数種)の両方を添加した場合、「糖(類)および甘味料入り〔with sugar(s) and sweetener(s)〕」を製品の名称に添える。
  • 空気を除去して、密閉した包装容器内に窒素などその他のガスを充てんしたガス充てん包装がなされた食品は、「packaged in a protective atmosphere」と表示する。
  • アスパルテーム(aspartame)またはアスパルテームアセスルファム塩(aspartame-acesulfame salt)を使用した場合、原料リストにE番号を記載し、「‘contains aspartame (a source of phenylalanine)’「(フェニルアラニン源の)アスパルテームを含む」と記載するか、原料リストに具体的な名称を記載して「‘contains a source of phenylalanine’(フェニルアラニン源を含む)」と記載する。
  • カフェインの含有量が150ミリグラム/リットルを超える飲料(希釈または抽出して飲む飲料を含む)には、「高カフェイン含有。子供、妊婦、授乳中の女性にはお奨めしません(High caffeine content. Not recommended for children or pregnant or breast-feeding women)」と、「販売名の近く」に、続けてカフェイン含有量(mg/100ml)をカッコ書きで表記する。

維持規則(EU)1169/2011 ANNEX VIIおよび第19条、第20条では、原材料表示や原材料リストからの省略について個別規定が定められています。主な内容は次のとおりです。

  • 最終製品に占める割合が2%未満の『類似性と互換性のある原材料』(製造や準備で使用しても組成や性質、知覚価値が変わりにくい)の場合、二つ以下の原材料のうち少なくとも一つ以上が最終製品に存在する場合、原材料リストに「…および(または)…を含む(contains … and/or …)」と表示できる。本規定は、食品添加物やアレルギーや不耐症の誘発物質または本ANNEX VII PART Cの物質には適用されない。
  • 「複合原材料(compound ingredient)」(それ自体が1つ以上の原材料から作られる原材料)は、原材料リストに独自の呼称(法律、慣習上定められている限り)で総重量を記載し、その直後に含まれる原材料のリストを続けてもよい。
  • 「EU規則で定義されている場合の複合原材料」あるいは「スパイスやハーブを混合した複合原材料」で最終製品に占める割合が2 %未満の場合、複合原材料の原材料リストは必須とされない。ただし、本規定は、食品添加物やアレルギーや不耐症の誘発物質には適用されない。
  • 「加工助剤として使用されたもの(最終的に残存しない)」あるいは「キャリア(担体)や類似の目的で必要な量だけ使用された物質」、「キャリーオーバー(持ち越し原則)として含有する(最終食品において効力を有しない)当該食品の原料または複数に含まれていた食品添加物や食品酵素」「製造過程で、濃縮または乾燥(脱水)した形の原材料を戻す目的で使用された水」に関しては、原材料リストからの省略が可能です。ただし、アレルギーや不耐症の誘発物質を含む場合は、第21条にのっとり(サプライチェーン上流からの「意図しない混入」や「キャリーオーバー」を含め)表示が必要である。(第20条)
  • 濃縮(concentrated)または乾燥・脱水(dehydrated)させ、製造時に還元(reconstituted)して使われる原材料の場合、濃縮または乾燥の前に記録された重量順に列挙してよい。
  • 濃縮または乾燥させた食品で水を加えて還元することを意図したものに使われる原材料の場合、還元後の製品中の比率で列挙してよいが、その場合は原材料リストに「還元後の製品の原材料(ingredients of the reconstituted product)」または「使用可能な状態にした製品の原材料(ingredients of the reconstituted product)」などの表現を添えることを条件とする。
  • 果実、野菜、またはキノコ類で、そのいずれも圧倒的な重量を占めるわけでなく、配合して食品の原材料として使われ、使用割合が変わる場合が多い場合、原材料リストでは「果実」、「野菜」、または「キノコ類」の呼称で括り、その呼称の後に「配合割合は変わります(in varying proportions)」と記し、続けて具体的な、果実、野菜、またはキノコ類の名称リストを記載できる。その場合、当該配合物は、存在する果実、野菜、またはキノコ類の総重量を基に、第18条第1項に従って(製造時の使用記録に基づいて重量の多いものから順に挙げる)原材料リストに記載する。

なお、添加物質の個名称(またはE番号)を記載する際、ANNEX VII Part Cに規定されるカテゴリーのいずれかに該当する場合には、次の「カテゴリー名 + 個別名称またはE番号」を呼称として用いる必要があります。

