為替管理制度

最終更新日:2016年12月01日

管轄官庁/中央銀行

スリランカ中央銀行(CBSL)

スリランカ中央銀行(Central Bank of Sri Lanka:CBSL外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます) 
Exchange Control Department
住所:30, Janadhipathi Mawatha, Colombo
Tel:94-11-2477254

為替相場管理

単一自由変動為替相場制(2001年1月23日以降)

スリランカ中央銀行(CBSL)は、毎日、銀行間の加重平均相場を発表している。しかしCBSLも、市場価格または市場価格に近い価格で、外国為替の売買に参加している。それゆえ、国際通貨基金(IMF)は、スリランカの為替相場を「事前の予告なき管理変動為替相場」と分類している。

貿易取引

ドル、ポンド、ユーロ、日本円のようなハード・カレンシー(交換可能通貨)は、ほぼすべての商業銀行(公認ディーラー)において入手可能である。また、外国通貨の売買取引は、これらの銀行および銀行の支店網を通じて、容易に実行可能である。しかし、銀行の支店は全国展開しておらず、特に、北部・東部の県では少ない。
輸出入時の詳細は次のとおり。


国際経常取引のために外国通貨を入手する場合、原則として、スリランカ中央銀行の外国為替管理局の承認を得る必要はない。
輸入業者は、適切な輸入許可書(もしあれば)と共に、輸入信用状開設依頼書と引き換えに、または手形支払条件の船積書類引渡し時に、あるいは手形引受条件の船積書類引渡時に、必要な外国通貨を商業銀行から購入することができる。輸入業者は、銀行を満足させるため、輸入取引の真正性を立証しなければならない。もし、輸入業者から入手した情報が不満足な内容であれば、銀行は中央銀行の為替管理局に連絡しなければならない。
銀行は、毎日、5,000ドルを超える外国為替取引を、また、毎週、すべての外国為替取引(金額の多寡を問わない)を、中央銀行の為替管理局に通知しなければならない。

輸出は、外国為替管理の規制を受けることなく可能である。輸出業者は、下記のどちらかを自由に選択することができる。
1. 輸出代金をスリランカに送金し、スリランカの商業銀行に当座預金・普通預金・定期預金の形で開設しているルピー口座(スリランカ通貨口座)または輸出業者外貨口座(EFCA)に入金する。

2. 輸出代金を外国の商業銀行に預けたまま、引き続き外国で保有する。ただし、かかる預金口座の資金を、スリランカ国外で、資産または他の固定資産の購入目的に使用してはならない。


スリランカは、アジア清算同盟(ACU)に加盟している。ACUには、スリランカの他、インド、パキスタン、バングラデシュ、ブータン、ネパール、イラン、ミャンマーが加盟している。ACUの加盟国に輸出する場合、特別な取り決めが適用される。さらに、ACU加盟国との取引の共通通貨は、ドルでなければならない。

貿易外取引

一般的政策として、現行の国際収支取引の分類に入るサービスに対する支払いは、自由に許可される。従って、貿易外取引の送金(利益・配当・特許権使用料・賃料収入の送金を含む)が認められる。ただし、かかる送金の条件として、送金目的に関する補完書類の提出が義務付けられる。また、かかる取引に対し、真正性の検査が行われる。


1. 貿易外取引(支払い)
居住者は、貿易外取引について、自由に外国に送金することが認められる。
(1) スリランカの企業に雇用されている外国籍の従業員は、スリランカの税金・課徴金を支払った後、自身の給与を外国に送金することが認められる。

(2) 外国の代理店を介して、輸出の注文を受け取る場合、輸出代金がスリランカで回収されるならば、かかる外国の代理店に合理的な手数料を送金することが認められる。

(3) 製品の輸出に対する保険料の送金は、認められない。

(4) スリランカ国内の共同事業のパートナー(外国のパートナー)に利益を送金すること、および株主(外国投資家)に配当金を送金することは、外国為替管理の許可を事前に取得することなく、商業銀行を通じて、いかなる条件も付されることなしに認められる。ただし、かかる利益・配当は、当事業年度の利益・配当であることを条件とする。

