品目別輸出ガイド

卵(鶏卵)の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する卵(鶏卵)のHSコード

040721 : 殻付きの鳥卵(生鮮のものおよび保存に適する処理または加熱による調理をしたものに限る。)
‐鶏(ガルルス・ドメスティクス)のものでふ化用受精卵ではないもの
0408 : 殻付きでない鳥卵および卵黄(生鮮のものおよび乾燥、蒸気または水煮による調理、成型、冷凍その他保存に適する処理をしたものに限るものとし、砂糖その他の甘味料を加えてあるかないかを問わない。)
0408.11 : 殻付きでない、乾燥した卵黄

規則(EC) No 589/2008および規則(EU)1308/2013 のとおり、EU加盟国に消費者に直接販売される殻付き卵を「クラスA卵」、卵製品に使用される原料卵(最終目的地が加工施設など)で「クラスA卵」の基準を満たさない卵を「クラスB卵」とされます。詳細は農林水産省「英国及び欧州連合向け輸出食肉製品、乳製品、殻付き卵及び卵製品の取扱要綱」(以下「取扱要綱」)で確認することができます。

EUにおいて、「加工された動物性食品と植物性原材料の両方を含む食品」を「混合食品」と定義し、特定の規則が課されています。「加工済み卵製品」であるか、「加工済み卵を含む混合食品」であるかで、適用される規則や要求される書類が変わってくるため留意が必要です。「卵製品」と「混合食品」の違いについては、「輸入規制」の「4. その他混合食品」の項を参照してください。

調査時点での最新情報を記載していますが、2019年12月14日から2021年4月にかけて植物衛生、動物衛生、公的管理の規則が新制度に移行されたため、関連規則は常に変更される可能性がある点に留意してください。
また、新制度については、ジェトロ「EUにおける新しい公的管理・植物衛生・動物衛生制度に関する調査(2021年3月)」も参照してください。
混合食品の移行期間の暫定措置の終了に関しては、委任規則(EU) 2021/1329を確認してください。

なお、公的管理とは、次の各分野に関するEU 法令・その他のルールへの適合をEU加盟国当局が統一に管理することを指します。

  1. 食品安全、生産・加工・流通のあらゆる段階における食品の完全性および健全性、食品と接触する素材および製品(Food Contact Materials、食品包材やキッチン用品など)の製造と使用
  2. 食品または飼料の生産を目的とする遺伝子組み替え作物の環境への意図的導入
  3. 飼料の生産、加工および流通のあらゆる段階における安全
  4. 動物衛生に関する要件
  5. 動物副産物に由来するヒトや動物の健康へのリスクの予防・削減
  6. 動物福祉に関する要件
  7. 植物病害虫に対する保護措置(植物衛生)
  8. 植物保護製品(農薬)の販売および使用、農薬の持続可能な使用に関する要件
  9. 有機製品および有機製品のラベル表示
  10. 原産地呼称保護、地理的表示保護(GI)および伝統的特産品保証の使用とラベル表示

関連リンク

関係省庁
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根拠法等
規則(EEC)No 2658/87(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州議会・理事会規則 (EC) 853/2004(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EU) No 1308/2013(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC) No 589/2008(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
動物検疫所「家きんの畜産物の輸出」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
財務省貿易統計外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省「英国及び欧州連合向け輸出食肉製品、乳製品、殻付き卵及び卵製品の取扱要綱」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(7.9MB)
ジェトロレポート「EUにおける新しい公的管理・植物衛生・動物衛生制度に関する調査(2021年3月)」

EUの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2022年1月

鳥インフルエンザ疑似患畜による輸出一時停止
動物検疫所の案内のとおり、日本国内において鳥インフルエンザの疑似患畜が確認された場合、家きんおよび家きん由来製品(鶏卵・卵製品)の輸出検疫証明書の交付が一時停止されます。よって最新の状況や詳細に関しては、必ず動物検疫所に問い合わせてください。本稿は、輸出検疫証明書の交付が再開された場合について記載しています。
EUへの入域条件
EU域内に「鶏卵」「卵製品」を輸出するためには、一次生産 (生産農家)から加工に至るまでEUの求める衛生基準を満たすことが求められています。国レベルでは、対象の動物性食品(原料) が「残留モニタリング承認リスト」に掲載、EU域内への輸出を許可された「第三国リスト掲載国」となること、事業者レベルでは、「鶏卵」生産農家登録または「卵製品」の当該「原料卵」を、「EU HACCP認定施設(卵選別包装施設)」から調達、「EU HACCP認定施設」で加工を行うことで輸出が可能となります。
EU域内に日本産卵や卵製品を輸出するために、国レベルでは、
  1. 欧州委員会規則(EU)2017/625 に基づき、「残留物質モニタリング計画」の承認を受け、対象品目が指令2011/163/EUの国別のリスト(残留モニタリング承認リスト)に掲載される。
  2. 対象品目が実施規則(EU) 2021/404(動物衛生)または、実施規則(EU) 2021/405(公衆衛生)の「第三国リスト」に掲載されている。 ことが必要です。
また、事業者レベルでは、次の3.と4.あるいは5)の条件を満たす必要があります。
  1. EU向けに「鶏卵(殻付き卵クラスA)」を輸出する場合、EU規則に基づく衛生(HACCP管理基準)を満たし生産農場の登録申請、「サルモネラ管理計画」を実施する。
  2. EU規則に基づく衛生基準を満たし、「卵選別包装施設」の施設認定を申請し、国の認定施設のリストに掲載、認可施設の番号を入手する。
  3. 「卵製品(液卵含む)」の製造に関しても、EU HACCP管理基準を満たす認定施設で加工をする必要があり、施設認定の申請が必要となります。「卵製品」の「原料卵」は(3) または(4)から調達する、もしくは、EUまたは「第三国リスト掲載国」の認定施設から輸入した原料卵を使用する、あるいは、EU規則に規定される一定の処理や要件を満たす必要があります。認定を受けた卵製品加工施設は農林水産省のウェブサイトで確認することができます。
なお、登録生産農場の一覧は、動物検疫所のウェブサイトで公表されますが、2022年2月時点で、登録を受けた生産農場は日本に存在しないため、日本産「鶏卵」の輸出は不可能です。
一方、EUにおいて、「加工された動物性食品と植物性原材料の両方を含む食品」を「混合食品」と定義し、特定の規則が課されています。「加工済み卵製品」であるか、「加工済み卵を含む混合食品」であるかで、適用される規則や要求される書類が変わってくるため留意が必要です。「乳製品」と「混合食品」の違いについては、「輸入規制」の「4. その他混合食品」の項を参照してください。
これら(3)~(5)に必要に要件や公的証明書、施設の認定などに関しては、農林水産省「英国及び欧州連合向け輸出食肉製品、乳製品、殻付き卵及び卵製品の取扱要綱」(以下「取扱要綱」)または次項「2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類など(輸出者側で必要な手続き)」の項を必ず確認してください。
※本項以降では、EU規制に加え、主要EU加盟国がEU規制に上乗せで定めている独自規制についても言及していますが、これは、ジェトロで把握できた範囲において言及しているものであり、各国の独自規制を網羅しているものではありません。また、各項目で明示的な言及がない加盟国については、記載できる情報がないということであり、独自規制が存在しないということではありません。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2022年1月

鳥インフルエンザ疑似患畜による輸出一時停止
動物検疫所の案内のとおり、日本国内において鳥インフルエンザの疑似患畜が確認された場合家きんおよび家きん由来製品(鶏卵・卵製品)の輸出検疫証明書の交付が一時停止されます。このため最新の状況や詳細に関しては必ず、動物検疫所に問い合わせてください。本稿は、輸出検疫証明書の交付が再開された場合について記載しています。
施設登録
「輸入規則」の「1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)」の項のとおり、EU加盟国に消費者に直接販売される殻付き卵(「クラスA卵))または「卵製品」(EU輸出向け原料卵を使用)を輸出するためには、「原料卵」の生産農場の登録および卵選別包装施設あるいは卵製品製造施設(加工施設)のEU向け施設認定があらかじめ必要です。

クラスA卵の生産農場登録

EU加盟国向けに消費者に直接販売される殻付き卵(「クラスA卵」など)を輸出する場合、生産農場の登録をするために、農林水産省「英国及び欧州連合向け輸出食肉製品、乳製品、殻付き卵及び卵製品の取扱要綱」(以下「取扱要綱」)で生産農場の要件、「クラス A 卵」クラスの個別基準、輸出要件や衛生条件などを確認のうえ、指定される別紙様式を管轄する都道府県の畜産主務課に提出し、生産農場の認定を受け、登録番号を入手します。登録を受けた農場にはサルモネラ管理計画を実施します。生産農場の一覧は、動物検疫所のウェブサイトで公表されます。ただし、2022年2月現在、登録を受けた生産農場は日本に存在しないため、日本産「鶏卵」の輸出は不可能です。

クラスB卵(卵製品製造用途向け原料卵)

一方、卵製品(液卵を含む)の製造のための殻付き卵(原料卵)に関しては、規則(EC)853/2004 ANNEX IIIのとおり、十分に成熟し、損傷がないことが条件です。ただし、生産農場または卵選別包装施設から、直接、卵製品製造施設まで運送する場合は、ひび割れた卵であっても、卵製品製造の原料として使用することができます。
なお、「取扱要綱」のとおり、

