日本からの輸出に関する制度 水産物の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する水産物のHSコード

0302~0305:魚(冷蔵、冷凍、乾燥、くん製など)
0306:甲殻類
0307:軟体動物
0308:水棲無脊椎動物、くん製した水棲無脊椎動物ならびに水棲無脊椎動物の粉、ミールおよびペレット(甲殻類および軟体動物を除く)

韓国の輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2021年9月

韓国は福島県、宮城県、岩手県、青森県、群馬県、栃木県、茨城県、千葉県(8県)産のすべての水産物について2013年9月9日から輸入を禁止しています。

北海道、東京都、神奈川県、愛知県、三重県、愛媛県、熊本県、鹿児島県(8都道県)産の水産物については、政府作成の放射性物質検査証明書が求められます。

これら16都道県以外については、政府作成の産地証明書が求められます。

また、日本産食品については、韓国政府によって輸入時に毎回放射性物質検査が行われ、放射性物質が検出されないことを確認しなければなりません。

なお、養魚用飼料および魚粉について、北海道、青森県、岩手県、宮城県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、三重県、愛媛県、熊本県、鹿児島県のものは政府作成の放射性物質検査証明書が求められます。また、飼料について、福島県、群馬県、栃木県、茨城県のものは輸入停止となっています。

韓国政府が定めている放射性物質の上限値は、すべての食品について放射性ヨウ素131は100Bq/kgです。嬰児または幼児用の食品、乳製品、アイスクリームを除くすべての食品に対する放射性セシウム134および137の基準値は100 Bq/kgです(嬰児または幼児用の食品、乳製品、アイスクリームは50Bq/kgです)。詳細は 関連リンクの「食品の基準および規格」を参照してください。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2021年9月

指定検疫物の場合

水産生物疾病管理法施行規則第25条により、1.(生きている)移植用水産生物、2.(生きている)食用、鑑賞用、試験・研究用水産動物の魚類、貝類、甲殻類、3.水産生物製品の中で熱処理および切断などの加工をせずに冷凍または冷蔵したアワビ類およびカキ、エビなどを輸入する際には、検疫を受けなければなりません(これらの1.〜3.を「指定検疫物」といいます。「指定検疫物」ではない水産物は、検疫を受ける必要はなく、一般的な食品輸入の手続きで輸入できます)。

韓国での輸入申告にあたっては通常の通関書類に加え、次の書類が必要です。

  • 衛生証明書(冷凍食用鮮魚類頭部および冷凍食用鮮魚介類内臓の場合)
  • 動物衛生証明書(1.韓国が指定する生きている動物、2.生きていない冷蔵、冷凍のエビ類、カキ類およびアワビ類(ただし頭部および殻が除去されたエビ類ならびに加熱加工品を除く))
  • 放射性物質検査証明書(8都道県の場合)または産地証明書(16都道県以外の場合)(「輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)」の項目を参照)
  • 漁獲証明書(韓国に船舶により生鮮・冷凍サンマを輸出する場合)

詳細は、関連リンクの農林水産省「韓国向け輸出水産動物等の取扱いについて」を参照してください。

なお、外国(ロシア)産のタラバガニ、ズワイガニを日本から韓国向けに輸出する際は、日本(輸出国)の政府機関が発給した原産地証明書とロシア水産当局が発行した原産地証明書が必要になります。詳細は関連リンクの水産庁「韓国向けのタラバガニ、ズワイガニ等の輸出に関する手続きについて」を確認してください。

検疫を受けた指定検疫物およびその他食品の場合

食品を輸出するためには、輸出の前に、輸入者または海外製造業所の設置・運営者が海外製造業所の名称、所在地および製造品目など、「韓国輸入食品安全管理特別法施行規則」で定める事項を、輸入申告の7日前までに、韓国食品医薬品安全処長に登録しなければなりません。輸出者側または製造業所は、この登録の際に、韓国政府による現地実態調査が行われる可能性について同意をしておく必要があります。また、輸出者側または製造会社は、輸出品の製造会社が日本国政府から許可、登録されていることを証明する書類を添付して韓国食品医薬品安全処長に提出しなければなりません。ただし、「韓国輸入食品安全管理特別法施行規則」別紙第1号の2「A CONFIRMATION FORM OF REGISTERED INFORMATION」の提出で、省略できます。

輸入通関にあたり、輸出者側で用意すべき書類には、産地や品目に応じて日付証明書、産地証明書、放射性物質検査証明書などがあります。詳細については、農林水産省の「韓国向け輸出証明書等の概要について」を参照してください。