(5) 中間決算の利益・配当の送金は、適切な書類が添付されていなければならない。


2.貿易外取引(受け取り)
(1) 国内への外貨持ち込みについて、金額の上限はない。トラベラーズ・チェック、銀行為替手形、または紙幣での持ち込みが可能である。ただし、金額が1万5,000ドルを超える場合は、その額をスリランカ税関に申告しなければならない。

(2) 国内に持ち込んだ外貨を、紙幣として5,000ドル以上海外に持ち出す場合は、当初持ち込んだ金額が1万5,000ドルを超えなくとも、その合計金額を申告しなければならない。

(3) 個人が法に則り得た外貨は、1万ドル以下であれば、それを申告せず海外に持ち出すことができる。しかし、紙幣として5,000ドル以上を持ち出す際は、その他の形式での価額も含め、合計額を申告しなければならない。

(4) 個人が、海外での雇用、職、また事業により得た外貨を国内に持ち込む場合、金額の上限はない。これを上記(1)に従い税関への申告を行えば、90日間までスリランカ・ルピーへ換算せずに保有することができる。

(5) 海外への訪問を目的として、銀行、許認可を有する旅行代理店、または両替商より外貨を得た場合は、90日間までスリランカ・ルピーに換算せず保有することができる。

(6) 上記にて得た外貨は、認められた保有期間内であれば、今後海外を訪問した際に使用することができる(ただし、認められた取引であること)。

(7) 海外からの帰国後、当該訪問のために購入した外貨、および海外にて獲得した外貨のうち2,000ドルまでは、期間を限定せず、今後の海外訪問のために保有することができる。


3. 外貨の持ち出し
スリランカ国民および外国旅券所持者は、税関に申告せずに、1万ドル相当の交換可能外貨を持ち出すことができる。しかし、紙幣として5,000ドル以上を持ち出す場合は、その他の形式での価額も含め、合計額を申告しなければならない。居住者は、5,000スリランカ・ルピー以内の国内貨幣を持ち出すことができる。

資本取引

資本勘定取引は、一部自由化されている。資本取引の規制緩和は、現在も続けられている。全面的であれ、部分的であれ、外国為替管理の規制が適用される資本取引には、次の取引が含まれる。


<資本の移動>
・固定資産の所有権移転・譲渡に伴う資金送金
・固定資産の取得・処分に関連する、または固定資産の取得・処分を条件とする資金送金
・全債権者が、返済金を受け取らずに行う債務の帳消し(債務免除)
・海外在留者からの資金送金


<資産の取得・処分>
・居住者による外国への直接投資(対外直接投資)、および外国人(非居住者)によるスリランカへの直接投資(対内直接投資)
・居住者による外国への証券投資、および非居住者によるスリランカへの証券投資
・居住者による外貨借り入れ、およびスリランカ国外の非居住者によるスリランカ国内での借り入れ
・居住者による外国への他の投資(預金、他の資産を含む)、および非居住者によるスリランカへの他の投資(預金、他の資産を含む)
・居住者が外国で締結する取引契約、および非居住者がスリランカ国内で締結する取引契約

これらの為替管理の一部を緩和することが提案されている。下記の「為替管理の緩和」に関する説明を参照。


<外国直接投資(FDI):対内直接投資>
非居住者であって(スリランカ国外に居住)、スリランカ国外で設立された企業組織、認可を受けている外国投資ファンド、認可を受けている地域投資ファンドおよび個人は、一般的な政令に照らし、スリランカ企業の発行済株式資本の100%まで、保有することが許可されている。ただし、若干の例外と制限が存在する。また、外国からのコロンボ証券取引所への証券投資も、若干の例外と制限を条件に、自由に許可されている。外国からの証券投資は、スリランカの商業銀行に開設される投資専用口座 Security Investment Account(SIA)を通じて行う必要がある。

外国直接投資(対内投資)の禁止・制限分野は次のとおり。

(1) 全面的禁止
 ・1981年法律第36号、証券取引委員会の項19(A)(同改正)に定める信用取引業者として登録を受け、
  投資家の上場株券購入時に信用を供与する事業以外の金貸業
 ・質屋業
 ・小売業(資本金が100万ドル以下)
 ・沿岸漁業
 ・セキュリティの管理、評価、コンサルティングなどを含むセキュリティ・サービスの、個人または民間組織に
  対する提供

