為替管理制度

最終更新日:2017年09月15日

管轄官庁/中央銀行

財務省は、為替管理の最終的責任と監督権限をもち、タイ中央銀行(以下BOT)は、財務大臣より為替管理の運用実務を委任されている。

外国為替管理は、1942年制定の外国為替管理法、1954年財務省省令により運用されている。財務省は、為替管理の最終的責任と監督権限を持ち、BOTは、財務大臣より為替管理の運用実務を委任されている。

為替相場管理

1997年7月にドルを中心とした通貨バスケット制から管理フロート制へ移行(実質的な変動相場制)。

1990年5月のIMF8条国加盟を契機に、大幅な為替管理の緩和を進めている。このため、近隣諸国へのバーツ現金持出し枠、海外株式取得枠、海外子会社への貸出し枠等の拡大、外貨(ドル現金)持出しおよび銀行の非居住者向け貸出しの自由化等、規制緩和が進んでいる。

外国為替相場システムは、1997年7月にドルを中心としたバスケット制から管理フロート制(実質的な変動相場制)へ移行し、バーツの価値は市場要因によって決まるようになった。すなわち、内外における外国為替相場の需給により、経済のファンダメンタルズに従って通貨が変動する。
変動相場制は、通貨管理施策がより柔軟に、また効率的に行われ、さらに経済政策の実行が円滑に行われる上で効果を上げている。また、変動相場制は、通貨制度に関する国内および海外の投資家からの信頼度の増加、外国資本の流出入管理体制の改善にも貢献している。

外国為替管理法上で、海外との取引において受け取り・支払いともに指定通貨の制度はなく、決済通貨に指定はない。BOTは、対ドル相場について、前日の営業日の加重平均レートを基準相場として公表している。また、日本円をはじめとする主要通貨について、前日の営業日におけるすべての銀行の最終公表相場の単純平均を公表している。

貿易取引

標準的決済方法、信用状(L/C)の開設、輸出取引、輸入取引。
国内通貨はバーツ。

  1. 標準的決済方法
    [1] 前払い送金、[2] 輸入信用状、[3] 取立手形(D/P、D/A)、[4] 後払いによる決済があり、受け取り、支払いとも決済にあたっての通貨の指定はない。
  2. 輸入信用状(L/C)の開設
    会社は輸入信用状を自由に開設できる。信用状の開設に際しては、会社はインボイスなどの書類を添えて銀行に輸入信用状の開設の申請を行う。商務省の輸入許可が必要な貨物については、商務省の輸入許可証を添付する。
  3. 輸出取引
    1. 輸出した企業は、輸出の日(船積日)から360日以内に決済しなければならない。輸出代金の支払いとして外国通貨を受領した会社は、即座に受取外国通貨をバーツもしくは外国通貨口座に入金しなければならない。
    2. 輸出による受取金額が1件5万ドルを超える、あるいはその相当額以上の外貨建て輸出を行う場合、輸出者は税関に所定の届出をしなければならない。
    3. 輸出代金として1件5万ドル相当額以上の外貨建て輸出決済を行う場合、輸出者は外国為替銀行へ所定の様式で報告を要し、外国為替銀行は所定の様式でBOTに報告をしなくてはならない。
    4. 対外債務と相殺する場合、外国為替銀行は輸出代金の受け取りの免除を承認することができる。この場合、輸出者は外国為替銀行経由所定の書式によりBOTに報告しなければならない。
  4. 輸入取引
    1. 輸入者は輸入決済に充てるため、外貨預金口座から自由に外貨を引き出すことができる。
    2. 1件5万ドルあるいはその相当額以上の外貨建て輸入を行う場合は、輸入者は税関に届け出なければならない。
    3. 輸入者はL/Cの発行を当局の許可なく自由に行うことができる。
    4. 輸入者は輸入決済時(L/Cの場合は開設時)に外国為替銀行にインボイス等を提出しなければならない。輸入代金として1件5万ドルあるいはその相当額以上の外貨建て輸入決済を行う場合、輸入者は外国為替銀行へ所定の様式で報告を要し、外国為替銀行は所定の様式でBOTに報告しなければならない。

