為替管理制度

最終更新日:2020年07月24日

管轄官庁/中央銀行

チリ中央銀行

為替相場管理

変動相場制。外国為替取引に関し、規制は最小限に留められ、原則自由。公式・非公式の為替市場、バスケット方式による対ドル公示相場あり。

  1. チリ中央銀行組織法は、「すべての人は外国為替取引を自由に行うことができる」と規定し、「原則自由」を表明している。
  2. 外為取引の規制は、通貨安定のために必要な最小限の内容に留められている。
    1. 特定の外為取引に対してのみ、公式市場の利用を義務付け。
    2. 外国為替取引を行った場合、中央銀行(以下「中銀」と略す)に事後報告しなければならない。
    3. 中銀による外為相場への介入、ほか。
  3. 為替市場には、公式為替市場(MERCADO CAMBIARIO FORMAL)と非公式為替市場(INFORMAL)がある。
    1. 公式為替市場:銀行および中銀公認の両替所
    2. 非公式為替市場:誰でも参入できる。現行制度では、同市場を営業の対象にできるので、証券取引所で外為売買が行われている。
  4. 銀行の対顧客相場は、インターバンク(DOLAR INTERBANCARIO)相場の動向を勘案しつつ、銀行と顧客の間で自由に決定される。
  5. DOLAR OBSERVADO
    中銀は、全銀行の毎日の取引相場の加重平均を算出し、翌日発表している。
  6. 非公式為替市場における売買相場については全く規制がなく、需給関係に応じ変動する。
  7. 2001年4月9日に中銀外為規制が改定された。主な変更点は次のとおり。
    1. 外貨持ち込みに対する強制預託金制度(ENCAJE)の廃止。
    2. 対外借入、償還など資本取引に関する外貨の流出入事前許可制度の廃止。
    3. 一部の外為取引を除き、チリ国内に持ち込まれた外貨の内貨転換義務の廃止。また、ある種の外為取引に課されていた外貨の公式外為市場での購入義務も一部を除いて廃止。
    4. 対外債務や貿易取引における通貨指定制度を廃止。
    5. 輸出代金および輸出前受金の受け取りや、輸入代金の支払いにおいて、公式外為市場を使用する義務を廃止。ただし、中銀に事後報告しなければならない。

貿易取引

輸出代金受取処理等の中央銀行への事後報告義務あり。輸出前受金。原則はL/Cによる輸入代金支払、輸出・輸入とも指定通貨なし(現地通貨はペソ)。

チリでは貿易の自由化が進んでおり、輸出入を管理・規制するような制度はほとんど残っていない。輸出入に必要な報告義務・手続きは次のとおり。

輸出報告義務・手続き

  1. 2002年6~9月に、輸出届出書(INFORME DE EXPORTACION)および輸入届出書(INFORME DE IMPORTACION)が廃止された。
    税関庁(Servicio Nacional de Aduanas外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
  2. 物品・サービスの輸出に関する代金および保険の求償金に関し、チリ国内への送金・ペソ転換義務は、1995年6月10日以降免除となった。
  3. 前年にFOB5,000万ドル以上の輸出を行った輸出業者は、各四半期の締めの翌日から10日以内に、所定の様式を用いて、次の事項とともに、月次報告書を中銀に提出しなければならない。
    1. 輸出価格
    2. 輸出により獲得した外貨総額(前受金も含む)
    3. 海外の輸入業者に付与されたクレジットおよびその返済計画
    4. 未払い残高
    5. 前受金額

    輸出代金の一部、またはすべてを海外で受領し輸入代金に充てた場合〔中銀外国為替規則5章〕、海外での投資・預金等に充てた場合〔同12章〕、外国における債務支払いに充てた場合〔同14章)は、当該規則の各々の章で定められた書式を用い、それを報告しなければならない。〔同4章〕