  • 酸(Acid)
  • pH 調整剤(Acidity regulator)
  • 凝結防止剤(Anti-caking agent)
  • 消泡剤(Anti-foaming agent)
  • 酸化防止剤(Antioxidant)
  • 増量剤(Bulking agent)
  • 色素(Colour)
  • 乳化剤(Emulsifier)
  • 乳化塩(Emulsifying salts)
  • 固化剤(Firming agent)
  • 風味増強剤(Flavour enhancer)
  • 小麦粉処理剤(Flour treatment agent)
  • 起泡剤(Foaming agent)
  • ゲル化剤(Gelling agent)
  • 光沢剤(Glazing agent)
  • 保湿剤(Humectant)
  • 加工でん粉(Modified starch)
  • 保存料(Preservative)
  • 噴射ガス(Propellent gas)
  • 膨張剤(Raising agent)
  • 隔離剤(Sequestrant)
  • 安定剤(Stabiliser)
  • 甘味料(Sweetener)
  • 増粘剤(Thickener)

維持規則 (EU)1169/2011 ANNEX VIIIには、特定原材料の量的表示(QUID)の要件および適用除外(表示免除)について規定されています。

  • 「甘味料入り〔with sweetener(s)〕」または「糖(類)および甘味料入り〔with sugar(s) and sweetener(s)〕」と表示がある場合、または、添加されたビタミンおよびミネラルが栄養表示の対象である場合、その物質に対応する食品製造または調理に使用された原材料または原材料カテゴリーの量的表示(QUID)は不要。
  • 原材料または原材料カテゴリーの量的表示(QUID)は、使用時の量に対応するパーセンテージで表記するとし、その値が当該原材料の製造・配合時量を反映するものとする。
  • 量的表示は、当該原材料またはカテゴリーを含む食品の名称の中またはその隣接する部分、あるいは原材料リスト内に表示する。
  • ただし、濃縮(concentrated)または乾燥・脱水(dehydrated)させ、製造時に還元(reconstituted)された原材料については、その量的表示は、加工前(濃縮または乾燥前)の正味重量順に列挙してよい。
  • 水を加えて還元することを意図された濃縮または乾燥品の場合、還元後の製品中の重量比率に基づいて量的表示することができる。

その他、詳細については、ジェトロ調査レポート「EUにおける食品ラベル表示に関する規制」や欧州委員会「ラベル表示に関するガイダンス文書」なども参照してください。なお、消費者を惑わせる表示や医学的効能を宣伝する表示が禁止されています。また、食品ラベルは、英語で表示してください。

ラベル表示に使用する文字の大きさについても、同規則において次のとおり指定されています。

  • 包装面の最大面積が80平方センチメートル以上の場合、「x」の文字の高さ(図中の6)は1.2ミリ以上
  • 包装面の最大面積が80平方センチメートル未満の場合、「x」の文字の高さは0.9ミリ以上

栄養・健康に関する強調表示

維持規則(EC)1924/2006ならびに「2019年栄養・健康の強調表示(その他の修正)(EU離脱)規則〔Nutrition and Health Claims (Miscellaneous Amendments) (EU Exit) Regulations 2019 No.651〕」により、栄養・健康に関する強調表示(例:「DHA は正常な血圧の維持に寄与します」「脂肪分 0 %」)に関する規制が定められています。食品ラベル上に記載可能な強調表示はポジティブリスト形式で定められており、強調表示が可能な栄養素など、記載可能な表現・強調表示を行うために含まれるべき栄養素などの基準が詳細に定められているため、強調表示を行う場合には、注意が必要です。

例えば、治療・治癒をうたう表示(例:「風邪の時に利用できる」「にきびを治療する」)、ポジティブリストに掲載されていない表示(例「コロナに打ち勝つ」「お茶は消化を助ける」)、許可された表示の意味を変える表現(例:ポジティブリストで表示が許可されている「ビタミンCは正常な免疫系機能の維持に寄与する」との表現ではなく「ビタミンCは免疫力を増加させる」との記載)、「一般的」な強調表現(例:「スーパーフルーツ」「デトックス」)、製品の組成と異なる栄養強調表示は禁止されています。

その他、使用できる栄養・健康に関する強調表示のポジティブリストは、英国独自の登録簿「英国の栄養・強調表示(NHC)登録簿(Great Britain nutrition and health claims register)」を必ず確認してください。
例えば、加工済み果実・野菜ジュースに対し「Polyphenols contained in this product ensure antioxidant action(この製品に含まれるポリフェノールは、抗酸化作用を保証します)」という表現や、果実(生、冷凍、缶入り、ボトル飲料、ドライ、果汁含む)に対し「Fruit protects the body’s cells(果実は体の細胞を保護します)」や「protects you from free radicals〔活性酸素(フリーラジカル)からあなたを守ります〕」などの表現は許可されていません。
その他、健康表示が承認も拒否もされず、規制上「保留中」の状態にある健康表示について、 「On-hold health claims(保留中健康強調表示)」にリスト化されており、条件付き使用が可能です(科学的根拠が十分で、表示文言も変更しない、誤解を与えないなどの場合)。 その他、「Low sugars(低糖)」「Sugars-free(無糖)」などと表示する場合、本規則で定義される基準を順守する必要があります。

