外国企業の会社設立手続き・必要書類

最終更新日:2017年03月31日

外国企業の会社設立手続き・必要書類

2014年投資法67/2014/QH13は2014年11月26日に国会より承認され、2015年7月1日より2005年投資法59/2005/QH11に代わり発効した。投資法67/2014/QH13の一部条項の細則を定め、補足する2015年11月12日付の政令118/2015/NĐ‐CPは2015年12月27日より有効となった。投資プロジェクトおよび外資企業を設立するための手続き・必要書類は原則として次のとおり。

外資100%の企業設立手続き(2014年改正投資法)

ステップ1:投資プロジェクト登録
プロジェクト登録の完了後、外国投資家に対し投資登録証明書が発行される(当証明書にプロジェクトコードが記載される)。
投資法67/2014/QH13および政令118/2015/NĐ‐CPに基づき、申請書類は次のとおりである。
  • 投資プロジェクト実施申請書(所定フォーム)
  • 投資家の資格を確認するための証明書類(登記簿または定款、法的代表者のパスポートまたは個人である投資家のパスポート)
  • 投資プロジェクト提案書(所定フォーム)
    1. 条件付きプロジェクト:国家または首相、人民委員会からプロジェクトの承認が必要
    2. それ以外のプロジェクト:承認不要
  • 財務能力を証明する書類(直近2年分の決算報告書、投資家の財務支援誓約書、または金融機関の財務保証誓約書)
  • 賃貸契約書および不動産オーナーの関連書類(不動産賃貸事業のライセンス、物件所有証明書、建設許可証、消防証明証等)
  • 移転制限技術リストに該当する技術を使用するプロジェクトの場合、使用技術証明書

投資家は、投資法67/2014/QH13の第30条、第31条、第32条に規定される投資方針決定に該当する投資プロジェクトについては、投資登録証明書を発行される前に、投資方針決定の手続きを行う必要がある。投資方針決定の申請書類は、プロジェクトの規模によって、国会、政府首相、省レベルの人民委員会のいずれかの承認を受ける。プロジェクトの規模は、投資法67/2014/QH13の第30条、第31条、第32条に詳細に列記されている。投資方針決定の申請書類は、原則的に上記の投資登録証明書発行の申請書類と同様。ただし、国会、政府首相の承認管轄に該当する場合、次の申請書類を追加で提出する必要がある。

  • 更地の造成、移住、再定住に関する計画案(もしあれば)
  • 環境への影響の初期評価および環境保護の各方策
  • プロジェクトの経済、社会への影響、効果の評価
  • 特殊なメカニズム、政策の提案(もしあれば、国会が決定するプロジェクトの場合)
投資方針決定の受領後は、投資登録機関は投資家に投資登録証明書を発行する。


ステップ2:企業登録
手続き登録の完了後、プロジェクトを実行する会社に対し企業登録証明書が発行される(税コードは、同証明書にある企業コードと同じコードになる)。
企業法68/2014/QH13の第22条、第23条によると、企業登録申請書類は次のとおり。
  • 企業登録申請書(所定フォーム)
  • 会社定款
  • 会社の社員総会メンバーリスト(2人以上有限会社)または設立株主および外国人である株主のリスト(株式会社)
  • 投資家の証明書類(登記簿、定款、法的代表者のパスポートおよび個人投資家のパスポート)
  • 投資登録証明書の公証版

2017年2月末時点で、管轄機関は詳細ガイダンスを発行していないため、企業設立申請書類にはまだ統一のフォームは存在しないが、企業登録を補足する政府の政令発行以降は、原則として、必要な条件を満たした書類の提出日から3営業日以内に手続きが行われることとなっている。


現地法人の形態

会社形態:
  • 一人有限会社:所有者が組織または個人の1人である有限会社
  • 二人以上有限会社:所有者が組織または個人の2~50人である有限会社
  • 株式会社:3人(組織または個人)以上の出資者が必要。出資者数の上限はない。定款資本は等しく多数に分けられる。

駐在員事務所形態:
外国投資家は、会社形態以外にも、駐在員事務所を設立することができる。駐在員事務所の事業活動とは、「連絡」「市場調査」「商人の投資活動促進」であり、営業活動は認められない。

支店形態:
現時点で、ベトナムは銀行業、情報産業、法務サービス、管理コンサルティングサービス、フランチャイズサービス、保険サービス等いくつかの事業を除き、多くのサービス業に対して支店設立形態を認めていない(WTO誓約)。


