日本からの輸出に関する制度 健康食品の輸入規制、輸入手続き

韓国の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2023年8月

健康機能食品の規格については「健康機能食品の基準および規格」「食品の基準および規格」「食品添加物の基準および規格」「器具および容器・包装の基準および規格」などに定められています。
食品の場合、共通して、重金属、異物、細菌および大腸菌群、食中毒菌、ダイオキシン、放射性物質、残留農薬、残留動物用医薬品、医薬品成分、タール色素などの規格が定められています。
健康機能食品の場合は、「健康機能食品の基準および規格」の個別基準および規格を参照してください。個別基準が設定されていない品目などは、一般食品の共通基準が適用されます。

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2023年8月

食品に残留した農薬および動物用医薬品については「食品の基準および規格(農薬:第2.食品一般に対する共通基準および規格3.食品一般の基準および規格7)農薬の残留許容基準。動物用薬品:第2.食品一般に対する共通基準および規格3.食品一般の基準および規格8)動物用医薬品の残留許容の基準」)」に定められています。別途残留許容基準を定めていない場合は、次の各項の基準が順次適用されます。

  1. 農産物の場合、0.01mg/kgを適用する。
  2. 原料食品の残留許容基準の範囲内で残留が許可される。原料の含有量に応じて、原料農産物および畜産物の残留農薬基準を適用する(乾燥などの過程により水分含有量が変化した場合には、水分含有量を考慮した原料の基準を適用)。

食品別の残留農薬における基準は、韓国食品医薬品安全処のウェブサイト(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでも確認することができます(英語で検索も可能)。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2023年8月

重金属および汚染物質、含有禁止の化学物質、食品の成分として使用が禁止される物質などの規定については、「健康機能食品の基準および規格」「食品の基準および規格」に定められています。
基準が別途設定されていない食品の重金属、カビ毒素などの汚染物質の基準については、原料の含有量に応じて、農・林・畜・水産物・食用昆虫の基準を適用し、乾燥などの過程により水分含有量が変化した場合は、重金属、ポリ塩化ビフェニル(PCBs)、貝毒素については水分含有量を考慮して適用します。
韓国食品医薬品安全処は、食品の共通基準として「食品の基準および規格」をウェブサイトでも検索できるように公開しています。
韓国食品医薬品安全処は、食品の共通基準として「食品の基準および規格」をウェブサイトでも検索できるように公開しています。

健康機能食品の場合、個別基準および規格は「健康機能食品の基準および規格」を参照してください。
個別基準および規格で定めていない機能性原料の重金属規格は、鉛は1.0mg /kg以下、カドミウムは0.3mg/kg以下とされています。

4. 食品添加物

調査時点:2023年8月

食品中の食品添加物の使用は、「食品添加物の基準および規格」で定められています。
キャリーオーバーについて、ある食品には使用できない食品添加物が、その食品添加物を使用できる原料由来のものであれば、原料から移行された範囲内で食品添加物の使用基準の制限を受けません。
食品添加物の品目別使用基準は、韓国食品医薬品安全処のウェブサイト(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで検索できます。

5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2023年8月

食品容器については、「食品衛生法」に基づく、韓国食品医薬品安全処告示「器具および容器・包装の基準および規格」で定められています。同告示には、器具および容器・包装についての共通の製造基準、共通規格、用途別規格、基準および規格の適用、基準および規格の適合性判定、検体の採取と取り扱い方法、保存と流通基準などが定められています。

包装容器のリサイクルに関しては、「資源の節約とリサイクル促進に関する法律」に定められており、製造業者と輸入業者は、環境部令「製品の包装材質・包装方法に関する基準等に関する規則」と環境部告示「包装材の材質・構造の等級表示基準」などに従う必要があります。

「資源の節約とリサイクル促進に関する法律」に従い、紙パック、ガラス瓶、金属缶、合成樹脂を包装材として使っている食品の輸入業者は、「包装材のリサイクル義務生産者」として輸入する製品に対して包装材の材質および構造の評価を受けなければなりません(前年度の年間輸入額が3億ウォン未満の輸入業者または前年度の年間輸入量が1トン未満の輸入業者は「リサイクル義務生産者」から除く)。また、リサイクルが困難な有色ペットボトル、ポリ塩化ビニール素材の包装材、ペットボトルに使用する接着剤のうち熱・アルカリ性分離が不可能なものは使用禁止となりました。さらに、韓国内で流通するすべての製品の包装材を紙パック、ガラス瓶、金属、ペットボトルなど9つに分類し、リサイクル可否の程度によって、「最優秀」「優秀」「普通」「困難」の4つの等級を設けています。
このうち、「困難」等級に該当する製品には「リサイクル困難」という文言を表示しなければならず、1,000万ウォン以下のリサイクル賦課金が課されます。
「製品の包装材質・包装方法に関する基準等に関する規則」によると、製品を製造・輸入または販売する者は、リサイクルが容易な包装材を使用し、重金属が含有されている材料の包装材を製造し、流通させないようにしなければなりません。包装材のリサイクルを困難にする重金属の種類、濃度および試験方法などについては「包装材の重金属含有量推奨基準および試験方法等に関する告示」を参照してください。