  1. 集卵日から起算して、過去30日間、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)、ニューカッスル病(ND)の発生のない生産農場由来であること、
  2. および生産農場、認定卵選別包装施設、認定加工施設の周囲10 km以内でHPAIあるいはNDが過去30日間発生していないこと、ただし、半径10 km以内で発生していた場合、委任規則(EU)2020/692 ANNEX XXIIIまたは「取扱要綱」別添3第6に規定される一定の加熱要件を施すこと
    さらに、
  3. 「取扱要綱」別添3第6に記載される「卵製品の原料の卵」の要件を満たしたうえで、
  4. 残留物質に関するモニタリングが実施されていること
  5. 原料卵の包装に「認定卵選別包装施設番号」および“Class B”または“B”の印字
    が求められます。
HPAIあるいはNDが半径10 km以内で発生していた場合の加熱処理
高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)が発生している場合
卵白液 55.6 度で 870 秒、あるいは、56.7 度で 232 秒加熱
10%塩漬け卵黄 62.2 度で 138秒処理
乾燥卵白 67 度で 20 時間あるいは 54.4 度で 513 時間
全卵 最低 60 度 188 秒あるいは完全に加熱
全卵液 最低 60 度で 188 秒あるいは 61.1 度で 94 秒あるいは完全に加熱
ニューカッスル病(ND)が発生している場合
卵白液 55 度で 2278 秒、57 度で 986 秒、あるいは 59 度で 301 秒加熱
10%塩漬け卵黄 55 度で 176 秒処理
乾燥卵白 57 度で 50.4 時間
全卵 最低 55 度で 2521 秒、57 度で 1596 秒、59 度で 674 秒あるいは完全に加熱

日本国内の認定卵選別包装施設を経由する「原料卵」を使用した卵製品を輸出する場合には、日本側で発行される「原料卵」の「衛生証明書」が必要となります。
前述の日本国内の登録生産農場由来の卵を使用せず、輸入した原料卵を原材料として使用する場合は、EU加盟国内の認定施設由来の「原料卵」を使用するか、EUの衛生要件を満たした「第三国リスト掲載国」の認定施設由来の「原料卵」を使用する必要があります。この場合、EU加盟国内において製造されたことがわかる公的書類または、外国政府機関により発行された証明書が添付されていることが求められます。
これらのことから、卵加工製品(液卵を含む)を製造する場合、EU向け「卵製品認定施設」でEU向け原料卵を使用することが求められます。
原料卵を生産農場から卵選別包装施設および卵製品製造施設へ輸送する場合は、生産者の名前および住所、卵の個数および重量、産卵日または産卵期間、発送日を添付文書に記載し、コピーを保存しておく必要があります。

施設認定(卵選別包装施設および卵製品加工製造施設)の申請
「取扱要綱」に記載される衛生条件や個別基準を確認のうえ、「取扱要綱」別紙様式の「施設認定申請書」を認定施設の管轄の都道府県知事経由で、厚生労働省に申請します。添付する関連書類は次のとおりです。
  1. 施設の構造・設備に関する資料
  2. 製品に関する資料
  3. 衛生管理(マニュアルなど)に関する資料
  4. 従業者の健康診断実施体制に関する資料
  5. 作業手順書
  6. HACCPに関する資料
  7. 食品衛生法に基づく過去の処分事例がある場合はその資料
EU向け「鶏卵」「卵製品」衛生証明書の申請
EU向け殻付き卵および卵製品の輸出にはあらかじめ「取扱要綱」に指定される別紙様式「衛生証明書発行申請書(殻付き卵及び卵製品)」を、認定施設を管轄する保健所または電子メール・NACCSを通じて規定される添付書類と一緒に申請します。
なお、「卵製品」の衛生証明書発行申請の際、使用される原料卵が、衛生条件を満たしていることを証明する次の書類や、「原料卵」のトレーサビリティを示す資料などの添付が求められます。
  1. 日本の「認定卵選別包装施設」を経由した「原料卵」を使用した場合は、「原料卵」の衛生証明書
  2. EU加盟国産の「原料卵」の場合は、証明する公的書類
  3. 「第三国リスト外国産」の「原料卵」の場合は、EUの衛生要件を満たすことを証明する外国政府機関発行の証明書類
発行された「衛生証明書」は、動物検疫所において「輸出検疫証明書」(Export Quarantine Certificate)およびEUに要求される公的証明書の発行に必要とされます。
輸出検疫証明書の発行
輸出検疫の申請・証明書の発行手続きについては「輸入規制」の「3. 動植物検疫の有無」の項を確認してください。
なお、EUにおいて、「加工された動物性食品と植物性原材料の両方を含む食品」を「混合食品」と定義し、特定の規則が課されています。「加工済み卵製品」であるか、「加工済み卵を含む混合食品」であるかで、適用される規則や要求される書類が変わってくるため留意が必要です。「卵製品」と「混合食品」の違いについては、「輸入規制」の「4. その他混合食品」の項を参照してください。
新規則の概要に関しては、ジェトロ「EUにおける新しい公的管理・植物衛生・動物衛生制度に関する調査(2021年3月)」を確認してください。

関連リンク

関係省庁
農林水産省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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根拠法等
規則(EU) 798/2008(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU) 2016/429 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
委任規則 (EU)2020/692 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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規則 (EU) 2017/625(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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規則(EC)No 853/2004(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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実施規則(EU) 2021/404(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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"
その他参考情報
欧州委員会「第三国の認定施設」(英語)
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欧州委員会(TRACES プラットフォームDG SANTE)「第三国の認定施設データベース」(英語)
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農林水産省「証明書や施設認定の申請(欧州)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省「卵及び卵製品に関する日本のEU第三国リスト掲載について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省「英国及び欧州連合向け輸出食肉製品、乳製品、殻付き卵及び卵製品の取扱要綱」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(7.9MB)
動物検疫所「家きんの畜産物の輸出」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
動物検疫所輸出畜産物の検査手続外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロレポート「EUにおける新しい公的管理・植物衛生・動物衛生制度に関する調査(2021年3月)」

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2022年2月

鳥インフルエンザ疑似患畜による輸出一時停止
動物検疫所の案内のとおり、日本国内において鳥インフルエンザの疑似患畜が確認された場合、家きんおよび家きん由来製品(鶏卵・卵製品)の輸出検疫証明書の交付が一時停止されます。このため最新の状況や詳細に関しては必ず、動物検疫所に問い合わせてください。本稿は、輸出検疫証明書の交付が再開された場合について記載しています。
動物検疫所への輸出検疫検査の申請
欧州委員会規則 (EU) 2017/625および実施規則(EU)2021/632のANNEXのリストの掲載のとおり、本稿の対象品目であるHSコード0407類および0408類は、EUの国境検疫所(Border Control Post:BCP)での獣医検査(公的検査)の対象となっています。
「輸入規制」の「2. 施設登録、事業者登録、輸出に必要な書類など(輸出者側で必要な手続き)」の項に記載のとおり、認定農場または卵選別包装施設からの原料卵の調達および認定施設登録といった「取扱要綱」の要件を満たしたうえで、施設所轄(都道府県)の保健所が発行した衛生証明書を提出のうえ、日本の動物検疫所でも動物検疫を受ける必要があります。
  1. 「衛生証明書」を所轄(都道府県)の保健所から入手、
  2. 「取扱要綱」に規定される別紙「輸出検疫証明書様式」の内容を確認のうえ、「輸出検査申請書」と(1)の原本を添えて、輸出検疫証明書の発行を動物検疫所に申請します。この申請はNACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)を利用して申請できます。
  3. 書類審査または現物検査などの結果、家畜の伝染性疾病を広げる恐れがないと認められたとき、また、EUが求める輸入条件を満たしていると認められ、EUへの輸出が可能であると動物検疫所が確認したとき、「輸出検疫証明書」(輸出検疫証明書(Export Quarantine Certificate)およびEUが求める公的証明書の書式)が発行されます。
ヒトの消費向け動物性・動物由来製品の輸入に関する公的証明書(衛生証明書)には、食品公衆衛生(ヒトが食べて安全か)の観点のみから発行されるものと、公衆衛生と獣医証明(家畜などの伝染病の予防や動物衛生)の両方の観点から発行されるものがあり、卵や卵製品には後者の公的証明書が求められます。公的証明書(衛生証明書や獣医検疫証明書)の様式は、実施規則 (EU) 2020/2235 Annex III Chapter 19およびChapter 20で規定されています。
輸出国側での現物検査
前述の申請事項に基づいて、動物検疫所は現物の検査を行う場合があるとしています。現物検査は、動物検疫所、家畜防疫官の指定検査場所および農林水産大臣の指定検査場所のいずれかで実施され、必要に応じて精密検査、生産工場などの調査が実施される場合があります。これらの書類検査・現物検査を経て認められると、輸出検疫証明書またはEUが求める書式の獣医検疫証明書が交付されます。
輸出入検疫を受ける空港や港を管轄する動物検疫所の問い合わせ先リストは、動物検疫所のウェブサイトで確認することがができます。
公衆衛生に関しては、「食品関連の規制」「1. 食品規格」の項を確認してください。
なお、EUにおいて、「加工された動物性食品と植物性原材料の両方を含む食品」を「混合食品」と定義し、特定の規則が課されています。「加工済み卵製品」であるか、「加工済み卵を含む混合食品」であるかで、適用される規則や要求される書類が変わってくるため留意が必要です。「卵製品」と「混合食品」の違いについては、「輸入規制」の「4. その他混合食品」の項を参照してください。
新規則の概要に関しては、ジェトロ「EUにおける新しい公的管理・植物衛生・動物衛生制度に関する調査(2021年3月)」を確認してください。

関連リンク

関係省庁
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根拠法等
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4. その他 : 混合食品

調査時点:2022年2月

EU独自の定義として、「植物由来製品と加工済み動物由来製品の両方を含む食品(規則 (EC) 853/2004第1条)」を「混合食品」とし、動物由来製品とは別に定義しています。詳細は、農林水産省「欧州連合、スイス、リヒテンシュタイン及びノルウェー向け輸出混合食品の取扱要綱」または本ポータルサイト「EU」の「混合食品」「菓子」「調味料」を確認ください。