表 11 「Low sugars(低糖)」「Sugars-free(無糖)」などの表示基準
表示 英国で許可される条件 数値基準
Low sugars(低糖) 「Low in sugars」を表す表示。消費者に “low sugars” と同じ意味を与える表現も含む。許容される糖分(sugars)の上限を超えていない場合この表示を使える 固形食品では 100 グラム あたり 5 グラム 以下の糖分
液体(飲料など)では 100 ミリリットルあたり 2.5 グラム 以下の糖分
Sugars‑free / Sugar‑free(無糖) “Sugars-free” と同じ意味を持つ表示、およびそれに類する表現も含む。糖分含有量が基準数値以下の場合、表示できる 固形・液体を問わず、100 グラム または 100ミリリットル 当たり 0.5 グラム以下の糖分
With no added sugars(無添加糖、砂糖不使用等) 単に砂糖が添加されていないことを意味し、単糖または二糖(mono‑/disaccharides)、甘味目的で使用されるその他の食品を用いていないこと。ただし、自然に存在する糖が含まれている場合、その旨の表示 “CONTAINS NATURALLY OCCURRING SUGARS” を併記する。

グルテンフリー表示

維持規則 (EU) 828/2014に基づき、グルテン含有量が20ミリグラム/キログラム以下である場合には「gluten-free」の表示が可能です。その際には、「gluten-free」の表示とともに「suitable for people intolerance to gluten(グルテン不耐症のヒト向け)」または「suitable for coeliacs(セリアック病患者向け)」の文言を任意で付すことも可能です。 その他、英国におけるグルテンフリー表示の概要については、NHS(National Health Service:国民保健サービス)のラベル表示の概要を参照してください。

「グルテンフリー・低グルテン(規則の基準値を順守したもの)」の表現に似た「グルテンを含む原材料を不使用〔No gluten-containing ingredients (NGCI)〕」表示については法的定義がなく、消費者を誤認させる曖昧さを含むことから、2018年2月以降、個別の商品パッケージや飲食店のメニューに「NGCI」という表示を単独で使うことは禁止されています。

容器包装前面表示制度(FOPL)

維持規則(EU)1169/2011 により、義務化されている「栄養表示」の数値を同規則 第35条を適用して、グラフィックを用いて消費者に分かりやすく伝える「容器包装前面表示制度(FOPL)」がEUや英国内の市場でプライベートスタンダードとして、採用されています。なお、将来的にEUで統一したグラフィックを用いた義務表示が示唆されていましたが、2025年9月現在、EUならびに英国では、任意表示となっており、統一したグラフィックは規定されていません。このような背景から、現状、EUや英国内で複数のFOPLが存在しています。英国では、Traffic Light方式が多くの企業に採用されており、政府の推奨フォーマットとなっています。

図1:Traffic Light方式栄養表示

関連リンク

関係省庁
英国 環境・食料・農村地域省(DEFRA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国食品基準庁(FSA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国保健省(DHSC)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国 安全・基準局 (OPSS Office for Product Safety and Standards)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
国民保健サービス(NHS: National Health Service)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
維持実施規則(EU)2018/775(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2018年EU(離脱)法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2020年EU(離脱協定)法(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU) 1379/2013(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EC) 853/2004(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則(EU)1169/2011(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「2014年 食品情報規則 No.1855」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持指令 76/211/EEC (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「2006年度量衡(包装商品)規則 No.659」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持規則 (EC) 1924/2006 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
「2019年栄養・健康の強調表示(その他の修正)(EU離脱)規則 No.651」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
維持指令2011/91/EU(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Latest available (Revised)」で最新時点のものを確認してください。
維持規則 (EU) 828/2014 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
英国政府 食品ラベル : 消費者向け食品情報に関するガイダンス(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府 包装済み食品 : 重量と測定の規則に関するガイダンス(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
DHSC「栄養および健康強調表示規則(EC)1924/2006にかかるガイダンス」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
DHSC「ガイダンス 英国の栄養・健康強調表示(NHC)登録簿」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国食品基準庁「2021年1月1日以降適用される衛生の識別マークに関するガイダンス」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
DHSC「ガイダンス : 食品に関する 『‘On hold’(保留中)』健康強調表示」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
DEFRA 「ガイダンス : 英国から北アイルランドに流通する特定製品の北アイルランド小売スキームに基づくラベル表示要件」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ EUにおける食品ラベル表示に関する規制(2014年3月)
ジェトロ 英国のEU離脱対応マニュアル(食品関係)(2020年11月)
ジェトロ ビジネス短信 「EU向けでない食品ラベルの英国全体への適用を見直し(2024年08月13日)」
ジェトロ「健康食品関連規制調査」

