外資に関する規制

最終更新日:2018年03月06日

規制業種・禁止業種

スリランカ政府は、外国資本投資を禁ずる事業活動および政府機関の承認を必要とする事業活動の一覧表を作成している。規制の程度は投資分野ごとに異なる。詳細は、2002年4月19日付・1232/14、2002年8月8日付・1248/9、2010年12月21日付・1685/2、2011年12月20日付・1737/9およびスリランカ投資ガイド(INVESTMENT GUIDE BOARD OF SRI LANKA, November, 2014)など次のスリランカ官報公告(Sri Lanka Gazette Notifications)を参照。

スリランカ人向けに留保している事業活動(外国資本投資が認められない業種)

  1. 信用取引業者として登録を受け、投資家の上場株券購入時に信用を供与する事業以外の貸金業(1981年法律第36号、証券取引委員会の項19(A)(同改正)で規制)
  2. 質屋業
  3. 資本金が500万ドル未満の小売業
  4. 沿岸漁業
  5. 個人や民間企業への警備コンサルティングを含む、警備サービス業

スリランカ政府による自動承認または条件付承認を必要とする業種

次の業種への投資は、40%の出資割合を限度として、外国人投資家にも承認される。外国資本の出資割合が40%を超える場合は、投資案件ごとに、スリランカ投資庁(以下BOI)の承認を受ける必要がある。

  1. スリランカから輸出する際、国際的に定められた割当制限の対象となる輸出財の生産
  2. 茶・ゴム・ココナッツ・ココア・米・砂糖・香辛料の栽培、および第一次加工
  3. 鉱業および再生不可能な天然資源の採掘、および第一次加工
  4. スリランカの木材を使用する林業
  5. 遠洋漁業(水産省の規定による)
  6. マスコミ
  7. 教育産業
  8. 貨物輸送
  9. 旅行代理店
  10. 海運代理業

規制業種

次の業種への投資は、所管する政府機関による承認が必要。

  1. 航空運送業
  2. 沿岸海運業
  3. 武器、弾薬、爆発物、軍用車両および軍用機、その他の戦闘用機器を製造する産業
  4. 毒物、麻薬、アルコール類、危険薬物、危険毒素、危険有害物質または発癌性物質を製造する産業
  5. 貨幣、硬貨、有価証券書類を製造・作成する産業
  6. 宝石の大規模・機械化採掘業
  7. 富くじの胴元業

許可された投資

  1. スリランカ国外の居住者(国外で設立されたカントリーファンド、地域ファンド、投資ファンド、ミューチュアルファンドも含む)は、スリランカにおいて、スリランカへの外貨送金を必要とする、次の資本取引を行うことができる。
    1. スリランカで設立された会社が発行する株式または株式に対する権利への投資、その取得あるいは保有(発行体が実施するコーポレート・アクションにより投資家に割り当てられた株式、権利、割当権、転換権の行使を含む)。ただし2007年会社法第7号に基づき、「規制業種・禁止業種」に明記される適用除外と制限付き認可事業の規定に従う。
    2. スリランカで設立されてはいないが、コロンボ証券取引所に上場している会社の株式への投資・取得・保有。
    3. 社債への投資、またはスリランカで設立された会社(認可された市中銀行、認可された専門銀行、認可された金融会社、専門リース会社、保証有限会社、海外企業を除く)に対する外貨建てあるいはスリランカ・ルピー建てによる、償還期限3年以上の融資。
    4. 認可された市中銀行、認可された専門銀行、認可された金融会社、専門リース会社が、管轄する規制当局の承認の下に、外貨建てあるいはスリランカ・ルピー建てで発行する融資または社債への投資。
    5. その他の成文法の条項や制限に基づき、次のいずれかに対して行う投資。
      1. ユニット・トラストまたはミューチュアル・ファンドの投資口
      2. 政府発行証券(短期国債、長期国債、その他の政府が発行する有価証券)
      3. スリランカ中央銀行またはその他の法的・行政機関が発行する有価証券
      4. スリランカ開発債(SLDB)
      5. 認可された金融機関への預金
      6. 不動産
      7. スリランカ中央銀行金融委員会が承認するその他の投資
  2. 前記のすべての資本取引は、次の条件に従うものとする。
    1. 前記の資本投資に必要となる資金はすべて、認可された市中銀行に開設した対内投資口座(IIA)(中央銀行が指定するいずれかの外貨またはスリランカ・ルピーの口座)を通して調達する。
    2. 前記の投資およびその処分から得た所得はすべて、投資を行ったIIA口座に入金する。
    3. 前記投資の売却によって得られる所得および収益のすべては、当該投資が「許可された投資」に準拠して当初投資家のIIA口座を通じて行われたか、あるいは証券投資口座(対内投資口座として再指定)またはいずれかの他の口座を通じて、2017年外国為替法第12条に基づき、2017年11月17日付官報2045/56で有効と報じられた、規制の開始日より前に被仕向け地に送金するという方法で行われた場合には、受益者が開設したIIA口座を通じて、本国に送金することができる。