動物由来製品(加工済み卵製品)と混合食品の違い

加工済み卵製品(動物由来食品)
(EC)853/2004 ANNEX Iおよび(EU)2019/626 (第3条~第22条)の定義により動物由来製品および卵製品は次のように分類されます。
「動物由来製品(Products of animal origin)」とは、はちみつ、血液、ゼラチンおよび昆虫を含む動物由来の食品を指す。
「卵製品(Egg products)」とは、卵または卵のさまざまな構成部分もしくは混合物の加工、または当該加工済み製品のさらなる加工に由来する、加工済み製品をいう。
なお、EUにおいて「未加工食品」とは、加工を受けていない食料品をいい、分割、分離、切断、スライス、骨抜き、刻み、皮剥ぎ、粉末化、切り込み、洗浄、トリミング、殻剥き、製粉、冷却、急速冷凍または解凍された食品も含むと定義されます(欧州議会・理事会規則 (EC) 852/2004第2条 の1項)。 一方、加工とは、当初の(加工前の)材料を実質的に変化させるプロセスのことであり、加熱、燻蒸、保蔵(curing)、熟成、乾燥、マリネ(marinating)、抽出、押出成型、またはそれらの組み合わせも含まれます。
混合食品
前述のとおり、EU独自の定義として、「植物由来製品と加工済み動物由来製品の両方を含む食品」を「混合食品」(規則 (EC) 853/2004第1条)としていますが、さらに、欧州委員会の決定2007/275 EC第2条において「ヒトの食用を意図した食材で、動物由来の加工品および植物由来製品の両方を含むもので一次製品の加工が最終製品の製造のうえで不可欠なプロセスになっている場合」も混合食品と定義されています(例えば、鮮魚(動物性未加工食品)とコメを一緒に炒めて製造されるパエリャや動物性未加工食品と小麦粉生地(植物性原材料)を同時に焼いて製造されるピザなど)。
一方、添加される植物原材料が動物性加工食品に特徴をつける目的である場合や、動物性加工食品の性質上、植物原材料が欠かせない場合は、混合食品とされず、動物由来製品とされます(例えば、フルーツ入りヨーグルトやニンニク入りのソーセージやハーブ入りオムレツ)。
同じ名称(例えば、マヨネーズ)であっても(未加工の)殻付き卵とサラダ油を混ぜて製造したマヨネーズは動物由来製品となるが、加工済み液卵とサラダ油を混ぜて作られたマヨネーズは混合食品となる場合があります。 前述のとおり、香味付けオムレツ(液卵または殻付き卵、香草など)は卵製品となりますが、オムレツの粉末製品(粉末卵白、粉末卵、ミルクたんぱく質、スパイスなど)は混合食品とされます。
このため、同じ名称の食品であっても原材料や製造手順(方法)により混合食品か否か変わってくるため、事前にEUの国境管理所(動植物検疫所)に問い合わせることを推奨します。
フランスにおいてはロワシー空港のSIVEPに次の情報を伝えることで、問い合わせできます。
  • 食品の税関コード (EU側のHSコード)
  • 動物性原材料・植物性原材料の割合
  • 食品の種類
  • 構成(成分)
  • 意図されている用途
  • 原産国

2021年4月21日以降(新制度)

2021年4月21日から施行されている委任規則 (EU) 2019/625では、本規則対象の混合食品を輸出する際に、動物性加工原料がEU域内外のEU HACCP認定施設施設由来であることなどを証明するため、公的機関が発行する公的証明書(Official Certificate)または輸入者による自己宣誓書(Private Attestation)の添付が必要とされています。
規則(EU)2019/625第12条に記載されるHSコード1517, 1518(脱水処理や硫化処理などの化学処理を施した動物性油脂、植物性油脂またはそれらの混合物およびそれらの調製品), 1601 00, 1602, 1603 00, 1604, 1605, 1702, 1704,1806, 1901, 1902(スパゲッティ、ラザーニヤなど(加熱による調理をし、肉その他の材料を詰めまたはその他の調製をしたものであるかないかを問わない), 1904, 1905, 2001, 2004, 2005, 2101, 2103(ソース、ソース用の調製品など), 2104(スープ、ブロス、スープ用またはブロス用の調製品および均質混合調製食料品), 2105 00, 2106 (その他調製食料品), 2202, 2208に該当する混合食品については、次のとおり分類されます。

新制度の対象となる品目
CNコード 品目(仮訳)
1601 ソーセージその他これに類する物品、これらの物品をもととした調製食料品
1602 その他の調製をし、または保存に適する処理をした肉、くず肉および血
1603 肉、魚または甲殻類、軟体動物などのエキスおよびジュース
1604 魚、魚卵を調製しまたは保存に適する処理をしたもの
1605 甲殻類、軟体動物などを調製しまたは保存に適する処理をしたもの
1901 麦芽エキスならびに穀粉などの調製食料品およびミルク、ホエイなどの調製食料品
1902 スパゲッティ、ラザーニヤなど(加熱による調理をし、肉その他の材料を詰めまたはその他の調製をしたものであるかないかを問わない。)
1905 パン、ペーストリー、ケーキ、ビスケットなどのベーカリー製品
2004 調製しまたは保存に適する処理をしたその他の野菜(冷凍したものに限る。)
2005 調製しまたは保存に適する処理をしたその他の野菜(冷凍していないものに限る。)
2103 ソース、ソース用の調製品、混合調味料、マスタードの粉およびミールならびに調製したマスタード
2104 スープ、ブロス、スープ用またはブロス用の調製品および均質混合調製食料品
2105 アイスクリームその他の氷菓 2106 その他調製食料品
1704 砂糖菓子(ホワイトチョコレートを含むものとし、ココアを含有しないものに限る。)
1806 20 チョコレートその他のココアを含有する調整食料品のうち、その他の調整品(塊状、板状または棒状のもので、その重量が2キログラムを超えるものおよび液状、ペースト状、粉状、粒状その他これらに類する形状のもので、正味重量が2キログラムを超える容器入りまたは直接包装したモノに限る。)およびその他のもの(塊状、板状または棒状のものに限る。)
1806 31 チョコレートその他のココアを含有する調整食料品のうち、詰め物をしたもの(例:クリーム、クラスとした砂糖、乾燥ココやしの実、果実、フルーツペースト、リキュール、マルチパン、ナット、ヌガー、カラメルまたはこれらの物品を組み合わせたものから成る中心部をチョコレートで覆った塊状、板状、棒状のもの。)
1806 32 チョコレートその他のココアを含有する調整食料品のうち、詰め物をしていないもの
1806 90 11 チョコレート(プラリネを含む。)のうち、アルコールを含むもの
1806 90 19 チョコレート(プラリネを含む。)のうち、アルコールを含まないもの
1806 90 31 チョコレート製品のうち、詰め物をしたもの
1806 90 39 チョコレート製品のうち、詰め物をしていないもの
1806 90 50 ココアを含む砂糖代替製品から作られた砂糖菓子およびその代替品
2001 90 65 食酢または酢酸により調製しまたは保存に適する処理をしたオリーブの食用部分
2101 コーヒー、茶またはマテのエキス、エッセンスおよび濃縮物ならびにこれらをもととした調製品、コーヒー、茶またはマテをもととした調製品ならびにチコリーその他のコーヒー代用物(といったものに限る)ならびにそのエキス、エッセンスおよび濃縮物

輸出する混合食品が次の(1)および(2)の条件に当てはまる場合は公的証明書が、(3)の条件に当てはまる場合は自己宣誓書が必要になります。

  1. 温度管理が必要なもの(カテゴリーA)
  2. 温度管理が不要かつ原材料に肉製品(エキス含む)を含むもの(カテゴリーB)
  3. 温度管理が不要かつ原材料として肉製品以外の動物由来加工製品(乳、卵、水産製品など)を含むもの(カテゴリーC)

なお、混合食品を製造する施設については、EU HACCP認定の取得は必要ありませんが、HACCPに沿った衛生管理のうえ、動物性原料(原料乳や原料卵)はEU HACCP認定施設から調達する必要があります。また、未加工の動物性原料から混合食品を同時に製造する加工施設には認定が必要となります。

混合食品の分類
分類 混合食品の生産国要件 施設のEU認可の要否 添付書類
混合食品
カテゴリーA
:温度管理が必要
混合食品に含まれるすべての動物由来加工原料について、第三国リスト規定されていること※1 冷蔵の出汁入りみそ、冷凍和菓子 動物性加工原材料はEU認可施設に由来する必要あり※3 公的証明書※4
肉製品、乳製品、卵製品を含む混合食品: 動物検疫所 (輸出検疫証明書) 水産製品のみを含む混合食品: 農林水産省輸出・国際局(衛生証明書)
混合食品
カテゴリーB
:温度管理が不要で肉製品※1を含む。
混合食品に含まれる肉製品について、第三国リスト規定されていること※2 肉エキスを含むラーメンスープ 動物性加工原材料はEU認可施設に由来する必要あり※3 公的証明書※4
肉製品、乳製品、卵製品を含む混合食品: 動物検疫所 (輸出検疫証明書)
混合食品
カテゴリーC
:温度管理が不要で肉製品※1を含まない。
混合食品に含まれるか否かを問わず、肉製品、水産食品、乳製品(および初乳ベース)、卵製品のそれぞれが第三国リスト規定されていること※2 出汁の素
肉エキスなどを含まないめんつゆ
和菓子など
動物性加工原材料はEU認可施設に由来する必要あり※3 自己宣誓書※5を添付
(輸入者)
動物性加工食品 牛肉入りカレー EU認可施設で製造 公的証明書