そのほか、韓国向け水産物(冷凍食用鮮魚類頭部および冷凍食用鮮魚介類内臓)の取り扱い施設については、農林水産省への施設登録手続きが必要です。詳細は、関連リンクの「証明書や施設認定の申請(農林水産省)」を参照してください。

関連リンク

関係省庁
韓国食品医薬品安全処(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
韓国企画財政部(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
韓国関税庁(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
韓国農林水産食品部(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
韓国国立水産物品質管理院(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
韓国輸入食品安全管理特別法(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
韓国輸入食品安全管理特別法施行規則(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
水産生物疾病管理法(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
水産生物疾病管理法施行規則(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
韓国食品医薬品安全処「海外製造業者・海外作業場、輸出業者情報照会サイト」(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
韓国食品医薬品安全処「海外製造業者登録申請」(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
海外製造業所の登録、変更登録(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省「韓国向け輸出水産動物等の取扱いについて」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省「大韓民国向け輸出水産動物等の衛生証明書発行等に関する取扱要領」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(668KB)
農林水産省「韓国による日本産食品の輸出に係る原発関連の規制について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省「証明書や施設認定の申請」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
水産庁「韓国向けのタラバガニ、ズワイガニ等の輸出に関する手続について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「韓国 海外製造業所の登録Q&A(仮訳)」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(296KB)
ジェトロ「韓国 輸入食品安全管理特別法の解説(2016年3月)」
ジェトロ「食品製造施設の査察への対応事例(韓国)」

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2021年9月

水産生物疾病管理法施行規則第25条により、1.(生きている)移植用水産生物、2.(生きている)食用、鑑賞用、試験・研究用水産動物の魚類、貝類、甲殻類、3.水産生物製品の中で熱処理および切断などの加工をせずに冷凍または冷蔵したアワビ類およびカキ、エビなどを輸入する際には、検疫を受けなければなりません(これらの1.〜3.を「指定検疫物」といいます。「指定検疫物」ではない水産物は、検疫を受ける必要ではなく、一般的な食品輸入手続きで輸入できます)。
詳細は、関連リンク「その他参考情報」の農林水産省「韓国向け輸出水産動物等の取扱いについて」を参照してください。

韓国の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2021年9月

水産物の規格については「食品の基準および規格」「食品添加物の基準および規格」「器具および容器・包装の基準および規格」などに定められています。
水産物の場合は、重金属、異物、細菌および大腸菌、食中毒菌、ダイオキシン、放射性物質、ベンゾピレン、残留農薬、残留動物用医薬品、医薬品成分、タール色素などの規格が定められています。
一方、冷凍食用鮮魚類頭部と冷凍食用鮮魚介類内蔵の場合は、別途で総水銀、メチル水銀、鉛、カドミウム、大腸菌、細菌数、ヒスタミンの規格が定められています。詳細は、関連リンク「大韓民国向け輸出水産食品の取扱要綱(農林水産省)」を参照してください。

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2021年9月

動物用医薬品の残留許容基準は「食品の基準および規格」に規定されています。「食品の基準および規格」に規定されていない場合、次の基準を順次適用します。

  1. CODEX基準
  2. 類似食用動物の残留許容基準値のうち最低基準値
  3. 水産物(油、卵を含む)については抗生物質および合成抗菌剤に対して残留基準値に0.03 mg/kgを適用

*2024年からは、畜産物は「牛、豚、鶏、牛乳、鶏卵」、水産物は「魚類」について0.01mg/kg以下を適用(ただし、成長補助剤、ステロイド性の抗炎症薬は検出されてはならない)し、その他は、畜産物、水産物および蜂蜜に対して、抗菌剤の残留基準値を0.03 mg/kg以下に適用する。

食品別の残留農薬における基準は、韓国食品医薬品安全処のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでも確認できます。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2021年9月

重金属および汚染物質、含有禁止の化学物質、食品の成分として使用が禁止されている物質などの規定については、「食品の基準および規格」に定められています。
基準が別途設定されていない加工食品の重金属、カビ毒素などの汚染物質については、原料の含有量に応じて、農・林・水産物の基準を適用し、乾燥などの過程により水分含有量が変化した場合は、水分含有量を考慮して適用します。
韓国食品医薬品安全処は、「食品の基準および規格」をウェブサイトでも検索できるように公開しています。

