日本からの輸出に関する制度

菓子の輸入規制、輸入手続き

シンガポールの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2018年7月

1-1. シンガポールの法令により輸入が禁止・制限されている品目

菓子のうちチューインガム(薬用を除く)の輸入、販売は、食品販売法および輸出入規制法(Regulation of Imports and Exports Act)において禁止されています。
菓子を含む加工食品の輸入は、農食品・獣医庁(AVA)が所管する食品販売法(Sale of Food Act)により規制されています。シンガポールへ輸出しようとする菓子は、食品販売法の付属法令である食品規制(Food Regulations)にある食品規格を満たしていなければなりません。菓子の食品規格は食品規制の第Ⅳ部(食品規格と個別ラベル表示要件)第54項(ビスケット)、第129項(冷凍菓子)、第152項(砂糖菓子)および第168~170項(チョコレート等)に記載されています。

1-2. 東京電力福島第一原子力発電所事故にかかる輸入規制

シンガポール政府による輸入停止措置が取られているものは、福島県南相馬市、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村の菓子を含む全食品です。

2. 動植物検疫の有無

調査時点:2017年1月

AVAにより検査強化品目に指定されている月餅を除き、日本の菓子をシンガポールに輸出する際には、動植物検疫証明書を取得する必要はありません。

3. 残留農薬規制

調査時点:2017年1月

シンガポールでは国内販売に供される食品全般の残留農薬をはじめ、残留抗生物質、残留エストロゲン、マイコトキシン、3-MCPD脂肪酸エステル、メラミン、細菌混入等の偶発混入成分に関する基準は、食品規制(Food Regulations)に規定されています。

食品規制第9付表では、食品に残留する農薬の種類が列挙され、農薬ごとに対象となる食品と使用が認められている農薬の最大残留基準(MRL値) が明記されています(ポジティブリスト方式)。この残留農薬基準を満たさない食品の輸入、販売、広告等は禁じられています。本規定で明示されていない農薬については、原則としてコーデックス委員会(国際食品規格委員会)の勧告に準じ、同委員会が設定した基準値を超えてはならないと規定されています。

残留農薬基準は、原則として農産物、水産物、畜産物を対象とするものですが、これらを主原料とする加工食品は、製造・加工の時点で使用された原材料の残留農薬が食品規制で定められた基準値以内としなければなりません。また、2種類以上の農薬が残留している食品については、それぞれの農薬について、実際の残留量を当該農薬の最大残留基準値で割った数値の合計が1を超えてはならないとされています。

関連リンク

関係省庁
シンガポール農食品・獣医庁(AVA)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
食品規制(Food Regulations)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
(第Ⅲ部(General Provisions)第29項~35項(Incidental constituents in food)および第9付表(Food with maximum amounts of pesticides)、第11付表(Microbiological standard for food)に農薬、細菌等の最大残留基準値が掲載)
その他参考情報
農食品・獣医庁(AVA) Commercial Food Imports(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ 加工食品の現地輸入規則および留意点:シンガポール向け輸出(貿易投資相談Q&A)

4. 重金属および汚染物質(最大残留基準値/禁止)

調査時点:2017年1月

菓子は、重金属規制の対象となります。食品に含まれる重金属の残留基準は、食品規制(Food Regulations)」において定められています。菓子における重金属の最大残留基準値は、以下のとおりです。

  • ヒ素 1ppm(キャラメル:5 ppm)
  • 鉛 2ppm(キャラメル:5 ppm)
  • 銅 20ppm(キャラメル:30 ppm)
  • 水銀 0.5 ppm
  • スズ 250 ppm
  • カドミウム 0.2 ppm(ココア・ココア製品:0.5 ppm)
  • アンチモン 1 ppm

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関係省庁
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根拠法等
食品規制(Food Regulations)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
(第Ⅲ部(General Provisions)第31項(Heavy metals, arsenic, lead and copper)および第10付表(Maximum Amounts of Arsenic, Lead and Copper Permitted in Food)に重金属の最大残留基準値が掲載)
その他参考情報
農食品・獣医庁(AVA) Commercial Food Imports(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ 加工食品の現地輸入規則および留意点:シンガポール向け輸出(貿易投資相談Q&A)

5. 食品添加物規制

調査時点:2017年1月

シンガポールでは食品に使用することが認められる食品添加物は、14 の機能に分類されており、食品規制で規定されている水準に従って使用されている場合、食品への使用が認められます。AVAでは、その使用が原則認められている物質をポジティブリスト形式で規定していますが、風味増強剤など一部については、使用が認められていない物質をネガティブリストとして掲げています。食品規制で明示されていない食品添加物については、原則として、コーデックス委員会による国際食品規格に関する勧告に準じるものとされています。認可食品添加物および最大使用基準値は食品規制第3~8付表および13付表に掲載されています。