カテゴリーAの混合食品は委任規則 (EU) 2020/692の関連要件を満たすこと。
カテゴリーBとカテゴリーCの(常温保存の)混合食品に含まれる乳製品は(EU) 2020/692のANNEX XXVIIの処理を卵製品は同規則のANNEX XXVIIIに記載される処理が必要

  1. 肉エキスも肉製品に入る。なお、ゼラチン、コラーゲン、高度精製品は対象外
  2. 実施規則(EU) 2021/404または実施規則(EU) 2021/405に規定される第三国リスト
  3. 動物性加工原料から最終製品(混合食品)を製造する施設には施設認定は不要
  4. 実施規則(EU) 2020/2235 ANNEX III 第 50 章に規定される動物衛生・公的証明書(COMP)
  5. 実施規則(EU) 2020/2235 付属書 ANNEX Vに規定される自己宣誓書(Private Attestation)

なお、農林水産省「英国及び欧州連合向け輸出食肉製品、乳製品、殻付き卵及び卵製品の取扱要綱」は整備されていますが、2022年1月時点で、日本には「乳製品」「肉製品」の認定加工施設は存在しないため、留意が必要です。

日本の残留モニタリング計画承認状況
動物種 残留物質モニタリング計画の承認状況
ウシおよびウシ科動物(Bovine)
羊・山羊(Ovine/caprine) ×
豚(Porcine)
ウマ科動物(Equine) ×
鶏・家きん類(Poultry)
水産養殖物(Aqua-culture) 魚(鮮魚)・二枚貝など
水産養殖物(Aqua-culture) 魚の派生品・甲殻類 ×
乳(Milk)
卵(Eggs)
ウサギ(Rabbit) ×
野生の狩猟獣(Wild game) ×
飼育の狩猟獣(Farmed game) ×
ハチミツ(Honey) ×
日本の第三国リスト掲載品
動物種 第三国リスト掲載品目(生鮮肉) 第三国リスト掲載品目(加工品)
生鮮の牛肉 (Bovine animals)
豚(Porcine) × 〇*2
鶏・家きん類(Poultry) 〇*2
水産養殖物(Aqua-culture) ○(鮮魚)
二枚貝は冷凍したもののみ 活魚は鯉のみ

水産養殖物の加工品(キャビアなどの派生品を除く)
乳(Milk) 〇 (生乳・初乳) 〇 (乳製品)
卵(Eggs)
ケーシング 〇(有蹄類と鶏) 〇(有蹄類と鶏)

上記の表および委任規則(EU) 2021/2315のとおり、はちみつについては、日本は「残留モニタリング計画承認国」ではないため、日本産のはちみつを原材料に使用している混合食品は、EUに輸出することができません。ただし、ほかの「第三国リスト掲載国」やEU産のはちみつを原材料に使用した場合で、日本で製造した混合食品をEUへ輸出することは認められています。
なお、輸出する製品が混合食品に該当するかどうかは、輸出先国当局の判断になります。現地の輸入者などを通じて、種別や輸入の可否も含めて、国境管理所(BCP)に確認してください。
2021年4月21日以降の混合食品を輸出する際の対応に関しては、農林水産省ウェブサイトで確認することができます。
なお、公的証明書(Official Certificate)および自己宣誓書(Private Attestation)の様式は、実施規則(EU)2020/2235 Annex III Chapter 50およびAnnex Vで定められています。

EUの国境管理所で公的検査の対象となる動物性食品および混合食品

国境管理所(BCP)における公的管理の対象となる製品の具体的なCNコードは、実施規則(EU) 2021/632のANNEXに規定されています。

国境管理所での公的管理の対象から除外される混合食品

ただし、委任規則(EU) 2021/630のANNEXのリストに挙げられているCNコードに該当する「カテゴリーCの混合食品(常温での長期保存が可能で肉製品を含まない)」で次の要件を満たすものは、国境管理所での公的管理の対象からは除外され、上市の際に自己宣誓書((EU) 2020/2235 ANNEX V)の添付でよいとされています(通関時の確認免除の対象)。

  1. 原料の卵製品および乳製品について、EU規則に基づく加熱処理※がされていること
  2. ヒトの食用であることが明記されていること
  3. 包装されているまたは、密封されていること
    ※委任規則(EU) 2020/692において、乳製品については付属書27のB欄、卵製品については付属書28に定められた加熱処理。
委任規則(EU) 2021/630のANNEXのリストに挙げられているCNコード
CNコード 品目(仮訳)
1704, 1806 20, 1806 31 00, 1806 32, 1806 90 11, 1806 90 19, 1806 90 31, 1806 90 39, 1806 90 50, 1806 90 90の一部 菓子類、チョコレートおよびココアを含む調整品の一部。
1902 19, 1902 30, 1902 40の一部 パスタ、麺類、クスクスの一部。
1905 10, 1905 20, 1905 31, 1905 32, 1905 40, 1905 90の一部 パン、ケーキ、ビスケット、ワッフル、ウエハース、ラスク、トーストしたパンおよびトーストした製品の一部。
2001 90 65, 2005 70 00, 1604の一部 魚を詰めたオリーブの一部。
2101の一部 コーヒー、コーヒー代用品、茶またはマテ抽出物、香料・濃縮物およびこれらをもとにした調整品、コーヒー・茶・マテをもとにした調整品の一部。
2104の一部 だし汁および風味料の一部。
2106 の一部 動物性加工原料を含む栄養補助食品(グルコサミン、コンドロイチンおよびキトサンを含む。)の一部。
2208 70 の一部 酒類の一部。

ただし、通関時の確認が免除される品目については、輸入後、各加盟国当局が市場流通時に規制への適否を監視することとされており、自己宣誓書の添付自体が免除されているわけではありません。すなわち、当該混合食品に使用される動物性加工原料がEU域内外の認定施設由来であることが免除されているわけではないため、注意が必要です。
その他、動物検疫については「輸入規制」の「3. 動植物検疫の有無」の項も確認してください。

関連リンク

関係省庁
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農林水産省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
動物検疫所外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
規則(EC) No 852/2004 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC)No 853/2004(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
決定 2011/163/EU (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
決定2007/275/EC(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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その他参考情報
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農林水産省「EUにおける新たな混合食品規制への対応について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農水省「英国及び欧州連合向け輸出食肉製品、乳製品、殻付き卵及び卵製品の取扱要綱 」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省「証明書や施設認定の申請(欧州)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「混合食品のEU への入域に関する決定木(仮訳)」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)
ジェトロレポート「EUにおける新しい公的管理・植物衛生・動物衛生制度に関する調査(2021年3月)」

EUの食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2022年2月

農産物市場体系を確立する欧州議会理事会規則(EU)1308/2013第75条と第78条により、いくつかの製品・セクター(対象品目)に関しては、EU域内で流通するための食品の規格または名称の定義が設けられています。卵は、EUの共通農業政策(CAP)における農産品の共通市場制度(CMO)の対象となっており(第78条)、生産者の競争力の向上、需給バランスの維持、伝統と生産者の正当な利益の保護、消費者の保護を目的に、同規則ANNEX VIIの第VI章に卵の格付けの定義やラベル表示義務などの基準が定められています。卵に関するラベリングおよび識別マークついては「食品関連の規制」の「6. ラベル表示」の項を参照してください。
なお、「卵」や「卵製品」の定義については、動物性食品の衛生基準を定める(EC)853/2004に、次のように規定されています。
「卵(Eggs)」とは、養殖された鳥から産出され、ヒトの直接的な食用または卵製品の調理に適した、殻入りの卵(殻の壊れた、孵化したまたは調理された卵を除く)をいう。
「液卵(Liquid egg)」とは殻を除去した後の卵の未加工の内容物。
「卵製品(Egg products)」とは、卵または卵のさまざまな成分(卵白、卵黄の液卵など)もしくはこれら混合物の加工による加工済製品、または当該加工製品のさらなる加工に由来する加工済製品をいう。
「卵製品」と「混合食品」の違いについては、「輸入規制」の「4. その他混合食品」の項を参照ください。
規則(EC)852/2004第2条により「加工(processing)」とは、当初の製品を実質的に変更する行動(加熱、燻り、硬化、熟成、乾燥、マリネ、抽出、押出しまたはそれら処理の組み合わせなど)のことであり「未加工製品(unprocessed products)」とは、加工を受けていない食料品(分割、分離、切断、スライス、骨抜き、刻み、皮剥ぎ、粉末化、切り込み、洗浄、トリミング、殻剥き、製粉、冷却、急速冷凍または解凍された製品など)と定義される。

クラスA卵・卵製品の個別基準
さらに、規則(EU)1308/2013およびEUにおける鶏卵の販売規格にかかる規則(EC))589/2008により、クラスA卵、B卵の個別基準が規定されています。詳細は、農林水産省「英国及び欧州連合向け輸出食肉製品、乳製品、殻付き卵及び卵製品の取扱要綱」(以下「取扱要綱」)の別添3第6および別表4でも確認することができます。
クラスA卵品質基準
殻およびクチクラ 正常な形、清浄、無傷
気室 深さ6mm、一定、ただし「extra」として販売される卵については 4mm以下
卵黄 透光検査で影が見えるだけで明瞭な輪郭がなく、卵をひっくり返すとわずかに移動するが中心に戻る
卵白 透明、半透明
ほぼ発達せず
異物 認められない
異臭 認められない
重量による等級 XL(特大) 73g以上
L(大)63g以上73g未満
M(中)53g以上63g未満
S(小)53g未満
農場登録 「サルモネラ管理計画」に基づく登録をされた農場由来であること
検卵 検卵の前後で洗浄しないこと
保存 保存処理、または温度を人工的に5℃未満に維持された敷地または工場内で冷蔵しないこと。ただし、輸送中に5℃未満に維持された時間が 24 時間以内、あるいは店舗内で5℃未満に維持された時間が 72 時間以内である卵については冷蔵されたとはみなさない。