食品の基準および規格(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

4. 食品添加物

調査時点:2021年9月

食品中の食品添加物の使用は、「食品添加物の基準および規格」で定められています。 キャリーオーバーについて、ある食品には使用できない食品添加物が、その食品添加物を使用できる原料由来のものであれば、原料から移行された範囲内で食品添加物の使用基準の制限を受けません。

食品添加物の品目別使用基準は、韓国食品医薬品安全処のウェブサイト(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで検索できます。

5. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)

調査時点:2021年9月

食品容器については、「食品衛生法」に基づく、韓国食品医薬品安全処告示「器具および容器・包装の基準および規格」で定められています。同告示には、器具および容器・包装についての共通の製造基準、共通規格、用途別規格、基準および規格の適用、基準および規格の適合性判定、検体の採取と取り扱い方法、保存と流通基準などが定められています。

包装容器のリサイクルに関しては、「資源の節約とリサイクル促進に関する法律」に定められており、製造業者と輸入業者は、環境部令「製品の包装材質・包装方法に関する基準等に関する規則」と環境部告示「包装材の材質・構造の改善等に関する基準」などに従う必要があります。
「資源の節約とリサイクル促進に関する法律」に従い、紙パック、ガラス瓶、金属缶、合成樹脂を包装材として使っている食品の輸入業者は、「包装材のリサイクル義務生産者」として、輸入する製品に対して、包装材の材質および構造評価を受けなければなりません(前年度の年間輸入額(年間3億ウォン)、または輸入した製品の包装材の重量が基準(例えば、ガラス瓶の場合は年間3トン)を超える者が対象になる)。また、リサイクルが困難な有色ペットボトル、ポリ塩化ビニール素材の包装材、ペットボトルに使用する接着剤のうち熱・アルカリ性分離が不可能なものは使用禁止となりました。さらに、韓国内で流通されるすべての製品の包装材を紙パック、ガラス瓶、金属、ペットボトルなど9つに分類し、リサイクル可否の程度によって、「最優秀」「優秀」「普通」「困難」の4つの等級を設けています。
このうち、「困難」等級に該当する製品には「リサイクル困難」という文言を表示しなければならず、1,000万ウォン以下のリサイクル賦課金が賦課されます(今後、最大30%のリサイクル賦課金が賦課される計画ですが、まだ運営における正確な内容は未定です)。
「製品の包装材質・包装方法に関する基準等に関する規則」によると、製品を製造・輸入または販売する者は、リサイクルが容易な梱包材を使用し、重金属が含有された材料の梱包材を製造し、流通させないようにしなければなりません。包装材のリサイクルを困難にする重金属の種類および濃度および試験方法などについては「包装材の重金属含有量推奨基準および試験方法等に関する告示」を参照してください。

6. ラベル表示

調査時点:2021年9月

輸入食品および輸入食品添加物などは、通関前までに、消費者に販売する製品の最小販売単位別の容器や包装に「食品などの表示基準」に従い、次の表示事項を表示しなければなりません。日本であらかじめラベルを貼り付ける、または印刷して輸入する場合を除くと、輸入申告する前に韓国の保税倉庫でラベルを貼るための作業が必要です。表示は韓国語で行わなければなりませんが、消費者の理解を助けるために漢字や外国語を混用、または併記して表示することができます。その場合の漢字や外国語は、韓国語表示の活字と同じまたは小さい活字で表示しなければなりません。詳細は、関連リンクの「食品などの表示基準」を参照してください。