7. その他

調査時点:2025年8月

1.有機食品に関する規制

英国に有機食品を輸入する場合、英国政府に認可された有機認証団体から認可を受け、英国向けの検査証明書(COI : Certificate of Inspection)を発行してもらうことで、英国において、商品のラベルに「Organic (有機)」と表示することが可能となります。また、日本と英国との間で有機農産物および有機農産物加工食品などの一部の食品に関して、有機認証の相互同等性が認められているため、日本で「有機JAS」認証を取得した食品は、所定の手続きをすることにより、英国(北アイルランドを除くグレートブリテン)で有機食品として販売できます。

一方で、動物由来製品および水産物は、日本の有機JAS制度との同等性の対象外となっているため、英国において有機食品として販売することを希望する場合には、英国有機の認定を新たに取得する必要があります。

なお、2021年1月1日以降、英国のみに認定された有機食品については、EUの有機ロゴを利用することはできません。EUの有機規則で要求される要件を満たした場合のみ、EU有機ロゴの継続使用が可能です。英国は、EU、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン、スイス(以降EU等)との間で有機認証の相互同等性を認めているため、EU等で有機認証されている食品は、一定の手続きをすることで、英国で有機食品として表示できます。(免除措置は2027年2月1日まで。それ以降はCOIが必要) ただし、相互同等性が認められるのはEU等で生産・加工された有機食品に限られるので、日本の有機食品がEU等で有機認証されたとしても、副次的に英国で有機食品として販売できるわけではありません。

有機JAS製品の同等性を利用して、英国で有機食品として販売する場合

最終的に日本国内で生産・加工され、日本の有機JAS 制度に基づき、既に有機JASとして格付された有機農産物および有機農産物加工食品に関しては、維持規則(EC)1235/2008 ANNEX IIIにより、英国との間で同等性が認められています。しかし、前述のとおり「有機JAS」認証を取得した食品が、無条件に英国域内で有機食品として販売できるわけではなく、有機JAS製品の同等性を利用して、英国で有機食品として販売する場合には一定の手続きが必要な点に注意してください。

同等性を利用して輸出、販売する場合、英国政府に認可された有機認証団体の認証を受けたうえで、英国(北アイルランドを除くグレートブリテン)に有機食品として輸出できますが、輸出の都度、有機食品のCOIが必要となります。以前は紙ベースのCOIのみでしたが、現在は電子媒体(PDF)のCOIが認められるようになっています。

なお、有機農産物加工食品の原材料は、日本産および日本が同等であると認めた国で生産されたものに限られます。
また、日本の有機JAS 制度を利用して、英国向けにCOIを発行できる認証団体は、維持規則(EC)1235/2008第7条に基づいたリストに記載される有機認証団体のみであり、すべての有機JAS登録認定機関が発行可能でない点にも留意が必要です。英国政府に認可された有機認証団体のリストは関連リンクの英国政府のウェブサイト「英国輸出向けEUおよび第三国の有機製品認可団体のリスト(Lists of non-UK countries, territories)」および農林水産省のウェブサイト「有機農産物等の輸出に係る証明書を発行できる登録認証機関一覧(英国)」で確認ができます。

また、すべての有機JAS食品に対して同等性が認められているわけではありません。詳細は、有機認証団体あるいは環境・食料・農村地域省(DEFRA)に問い合わせてください。

なお、日本で有機JASを取得していても、英国での有機認証を取得していない商品の包装に「Organic」と印刷することは違反行為となり、輸入国でラベルを張り替える、「Organic」を塗りつぶすなどの措置が求められることにも注意が必要です。

有機JAS製品の同等性を利用せずに、英国で有機食品として販売する場合

有機JAS製品の同等性を利用せずに、英国で有機食品として販売する場合、有機JAS対象外品目や「同等性」の対象外品目については、維持規則(EC)1235/2008第10条に基づき、英国政府に認可された有機認証団体(同規則ANNEX IVならびに英国政府のウェブサイトのリストに掲載)から直接認証を受けることで、英国で有機食品としての販売が可能となります〔維持規則(EC)834/2007第33条第3項〕。英国の有機生産規則に準拠した、原料、添加物、加工助剤を使用する必要があります。

ただし、リストに掲載されていても、実質的には認定が不可能な場合もあるため、詳細は有機認定団体に直接問い合わせてください。

英国政府に認可された英国国外の有機認定団体のリストは維持規則(EC)1235/2008 ANNEX IVに掲載されていますが、EUの認定団体と異なる場合がある点に注意してください。英国政府ウェブのサイト「Recognised non-UK control bodies and control authorities」でも確認できます。
なお、英国における「英国政府認可の有機食品の認定団体」については、英国政府のウェブサイトまたは農林水産省のウェブサイトのリスト「EU加盟国、スイス、英国の証明書を発行する機関の名称及び住所」で確認できます。

