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タイとマレーシア、適格ASEAN銀行(QAB)認定開始で金融統合加速

(ASEAN、タイ、マレーシア、インドネシア)

バンコク発

2021年09月24日

タイ中央銀行(BOT)は9月14日、マレーシア中央銀行(BNM)との共同発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、ASEAN銀行統合枠組み(ABIF)に基づく適格ASEAN銀行(QAB)認定制度を正式に開始することを明らかにした。同制度は「競争力などの面で一定の水準に達した、相手国の銀行を認定し、地場銀行と平等な扱いを受けさせる」(注)というもの。2国間協定の下、QABとなった銀行は相手国で市場アクセスや運営上の柔軟性を享受できるなどのメリットがある。タイとマレーシアは2016年3月にQABに関する基本合意書を締結(2016年3月22日記事参照)し、2019年4月にABIFに関する2国間協定を妥結するなど協力を進めていた。

共同発表でBNMのシャムシア・モハマド・ユヌス総裁は「マレーシアとタイの間で経済的連結性が強化され、両国民はより幅広い銀行商品を利用できるようになる」と述べ、BOTのセタプット・スティワートナルプット総裁は「両国の企業や消費者のニーズに応える高質な金融商品がより幅広く提供される。ASEAN加盟国間のさらなる金融協力への道が開くことが期待される」と述べた。

9月15日以降、タイにおけるQABに申請を希望するマレーシアの銀行は「QAB申請・承認の基準、方法、条件に関する財務省通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に規定された手続き要件を順守する必要がある。QABライセンス数は既存の進出銀行を含み、両国とも3行までとしている。現在、タイにはマレーシア系のCIMB銀行、RHB銀行などが進出し、マレーシアにはバンコク銀行などが進出している。

写真 バンコク市内のCIMBタイ銀行(ジェトロ撮影)

バンコク市内のCIMBタイ銀行(ジェトロ撮影)

タイがマレーシアやインドネシアとQRコード決済で連携

金融統合の協力に関しては、BNMとBOTが6月18日に両国間の越境QRコード決済に関する連携を共同発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。これはASEAN決済連結性イニシアチブに基づく動きで、両国間のリテール決済システム事業者を連結させる。第1期として、即時リテール決済プラットフォームであるマレーシアの「ドゥイッ・ナウ」とタイの「プロンプト・ペイ」を連携させた。これにより、まずタイのユーザーが「ドゥイッ・ナウ」のQRコードをスキャンしてマレーシアへの越境支払いが可能となった。

さらに、BOTは8月17日、インドネシア中央銀行(BI)と越境QRコード決済連携を開始している(共同発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。こちらは実証実験段階だが、タイのユーザーがインドネシアのインドネシア標準QRコード(QRIS)をスキャンして支払いができるようになり、反対に、インドネシアのユーザーもタイのQRコードで支払いできるようになった。BOTはカンボジア、ラオス、シンガポール、ベトナムとも同様のQRコードによる越境決済の連携を進めている(2019年4月25日記事参照2021年4月1日記事参照)。

(注)QAB制度を含むASEANの金融統合については、ジェトロ・アジア経済研究所「ASEAN 金融統合と銀行の動向PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」に詳しい。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(ASEAN、タイ、マレーシア、インドネシア)

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