ただし、食品あるいは飼料加工施設向け業務用の原料卵の場合、「クラスA卵」であっても、重量による等級分けは要求されません(規則(EU)1308/2013 ANNEX VII 第VI章)。なお、「品目の定義」に記載のとおり、「クラスA卵」の基準を満たさない卵は「クラスB卵」と分類され、最終目的地が加工施設など、卵製品に使用される業務用の原料卵に使用されます。
その他、「クラスA卵、B卵の個別基準」や卵製品の原料卵の要件、化学物質基準、微生物学的基準、ラベル表示に関しては、「取扱要綱」でも確認することができます。
なお、規則(EU)1308/2013に規定されるEUの養鶏方法に準じていない「鶏卵」に関しては、「non-EC standard」と原産国の表示が必要となります(規則(EC) No 589/2008第30条)。

食品衛生
さらに、EU域外から輸入される食品についても、欧州議会・理事会規則(EC)No 178/2002に基づきEUが求める衛生基準などとの同等性(輸出国と特定の合意がある場合はその合意事項)を満たす必要があります(同規則第11条)。
このため、EUの食品輸入事業者は、輸入した食品がEUの食品衛生要件を満たしていないと判断した場合、即時に製品を市場から回収する手続きをとり、加盟国の所管当局に通知する義務があります(欧州議会・理事会規則(EC)No 178/2002 第19条)。また、同規則では、食品がヒトの健康や環境に甚大なリスクをもたらす可能性があると判断された場合、EUが当該食品の上市停止などの緊急措置をとることが認められています(同規則第53条)。
EUの衛生法(衛生パッケージ)は規則(EC)178/2002 (食品一般法)、規則(EC)852/2004 (一般食品の衛生規則)、規則(EC)853/2004 (動物性食品の衛生規則)、(EC) 183/2005 (動物の飼料に要求される衛生規則) そして新公的管理規則(EU)2017/625およびこれらの規則を補完する関連規則(例えば、委任規則 (EU) 2019/625など)により構成されています。

関連リンク

関係省庁
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根拠法等
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その他参考情報
農林水産省「英国及び欧州連合向け輸出食肉製品、乳製品、殻付き卵及び卵製品の取扱要綱」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(7.9MB)

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2022年2月

前述のとおり、欧州委員会規則(EU)2017/625に基づき、EU域内に鶏卵を輸出することが可能な認定を受けた加工施設などの事業者は、別途定められたモニタリング計画および実施要領(危害分析およびHACCP 計画)に従い、定期的な天然毒素、微生物学的汚染物質、化学的汚染物質農薬や残留動物用医薬品などのモニタリング検査の実施が必要です。
また、2021年4月21日以降、家畜の伝染病予防に関する動物の衛生要件に関して、一般要件および個別要件を規定する委任規則(EU)2020/692が施行されます。卵・卵製品のモニタリング計画は同規則のANNEX IIに適合し、あるいは国際獣疫事務局(OIE)の定める規定に沿って実施されます。また、卵・卵製品の疾病リスクを軽減するために講じる措置は、同規則ANNEX XXVIIIに規定されています。
EUでは、使用可能な農薬について、ポジティブリスト制を採用し、食品の種類ごとに許容される残留農薬の上限値(Maximum Residue Limit:MRL)が規定されています(欧州議会・理事会規則(EC)396/2005)。MRLsはEU農薬データベースの「鶏卵(Birds Eggs Chicken)」で確認することができます。当該食品1キログラムあたりに許容される農薬量(mg/kg)として示され、MRLsが設定されていない農薬と食品の組み合わせに対しては、一律0.01mg/kgの上限値が適用されます。なお、加工食品についても本規制の対象となりますが、加工食品に適用されるMRLsは調査時点で設定されていないため、原材料として使用する「鶏卵」のMRLsに注意してください。
EUにおける動物由来食品向け(動物用医薬品中の)残留薬理的活性物質(pharmacologically active substances)に関しては、EU規則(EC) 470/2009および規則(EU) No 37/2010 ANNEXに記載されています。これらの、関連規則に関しては、欧州委員会の残留動物医薬品などに関するウェブサイトで確認することができます。

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根拠法等
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欧州委員会「残留動物医薬品に関する規則」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省「EUの新たな動物用医薬品規則への対応」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省「英国、欧州連合、スイス、リヒテンシュタイン及びノルウェー向け輸出食肉の取扱要綱」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)2128KB
EU農薬データベース(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「EUにおける残留農薬に関する規制」(2015年2月)

3. 重金属および汚染物質(最大残留基準値/禁止)

調査時点:2022年2月

EUでは、欧州委員会規則(EC)1881/2006で食品カテゴリーごとに含まれる汚染物質の上限値を規定しています。ここでの「汚染物質」とは、意図的に食品に添加されたものではなく、食品の生産(作物管理、畜産、獣医療における作業を含む)、製造、加工、調理、処理、包装、梱包、輸送および保管などのプロセスまたは生育環境に由来して、食品中に存在する物質をいいます(欧州理事会規則(EEC)No315/93 第1条(1))。 鶏卵が該当する汚染物質の上限値は、次のとおりです。ただし、ここに記載されている以外に、乳児・幼児用の食品、医療用栄養食品に関しては別途上限値が規定されているため注意が必要です。

ダイオキシン類の上限値(鶏卵)
項目 上限値 ※2 対象品目
ダイオキシン類合計
(WHO-PCDD/F-TEQ(ポリ塩化ジベンゾパラジオキシンとポリ塩化ジベンゾフランの毒性等量合計※1)
2.5pg/脂肪1g当たり 鶏卵および卵製品
0.1pg/脂肪1g当たり 乳幼児向け食品
ダイオキシン類、ダイオキシン様PCB類の合計
(WHO-PCDD/F-PCB-TEQ(ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン、ポリ塩化ジベンゾフラン、ポリ塩化ビフェニルの毒性等量合計※1)
5.0pg/脂肪1g当たり 鶏卵および卵製品
0.2 pg/脂肪1g 当たり 乳幼児向け食品
PCB28,PCB52,PCB101,PCB138,PCB153,PCB180の合計
(ICES-6)
40ng/脂肪1g当たり 鶏卵および卵製品
1.0ng/脂肪1g 当たり 乳幼児向け食品
過塩素酸イオン 0.01 mg/kg 乳幼児用向け食品など
化学物質に関する基準
その他、規則 853/2004 ANNEX III 第X編および農林水産省「英国及び欧州連合向け輸出食肉製品、乳製品、殻付き卵及び卵製品の取扱要綱」(以下「取扱要綱」)のとおり、
  1. 未変性卵製品(unmodified egg product)の 3-ヒドロキシ酪酸含有量は10 mg/kg (乾物量Dry matter)を超えないこと
  2. 原料卵の乳酸は1 g/kg (乾物量Dry matter)を超えないこと
  3. 卵殻・膜の残留は卵製品中、100 mg/kg を超えないこと
が求められています。
微生物に関する基準
その他、食品事業者に適用されるEU規則「食品の微生物学的基準に関する委員会規則(EC) 2073/2005」によりEUにおける食品中の微生物学的判断の基準が規定されています。同規則により卵製品の腸内細菌科菌群およびサルモネラの上限値が定められています(ただし、製造工程においてサルモネラ菌を不活化させる製造方法または組成を採用している製品は除きます)。
「腸内細菌科菌群」に関してはEN/ISO21538-2、「サルモネラ属菌」に関してはEN/ISO6579の国際標準化機構(ISO)の定量分析方法または同等と認められる方法で、微生物検査を行う必要があります。検体は、ISOまたはコーデックスのガイドラインに基づいて採取することとなります。
腸内細菌科菌群の「卵製品」の微生物に関する基準
毎週実施する複数検体の検査の結果の平均を求め、次表のとおり、1ロットあたり任意に採取した5サンプルについて検査し、その内M超えの値(不適合レベル)が2検体以下であることが必要です。
腸内細菌科菌群の検査結果の評価
検体数・検出許容検体数(検体数 (n)) 検体数・検出許容検体数(検出数 (c)) 優良レベル(m未満) 許容レベル (mからMの間) 不適合レベ ル(M超え)
5検体 2検体 10 cfu/g or ml 10–100 cfu/g or ml 100 cfu/g or ml

「サルモネラ属菌」の卵製品の濃度基準の測定に際しては、1ロットあたり任意に採取した5サンプルについて検査し、すべてのサンプルの25g中サルモネラが検出されないこととされています。
詳細は、「取扱要綱」や「別添3 HACCP 方式による衛生管理実施基準」で確認することができます。

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規則(EC)No 853/2004(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
農林水産省「英国及び欧州連合向け輸出食肉製品、乳製品、殻付き卵及び卵製品の取扱要綱」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(7.9MB)

4. 食品添加物

調査時点:2022年2月

EUでは、着色剤や保存料、酸化防止剤、その他乳化剤・安定剤などの食品添加物と、食品香料および食品酵素を区別し、これらを合わせて「食品改良剤(Food Improvement Agents)」)と総称しています。食品改良剤については、ポジティブリスト形式での規制が課されており、認可を得た食品改良剤のみが使用を認められています。食品添加物および食品香料のポジティブリストについては、欧州委員会のウェブサイトで検索が可能です。食品酵素については、調査時点ではポジティブリストが完成していないため、ポジティブリスト形式での使用規制は適用されていません。