英国に有機食品を輸入する際、EUのTRACESシステムは利用できません。暫定的に、手動で英国の有機輸入システムで手続き(認証機関がCOIを英国の輸入者へ電子メールで送る)を行うこととなっています。COIの署名および押印は電子的なものでも良いとされています。詳細は、農林水産省「手引き:グレートブリテン(GB)へ有機製品を輸入する」で確認することができます。ただし、北アイルランド向けの場合はEUのTRACESシステムを経由する必要があります。詳細は本ポータルサイト「EU」向けの「有機食品に関する規制」の項で確認することができます。

有機食品のラベル表示

英国では、有機食品を第三国から輸入、販売するための要件およびそのラベル表示に関する規制は、維持規則(EC)834/2007および維持規則(EC)1235/2008で規定されています。EUでは新公的管理の規則(EU)2017/625に照らし合わせ、新規則(EU)2018/848が2022年1月1日から適用されていますが、英国では適用されません。

包装済み食品の農産物原料の95%以上が有機製品である場合のみ、「Organic」の表示をすることができます。有機製品が英国産の場合のコードは「GB-ORG-XX」となります。なお、有機生産規則の基準を満たさない、かつ有機認証団体の認定を受けていない非有機製品や商品名(ブランド)や社名に例えば「〇〇's Organic」という名前を使用することはできません。このため条件を満たさない場合、成分表示リストや説明などに無条件に「Organic」(例:有機砂糖 ‘organic sugar’)を含めることはできません。

ただし、製品としては非有機であっても、原料が有機からなる場合に英国の有機認証団体から認証を得ることで、当該原料に関して有機と記載することは可能となります。
例えば、最終製品の有機農産物原料が95 %未満の場合であっても、原料に対し、有機認証を受けることで、商品ラベルの成分表示リストのみに「Organic」(例:有機砂糖 ‘organic sugar’)と表示することは可能となります。他方で、商品名や説明書きに「Organic」を表示することはできません。
前述のとおり、有機JAS製品の同等性を利用せずに、英国の有機生産規則に準拠して、規則で認められた原材料や添加物、加工助剤などのみを使用して、有機認証団体に直接認定を受けた場合に限り、「Organic」の表示をすることができます。

また、英国で製造した包装済み有機食品のラベルには、農産物原料の原産地について次のいずれかの記述を含める必要があります。
「UK Agriculture」:農産物原料 の98%以上が英国内で栽培されている場合
「UK or non-UK Agriculture」:農産物原料が英国内外で栽培された農産物が混合されている場合
「Non-UK Agriculture」:農産物原料の98%以上が英国外で栽培されている場合

詳細は、環境・食料・農村地域省(DEFRA)または、前述の英国政府に認可された有機認証団体に問い合わせてください。

なお、EUにおいては2022年1月1日より、規則 (EC)834/2007が廃止、ならびに委任規則(EU) 2021/2306により、(EU) 2018/848が廃止となっており、英国で適用される有機生産規則と異なる点が多いので留意してください。

2. 遺伝子組換え食品に関する規制

英国では、維持規則(EC)1829/2003に基づき、認可を受けた遺伝子組換え作物のみ(大豆、とうもろこし、綿実、菜種、テンサイ)が英国での販売・流通を認められており、流通させる場合には遺伝子組換え作物を使用している旨の表示が義務付けられています。認可を受けた遺伝子組換え体のリストは、英国政府の統一登録データベース「英国 規制対象の食品および飼料製品登録簿(Register of regulated Food and Feed Products for Great Britain)」の「認可遺伝子組換え作物(GMO authorisations)」で検索することができます。