水産物の表示については、「自然状態のまま」と「加工したもの」で、表示内容が異なります。

1)自然状態の食品
内容物の名称または製品名
輸入者名と所在地、生産者名または包装業者名
原産国名
生産年度または生産年月日(ただし、製造年月日を追記できる)
内容量(※)
保管方法(別途定められた製品に限る)
注意事項(別途定められた製品に限る)
遺伝子組換え農畜水産物の場合、「遺伝子組み換え食品などの表示基準」に従う
その他表示事項(容器・包装に入らずに輸入される自然状態の農産物・畜産物・水産物などは、韓国語表示を省略できる)
2)水産加工品
製品名
食品の類型(カテゴリー)
輸入者名と所在地、製造会社名
流通期限
内容量(※)および内容量に該当する熱量(ただし、熱量は内容量の後に括弧で表示)
原材料名
栄養成分名および1回の摂取参考量(「食品等の表示・広告に関する法律施行規則別表」で定める品目は除く)
容器・包装の材質
品目報告番号(輸入品には不要)
成分名および含有量(含有量の表示は、原材料を製品名または製品名の一部に使う製品に限る)
「対外貿易法」による原産地表示
保管方法(別途定められた製品に限る)
注意事項(不正・不良食品の申告に関する表示)
アレルギー誘発物質表示(該当する場合に限る)
表示対象:卵類(家禽類に限る)、牛乳、ソバ、ピーナッツ、大豆、小麦、サバ、カニ、エビ、豚肉、モモ、トマト、亜硫酸類(添加し最終製品にSO2で10mg/kg以上含有する場合に限る)、クルミ、鶏肉、牛肉、イカ、貝類(カキ、アワビ、イガイを含む)、松の実、その他(該当する場合に限る)
その他(「食品などの表示基準」で定める個別事項)
「資源の節約とリサイクル促進に関する法律」による表記(包装材の材質および構造評価結果、包装材のリサイクル可否の程度が「最優秀」「優秀」「普通」「困難」の「困難」等級に該当する製品には「リサイクル困難」という文言など)
「遺伝子組換え食品などの表示基準」による表記(該当する場合に限る)
放射線照射に関する表記(該当する場合に限る)

なお、日本で食品が流通される際に使われる「賞味期限」は、韓国では法的に通用しないため、「流通期限」または「品質保持期限」として表記しなければなりません。

(※)内容量の表記における許容誤差は次のとおりです。

食品種類 品目 表示量 許容誤差
農水産物 水産物 製品に表示された数量 5%
その他食品 その他食品 50g[㎖]以下
50g[㎖]超過100g[㎖]以下
100g[㎖]超過1000g[㎖]以下
1,000g[㎖]超過
4%
3%
2%
1%

7. その他

調査時点:2021年9月

食品安全・衛生に関する法律には、韓国食品医薬品安全処が管轄している「食品衛生法」があります。この法律は、食品により生じる衛生上の危害を防止し、食品の栄養向上を図り、食品に関する正しい情報を提供し、国民の健康増進に寄与することを目的としています。
この法律に基づいて、食品・食品原料・食品添加物・食品容器・食品器具・食品包装などの食品関連の基準・規格・規則などが定められています。

韓国食品医薬品安全処長は、食品の原料管理、製造・加工・調理・小分け・流通のすべての過程で危害物質が食品に混じることや、食品が汚染されることを防止するために、各プロセスの危害要素を確認・評価して重点的に管理する基準を食品ごとに定めて告示することができます。
総理令で定める食品を製造・加工・調理・小分け・流通する事業者は、この規定により韓国食品医薬品安全処長が告示した食品安全管理の認証基準を守らなければなりません。

また、食品の輸入規制は、韓国食品医薬品安全処が管轄している「韓国輸入食品安全管理特別法」で定められています。同法により、輸入する食品などの海外の製造業所の名称、所在地および製造品目など、同法施行規則で定める事項を輸入申告7日前までに韓国食品医薬品安全処長に登録しなければなりません。また、登録をした海外製造業所に対しては、査察官が来日して現地実態調査を行う可能性があります。

韓国食品医薬品安全処長は、「輸入食品等の危害防止のため」および「輸入食品等の安全性に関する情報の事実確認が必要な場合」に、輸出国政府や海外の製造業者と事前に協議を経て、海外製造業者に対して現地調査を行うことができるとしています。「輸入食品安全管理特別法」第6条に基づいて、現地調査を拒否、妨害、忌避(正当な理由なしに応答しない場合を含む)する場合や、現地調査の結果、輸入食品などに危害が発生するおそれがある場合は、該当海外製造業所の輸入食品を輸入中断させることができます。

韓国での輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2021年9月

営業者が販売を目的に、または営業上使用する目的で食品などを輸入する際は、韓国食品医薬品安全処長に輸入申告をしなければなりません。輸入申告にあたっては、通常の通関書類に加え輸出証明書が必要になります。輸出証明書については、関連リンク「その他参考情報」の農林水産省「韓国による日本産食品の輸出に係る原発関連の規制について」を参照してください。

食品を輸入・販売する個人または法人は、事前に「輸入食品等輸入販売業の営業登録」を行わなければなりません。
また、食品を輸入するためには、輸入者または海外製造業所の設置・運営者が海外製造業所の名称、所在地および製造品目など、「韓国輸入食品安全管理特別法施行規則」で定める事項を、輸入申告の7日前までに、韓国食品医薬品安全処長に登録しなければなりません。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2021年9月