(2) 一定の制限あり(スリランカ政府またはスリランカ政府機関により限度を決定)
 ・航空運送業
 ・沿岸海運業
 ・軍需品・危険な薬物・通貨の製造
 ・大規模な機械化された宝石の採掘業
 ・宝くじ

(3) 発行済株式資本の40%が上限(投資庁(BOI)の承認が必要)
  ただし、案件により、発行済株式資本の40%以上の投資でも承認される場合がある。
 ・割当制限の対象となる輸出品の生産
 ・茶・ゴム・ココナッツ・ココア・米・砂糖・香辛料の栽培業および第一次加工業
 ・再生不能な天然資源の採掘業および第一次加工業
 ・現地の木材を使用する製材業
 ・遠洋漁業
 ・マスコミ(新聞、ラジオ、テレビ等)
 ・教育
 ・貨物運送
 ・旅行業
 ・海運業


<直接投下資本の本国送金>
承認を受けた直接投下資本を売却・処分し、その代金と資本増価分を合わせた全額を、本国に送金することができる。

スリランカに居住する外国人が、スリランカを離れ、恒久的住所を持つ本国に住み替える場合、退職金および預貯金に代表される資産を送金することが許される。また、雇用主が、スリランカに居住する外国人従業員に対して支払う賃金・給与・その他の報酬を、外国に送金することも可能である。


<投資保護>
スリランカは、日本を含むいくつかの国との間で、二国間投資保護協定を締結している。これらの投資保護協定は、外国人および外国企業が行う投資に対し、常に、公平な取り扱い(待遇)を与えることを意図したものである。また、国有化・収用に対しても、保護を与える。これらの投資保護協定は、スリランカの憲法で保証されている。


<外国直接投資(FDI):対外直接投資>
スリランカの居住者が外国に投資する場合、それがスリランカの輸出を促進し、技術移転やマーケティングの専門知識の移転等、他の利益をもたらすことを証明できるものが存在しない限り、一般的には対外直接投資は承認されない。対外直接投資は、案件ごとに、財務省の承認を取得しなければならない。

この規制を緩和することが提案されている。下記の「為替管理の緩和」に関する説明を参照。


<外国からの借り入れ>
1978年法律第4号、BOI法第17章に準拠し、BOIから認可を受けた企業でかつ外国為替管理の規制を免除された企業は、外国為替管理の規制を受けずに、外国から資金を借り入れることが可能。
しかし、かかるローンは外貨で返済する必要がある。また、ローンの返済のため、スリランカ・ルピーを外貨に換える場合は、その都度中央銀行の承認が必要。なお、借入により発生する利息の送金については、内国歳入庁(Inland Revenue Department)に対し「Tax Clearance Certificate」を都度提出する必要がある。
その他の企業(BOIから認可を受けていない企業)は、外国から資金を借り入れる場合、中央銀行の承認が必要だが、承認を得られるケースは限られる。


<スリランカ国内での外貨、現地通貨の借り入れ>
商業銀行は、外貨収益からローンの返済ができる立場にある輸出業者および間接輸出業者に対し、外国為替管理の規制を受けずに、外貨で融資を行うことが認められている。また、スリランカで設立された企業で、非居住者の支配下にある企業に対し、自由に、現地通貨ルピーの融資を行うことができる。


<為替管理の緩和>
スリランカ政府は、為替管理のさらなる緩和を提案している。それによって、次の行為が許可されることになる。
・外国人が、現地企業によって発行されたルピー建て社債に投資すること。
・スリランカ企業が、外国から資金の借り入れを行うこと(2010年11月22日より)。
・外国人の旅行者やビジネスマンが、外貨で預金口座を開設すること。
・外国の大使館職員が、新たに外貨預金口座を開設すること(2010年11月22日より)。
・スリランカの居住者が、外国企業の株式に投資して、スリランカ国外での事業所の開設に関する支払いを行うこと。
・保険会社が、外国の生命保険資産および保険契約準備金の20%を上限として投資に回すこと。
・宝石や貴金属類の輸入業者および間接輸出業者が、外貨預金口座を開設すること(2010年11月21日より)。

関連法

1953年法律第24号、外国為替管理法(同正式改定)は、現在も有効な法律である。新しい外国為替運用法が予定されていたが、最高裁における新法のいくつかの規定に対する不服申し立てが原因で、新法の施行は遅れている。