一例として、次に示す英国と日本の規制の相違いについては、留意が必要です。

  • 日本では、遺伝子組換え作物のDNAおよびタンパク質が加工工程で除去される食品(しょうゆや植物油など)については、たとえ遺伝子組換え作物を原料としていても遺伝子組換えの表示義務がないが、英国では、最終食品におけるタンパク質・DNAの存在の有無にかかわらず、原材料に遺伝子組換え作物を使用した場合には、その旨の表示義務〔原材料名の後ろに‘genetically modified’と記載、または、‘produced from genetically modified ○○(原材料名)’と記載〕がある。(GM由来の加工補助剤については6を参照)
  • 日本では、遺伝子組換え農産物が食品などの主な原材料(原材料の上位3位以内で、かつ全重量の5%以上を占める場合)ではない場合には、遺伝子組換えについての表示義務がないが、英国では、食品添加物を含む加工食品のすべての原材料について、遺伝子組換え作物を使用している場合は、表示義務がある(例えば遺伝子組換え由来の大豆レシチンやコーンスターチなど)。
  • 日本では、遺伝子組換えではない原材料について、許容される遺伝子組換え体の「意図せざる混入」の割合は5%未満となっているが、英国では、同割合は0.9%未満となっているので、これを超える場合は遺伝子組換え作物使用の表示が必要である。
  • 日本では、包装食品における表示可能面積が30平方センチメートル以下の加工食品については、遺伝子組換え表示義務の対象外となっているが、英国では、最大包装面積が10 平方センチメートル以上の食品には、遺伝子組換え表示の義務がある。また、最大包装面積が10平方センチメートル未満の包装食品や非包装食品についても、遺伝子組換え作物を原材料に使用している場合には、食品陳列棚の近傍に常に見えるかたちで表示する義務がある。
  • 日本では『遺伝子組換え不分別』の概念があるが、英国規制には当該概念がない。遺伝子組換え作物を使用もしくは遺伝子組換え作物を飼料の原料としている場合は表示が必要である。
  • 遺伝子組換え微生物(Genetically Modified Microorganisms: GMM)由来の成分が食品中に残存し、食品成分として機能する場合(例 : 酵母エキスなど)にも遺伝子組換え体使用の記載義務がある。ただし、実質、最終製品に残留しないGM由来の加工補助剤については、表示義務はない。

「遺伝子組換えでない〔GM(O)-Free, Non-GM(O)s〕、非遺伝子組換え材料から製造(Produced From Non-Gm Material)」の表示について、英国国内法で独自規制などは規定されていませんが、EU維持規則上、遺伝子組換え作物の混入が偶発的な意図せざるものであり、混入割合が当該原材料の0.9%未満であれば、「GM(O)-Free」などの表示を任意で行うことが可能とされています。ただし、サプライチェーン全体にわたり GMO が存在しないことをトレーサビリティーで証明できる場合に限り表示が可能で、デンプンなどをはじめ、添加物、香料、抽出溶媒、加工助剤などを含め追跡することが求められます。

詳細はEU委員会が実施したGM(O)-Freeの表記に関する報告書でも確認することができます。

2025年4月1日から英国で適用されている、「2025年 食品及び飼料〔規制食品(改正、廃止、影響ならびに経過規定)〕 規則 No.361 The Food and Feed (Regulated Products) (Amendment, Revocation, Consequential and Transitional Provision) Regulations 2025 No.361」により、遺伝子組換え作物を含む、英国内で承認の対象となる食品の登録簿の一元化が、段階的に進められています。これに伴い、従来、関連規則に掲載(リスト化)されていたものについては、順次、登録簿に直接掲載されるようになっています。このため、規則参照の運用面でEUとは異なる点があることに注意が必要です。

QHPs(Qualifying higher plant 適格高等植物)

英国では、開発研究、試験向けの規制障壁の負担を軽減することを目的として、「2002年遺伝子組換え生物(意図的な放出)規則No 2443」を改正する「2022年遺伝子組換え生物(意図的な放出)(改正)規則(イングランド)No 347」 が施行されています。これにより、「適格高等植物QHP : Qualifying higher plant)」の定義が導入され、「遺伝的変化が自然にまたは伝統的な育種によって生じた可能性がある放出目的の遺伝子編集植物(自然または従来と同等の変更を加えた遺伝子編集植物)」として、研究目的のQHPのリリースの場合は環境・食料・農村地域省(DEFRA) への事前通知、GMO 公開登録簿で公表という簡素化された手続きが義務付けられています。市販目的の場合は、従来のGMO規則の認可プロセス(科学的評価を含む)が必要となります。

ゲノム編集技術など精密育種生物 (PBO) / 新ゲノム技術 (NBT)

英国では、遺伝子編集や精密育種に関して、「従来の育種によって生じたものと区別がつかない遺伝子変化を生み出す可能性がある」として、「遺伝子組換え(GMO)規則」と区別するため、「2002年遺伝子組換え生物(意図的な放出)規則No 2443」を修正する「2023年遺伝子技術(精密育種)規則」〔2023年精密育種法 (PBO規則)〕を制定し、従来の遺伝子組換え作物 (GMO) 規制とは別に「Precision Bred Organism(PBO:精密育種生物)」の制度が整備されています。 EUにおいては、広義の意味の「新ゲノム技術/新しい育種技術 (NGT/NBT) 」という用語を使用することが多いですが、英国では、法的名称の「精密育種(Precision breeding)」や「精密育種生物(PBO)」の用語が基本的に使用されます。

英国規則「2023年遺伝子技術(精密育種)法」により「Precision breeding(精密育種・精密繁殖)」を

  • ゲノムのあらゆる特徴が、現代のバイオテクノロジーの応用によってもたらされ、
  • そのゲノムの特徴のうち、現代のバイオテクノロジーの適用によって生じたものはすべて安定しており、
  • 現代のバイオテクノロジーの応用の結果生じたゲノムのあらゆる特徴は、選択技術との併用であるか否かを問わず、従来のプロセス結果として起こるもので、
  • そのゲノムは、現代のバイオテクノロジー以外の人工的な改変技術の適用から生じる特徴を含まない。
    と定義づけています。