輸入者(または輸入代行業者)は、食品を輸入通関するため、関税庁「電子通関システム」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通して輸入申告を行わなければなりません。「関税法施行規則別紙第1号の3書式」によると、輸入申告時に提出する書類は、インボイス、価格申告書、船荷証券副本、包装明細書、原産地証明書(日本産食品の場合は、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う産地証明書で原産地証明ができますので、原産地証明書を別途提出する必要はありません)などがあります。

食品全般は、輸入申告を行う際に、韓国食品医薬品安全処による食品検査を受ける必要があります。指定検疫物(詳細は「3.動植物検疫の有無」を参照してください)の場合は、食品検査を行う前に検疫を受けることになります。
食品検査の際には、「食品・医薬品分野の試験・検査等に関する法律」により政府から指定された試験・検査機関により検査を受けなければなりません。試験・検査機関は韓国食品医薬品安全処のウェブサイトに記載の「食品専門試験検査機関」(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます を参照してください。また、詳細は「3.輸入時の検査・検疫」を参照してください。
この試験・検査の結果、輸入しても問題ないと判定された食品については、管轄の地方食品医薬品安全庁により「輸入食品等の輸入申告確認証」が発行されます。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2021年9月

検疫

「水産生物疾病管理法」に基づき、「指定検疫物(詳細は「3.動植物検疫の有無」を参照してください)」を 輸入する者は、検疫機関の長(国立水産物品質管理院支院長)に申告し、検疫を受けなければなりません。
輸入申告にあたっては、積荷リストのコピーと輸出国の政府機関が発行した検疫証明書(日本では動物衛生証明書)の原本を添付して検疫申請書を該当管轄地域の国立水産物品質管理院支院長に提出しなければなりません。詳細は、関連リンク「その他参考情報」の農林水産省「韓国向け輸出水産動物等の取扱いについて」を参照してください。
検疫にかかる処理期間は、書類検査には2日間、臨床検査には3日間、精密検査には15日間が所要されます。韓国に最初輸入する輸出国、品種(学名)、生産設備からの指定検疫物は精密検査の対象で、一定条件がそろったら書類検査または臨床検査が実施されます。
検疫申請にかかる手数料はありませんが、精密検査による手数料は、細菌性またはカビ性疾病は検査項目あたり15,000ウォン、寄生虫性疾病は検査項目あたり10,000ウォン、ウイルス性疾病は検査項目あたり50,000ウォンが所用されます。詳細は、国立水産物品質管理院「輸出入検疫関連サイト(韓国語)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照してください。

食品検査

検疫を受けた水産物、または検疫が必要ではない(「指定検疫物」ではない)水産物は、食品としての輸入検査を受けなければなりません。食品を対象とする輸入申告書が提出されると、管轄の地方食品医薬品安全庁により、対象食品の輸入条件に従って、「書類検査」「現場検査」「精密検査」「無作為標本検査」などの検査で適合・不適合の判定が下されます。検査の詳細は、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定められています。試験・検査を行う機関は、韓国食品医薬品安全処のウェブサイト「試験検査機関の指定現況(韓国語)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照してください。
検査内容は、成分分析、動植物検疫、残留農薬、重金属、ラベル内容などです。「食品の基準および規格」「食品添加物の基準および規格」「食品などの表示基準」を参照してください。
処理期間は、書類検査には2日間、現場検査には3日間、精密検査と無作為標本検査には10日間が所要されます。
食品検査にかかる手数料は、「食品・医薬品分野の試験・検査手数料に関する規定」により定められています。韓国食品医薬品安全処のウェブサイト「検査手数料の情報(韓国語)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照してください。
なお、日本から輸入される食品の場合は、食品検査と放射性物質検査が毎回輸入時に行われます。

関連リンク

関係省庁
韓国農林水産食品部(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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根拠法等
水産生物疾病管理法(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
韓国輸入食品安全管理特別法(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
韓国輸入食品安全管理特別法施行規則(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)1
水産物・水産加工品検査基準に関する告示(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
輸出入水産生物指定検疫物の検疫方法及び基準等に関する告示(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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食品・医薬品分野の試験・検査手数料に関する規定(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
ジェトロ「韓国輸入食品安全管理特別法に関する情報」
ジェトロ「韓国 海外製造業所の登録Q&A(仮訳)」PDFファイル(296KB)
ジェトロ「韓国輸入食品安全管理特別法の解説(2016年3月)」
韓国食品医薬品安全処「試験検査機関の指定現況(韓国語)」検索ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
韓国食品医薬品安全処「検査手数料の情報(韓国語)」検索ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
韓国国立水産物品質管理院「輸出入検疫関連ページ」(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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4. 販売許可手続き