その他

スリランカでは、一定の条件の下、非居住スリランカ人ならびに居住外国人に対して、外貨口座の開設を認めている。


<ルピー口座および外貨口座>
1. 非居住者用のスリランカ・ルピー口座
次の非居住者は、スリランカの商業銀行に、非居住者用のスリランカ・ルピー口座を開設することが可能である。中央銀行の外国為替管理局の事前許可は不要。
・スリランカ国外に居住する外国人
・スリランカ国外で設立された会社
・スリランカ国外に居住するスリランカ人(海外移民を除く)、およびスリランカ国外で設立された外国の銀行
上記「非居住者ルピー口座」の保有者は、同口座から送金することができる(海外移民を除く)。


2. 居住者用の外貨口座
スリランカの商業銀行は、次のことが認められている。
・指定外国通貨建ての「外貨バンキング・ユニット口座」の開設。
・預金(定期預金、被仕向送金)を受け入れること。
・非居住者およびBOIが承認した事業・企業に対し、ローン・前貸金を融資すること。
しかし、小切手で資金を引き出すことは認められない。

銀行は、輸出業者に対し、原材料の輸入資金を融通するため、ローン・前貸金を、「外貨口座」から外貨で融資することが可能である。居住者は、指定外国通貨建ての「居住者用外貨口座」を開設・運用することが認められる。口座開設時の最初の預入額は、最低でも500ドル以上でなければならない。また、かかる最初の預入額は、外貨の形でスリランカに持ち込まれたものか、送金されたものであり、かつ、かかる外貨は、輸出代金以外のものであることを条件とする。


3. 外国人居住者の外貨口座
居住用査証に基づき、スリランカに居住する外国人は、事前の外国為替許可は必要なく、スリランカの商業銀行に、指定外国通貨建ての外貨口座(当座預金、貯蓄預金、普通預金)を保有することができる。同口座の運用は、スリランカの商業銀行の国内バンキング・ユニットの中で行われる。貸記(入金記帳)は、スリランカ・ルピー建ての金額に限定され、国内送金・外国送金の入金記帳が認められる。借記(出金記帳)は、外国向けの送金とスリランカ・ルピーに交換後の支払いに限定され、小切手による資金の引き出しは認められない。


4. 原料供給業者の外貨口座(FCASI)
間接輸出業者はFCASIを開設し、直接輸出業者より国内生産/加工品の販売に係る支払いを外貨で受けることができる。


5. 専門サービス業者の外貨口座(FCAPS)
国内専門サービス業者は、FCAPSの開設・保有が可能である。これは、海外居住者およびスリランカ国内で外貨を獲得する事務所/企業を対象に専門サービスを提供する、国内在住の個人および事務所/企業に適用される。


<IMF協定8条国>
スリランカは1994年3月15日、IMF協定の「8条国」に移行した。中央銀行は1993年末までに、すべての経常取引と一部の資本取引に関する制限を撤廃した。この結果、為替先物予約(360日)、輸出代金の海外での受け取り、利子・配当・ロイヤルティーなどの海外送金、外国人による株の売買、商業銀行による国際クレジットカードの発行などが可能になった。


<公認取引業者と外貨集中制>
財務・計画大臣は、金および外貨の「公認取引業者(Authorized Dealer)」として商業銀行を指定する。居住者は「公認取引業者」以外との外貨取引ができない。外貨保有者はこれを「公認取引業者」に売却しなければならず、また、外貨代金は当局に集中させる義務がある。外国資産の取得は申告を要する。


<外国為替管理の規制に関する通知>
外国為替管理法に基づく通知は、官報で公表される。さらに、中央銀行が都度、事務指示を発行する。これらの事務指示は、スリランカ中央銀行の年次報告書の中に、再度掲載される。

関連情報

ご相談・お問い合わせ

現地日系企業の皆様

最寄りのジェトロ事務所にご連絡ください。

マイリスト マイリスト一覧を開く マイリストに追加する

閉じる

マイリスト
マイリスト機能を使ってみませんか?
ジェトロ・ウェブサイトのお好きなページをブックマークできる機能です。
ブックマークするにはお好きなページで+ボタンを押してください。