  4. 輸出前受金に関しても、チリ国内に前受金が送金された後、公式市場でのペソ転換義務は免除されている。
    ただし、輸出前受けの一部または全部が国内に回金されない場合は、それが行われた翌月10日までに中銀に報告しなければならない。
    また、回金された場合でも、それが資本化された場合や、借入金に転換された場合は、それを中銀に報告しなければならない。
    なお、輸出実行のための期限はなく、輸出入当事者間で決定できる。
  5. 輸出者は通関後に税関から輸出認定書(Declaracion de Exportacion)の発行を受ける。
    輸出代金として受け取った外貨は、自由に公式市場または非公式市場でペソに換金できる。

輸入報告義務・手続き

  1. 輸入者は、通関前に税関から輸入認定書(Declaracion de Ingreo:DIN)の発行を受ける。輸入代金決済に必要な外貨は、公式市場、非公式市場のどちらでも自由に購入できる。
  2. 前年にFOB5,000万ドル以上の輸入を行った輸入業者は、各四半期の締めの翌日から10日以内に、所定の様式を用いて、次の事項を中銀に報告しなければならない。〔中銀外国為替規則5章〕
    1. 輸入価格
    2. 支払い総額(前払金も含む)
    3. 海外のプロバイダーより直接授与された1年以上のクレジットおよびその支払い計画
    4. その未払い残高
    5. 前払金額
  3. 輸入代金の支払方法は、原則L/C(信用状)とされているが、D/P(手形支払書類渡し)、D/A(手形引受書類渡し)、現金決済もできる。
    輸入代金の支払期限を延長する場合は、それを中銀に報告しなければならない。
    輸入代金の一部または全部が資本化された場合は、それが生じた翌月の10日までに所定の様式を用い、中銀に報告しなければならない。
  4. 輸入代金の支払いが1年以上の取立てベースで、輸出者からの融資を金融融資に変更した場合も、それが生じた翌月の10日までに、所定の様式を用い、中銀に報告しなければならない。

指定通貨

輸出・輸入とも指定通貨はない。

貿易外取引

外貨受取:集中義務のない受取外貨は、個人、法人ともに外貨預金で保有可。外貨支払:金額にかかわらず、公式市場で外貨を購入し、外国に送金可。外国人旅行者の外貨持ち込み、持ち出しは自由。1万ドル以上の外貨または証券、内貨(ペソ)を持ち込む場合は、入国時に所定の用紙に記入し、税関に申告しなければならない。〔税関庁決議8387号・2008年11月28日官報掲載〕

外貨支払

渡航費用、対国際機関支払、学費・年金などの支払、土地賃貸料の支払、新聞書籍購読料・医療費などの支払については、金額にかかわらず、自由に公式市場で外貨を購入し、外国に送金できる。

ロイヤルティー送金に関する規制

ロイヤルティー送金の外貨は公式為替市場でも非公式為替市場でも調達できる。送金は公式市場を通して行わなければならない。
ロイヤルティーにかかわる販売額証明書(CERTIFICADO DE VENTAS AFFECTAS A REGALIA)と、ロイヤルティー支払該当月の納付済申告書(FORMULARIO 50)をいつでも提示できるように保存しておく必要がある。
この申告書により、ロイヤルティー支払に関する追加税を納付したかどうかを確認できる。〔中銀外国為替規則、所得税法(法令824号74条4・1974年)〕

資本取引

対内投資は、旧外資法、対内直接投資法、中央銀行外国為替規則14章のいずれかに準拠しなければならない。対外投資では、1回につき1万ドル以上の外貨送金等は中央銀行に報告義務あり。

対内投資

外国からチリに投資するためには、次のいずれかに準拠しなければならない。

  1. 対内直接投資法〔法20848号・2015年6月25日官報掲載〕
  2. 中央銀行外国為替規則(C.N.C.I.)14章

2014年の税制改革法〔法20780号9条〕により、2016年1月1日付で旧外資法〔DL600号〕および外国投資委員会(Comité de Inversiones Extranjeras:CIE)が廃止された。