6. ラベル表示

調査時点:2023年8月

輸入健康機能食品は、通関をする前までに、消費者に販売する製品の最小販売単位別の容器や包装に「食品等の表示・広告に関する法律」「健康機能食品の表示基準」に従い、次の事項を表示しなければなりません。日本であらかじめラベルを貼り付ける、または印刷して輸入する場合を除くと、輸入申告する前に韓国の保税倉庫でラベルを貼るための作業が必要です。表示は韓国語で行わなければなりませんが、消費者の理解を助けるために漢字や外国語を混用、または併記して表示することができます。その場合の漢字や外国語は、韓国語表示の活字と同じフォントまたは小さい活字(フォント)で表示しなければなりません。詳細は関連リンクの「健康機能食品の表示基準」を参照してください。

健康機能食品であることを示す表示(文字または図案)
健康機能食品は、健康機能食品を表す次の絵柄を主表示面に15×15mm以上の大きさで表示し、または「健康機能食品」という文字を表示しなければなりません。ただし、包装の面積が150㎠以下の製品の場合は、絵柄の大きさを識別可能な範囲で自由に表示することができます。
表示項目
  • 製品名
  • 原産国名
  • 製造業者名
  • 事業者(輸入業者もしくは販売業者)名と所在地
  • 消費期限と保管方法
  • 内容量(※1)
  • 栄養情報(項目ごとにそれぞれ基準が設定されています)
  • 機能についての説明(機能性表示に関する情報は、関連リンクの「食品安全ナラ」で確認してください)
  • 摂取量、摂取方法、および摂取上の注意
  • 原料名と含有量(多く使用した順に表示する。 ただし、重量比2%未満の原材料は含量順に従わず表示することができる。)
  • 病気の予防と治療のための医薬品ではないという旨の表現
  • 消費者の安全のための注意事項(※2)
    (※2)保存料や色素などの食品添加物を使用していないとの表示(ただし、「食品添加物の基準と規格」で該当する場合に限る)、動物由来の成分名、起源動物と使用部位の表示(該当する場合に限る)など
  • 「資源の節約とリサイクル促進に関する法律」による表示
  • 「遺伝子組換え食品などの表示基準」による表示(該当する場合に限る)