これにより、英国では、ゲノム編集技術や精密育種技術(Precision breeding)を用いて生産された一部の植物・動物から生産された食品および飼料について、EUで適用されている遺伝子組換え作物規制や新規食品(Novel Food)規制とは別の枠組みの規制下で制度化されていることに注意が必要です。
〔EUで審議中の「「新ゲノム技術(NGT)規則」草案」で提案されるNGTカテゴリー1が、実質PBOと同様のものとなっていますが、2025年8月現在、制度化されていません〕

規則上、英国では、植物も動物も対象としていますが、実質的には、2025年に公布された「2025年 遺伝子技術(精密育種)規則 No.581〔Genetic Technology (Precision Breeding) Regulations 2025(SI 2025/581)〕」(施行2025年11月)により、販売認可(市販認可)が制度化されているのは「植物由来」の精密育種の食品・飼料のみとなっており、動物および動物由来食品・飼料に関しては制度化されていません。

なお、植物由来の精密育種品の市場流通のための申請または承認プロセスに関しては、2025年11月以降に施行される予定となっており、(1)Novelty(新規性)(2)Nutrition(栄養影響)(3)Toxicity(毒性)(4)Allergenicity(アレルゲン性)(5)Other Safety Concerns(その他懸念)などの安全性評価を基準として、DEFRAとFSAによる二段階認証制となっています。申請や認可に関しては、FSAのガイダンス(ドラフト版2025年2月発行)などで詳細を確認できます。

表12 英国とEUにおけるゲノム編集技術など精密育種生物 (PBO)と新ゲノム技術 (NBT) などの用語の違い
英国 EU
GMO(Genetically Modified Organism:遺伝子組み換え生物) 定義はEU 指令2001/18 同様。
外来DNAの遺伝子組み換え挿入によって作られた生物(従来のGMO)については依然としてGMOと同様の管理下で扱う。
従来の「GMO」とは別にゲノム編集/精密育種された一部の製品を「精密育種生物 (PBO)」という新たな概念(区分)を設け、区別
GMOとは「「交配および/または自然組換えによって自然には発生しない方法で遺伝物質が改変された生物」
(指令2001/18)
「QHP /Qualifying higher plants
適格高等植物」
適格高等植物(QHP)とは「2022年 遺伝子組み換え生物 (意図的な放出)(改正)(イングランド)規則」により追加された概念で「自然発生的または伝統的な育種方法によって起こり得る改変を行う目的以外で遺伝子組み換えがされていない」遺伝子組み換え高等植物と定義。研究のための圃場試験をより容易に実施できるよう、より均衡のとれた規制プロセスを確立、研究者はGMO承認プロセスを経る負担なしに、適格な高等植物を用いた圃場試験を実施できる。(DEFRAへの通知が義務付け) 英国の「2022年 遺伝子組み換え生物(意図的な放出)(改正)(イングランド)規則」により追加された用語(概念)のため、EUでは使用されていない。
NGT/NBT
(New Genomic Techniques /New Breeding Techniques 新ゲノム技術/新育種技術)
英国では、「2023年遺伝子技術(精密育種)法」が制定されており、EUで使用されている広義の意味の「NGT/NBT」よりも、法的名称として「Precision breeding(精密育種)」および「精密育種生物(PBO : Precision Bred Organism)」という用語を使用傾向

※ただし、EUの規則案では、NGTをカテゴリー1と2に区分しており、カテゴリー1NGT にあたるものがPBOとほぼ同義であり、英国政府も、「EU新ゲノム育種技術(NGT)に関する規則説明文書(2023年8月18日日付)」の中で、定義はほぼ一致していると説明。
「新ゲノム技術 / 新育種技術 (NGT:New Genomic Techniques)」は、2001年のEUの遺伝子操作に関する規則の制定以降、出現または開発された遺伝物質を変化させることができるさまざまな技術を指す包括的な用語。

2023年7月提案、2025年審議中の欧州委員会による規制案「特定の新ゲノム技術 (NGT) による植物およびその食品・飼料に関する規則案」(COM(2023)411最終版)により
「NGT植物」を「標的突然変異誘発(targeted mutagenesis)もしくはシスジェネシス、またはそれらの組み合わせによって得られた遺伝子組み換え植物を意味し、NGT植物の開発中に一時的に挿入された可能性のある、育種者/繫殖者の遺伝子プールの外に由来する(外来の)遺伝物質を含まないことを条件とする」と定義される。
(現在のところ、審議されているのはNGT 植物のみ)