貿易外取引

仕向送金(支払い)、被仕向送金(受け取り)、外国通貨の受け取り 。

  1. 仕向送金(支払い)
    1. 貿易外取引(保険、運輸など役務の提供に関する取引)については、バーツ建て・外貨建てとも原則自由となっているが、一部の資本取引についてはBOTへの事前通知や事前承認等が必要とされる。また、一部の資本取引額に上限が設けられている。なお、5万ドル以上の外国為替取引の場合、外国為替銀行に対する為替取引書の提出が必要。インターネットバンキング等のオンライン取引の場合は、為替取引書はオンラインプラットフォームから提出することも可能。
    2. ロイヤルティーおよび配当金の送金、借入金の返済、利益等の返還(清算に伴う資本金の返還、配当金・減資金の返還等)などには、BOTの事前承認は不要。しかし、5万ドル以上の場合、外国為替銀行への為替取引書の提出が必要。
    3. 貸付金の送金
      タイ国外に居住する者への貸付金の送金は外貨建てで、海外への親会社・子会社・関連会社向けに限り、BOTの事前承認は不要。しかし、5万ドル以上の場合、外国為替銀行への為替取引書の提出が必要。また、関連会社以外への貸付金の送金は、年間5,000万ドルが上限であり、この上限を超える場合にはBOTの事前承認が必要。
    4. 投資資金の送金
      1. 海外関連会社への投資資金の送金:5万ドル以上の場合、外国為替銀行への為替取引書の提出が必要。
      2. 海外の証券取得(投資目的):海外の証券投資資金の送金には、BOTの事前承認が必要。
      3. 海外の不動産取得:海外の不動産もしくは不動産のリース権を取得する資金、または海外の不動産装飾の費用の送金(年間5,000万ドル上限)には、5万ドル以上の場合、外国為替銀行への為替取引書の提出が必要。年間5,000万ドルの上限を超える場合にはBOTの事前承認が必要。
  2. 被仕向送金(受け取り)
    バーツでの外国からの受け取りには制限はない。入金は公認銀行または外貨預金口座を通じて行うことができる。
  3. 外国通貨の受け取り
    5万ドル以上の受け取りがある会社で、それが輸出代金の受け取りでない場合は、その会社は外国為替銀行経由で、BOTに為替取引書の様式で受け取りの報告をしなければならない。

タイ通貨または外貨の税関申告

マネーロンダリング防止およびテロリズムへの資金流入対策に関する国際基準遵守のため、タイ銀行は次のとおり追加の外為規制を設けた。

  1. タイ出入国の際に、45万バーツを超えるタイ通貨または無記名の譲渡可能証券を所持している者は、タイ税関に申告しなければならない。
  2. タイ出入国の際に、1万5,000米ドルを超える外貨または無記名の譲渡可能証券を所持している者は、タイ税関に申告しなければならない。
  3. タイ出入国の際に所持するタイ通貨と外貨の合計額が45万バーツ相当額を超える場合は、タイ税関に申告しなければならない。
  4. 外国に旅行する者は、タイと国境を接する国(ベトナムおよび中国の雲南省を含む)の場合は200万超のタイバーツを持ち出す場合、その他の国の場合は5万超のタイバーツを持ち出す場合、タイ税関から許可を得なければならない。

資本取引

タイにおける外国投資は、直接投資、資産運用投資のいずれも自由である。非居住者は、居住者に対する外貨での貸付に制限はない。資本や貸付は、自由に国内に持ち込めるが、定められた期間内に公認銀行または外貨預金口座に入金しなければならない。投資委員会が付与した奨励特典付きの外国投資には、様々な奨励策や特別な恩典が与えられる。
投資資金の本国送金や海外からの外貨建ての借入金返済は、証明書類の提出を条件に、自由に送金できる。

関連法

タイにおける外国為替管理に関する法令は、1942年の外国為替管理法とそれに基づく省令から成る。運用に関する詳細は、大蔵省告示、BOT告示・命令により定められている。

その他

特になし

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