食品改良剤に関するEU根拠法
食品改良剤 根拠法 定義
食品添加物 規則(EC) 1333/2008 それ自体は通常は食品として消費されず、栄養価の有無を問わずに食品の典型的な原材料としては通常は使用されない物質で、食品の製造、加工、調理、処理、包装、輸送、保存の段階において技術的な効果(防腐、酸化防止、色の定着など)を意図的に追加することにより、その物質やその副産物が直接的・間接的に食品の構成要素となるか、なることが十分に予想される物質。E番号で表示される。
ただし、次の物質は食品添加物として使用されない場合本規則の適用外である。
加工助剤(processing aids)
植物の健康に関する共同体ルールに従って植物や植物製品の保護のために使用される物質
栄養素(nutrients)として食品に添加される物質
理事会指令98/83/ECの範囲に該当するヒトの消費を意図した水の処理などで使用される物質
規則(EC) No 1334/2008の範囲に該当する香味料
その他、添加物とみなされないものについては同規則第3条を確認のこと。
食品香料 規則(EC) 1334/2008 それ自体は食品として消費されず、香りや風味を添えるか、もしくは変えるために食品に添加される製品。香料物質、香料調整品、熱処理香料、スモーク香料、香味料前駆体、その他香料およびこれらの複合物からなる。 “flavouring”、具体的な名称または香料の概要で表示。天然(Natural)の記載については同規則第16条の条件を満たす必要がある。
食品酵素 規則(EC) 1332/2008 植物、動物、微生物、または植物、動物、微生物に由来する製品から得られる製品で、微生物の発酵によって得られる製品も含む。同規則で定められている食品酵素の名称または販売概要で表示

EU規制におけるポジティブリストでは、食品添加物ごとに「使用可能な食品カテゴリー」および「許容含有量(定められていない食品添加物もある)」が定められているため、食品添加物が「10.1 鶏卵」または「10.2加工済卵または卵製品」の食品カテゴリーにおいて使用可能かどうかを確認する必要があります。ポジティブリストについては、欧州委員会のウェブサイト「食品添加物検索データベース」で検索が可能です。

ただし、規則(EC) 1333/2008 ANNEX IIに記載されていない場合でも、ANNEXIIIに掲載されている添加物やキャリアは使用条件に従って食品添加物、食物酵素、食品香料、栄養物(ビタミン・ミネラル)に使用することが可能です。

その他、酵素香料に関する詳細はジェトロレポート「EU における 食品香料・食品酵素に対する規制動向(2017年3月)」でも確認することができます。

なお、本項目に関して、主要加盟国(ドイツ、フランス、イタリア、オランダ)において、EU規制に上乗せで課される独自規制は確認されていませんが、国によってEU規制の運用が異なる場合があることに留意が必要です。

また、加工助剤に関しては、食品添加物とされておらず、各加盟国法で定められている場合があります。例えば、フランスにおいては加工助剤に関して、「特定の食品の製造における加工助剤の使用に関する2006年10月19日付アレテ」で規定されており、食品加工助剤として使用できる酵素のポジティブリストや抽出溶媒などについて定められています。

5. 食品包装規制

調査時点:2022年2月

EUでは、食品用の容器・包装をはじめ、調理器具や食品製造機械、食品輸送用のコンテナなど、食品と接触することが意図されているまたは通常の使用条件において食品と接触することが合理的に予見されるあらゆる素材・製品(Food Contact Materials:食品接触素材)について、健康被害を引き起こしてはならない、食品成分に許容できない変化を引き起こしてはならない、食品の味・香り・食感などを劣化させてはならない旨が定められています(欧州議会・理事会規則(EC)No 1935/2004)。また、欧州委員会規則(EC)No 2023/2006においては、食品接触素材の製造工程における適正製造規範(Good Manufacturing Practice:GMP)がそれぞれ定められています。
前述の一般原則を規定する規則に加え、特定の食品接触素材についても、個別の規則が定められており、定められた条件に準拠していることを示す適合宣言書の添付が求められています。

主な食品接触素材に関する根拠法
食品接触素材 規則・指令 主な内容
プラスチック 規則(EU) 10/2011 ポジティブリスト形式での使用規制がなされており、同規則ANNEX Iのリストに掲載されている物質を原料として製造されたプラスチックのみが、食品接触素材として使用可能となっています。このリストは科学的評価に基づき更新されるため、随時確認する必要があります。
アクティブ・インテリジェント素材
〔鮮度保持などの目的で食品から物質を吸収する素材(吸湿材など)、容器内に物質を放出する素材(防腐剤を放出する鮮度保持材など)、食品の状態を監視する素材(温度変化に反応する素材など)〕
規則(EC) 450/2009 食品と誤認されるおそれがある場合には、3mm以上のフォントサイズで‘DO NOT EAT’と表記する必要があります。なお、調査時点では、ポジティブリストは制定されていません。
再生プラスチック 規則(EC) 282/2008 同規則に従って認可を受けたリサイクルプロセスから得られた物質を原料として製造された再生プラスチックのみが、食品接触素材として使用可能となっています。
セラミック 指令84/500/EEC カドミウムと鉛の検出上限値が規定されています。
再生セルロースフィルム 指令2007/42/EC ポジティブリスト形式での使用規制がなされており、同規則ANNEX IIのリストに掲載されている物質を原料として製造された再生セルロースのみが、食品接触素材として使用可能となっています。

さらに、特定の物質に関する規則が定められています。
規則(EU) 2018/213:BPA(ビスフェノールA)
規則1895/2005/EC:エポキシ樹脂
指令93/11/EEC:ゴムからのN-ニトロソアミンおよびN-ニトロソ

また、EUレベルでの法規制に加えて、EU加盟国は独自規制を導入することが可能となっているため、注意が必要です。
フランスでは、法令No 2012-1442に基づき、食品に接触するすべての包装容器などについてビスフェノールAの使用が禁止されています。日本では缶の裏側にビスフェノールAが使用されていることが多いため留意が必要です。
フランスでは、デクレNo 2007-766(2007年5月10日付)とデクレNo 2008-1469(2008年12月30日付)により、ゴム、シリコンゴム(ポリマー)、イオン放射線処理、金属・合金 (ステンレススチール、アルミニウム) に関するアレテが定められており、適用される基準値や添加できる物質のポジティブリストなどが規定されています。
また、食品の包装と保管、着色に関する1912年6月28日付アレテにより、一部の製造・醸造を除き、飲食品に直接、銅、亜鉛、亜鉛メッキが触れることは禁止されており、食品に接触する重金属(ヒ素、鉛、スズ)、紙・ボール紙、ニス・コーティング剤、人口着色料などについても独自規定が設けられています。
その他、ガラス・グラスセラミックなどに含有する重金属量(カドミニウム、鉛、クローム)の上限値や禁止の有無を定めた規定、製造に使用できる素材(木材など)の規定や洗浄剤それぞれ該当規定を確認する必要があります 。
また、法令No 2012-1442に基づき、食品に接触するすべての包装容器などについてビスフェノールAの使用が禁止されています。

関連リンク

関係省庁
欧州食品安全機関(EFSA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 保健衛生・食の安全総局(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 食品接触材に関する各国当局窓口(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(522KB)
根拠法等
規則(EC)No 1935/2004(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC)No 2023/2006(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令(EC)No 2007/42(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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規則 (EC) No 282/2008 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU) 2020/1245(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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規則(EC) 2018/1670(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EU) No 2016/2031(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU) 2019/787 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
委任規則 (EU) 2019/2125 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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EU指令 2011/91/EU (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU)2018/213 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC) No 1895/2005 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令93/11/EEC (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2007年5月10日付 デクレNo 2007-766 (フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
2008年12月30日付デクレNo 2008-1469 (フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
1994年11月9日付飲食品に接触するゴム製品・素材に関するアレテ (フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
1992年11月25日付飲食品に接触するシリコンゴム製品・素材に関するアレテ (フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
1986年8月12日付飲食品に接触する製品・素材へのイオン放射線処理に関するアレテ (フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
1976年1月13日付食品に接触するステンレス製品・素材に関するアレテ (フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(375KB)
1987年8月27日付飲食品に接触するアルミニウムまたはアルミニウム合金製品・素材に関するアレテ (フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
1985年11月7日付アレテ飲食品に接触するセラミック製品から抽出可能なカドミニウムや鉛の上限値に関するアレテ (フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
1999年9月8日付アレテ (フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
1912年6月28日付食品の包装と保管、着色に関するアレテ (フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
フランス法令No 2012-1442(フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
欧州委員会 食品接触材について(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 食品接触材に関する各国当局窓口(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(522KB)
食品との接触を意図したプラスチック素材と製品に関する規則(EU)No 10/2011に関するEUガイドライン(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(579KB)
EU加盟国の食品接触素材に対する独自規制に関するレポート(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
フランス国立計測試験研究所(LNE)(フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品輸出にかかる食品接触材規則と留意点:欧州(ジェトロ 貿易・投資相談Q&A)
ジェトロ「海外向け食品の包装制度調査」

6. ラベル表示

調査時点:2022年2月

「食品関連の規制」の「1. 食品規格」の項も必ず確認してください。

殻付き卵(クラスAおよびB卵)に関する表示
殻付き卵(クラスA卵・B卵)のラベル表示や梱包の詳細は、規則(EU)1308/2013 ANNEX VII第VI章および規則(EC) No 589/2008に規定されています。農林水産省「英国及び欧州連合向け輸出食肉製品、乳製品、殻付き卵及び卵製品の取扱要綱」(以下「取扱要綱」)の別添3第6および別表4でも確認することができますが、次のような表示が必要となります。
殻つき卵の包装の外面に必要な表示
クラスA卵 クラスB卵
認定卵選別包装施設番号 認定卵選別包装施設番号
等級:“Class A”または“A”の文字を、単独、あるいは“fresh”という語を組み合わせて使用 等級:“Class B”または“B”との文字を使用し、文字「B」は高さ5mm 以上かつ直径12mm 以上の円で囲む。または直径5mm 以上の身に付きやすい色斑であること
重量等級 :「食品規格」の項を参照
賞味期限
※賞味期限は産卵後28日以内に設定されること。産卵期間が表示されている場合は、賞味期限は当該機関の最初の日から起算する。 卵は産卵後、21日以内に消費者に販売されること。
包装日
※賞味期限は産卵後28日以内に設定されること。産卵期間が表示されている場合は、賞味期限は当該機関の最初の日から起算する。 卵は産卵後、21日以内に消費者に販売されること。
消費者に購入後の卵を冷蔵保存するよう勧告する表示