「新ゲノム技術 New Genomic Techniques」(NGT)を広義に「新育種技術」/NBTと呼ぶこともある。
「targeted mutagenesis 標的変異誘発(外来遺伝物質の挿入を伴わない突然変異誘発)、シスジェネシス/イントラジェネシス(交配可能な種にすでに存在する遺伝物質の挿入)
Precision breeding / Precision Bred Organism (PBO:精密育種生物/精密繁殖生物) 英国規則「2023年遺伝子技術(精密育種)法」により、従来の「GMO」と別に区別するために導入された概念で、「Precision breeding(精密育種・精密繁殖)」の定義を
a) 生物のゲノムにある特徴は、モダン・バイオテクノロジーの応用によって生じたもの
b) その特徴は安定的(stable)である
c) その特徴は、伝統的なプロセス(自然変異や従来型育種)でも生じ得るものである
d) ゲノムに、モダンBT以外の人工改変技術の痕跡を含まない
とし、規則上、英国では、植物も動物も対象としている。
「PBO ( Precision Bred Organism 精密育種生物)」は「現代のバイオテクノロジー(ゲノム編集などを含む)を用いて開発された動植物で、従来の育種(自然にまたは伝統的な育種)プロセスで発生しうる遺伝的変化をもつ生物、非交配種由来の外来DNAを含まない。」とガイダンスで説明している。

植物が「精密育種」とみなされるためには、「2023年遺伝子技術(精密育種)法」に定められた基準を満たす必要があり、本規則で植物の生涯を通じて、あるいは従来の育種プログラムにおいて起こり得る様々な遺伝的変化を網羅する、伝統的なプロセスのリストを規定している。
EUでは、精密育種(Precision breeding ) という表現よりも包括的な用語の「新ゲノム技術 /新育種技術 (NGT:New Genomic Techniques)」を使用。「特定の新ゲノム技術 (NGT) による植物およびその食品・飼料に関する規則」草案により「自然に発生するか、従来の育種技術によって生産される可能性のある NGT 植物 およびその子孫(それ以上の非自然な改変が行われないことを条件)」を「カテゴリー1 NGT植物」として位置づけ、GMO規制の適用除外となる(届け出のみ)ことが提案されている。
EUの「Category 1 NGT plants」とUKの「PBOs」の植物とほぼ同義語。
※有機農業での使用などの点について一部異なる。

「NGT植物」とは、標的突然変異誘発(targeted mutagenesis:交配不可能な種からの外来遺伝物質を導入することなくゲノム内の特定の場所でヌクレオチドの置換、挿入、削除、反転など特定の意図的な変化を生成)もしくはシスジェネシス(交配可能な種の遺伝子プールにすでに存在するDNA 配列を挿入)またはそれらの組み合わせによって得られた遺伝子組み換え植物を意味し、NGT植物の開発中に外来の(交配不可能な種)DNAを含まないことを条件とする。(トランスジェネシス不可)
Genome editing /gene editing
(ゲノム編集/遺伝子編集)
英国では、ゲノム編集(gene editing)はモダン・バイオテクノロジーの主要な例とされ、Precision Breeding の文脈で用いられる。CRISPR/Cas などによって生じた改変が自然または従来の育種で起こり得る範囲であれば Precision Bred Organism(PBO)に分類される。(結果ベース:ゲノム編集を含む技術による成果が「伝統的育種で起こり得る」ならPBO)
一方で、交配できない種由来の外来DNAが残存している場合は PBO には該当しない。(ただし、編集過程で一時的に外来配列を導入しても、最終的に除去されれば PBO として認められる。)

EUでは、ゲノム編集(gene editing)は「新ゲノム技術(NGT)」の主要な例とし、特に 標的変異誘発(targeted mutagenesis)や シスジェネシス(cisgenesis/イントラジェネシスを含む) が該当。ゲノム編集の成果が「従来と同等」なら Category 1(緩和的扱い)、そうでなければ Category 2(GMO規制下)

標的変異誘発(targeted mutagenesis)とは、交配不可能な種からの外来遺伝物質を導入せず、ゲノム内の特定の部位で 置換(substitution)、挿入(insertion)、削除(deletion)、反転(inversion)などの意図的な変化を生じさせる技術。

Category 1 NGT植物:Annex I の「従来の育種や自然変異で得られる変化と同等」という基準を満たすNGT植物
Category 2 NGT植物:Annex Iの同等性基準を満たさないNGT植物。
標的変異誘発やシスジェネシスによって得られた場合でも、変化が従来育種で得られないと評価されればNGT2に分類(GMO規制)

技術+結果ベース:特定技術(targeted mutagenesis/cisgenesis)を対象とし、その成果が「同等」ならCategory 1、それ以外はCategory 2

関連リンク

関係省庁
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