出資比率

外国資本投資比率には、基本的に制限はない。詳細は、前項の「規制業種・禁止業種」を参照。

外国企業の土地所有の可否

「2014年土地(譲渡制限)法第34号」によって、外国企業への土地譲渡は原則として禁止されており、外国企業は、国有地・民有地ともに最長で99年間のリース物件としてのみ、土地の取得が認められている。

2016年1月17日発効の「2017年土地法第3号」(譲渡制限について改正)に基づき、外国人への土地の賃貸に課される土地リース税は、2017年1月8日から廃止された。

土地譲渡禁止の適用対象

  • スリランカ国民以外の者
  • スリランカの会社法に基づき、スリランカで設立され、株式の50%以上を外国人あるいは外国企業が保有する企業
  • スリランカ以外の法律に基づいて設立された外国企業

適用除外

次のいずれかに該当する場合、「2014年土地(譲渡制限)法第34号」の適用除外が認められる。

  • 外交団
  • 閣議決定に基づく2013年1月1日以前の外国人投資家
  • スリランカ相続法に基づく最近親者からの贈与によるもの
  • スリランカの二重国籍者
  • 裁判所の決定により、債権回収のために競売を行う外国銀行
  • 融資回収手続き中の外国金融リース機関
  • 2013年1月1日から同法の発効日(2014年10月29日)までの間に、スリランカで10年以上の操業歴がある外国企業
  • 戦略的開発プロジェクトとして認定・承認された銀行、金融、保険、海運、航空、先端技術、インフラに関連する開発プロジェクトに従事する外国企業
  • 国際的な商業活動を行い、グローバル拠点もしくは地域拠点を配置もしくは移転する、または支店を開設する外国企業
  • 4階以上に位置するコンドミニアムの購入

資本金に関する規制

株式非公開企業および株式公開企業における、最低資本金に関する具体的要件はない。2007年会社法第7号では、株式の発行および買戻しに関して、企業が受領したか企業に支払われるべき総額を意味するものとして、公表資本金の概念が導入された。

その他規制

「海外支店」(Overseas Company)に関する規制、所定の現地調達比率。

「海外支店」(Overseas Company)に関する規制

スリランカ国外で法人化され、2007年会社法第7号に基づいて「海外支店」として登録されている企業に対しては、次に規定する諸条件に従うことを前提として、スリランカ国内における営業許可が付与される(2017年11月17日付スリランカ官報2045/56参照)。