2016年1月21日付で、新たな対内直接投資の枠組みおよび新組織設立に関する法〔法20848号〕が発効し、対内投資促進庁(InvestChile)が活動を開始した。〔経済省令DFL1号・2016年1月21日官報掲載〕

  1. 対内直接投資法〔法20848号・2015年6月25日官報掲載〕

    最低資本金は500万ドルで、外国投資家は投資実行後、InvestChileに申請を行い、InvestChileは投資証明書を発行する。

    資金・利潤の海外送金を行う権利〔5条〕、公式為替市場へのアクセス保障〔6条〕、投資プロジェクト実施のための資本財輸入に対する付加価値税(IVA)免除〔8条〕、国内投資家と同等の扱いを受けること〔9条〕などが定められている。

  2. 中央銀行外国為替規則14章

    海外からの1万ドル以上の借入、投資、資本拠出等に係る外国為替取引が対象とされている。
    チリでの資金受領、およびそれにより発生した資本および利益の償還、利息送金等は、公式為替市場(銀行等)を通じて行い、翌月10日までに所定の様式を用いて中銀に報告しなければならない。
    外国で保有している外貨でこれらの支払いをする場合は、受益者、外貨の受益会社、または債務者が中銀に報告しなければならない。

    輸入代金の一部または全部が資本化された場合、輸入代金の支払いが1年以上の取立てベースで輸出者からの融資を金融融資に変更した場合、外国で外貨による融資、預金、投資、出資金を受けた場合(チリ国内に送金しない場合も含む)や、外国で設立されている企業の株式譲渡を受けた場合も、中銀に報告しなければならない。

    外国で取引される預託証券(ADR等)に転換されるチリ国内の株式会社の株式、信託会社(Fondo de Inversion)のクオータを購入するために、チリ国内に外貨を持ち込んだ場合、プラットフォーム法でチリに設立された会社への投資の結果として国外の会社へ投資された場合も、チリへの対内投資とみなされる。

対外投資

一般のチリ居住者(銀行は除く)が、1回につき1万ドル以上の外貨送金(外国投資、融資、預金も含む)を行う場合は、〔中銀外国為替規則12章〕に準拠しなければならない。その際、外貨購入は自由に行うことができるが、送金は公式市場を使用し、中銀に事後報告しなければならない。銀行からの海外送金に対しては、〔中銀外国為替規則13章〕が適用される。

1万ドル未満の外貨持ち出しや送金に対する規制はないが、報告期間のある時点において、海外での投資、預金、融資が累計で500万ドル以上となった者(投資機関は除く)は、それを中銀に報告しなければならない。
また、その間、海外に10万ドル以下の投資、預金、融資をした場合も、それを中銀に報告しなければならない。

証券・保険監督院の監査対象となる者(株式公開会社)は、3月、6月、9月の各四半期締切日の翌月から45日以内に、また12月の場合は同月締切日の翌日から60日以内に、それぞれこの報告をしなければならない。
同監督院の監査対象とならない者については、各年12月の締切日の翌日から60日以内に、前年の報告を中銀にしなければならない。

チリ在住の投資家は、これらの海外投資により生じた資本金、利益、配当などのチリへの送金を義務付けられていないが、送金する場合は公式市場を使わなければならない(中銀外国為替規則 1章9)。
ただし、送金された外貨をペソ転換する際には公式市場を利用する義務はなく、送金された外貨をペソ転換せずに保有することも可能である。

関連法

チリ中央銀行構成組織法、チリ中央銀行外国為替規則(C.N.C.I.)、対内直接投資法

チリ中央銀行構成組織法(法令18840号・1989年)
チリ中央銀行外国為替規則(C.N.C.I.)(1990年)
対内直接投資法(法20848号・2015年)

その他

特になし

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