調査時点:2021年9月

食品を輸入・販売する個人または法人は、事前に「輸入食品安全管理特別法」が定めている「輸入食品等輸入販売業の営業登録」を行わなければなりません。外資企業に対する規制などは特にありません。
営業登録を行おうとする者は、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定めるところにより、営業に必要な施設を備え、営業登録申請書を管轄の地方食品医薬品安全庁の長に提出しなければなりません。また、事前に輸入食品などの衛生管理に関する教育を受けなければなりません。教育機関、教育内容、教育時間、教育費などの教育に必要な事項は、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定めています。

5. その他

調査時点:2021年9月

食品を輸入・販売する個人または法人は、毎年、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定めるところにより、輸入食品などの衛生管理に関する教育を受けなければなりません。教育機関、教育内容、教育時間、教育費などの教育に必要な事項は、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定めています。

韓国食品医薬品安全処長は、輸入申告された輸入食品などが次の各号のいずれかに該当する場合には、当該輸入申告の受理を保留することができます。

  1. テロの手段として使用されるおそれがある場合
  2. 「感染症の予防および管理に関する法律」による感染症の病原体に汚染されたか、汚染されたおそれがある場合
  3. 人体に危害物質に汚染されたと判断されるが、汚染するかどうかを確認するための検査項目を特定することが困難または定められた試験方法がない場合
  4. 国内で申告および登録などをしていないか、許可、承認などを受けていない農薬、動物用医薬品、遺伝子組み換え食品などの物質が使用されていると判断された場合であって、その原料や成分について定められた試験方法がない場合
  5. その他当該輸入食品などにより、国民の健康に重大な危害が発生し、または発生するおそれがあり、迅速な措置が必要な場合

「資源の節約とリサイクル促進に関する法律」の改正により、紙パック、ガラス瓶、金属缶、合成樹脂を包装材として使っている食品の輸入業者は、「包装材のリサイクル義務生産者」として、輸入する製品に対して、包装材の材質および構造評価を受けなければなりません。
環境部長官は、「包装材の材質・構造評価等に関する業務処理方針」に違反した梱包材を製造・輸入するか、これを利用した製品を販売している者に、1年以内の範囲で期間を定めて材質および構造とリサイクルしやすさなどに関する改善を命じることができますが、その命令を受けた者がこれを履行しない場合には、当該製品の製造・輸入および販売の中止を命じることができます。

韓国内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2021年9月

「関税法」に従い、輸入水産物には0~20%の関税が賦課されます。さんま、えび(塩蔵したもの)、スケトウダラなどの一部は、調整関税の対象です。

調整関税の対象品目
品目 基本税率 調整関税
スケトウダラ 10% 22%
イカ(HSコード0307.43.2010) 10% 22%
イカ(HSコード0307.43.2090) 20% 22%
さんま 10% 24%
えび(塩蔵したもの) 20% 32%

関税の納税義務者は、輸入申告もしくは入港前輸入申告の際に、輸入する物品の価格について税関長に申告をしなければなりません。その申告を受けて、物品の性質と数量に応じて関税が賦課されます。
賦課された関税については、申告が受理された日から15日(営業日基準)以内に納付しなければなりません。

2. その他の税

調査時点:2021年9月

事業または輸入を行う個人、法人、法人格のない社団・財団などは、「付加価値税法」に基づいて付加価値税を納付する義務があります。課税の対象は、事業者が行う「財貨またはサービスの供給」と「財貨の輸入」です。付加価値税の税率は10%で、次のとおり計算します。

  • 付加価値税=(CIF価格+輸入関税)×10%

3. その他

調査時点:2020年9月

食品の輸入時には、日本であらかじめラベルを貼り付ける、または印刷して輸入する場合を除くと、輸入申告する前に韓国の保税倉庫でラベルを貼るための作業が必要です。ラベルの印刷と補修作業のためのコストがかかります。これらの作業は、輸入者が輸入代行者などに委託する業務のため、条件によってコストは異なります。

関連リンク

その他

調査時点:2021年9月

食品の輸入時には、日本であらかじめラベルを貼り付ける、または印刷して輸入する場合を除くと、輸入申告する前に韓国の保税倉庫でラベルを貼るための作業が必要です。ラベルの印刷と補修作業のためのコストがかかります。これらの作業は、輸入者が輸入代行者などに委託する業務のため、条件によってコストは異なります。