食品添加物のうち人工甘味料の使用については厳しく制限されています。食品規制では、使用が認められた人工甘味料以外の人工甘味料を含有する食品については、輸入、販売、広告等が禁じられています。人工甘味料および人工甘味料を含む製品に関しては、2011年3月のAVA公報 Food (Amendment) Regulations 2011に基づき、ライセンスの取得が不要となりました。同公報で従来のサッカリン、アセスルファムK、スクラロースに加え、ステビオールグルコシド、ネオテーム、サイクラミン酸、サイクラミン酸ナトリウムおよびサイクラミン酸カルシウムが新たに人工甘味料として認可されました。

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関係省庁
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根拠法等
食品規制(Food Regulations)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
(第Ⅲ部(General Provisions)第15項~第28項(Food additives)、第3~8付表および13付表に食品添加物の最大基準値が掲載)
その他参考情報
農食品・獣医庁(AVA) Commercial Food Imports(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農食品・獣医庁(AVA) Food Additives Permitted Under The Singapore Food Regulations as of 2 February 2016(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(201KB)
ジェトロ 加工食品の現地輸入規則および留意点:シンガポール向け輸出(貿易投資相談Q&A)

6. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)

調査時点:2017年1月

食品に触れる容器包装は食品規制(Food Regulations)に一般規格基準が定められており、その規格基準に適合していなければなりません。個別食品に対する包装容器の規定は特に定められていません。
食品規制では、食品容器包装において、塩化ビニルモノマーの残留限度1 ppm以下を規格とし、塩化ビニルモノマーを0.01ppm以上食品中に溶出させるとみられる容器包装、あるいは発がん性、変異原性、催奇性または他の毒性または有害性のある物質であることが知られている化合物を食品中に溶出する可能性のある容器包装の使用を禁じています。塩化ビニルモノマーの残留限度1 ppmは、2012年9月の食品規制改訂で新たに加えられ、かつ溶出限度は0.05ppmから0.01ppmに引き下げられていますので、注意が必要です。
また、食品規制では、食品の貯蔵、準備、調理の段階で、鉛、アンチモン、ヒ素、カドミウム、その他の毒性物質を食品に付与する可能性のある器具、容器、食器の使用を禁じています。

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関係省庁
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根拠法等
食品規制(Food Regulations)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
(第Ⅲ部(General Provisions)第37項(Containers for food)に容器包装・食器の規格が掲載)
その他参考情報
農食品・獣医庁(AVA) Good Food Safety Practices(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

7. その他

なし

シンガポールでの輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス、商品の事前登録等(登録に必要な書類)

調査時点:2017年1月

菓子を含む加工食品をシンガポールへ輸出しようとする海外(マレーシアを除く)の食品事業所は、事前にAVAの事業所認定を受ける必要はありませんが、AVAの「規制調達先プログラム(Regulated Source Program)」のもと、輸出国の政府管轄機関の適正な監督を受けている、あるいはAVAの認める品質保証体制を導入している事業所でなければなりません。輸入者はAVAから要請があれば提示できるように、輸出国の食品事業者から輸出国政府が発行する工場ライセンス、輸出証明書、衛生証明書や、HACCP認証、GMP認証等の書類を事前に取得していることが望ましいです。
また、菓子のうち月餅(mooncake)については、AVAにより検査強化品目に指定されており、輸出国の検疫検査機関から動植物検疫証明書、試験検査機関から微生物・理化学分析レポート(船積みごと)等を取得して、輸入通関の際に提示しなければなりません。また、初回の輸入時のみ輸出国政府より取得した食品加工工場ライセンスが必要になります。

a-1. 輸入事業者登録

輸入者は、事前に農食品・獣医庁(AVA)に対し「加工食品および食品容器の輸入に関する事業者登録(Registration to Import Processed Food Products and Food Appliances)」をする必要があります。登録に必要となる書類は、(1) 会計・法人規制庁(ACRA)に会社を登記した際に発行され、シンガポール税関に登録・有効化された個別企業登録番号(UEN)、(2) 輸入許可手数料をAVAが自動引き落しするための銀行口座(GIRO)開設申請書です。輸入事業者登録はAVAのライセンス申請サイトLicenceOne (AVA e-Licencing)を通じて行います。登録には1営業日を要し、登録費用は無料です。