会社設立にかかわる投資手続き

会社設立については、投資にかかわる手続きとして、2006年9月22日付の政令(108/2006/ND-CP)で詳細な説明がなされている。
手続きは、投資額および投資分野に応じて投資登録(登記)または投資審査が必要となる。


駐在員事務所および支店の事業活動

駐在員事務所に認められている事業活動とは、「連絡」、「事業協力の活動の促進」、「市場調査」、「その他ベトナムの法律において認められる活動」と定められている。
支店で認められている事業活動は、「支店の定款に定める活動」と定められている。「条件付分野に属する支店」については特別法に定める事業活動と定められている。


駐在員事務所を設立する場合の要件

  1. 外国商人(各国の法律における法人または個人)が、本国の法律もしくはベトナムが加盟している国際条約に基づいて設立・事業登録されていること。
  2. 外国商人が、登録または設立日から最低1年間事業活動を行ったこと。
  3. 活動期限を記載する外国商人の相当価値書類または事業登録書の場合には、事業活動の有効期限が申請書の提出日から最低1年間残存していること。
  4. 駐在員事務所の活動内容が、ベトナムが加盟している国際条約において確約している内容に該当すること。
  5. 駐在員事務所の活動内容がベトナムの条約に該当しない、または外国商人がベトナムが加盟している国際条約に参加する国家・地域に所属しない場合は、駐在員事務所設立手続きにおいて、省長、省に相当する専門管理所管の所長(以下は専門管理省の省長と称する)の承認が必要である(政令07/2016/ND-CP7条)

支店については、外国商人は、登録または設立日から最低5年間事業活動を行ったという条件以外は、基本的に上記の駐在員事務所設立要件と同様である(政令07/2016/NĐ-CP第8条)。


会社設立、駐在員事務所設立等の詳細

政令78/2015/NĐ-CP、政令118/2015/ND-CP、政令07/2016/NĐ-CPなど実行ガイドライン文書、および次の調査レポートを参照。
ジェトロ調査レポート改正投資法・改正企業法に基づく「ベトナム拠点設立マニュアル」(2016年3月)


投資法に関する主なガイドライン

詳細は別添のとおり。
投資法に関する主なガイドラインPDFファイル(357KB)

 外国企業の会社清算手続き・必要書類

会社の清算、駐在員事務所の閉鎖についての各手続きは次のとおり。

会社清算手続き

企業法68/2014/QH13第201条により、会社は次の場合に清算される。
  1. 定款に規定された活動期間が終了したが延長決定がない場合
  2. 投資家(私営企業の場合)、合名社員全員(合名会社の場合)、社員総会または所有主(有限会社の場合)、株主総会(株式会社の場合)の決定がある場合
  3. 連続して6カ月間、会社の社員数が本法に定める最少人数を下回るが、企業形態の変更手続きをしない場合
  4. 企業登録証明書が没収された場合

会社は、すべての債務および他の財産上の義務の返済を保証する場合に限って、清算することができる。
ベトナムで会社清算をする際、会社は文書で会社清算を決定する。清算決定書発行時点から7日間以内に債務返済計画(債務がある場合)および本決定書を各役所に届ける。
次の図は、簡単に会社清算手続きの順番を説明したものである。地域により、この順番が変更されたり、不要となる場合もあることから、実際に清算を行う際には、各担当部署に直接再確認する必要がある。
会社清算手続きの流れPDFファイル(298KB)    
会社清算手続きに関する書類と提出先PDFファイル(189KB) 

駐在員事務所閉鎖手続き

政令07/2016/ND-CP第35条により、駐在員事務所(以下、REPオフィス)は、次の場合に閉鎖される。
  1. 外国企業が稼動している国で清算する場合
  2. 設立証明書の期限が切れ、外国企業が延長申請をしない場合
  3. 設立証明書の期限が切れ、商工局が延長を承認しない場合
  4. 外国企業が閉鎖を申請する場合
  5. 外国企業が設立された、または運営登録された国の法律により清算する場合
  6. 本政令の第44条の規定により、駐在員事務所の設立ライセンスが没収される場合
  7. 外国企業、および駐在員事務所が法律の規定により本政令の第7、8条において規定される条件の1つを満たさなくなる場合

次の図は、簡単に駐在員事務所閉鎖のフローを紹介したものである。地域により、この順番が変更されたり、不要となる場合もあるため、実際に閉鎖手続きを行う際には、各担当部署に直接再確認する必要がある。

駐在員事務所閉鎖手続きの流れPDFファイル(260KB)   
駐在員事務所閉鎖手続きに関する書類と提出先PDFファイル(250KB)  