  1. 海外支店が行うことのできる活動
    会社法に基づき登録された海外支店は、スリランカ国内で次の活動を行うことができる。
    1. 後述の「海外支店が行ってはならない商業、取引、または産業活動」に指定された活動以外の商業、貿易、工業活動(後述の「為替管理局長の事前の認可を必要とする活動」に当てはまる場合は、当該事前認可が必要)
    2. 連絡事務所(liaison office)、代表事務所(representative office)、現地事務所(regional office)、またはそれに類する事務所によって行われる活動のような、商業、取引、または産業活動とはみなされないすべての活動。ただし、かかる活動が直接的にも間接的にも、企業に収益をもたらさないことを条件とする。
  2. 海外支店が行う活動の資金調達
    1. 会社法に基づき登録され、支店(branch office)、プロジェクト・オフィス(project office)、またはそれに類する事務所などの国内の事業所を通じ、前記1.aに定められたいずれかの活動を行う海外支店は、次のことを行うものとする。
      1. 為替管理局長が市中銀行に与えた指示に従い、スリランカの市中銀行に「対内投資口座(IIA)(証券投資口座、SIA)」として開設した特別ルピー口座を通じて海外から受け取った額の中から、少なくとも20万米ドル、もしくはその他の指定外貨建てによる同等額を投資する。
      2. 最低20万ドルまたはその他の指定外国通貨で同等額を送金した証拠を、登記日から30日以内に企業登記局(Registrar of Companies)に提出する。
      3. ⅰ.に従い、送金された資金を出資金として会社の帳簿に記録し、会社がスリランカでの事業を終えるまで、その記録を社内に保管しておく。
    2. 連絡事務所(liaison office)、代表事務所(representative office)、それに類する事業所は、かかる事業所の設置および維持に必要な資金を、国外からスリランカの市中銀行に開設した「対内投資口座」を通じ、指定外国通貨で送金するものとする。
  3. 海外支店による収益金、剰余金、印税・使用料(royalty)、フランチャイズ料、またはそれに類する支払金の送金
    会社法に基づいて登記された海外支店は、設立資金の送金経路である親会社のIIA口座を通して、収益金、印税・使用料、フランチャイズ料、もしくはそれに類する支払金、税引き後の剰余金を、スリランカから送金することができる。
    1. 収益金を送金する場合に必要な書類
      1. スリランカの会計基準に従い作成された、該当年度の監査済み貸借対照表および損益計算書の認証謄本
      2. 当該収益が認可された事業活動によって獲得されたものであることを証する、当該企業の監査役の確認書
    2. 印税・使用料、フランチャイズ料、またはそれに類する支払金を送金する場合に必要な書類
      1. 契約書およびコマーシャル・インボイスの認証謄本
      2. 送金可能額の算出方法を示す、当該企業の監査役による証明書
    3. 登録の抹消前に剰余金を送金する場合に必要な書類
      1. 送金可能な剰余金額の算出方法を示す当該企業の監査役による証明書
      2. 所得税の支払いおよびその他の法定義務のすべてを履行するのに十分な資金が当該企業に確保されていることを示す、当該企業の監査役による確認書
    4. 登録の抹消時に剰余金を送金する場合に必要な書類
      1. 監査済みの最終決算書の認証謄本
      2. 所得税および該当するその他の税金がすべて納付済みであることを証する、収税部が発行した納税証明書
      3. 送金可能な剰余金額の算出方法を示す、当該企業の監査役による証明書
      4. 当該企業によって行われた活動に関し法定責任が問われる案件がないこと、および既知の負債がすべて清算済みであることを示す当該企業の監査役からの証明書
  4. 特定用語の規定について
    1. 「海外支社」(Overseas Company)とは、2007年会社法第7号で規定されたものを指す。
    2. 「支店」(Branch Office)とは、外国企業の支部とされる施設、または親会社や本社が営んでいるのと同一もしくは実質的に同一の事業を営んでいる施設を意味する。
    3. 「プロジェクト・オフィス」(Project Office)とは、外国企業の利益を代表してスリランカでプロジェクトを実施するために設置された事業所を意味する。
    4. 「連絡事務所」(Liaison Office)とは、外国企業、本社、またはグループとの連絡窓口となる外国企業の事務所を意味する。
    5. 「代表事務所」(Representative Office)とは、国際貿易に従事し、国際的サービスを提供する外国企業により、スリランカでのビジネス動向を本社に報告したり、あるいはスリランカで販売されている商品やサービスについて同国の顧客にアドバイスや情報などを提供するために、スリランカに設立された事務所を意味する。
海外支店が行ってはならない商業、取引、または産業活動
  1. 貸金業
  2. 質屋業
  3. 資本金が500万ドル未満の小売業
  4. 沿岸漁業
  5. 茶、ゴム、ココナッツ、ならびに米の栽培および一次加工
  6. 再生不可能な国内資源の採掘および一次加工
  7. 貨物輸送
  8. 海運代理店業
  9. 機械による宝石の採掘
  10. 冨くじ業
  11. 個人や民間企業への警備コンサルティングを含む警備サービス業
為替管理局長(Director of Foreign Exchange)の事前の認可を必要とする活動
  1. スリランカの輸出が国際的に定められた割当制限を受けている商品の生産
  2. 砂糖、ココア、および香辛料の原料となる植物の栽培および一次加工
  3. スリランカの木材を利用する木材関連事業
  4. 遠洋漁業
  5. マスコミ
  6. 教育産業
  7. 海外旅行代理店業
  8. 地方の航空輸送業
  9. 沿岸海運業
  10. 次の物品の製造または生産を行うあらゆる事業
    1. 武器、弾薬、爆薬、軍用車両、軍装備品、軍用機、およびその他の軍用機材
    2. 毒薬、麻酔薬、アルコール、劇薬、毒性物質、危険性物質、および発がん性物質
    3. 通貨、硬貨、または有価証券類

現地調達比率

特に現地調達比率はないが、BOIから財政的譲許を与えられている輸出志向企業は、次の基準を満たす義務がある。

  • 製造会社:生産品の80%を輸出すること。
  • サービス会社:サービス対価の支払いの70%を外国通貨によって受け取る。

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