a-2. 輸入許可

あらゆる食品の輸入者は、輸出入規制法に基づき、貨物がシンガポールに輸入される前に、貿易物流業界の電子情報交換ポータル「TradeXchange」内の「トレードネット・システム」を通じて、船積みごとに事前申告を行い、輸入許可を取得しなければなりません。輸入申告には船荷証券(B/L)またはエアウエイビル(AWB)、インボイス、パッキングリスト(P/L)、必要に応じて衛生証明書などが必要となります。申告から輸入許可取得まで通常、1営業日を要します。シンガポール税関とAVAにより輸入が許可されると、貨物通関許可(CCP:Cargo Clearance Permit)が発行されます。輸入者はCCPを印刷して、通関のチェックポイントで提示することで貨物を引き取ることができます。
輸入者はCCPの承認コードに特別な条件が付いていないかをチェックしなければなりません。何らかの条件が付いていると、貨物は封印され、貨物を開梱して販売に供することができません。例えば、CCPの承認コードがA03となっていると、輸入貨物は政府認定試験所による検査を受けなければならないという意味です。その場合、輸入者は政府認定検査・試験所eサービスを通じて検査を予約し、AVAの検査官によるサンプリングおよび検査を受けます。検査で不合格となれば、輸入業者は輸入した貨物を輸出元へ返送するか廃棄処分しなければなりません。
菓子を輸入する場合、輸入許可手数料は無料ですが、輸入時点の為替レートで換算し、財・サービス税(GST)をシンガポール税関に支払います。GSTの支払いは、輸入者(代理人)があらかじめシンガポール税関に対して開設している専用口座から自動的に引き落とされます。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2017年1月

菓子の輸入通関にあたり、B/Lまたはエアウエイビル(AWB)、インボイス、パッキングリスト(P/L)に加えて、必要に応じて、原産地証明書、衛生証明書、輸出証明書、製造元工場ライセンス、製造元工場で取得している品質管理システム、分析試験検査報告書といった書類が必要になります。

3. 動植物検査検疫、残留農薬検査、重金属等検査

調査時点:2017年1月

AVAにより検査強化品目に指定されていない食品を輸入する際には、輸出国からの動植物検疫証明書や試験検査報告書等書類の提示は求められませんが、AVAは体系的監視プログラムを導入しており、このプログラムのもと、食品安全性試験のための食品のサンプリングに加え、記述内容を含めた表示要件への順守に関する食品の検査を実施しています。
各食品の試験項目は、食品に関連するリスクに依存します。AVAは基本的な試験検査項目として以下のリストを公表しています。このリストは網羅的なものではなく、AVAは次のリストに記載されていない追加項目について試験を実施することもあります。

[1] 理化学試験検査項目
  1. 残留農薬:有機塩素、ピレスロイド、N-メチルカルバメート、ジチオカルバメート、有機リン酸塩
  2. 保存料:安息香酸、ホウ酸、ソルビン酸、二酸化硫黄、メチルパラベン、メチル-p-ベンゾエート、プロピルパラベン、プロピル-p-ベンゾエート、ホルムアルデヒド
  3. 重金属:ヒ素、アンチモン、カドミウム、銅、鉛、水銀、スズ、セレン、無機ヒ素
  4. マイコトキシン:アフラトキシン(B1&2、G1&2)、オクラトキシンA、フモニシン、デオキシニバレノール、ゼアラレノン
  5. 着色料:パラレッド、スーダンI、II、III&V、クリソジン、ベーシック黄色
  6. 甘味剤:アセスルファム-K、スクラロース、ステビオシド、サッカリン、シクラメート、レバウジオシド
  7. その他:ブロメート
[2] 微生物試験検査項目
コロニー数/プレート数、大腸菌、糞便性大腸菌、大腸菌O157、サルモネラ、枯草菌、バチルスエンテロトキシン、クロストリジウムパーフリンジェンス、リステリア・モノサイトゲネス、ブドウ球菌、ブドウ球菌エンテロトキシン、クロストリジウムボツリヌス菌

4. その他

なし

その他

調査時点:2017年1月

a. ハラール認証

シンガポールでは、豚肉・豚脂など豚成分を含まず、イスラーム教の定める適正な方法で処理された食品にハラールマークを表示できる、ハラール認証制度があります。認証は国内唯一の認証機関である政府系機関のシンガポール・イスラーム評議会(MUIS)が発行しています。ハラール認証の取得方法の詳細はその他参考情報をご参照ください。

b. 有機認証制度

シンガポールには有機農産物、有機加工食品等の法律に基づく有機認証制度または自国の有機認証機関がありません。食品規制(Food Regulations)では、コーデックス委員会の「有機的に生産される食品の生産、加工、表示 および販売にかかるガイドライン」(GL 32-1999)の第6条3項「公的に認められた検査・認証制度」に準拠した認証制度のもとで「有機」と認証された食品には「有機」という語句をラベル表示できるとされています。よって、日本の有機JAS制度による認証を受けた有機農産物および有機農産加工品のパッケージ等に有機JASマークを貼付してシンガポールに輸出し、店頭でそのまま有機農産物、有機加工食品として販売することは可能です。

関連リンク

関係省庁
農林水産省(日本語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
食品規制(Food Regulations)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
(第Ⅲ部(General Provisions)第9B項(Limitations on making particular statements or claims on labels)に「有機」ラベル表示の制限が掲載)
その他参考情報
農林水産省 日本語版コーデックス規格外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農食品・獣医庁(AVA) New Food (Amendment) Regulations 2016(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

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