その他

現地での資金調達制度:外国系企業に対する貸付について、海外からの借入、有価証券による資金調達など。

現地での資金調達制度

貸付には、期間によって、[1] 12カ月以下の短期貸付、[2] 12カ月を超える中期および長期貸付の2種類がある。ベトナム法人または外国法人に対し貸付を行う場合、貸付期間はベトナム国内における投資ライセンスに基づいて 決定された事業の残存有効期間を超えてはならず、外国人個人に対する貸付期間は、その外国人がベトナムに滞在することを許可された期間を超えてはならない。

外国企業に対する貸付について

ベトナム中央銀行発行2001年12月31日付決定1627/2001/QD-NHNN、2005年2月3日付決定127/2005/QD-NHNN、2005年5月31日付決定783/2005/QD-NHNNおよび金融関連法に基づき、金融機関(国内外を問わず)は、外資系企業に対して貸付(ベトナムドン建ておよび外貨建て)を行うことができる。

金融機関は、次のケースに該当する場合、貸付の検討および決定を行う。
  • 顧客が民事上の行為能力を有するとともに民事訴訟における当事者能力を有し、法律に定められた義務を履行する意思がある
  • 顧客側に、借入資本を使用する適格な目的がある
  • 顧客が期限内に借入金を返済する財務能力を有している
  • 顧客の生産活動、事業活動、またはサービス提供活動を展開する投資案件の採算性と効率性が適格である、もしくは、生活環境整備に対する投資案件の採算性が適格かつ合法である
  • 顧客が、政府の規定およびベトナム中央銀行の定めた保証に関するガイドラインを遵守している

貸付期間については、顧客の生産サイクルまたは事業サイクル、投資案件の資本回収期間、顧客の返済能力、それに金融機関が貸付に用いる資金の調達源を考慮に入れることになる。
貸付の限度額については、単一の顧客に対し、政府、団体または個人による保証が設定されている資本調達源を除き、金融機関の資本金の15%を超えてはならない(ただし、顧客の資本需要が金融機関の資本金の15%を超える場合、あるいは顧客が複数の調達源から資本を調達したい場合は、ベトナム中央銀行の規則に基づきながら協調融資を実施することもできる)。特殊なケースの場合、金融機関は限度額を超えた融資を実施することができるが、ケース・バイ・ケースで、政府首相の承認を得る必要がある。

海外からの借入

海外からの借入は、2016年2月26日付通達03/2016/TT-NHNNに規定されている。外資系企業を含めた全セクターの企業は、契約条項に基づいて、海外の貸し手を相手に独自に借入・返済をすることで、直接、対外借入を行うことができる。この場合、中央銀行に登録が必要となる借入金は、借入期間が、中期または長期、延長期間を含めた場合1年以上となる短期借入、延長契約はないが第1回目借入日より1年経過後も借入残高が残る短期借入になる。

短期借入は、投資ライセンスに記載された事業分野を展開するのに必要な資金需要を満たす目的で使用するよう義務付けられているが、現在、中央銀行への登録手続きなどは不要となっている。

中長期借入は、当局により承認された投資案件または生産計画・事業計画が存在し、借入期間、返済猶予期間、それに借入費用(利息、手数料、その他費用)が、ベトナム中央銀行の発布した規定と合致している場合(現在、この条件に関する制約はない)、契約を締結することができる。中長期借入については、契約署名日から30日以内および返済前に借入・返済をベトナム中央銀行に登録しなければならない。

有価証券による資金調達

2013年3月1日付の通達04/2013/TT-NHNNおよび2012年6月18日付通達21/2012/TT-NHNNにより、有価証券の割引と再割引による資金調達についても認められており、対象となる有価証券には、[1] 金融機関が発行した有価証券、[2] ベトナム中央銀行が発行した短期国債、[3] 長期国債、中央建設債、投資債、外貨建債券、国家建設公共債、政府保証債ならびに地方債、[4] その他の団体が発行した上記以外の債券類とされている。

証券および証券市場に関する罰金

2013年9月23日付の政令108/2013/ND-CPにより、証券および証券市場にかかわる罰金が規定されている。同政令は2010年8月2日付の政令85/2010/ND-CPに代わるものである。
また、2013年12月31日に証券および証券市場における行政違反処罰のガイダンスに関する通達217/2013/TT-BTCが発行された。

証券取引所

ホーチミン証券取引所(2007年5月、ホーチミン証券取引センターより改組)
ハノイ証券取引所(2009年1月、ハノイ証券取引センターより改組)

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