なお、「クラスA卵」に記載できる特定の養鶏方法の文言(例«Free range eggs»など)に関しては規則(EC) No 589/2008の第12条第2項および同規則 ANNEX Iに規定されています。ただし、EUでの慣習的、または同規則 ANNEX IIに規定される養鶏方法に準じていない「鶏卵」に関しては、「non-EC standard」と原産国の表示が必要となります。

原料卵を農場から卵選別包装施設または卵製品加工施設へ輸送する場合
規則(EC) No 589/2008および「取扱要綱」に規定されるとおり、原料卵を農場から卵選別包装施設または卵製品加工施設へ輸送する際に、輸送用の包装および添付文書に、生産者の名前および住所、卵の個数および重量、産卵日または産卵期間、発送日を記載し、コピーを保存しておく必要があります。
その他、「業務用卵」のラベル表示に関しては規則(EC)No 589/2008第18条に規定されています。
認定施設由来であることを証明する衛生識別マーク
EUに輸出される「鶏卵」「卵製品」は、原料がEU HACCP認定施設由来であるトレーサビリティを証明するために、製造者は、原材料の仕入元および食品の出荷先について、特定できるシステムを構築する必要があります。規則(EC)853/2004 ANNEX IIの第I編およびANNEX III 第X編、また「取扱要綱」に記載のとおり、製造者は認定施設から出荷する前に、読みやすく、消えないように楕円マークの中に出荷国名(第三国のISOコード)および施設認定番号を明示した「衛生識別マーク」を表示する必要があります。表示は製品、包装または梱包に直接印刷するか、印刷するラベルを貼付します。(加工用の原材料の場合は外部外箱に貼付することができます。)
卵製品(液卵などを含む)の場合、
  1. 小売りではなく別の製品を製造するための材料としての卵製品の託送貨物(consignments)には、規則(EC)853/2004ANNEX II第I編所定の識別マークに関する一般的要件が適用されるほか、当該卵製品について維持すべき温度とその保存が確保されるべき期間を明記したラベルの貼り付けが必要です。
  2. 液卵(liquid egg)の場合、前述の第1項所定のラベルには、「非殺菌液卵―出荷先において処理される(non-pasteurised liquid egg- to be treatd at place of destination)」との文言を記載し、卵を割った日時の表示が必要です。
包装済み卵製品に必要なラベル表示
その他、消費者向け「事前包装された卵製品」などの食品のラベル表示は、欧州議会・理事会規則(EU)No 1169/2011で規定されています。同規制は EU 域内で流通する食品全般(ケータリング向け食品含む)に適用され、輸入食品にも適用されます。EU 市場で流通し消費者に販売される時点から、輸入者もしくは販売者に表示の義務が課されます。アレルギー物質や栄養素の表示など、日本よりも義務表示の対象が広い項目もあるため、注意が必要です。
EU向けに包装済み卵製品を輸出する場合は、同規則第9条および関連規則に基づき次の項目を表示する義務があります。なお、消費者を惑わせる表示や医学的効能を宣伝する表示が禁止されているほか、オンライン販売などの手法により遠隔地から販売する事業者にも同様の規定が適用されます。
ラベル表示義務項目
項目 補足説明
食品の名称 「鶏卵」の名称は、「食品規格」の項で説明のとおり、
(1)法的名称:EUまたは加盟国の法律、規則などで定められた名称で表示する必要があり、規則(EC) No 589/2008および規則(EU)1308/2013 Annex VIIに定められる、食品規格に準拠した食品の名称を使用しなくてはいけません。本規則に定められていない「卵製品」の場合は、
(2)慣習的名称:当該販売国で消費者に食品名称として受け入れられている名称。その名称以外に説明が不要なもの。
(3)説明的名称:製品の本質が消費者に分かり、混同しやすいほかの製品と区別できる食品を形容した説明、および必要に応じてその用途を示す名称。
を表示します。知的財産など保護された商標やブランド名を食品の名称として使用することはできません。
食品名称に付随する個別項目 (EU) 1169/2011 同規則第9条に規定されるとおり、購入者の誤解を招く恐れがある場合は「粉末化、再冷凍、フリーズドライ、急速冷凍、濃縮、燻製」などの施された特定の処理販売前に冷凍され、解凍状態で販売される食品の場合「解凍済み(defrosted)」を添えます(例外あり)。
原材料リスト (EU) 1169/2011 単一原材料で食品の名称と同一である場合は不要です。
ただし添加物などを添加した場合や加工食品の場合、すべての原材料(食品添加物や酵素を含む。)を重量順に表示する必要があります。
また、食品に占める割合が2%未満の原材料については、重量順と異なるかたちで列挙することも可能です。なお、複合原材料についても、名称・総重量を記載したうえで、その後に原材料リストを記載する必要があります。
食品添加物および食品香料は、そのカテゴリー(酸化防止剤、防腐剤、着色料など)ごとに物質名またはE番号を表示する必要があります。ただ
し、加工助剤や最終製品技術的な機能を持たない担体(キャリア)などについては同規則第20条を参照。 原材料の量の表示は同規則ANNEX VIIIを参考にしてください。
アレルギー物質 食品の名称が、当該物質で明確に記載されている場合は不要ですが、表示が義務付けられているアレルギー物質は、次のとおりです。
  • グルテンを含む穀物(小麦、大麦、オーツ麦など)および同製品(一部例外あり)
  • 甲殻類および同製品
  • 卵および同製品
  • 魚および同製品(一部例外あり)
  • ピーナッツおよび同製品
  • 大豆および同製品(一部例外あり)
  • 乳(ラクトースを含む)および同製品(一部例外あり)
  • ナッツ類および同製品
  • セロリおよび同製品
  • 辛子および同製品
  • ゴマおよび同製品
  • 濃度が 1キロ/1リットルあたり10mg 超の二酸化硫黄または亜硫酸塩
  • ルピナス(マメ科植物)および同製品
  • 軟体動物および同製品
原材料リストの標記を太字などで強調することにより表記することが可能です。
正味量 「ℓ(リットル)」「cl(センチリットル)」「mℓ(ミリリットル」「kg(キログラム)」または「g(グラム)」で液体の場合は、体積単位で、その他の製品は質量の単位で表示します。
文字の大きさは重量に応じ、後述※1のとおり表示する必要があります。
また、容量誤差の許容範囲(容器に記載された公称重量と実質重量の誤差)については、指令76/211/EEC により、後述※2のとおり規定されています。
表示されている正味量が関連するEU規制に準拠していることを示すため、eマークを正味量の横に表示することが可能です。
〇g

図:eマーク

賞味期限または消費期限 事前包装されている食品に関して、微生物学の視点からみて傷みやすく、短期間で危険となりうる食品の場合、日本と同様に、品質保持期限/賞味期限(the date of minimum durability)に代えて「消費」期限(the ‘use by’ date)を表示する必要があります。
冷凍製品の場合は、冷凍日を「Frozen on 日/月/年」の表示義務が追加されます(同規則ANNEX. X)。
特殊な保存条件や使用条件 当該食品が特別な保存条件や使用条件を必要とする場合には、表示する必要があります。
(食品情報について責任を負う)食品事業者の名称または商号、および所在地 食品を当該名称または商号で販売している食品事業者(EU域内事業者でない場合は、EUへの輸入者)の名称または商号および所在地を表示する必要があります。
原産地 同規則第26条に記載されており、製品の原産国または起源地が表示されていて、それが主原材料の原産国または起源地と異なる場合は、
(a) 当該の主原材料の原産国または起源地もあわせて表示しなければならない。
(b) 主原材料の原産国または起源地が食品の原産国または起源地と異なる旨を、表示しなければならない。
例「(〇○:主原料)は(××:最終製品の原産地)に由来しない」(○○ do/does not originate from ××)と記載する。(例えば、最終製品の「エッグタルト」と主原料の「エッグ」の原産地が異なる)主原料とは、最終製品の50%以上を占める原材料、または、製品の名称から消費者が通常想起する原材料(「エッグタルト」における「エッグ」)を指します。
また、最終製品の原産地が表記されていなくても、原産地を想起させる国旗などがパッケージに表示されている場合も、本規制の対象となります(委員会維持実施規則(EU)2018/775)。
使用方法の指示 記載がなければ適切な使用が困難な場合に記載する必要があります。
栄養表示 「単一の原材料」または「単一の原材料からなる未加工製品」あるいは、「熟成(maturing)による単一の原材料からなる加工製品」の場合は不要ですが、同規則ANNEX Vに記載される製品以外の場合、次の項目について、100gまたは100mlあたりの栄養素を表示する必要があります。これに加えて、一食あたりの栄養素を表示することも可能です。栄養表示はスペース上で可能であれば表形式で記載し、難しい場合は列記しなければなりません。
  • エネルギー量(kJ/kcalの両方を記載する必要があります)
  • 脂肪(g)
  • 飽和脂肪酸(g)
  • 炭水化物(g)
  • 糖類(g)(単糖類および二糖類の合計値のことを指します。)
  • タンパク質(g)
  • 塩分(g)〔(塩分)=(ナトリウム含有量)×2.5で算出することとなっています〕
製造ロット番号 (EU指令2011/91/EU) EU域内で流通する包装済み食品は、製造ロット番号を表示する必要があります。明確な表示(LOTなど)の場合を除き、「L」の文字に続けてロット番号を表示する必要があります。 さらに、動物性食品に関しては、本項の【認定施設由来であることを証明する衛生識別マーク】に記載のとおり、すべての段階でのトレーサビリティを目的として「衛生識別マーク」の表示が必要となります(規則(EC)853/2004)。
※1:文字の大きさ
公称重量 文字の高さ
50g以下 2mm以上
50g超200gまで 3mm以上
200g超1,000gまで 4mm以上
1,000g超 6mm以上
※2:容量誤差の許容範囲(容器に記載された公称重量と実質重量の誤差)
公称重量(g) 許容範囲(公称容量より少ない場合)
公称重量 に対する%
許容範囲(公称容量より少ない場合)
5 ~ 50 9
50 ~ 100 4.5
100 ~ 200 4.5
200 ~ 300 9
300 ~ 500 3
500 ~ 1,000 15
1,000 ~ 10,000 1.5