健康機能食品を表す絵柄の例

なお、日本で食品が流通される際に使われる「賞味期限」は、韓国では法的に通用しないため、「消費期限」または「品質保持期限」として表示しなければなりません。

(※1)内容量の表記における許容誤差は次のとおりです。

内容量の表記における許容誤差
適用分類 表示量 許容誤差
重量 50g以下 9%
50g超100g以下 4.5g
100g超200g以下 4.5%
200g超300g以下 9g
300g超500g以下 3%
500g超1kg以下 15g
1kg超10kg以下 1.50%
10kg超15kg以下 150g
15kg超 1%
容量 50ml以下 9%
50ml超100ml以下 4.5ml
100ml超200ml以下 4.5%
200ml超300ml以下 9ml
300ml超500ml以下 3%
500ml超1L以下 15ml
1L超10L以下 1.50%
10L超15L以下 150ml
15L超 1%
栄養表示
健康機能食品は、「食品等の表示・広告に関する法律」により、「栄養表示対象の食品として指定される品目」であり、次の表示が必要です(ただし、健康機能食品の場合は、6.から8.の項目は表示しないこともできる)。詳細は関連リンクの「食品等の表示・広告に関する法律施行規則別表4」を参照してください。
  1. エネルギー(熱量)
  2. ナトリウム
  3. 炭水化物
  4. 糖類(食品、畜産物、健康機能食品に存在するすべての単糖類と二糖類をいう。ただし、カプセル、錠剤、丸剤および粉末状の健康機能食品は除く)
  5. 脂肪
  6. トランス脂肪(Trans Fat)
  7. 飽和脂肪(Saturated Fat)
  8. コレステロール(Cholesterol)
  9. タンパク質
  10. 栄養表示や栄養強調表示をする場合には、「1日あたり栄養成分基準値」に明示されている栄養成分。詳細は、次の表を確認してください。
許可されている強調表示
栄養成分 強調表示 表示条件
エネルギー(熱量) 食品100gあたり40kcal未満または食品100mlあたり20kcal未満の時
食品100mlあたり4kcal未満の時
ナトリウム、塩 食品100gあたり120mg未満の時
* 塩分は 食品100gあたり305mg未満の時
食品100gあたり5mg未満の時
* 塩分は 食品100gあたり13mg未満の時
糖類 食品100gあたり5g未満または食品100mlあたり2.5g未満の時
食品100gあたりまたは食品100mlあたり0.5g未満の時
脂肪 食品100gあたり3g未満または食品100mlあたり1.5g未満の時
食品100gあたりまたは食品100mlあたり0.5g未満の時
トランス脂肪 食品100gあたり0.5g未満の時
飽和脂肪 食品100gあたり1.5g未満または食品100mlあたり0.75g 未満で、カロリーの10%未満の時
食品100gあたり0.1g未満または食品100mlあたり0.1g未満の時
コレステロール 食品100gあたり20mg未満または食品100mlあたり10mg未満で、飽和脂肪が食品100gあたり1.5g 未満または食品100mlあたり0.75g未満で、飽和脂肪がカロリーの10%未満の時
食品100gあたり5mg未満または食品100mlあたり5mg未満で、飽和脂肪が食品100gあたり1.5gまたは食品100mlあたり0.75g未満で、飽和脂肪がカロリーの10%未満の時
食物繊維 含有 食品100gあたり3g以上で、食品100kcalあたり1.5g以上の時または1回摂取参考量あたり1日栄養成分基準値の10%以上の時
高または豊富 含有基準の2倍
タンパク質 含有 食品100gあたり1日栄養成分基準値の10%以上、食品100mlあたり1日栄養成分基準値の5%以上、食品100kcalあたり1日栄養成分基準値の5%以上の時または1回摂取参考量あたり1日栄養成分基準値の10%以上の時
高または豊富 含有基準の2倍
ビタミンまたは無機質 含有 食品100gあたり1日栄養成分基準値の15%以上、食品100mlあたり1日栄養成分基準値の7.5%以上、食品100kcalあたり1日栄養成分基準値の5%以上の時または1回摂取参考量あたり1日栄養成分基準値の15%以上の時
高または豊富 含有基準の2倍

これらの栄養成分を表示するときは、次の各号の事項を表示しなければなりません。

  1. 栄養成分の名称
  2. 栄養成分の含有量
  3. 「1日当たり栄養成分基準値」に対する割合

関連リンク

関係省庁
韓国食品医薬品安全処(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
韓国産業通商資源部(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
韓国環境部(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
韓国保健福祉部(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
食品等の表示基準(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2016年12月27日施行時のものです
食品衛生法(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2017年5月19日施行時のものです
対外貿易法(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
資源の節約とリサイクル促進に関する法律(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
遺伝子組換え食品等の表示基準(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2017年2月4日施行時のものです
健康機能食品の表示基準(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品等の表示・広告に関する法律(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品等の表示・広告に関する法律施行規則(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
包装材の材質・構造基準(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
包装材の材質・構造評価等に関する業務処理方針(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
食品安全情報院「食品安全ナラ」(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ホームページの左上部「食品安全」タブにマウスを当てると、上から3番目に「健康機能食品情報」タブが現れます。その中にあるメニューの中で、第1番目の「健康栄養情報」をクリックします。そのページから4つのタブが出ますが、2番目の「機能性内容」をクリックすると内容が出ます。
税関サービス「原産地制度」(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
農林水産省「各国の食品・添加物等の規格基準」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

7. その他

調査時点:2023年8月

食品安全・衛生に関する法律には、韓国食品医薬品安全処が管轄している「食品衛生法」があります。この法律は、食品により生じる衛生上の危害を防止し、食品の栄養向上を図り、食品に関する正しい情報を提供し、国民の健康増進に寄与することを目的としています。
この法律に基づいて、食品・食品原料・食品添加物・食品容器・食品器具・食品包装などの食品関連の基準・規格・規則などが定められています。

韓国食品医薬品安全処長は、食品の原料管理、製造・加工・調理・小分け・流通のすべての過程で危害物質が食品に混じることや、食品が汚染されることを防止するために、各プロセスの危害要素を確認・評価して重点的に管理する基準を食品ごとに定めて告示することができます。
総理令で定める食品を製造・加工・調理・小分け・流通する営業者は、この規定により韓国食品医薬品安全処長が告示した食品安全管理の認証基準を守らなければなりません。

また、食品の輸入規制は、韓国食品医薬品安全処が管轄している「輸入食品安全管理特別法」で定められています。同法により、輸入する食品などの海外の製造会社の名称、所在地および生産品目など、同法施行規則で定める事項を輸入申告する前に韓国食品医薬品安全処長に登録しなければなりません。また、登録をした海外製造業所に対しては、査察官が来日して現地実態調査を行う可能性があります。

関連リンク