賞味・消費期限については本規則第24条およびANNEX Xにのっとり記載する必要があります。
食品のラベルに使用される言語は、EUの公用語であれば複数の記載が可能ですが、当該製品を販売する国の公用語を必ず使用する必要があります(欧州議会・理事会規則(EU)No 1169/2011 第15条)。
また、ラベル表示に使用する文字の大きさについても、同規則において次のとおり指定されています。

  • 包装面の最大面積が80cm2以上の場合、「x」の文字の高さ(図中の6)は1.2mm以上
  • 包装面の最大面積が80cm2未満の場合、「x」の文字の高さは0.9mm以上
栄養・健康に関する強調表示
規則(EC) 1924/2006により、栄養・健康に関する強調表示(例:健康強調表示「DHAは正常な血圧の維持に寄与します」栄養強調表示「脂肪分0%」)に関する規制が定められています。食品ラベル上に記載可能な強調表示はポジティブリスト形式(EUリスト)で定められており、強調表示が可能な栄養素等・記載可能な表現・強調表示を行うために含まれるべき栄養素などの基準が、詳細に定められています。強調表示を行う場合には、注意が必要です。
例えば、カルシウムの強調表示において、「Calcium is needed for the maintenance of normal bones(カルシウムは正常な骨の維持に必要です)」「Calcium contributes to normal blood clotting(カルシウムは正常な血液凝固に寄与します)」という表現は許可されますが、「Calcium helps to keep a healthy blood pressure.(カルシウムは健康的な血圧の維持に寄与します)」という表現は許可されていません。ポジティブリストに関しては欧州委員会のデータベースで検索が可能です。
その他、特定の母集団向けのカルシウムの強調表示について(EU) No 1228/2014(50代以上の女性向け)で定められています。
詳細は、ジェトロレポート「健康食品関連規制調査 (EU)」で確認することができます。

関連リンク

関係省庁
欧州委員会 貿易総局(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 保健衛生・食の安全総局(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州食品安全機関(EFSA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国食品基準庁(FSA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
規則(EU)No 1169/2011(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EC) No 589/2008(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
規則 (EU) No 1308/2013(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
決定 2010/791/EU(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EU)No 2018/775(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EC) 1924/2006 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC)No 853/2004(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
指令 76/211/EEC (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EC) 1228/2014 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
農林水産省「英国及び欧州連合向け輸出食肉製品、乳製品、殻付き卵及び卵製品の取扱要綱」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(7.9MB)
Food Labelling Information System (FLIS)(食品ラベル規則の検索ツール)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会「栄養・健康に関する強調表示データベース」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「健康食品関連規制調査 (EU)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ 「EU向け食品ラベルの翻訳例」(2020年12月)
ジェトロ「EUにおける食品ラベル表示に関する規制」(2014年3月)
農林水産省「日EU・EPAにおける地理的表示(GI)の取扱いについて」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3.2MB)

7. その他

調査時点:2022年2月

  1. EU域外から輸入される食品については、欧州議会・理事会規則(EC)No 178/2002に基づきEUが求める衛生基準などとの同等性(輸出国と特定の合意がある場合はその合意事項)を満たす必要があります(同規則Article 11)。
  2. EUの食品輸入事業者は、輸入した食品がEUの食品衛生要件を満たしていないと判断した場合、即時に製品を市場から回収する手続きをとり、加盟国の所管当局に通知する義務があります(欧州議会・理事会規則(EC)No 178/2002 Article 19)。また、同規則では、食品がヒトの健康や環境に甚大なリスクをもたらす可能性があると判断された場合、EUが当該食品の上市停止などの緊急措置をとることが認められています(同規則Article 53)。

これらのEUの衛生法(衛生パッケージ)は規則(EC)178/2002 (食品一般法)、規則(EC)852/2004 (一般食品の衛生規則)、規則(EC)853/2004 (動物性食品の衛生規則)、(EC) 183/2005 (動物の飼料に要求される衛生規則) そして新公的管理規則(EU)2017/625およびこれらの規則を補完する関連規則(例えば、委任規則 (EU) 2019/625など)により構成されています。

関連リンク

関係省庁
欧州委員会 保健衛生・食の安全総局(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州食品安全機関(EFSA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
規則(EC)No 178/2002(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC)No 853/2004(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則(EC) No 852/2004 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EU) 2017/625(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
規則 (EC) 183/2005(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
委任規則 (EU) 2019/625 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

EU内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2022年2月

EUは域外共通関税制度の下、域外からの輸入品の関税率は域内各国で一律となっています。

関税および統計的分類表、ならびに共通関税率に関する欧州理事会規則(EEC)2658/87では、共通関税を設定するために合同関税品目分類表(CN)とよばれる物品の分類表を設定しており、これはHSコードに相当します。そのため、当該合同関税品目分類表のCNコードの中から該当する品目の関税率を特定する必要があります。

また、日本からEUへの輸出品は、日EU経済連携協定(以下「日EU・EPA」)の適用対象となっています。「日EU・EPA」の適用を受けるには、当該輸出品の原産地が日本である旨を証明する原産地証明が必要となります。「日EU・EPA」では、自己申告による原産地証明制度が採用されており、輸出者、輸入者のいずれかが、自ら原産地を証明することになります。原産地証明に関する詳細は、税関のウェブサイトで確認することができます。また、商品に非日本産原料が含まれており、原産地の判断が困難な場合は、事前教示の制度により、税関当局に照会することができます。

「日EU・EPA」適用後の関税率は表のとおりです。

鶏卵に該当するCNコードと関税率
CNコード/品目 関税率:通常 関税率:EPA適用
040721000
ふ化用受精卵ではない殻付き家きん(ガルルス・ドメスティクス)鶏卵
30.40 ユーロ/100kg 非課税
(0%)
0408118000
砂糖その他の甘味料を加えてあるかないかを問わず、ヒトの消費向けの乾燥した卵黄
142.30ユーロ/100kg 非課税
(0%)
0408198100
砂糖その他の甘味料を加えてあるかないかを問わず、ヒトの消費向けの液体状の卵黄
62.00 ユーロ/100kg 非課税
(0%)
0408198900
砂糖その他の甘味料を加えてあるかないかを問わず、ヒトの消費向けの冷凍した卵黄
66.20 ユーロ/100kg 非課税
(0%)
0408918000
砂糖その他の甘味料を加えてあるかないかを問わず、上記以外のヒトの消費向けの乾燥した卵(卵白パウダーなど)
137.40ユーロ/100kg 非課税
(0%)

※HSコードは参考として記載していますが、変更になることがあるため、必ず欧州委員会の関税検索サイトまたは、仕向け地の税関に最新のコードを確認してください。

その他、関税率は、欧州委員会通商総局が提供する「Access2Markets」や税制・関税同盟総局が提供する「TARIC Consultation」などで検索できます。さらに、「日EU・EPA」の原産地ルールや税率に関しても、「Access2Markets」で確認することができます。

関連リンク

関係省庁
欧州委員会 税制関税同盟総局(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
規則(EEC)No 2658/87(英語) 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
欧州委員会Access2Markets (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 TARIC Consultation(関税検索サイト) (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国政府 関税検索サイト(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
税関 原産地規則ポータル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
税関 EPA原産地規則マニュアルPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.6MB)
欧州委員会 日EU・EPAガイダンス「特恵の要求、確認および否認」(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(545KB)
欧州委員会日EU・EPAガイダンス「原産地に関する申告」(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(481KB)
欧州委員会 税制・関税同盟「日本」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定(日EU・EPA)ガイダンス要求、確認および特恵の否認(2019年12月更新版)(ジェトロ仮訳)」PDFファイル(722KB)
ジェトロ「経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定(日EU・EPA)ガイダンス原産地に関する申告(ジェトロ仮訳)」PDFファイル(711KB)
ジェトロ「日EU・EPA解説書」PDFファイル(9.93 MB)
ジェトロ「原産地証明ナビ」

2. その他の税

調査時点:2022年2月

EUへの輸入には、輸入関税に加え、各国が独自に定める付加価値税(VAT)や物品税が課されます。これらの税率は国によって異なるため、最終消費国ごとに確認する必要があります。なお、VATに関する共通システムに関しては欧州理事会指令2006/112において規定されています。
ドイツの場合、7%のVATが課されます。フランスの場合、5.5%または20 %のVATが課されます。イタリアの場合、4%または10%のVATが課されます。オランダの場合、9 %のVATが課されます。

関連リンク

根拠法等
指令2006/112(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、すべて制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
その他参考情報
欧州委員会Access2Markets (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
欧州委員会 TARIC Consultation(関税検索サイト) (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

3. その他

2022年1月

なし