日本からの輸出に関する制度 清涼飲料水の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する清涼飲料水のHSコード

2009:果実、ナットまたは野菜のジュース(ぶどう搾汁およびココナツウオーターを含み、発酵しておらず、かつ、アルコールを加えてないものに限るものとし、砂糖その他の甘味料を加えてあるかないかを問わない)
2201:水(天然または人造の鉱水および炭酸水を含むものとし、砂糖その他の甘味料または香味料を加えたものを除く)、氷および雪
2202:水(鉱水および炭酸水を含むものとし、砂糖その他の甘味料または香味料を加えたものに限る)その他のアルコールを含有しない飲料(HS2009の果実、ナットまたは野菜のジュースを除く)

韓国の輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2023年8月

韓国では、日本産食品に対して、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う輸入規制措置を行っています。宮城県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、長野県、静岡県(13都県)で生産された清涼飲料水については、政府機関発行の放射性物質検査証明書が求められます。13都県以外で生産された製品については、政府機関発行の産地証明書が求められます。これら証明書は、インターネットの輸出証明書発行システムを通して申請します。詳細は、関連リンクの農林水産省「韓国向け輸出証明書等の概要について」を参照してください。

韓国政府が定めている放射性物質の上限値は、すべての食品において放射性ヨウ素131は100Bq/kgです。乳・乳製品、乳児用食品などを除くすべての食品における放射性セシウム134および137の基準値は100Bq/kgです(乳・乳製品、乳児用食品などは50Bq/kgです)。詳細は関連リンクの「食品の基準および規格」を参照してください。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2023年8月

施設登録
食品を輸出するためには、輸出の前に、輸入者または海外製造業所の設置・運営者が海外製造業所の名称、所在地および生産品目など、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定める事項を、輸入申告前までに、韓国食品医薬品安全処長に登録しなければなりません。海外製造業所を登録しようとする者は、 この登録の際に、韓国政府による現地実態調査が行われる可能性について同意をしておく必要があります。また、輸入食品などを韓国に輸出しようとする者または製造会社は、輸出品の製造会社が日本国政府から許可、登録を受けていることを証明する書類(営業登録証)を添付して韓国食品医薬品安全処長に提出しなければなりません。ただし、「輸入食品安全管理特別法施行規則」別紙第1号の2「A CONFIRMATION FORM OF REGISTERED INFORMATION(海外製造業所登録書式)」を提出する場合は省略することができます。
書類
輸入通関にあたり、輸出者側で用意すべき書類には、産地や品目に応じて日付証明書、産地証明書、放射性物質検査証明書などがあります。詳細については、農林水産省の「韓国向け輸出証明書等の概要について」を参照してください。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2023年8月

なし

韓国の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2023年8月

加工食品の規格については「食品の基準および規格」「食品添加物の基準および規格」「器具および容器・包装の基準および規格」に定められています。
加工食品の場合、共通して、重金属、異物、細菌および大腸菌群、食中毒菌、ダイオキシン、放射性物質、残留農薬、残留動物用医薬品、医薬品成分、タール色素などの規格が定められています。
果実・野菜類飲料の場合は、鉛、カドミウム、スズ、細菌数、大腸菌群、大腸菌、保存料などの規格がそれぞれ定められています。
炭酸飲料類の場合は、炭酸ガス圧、鉛、カドミウム、スズ、細菌数、大腸菌群、保存料などの規格がそれぞれ定められています。

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2023年8月

加工食品に残留した農薬および動物用医薬品については「食品の基準および規格」(農薬:第2.食品一般に対する共通基準および規格3.食品一般の基準および規格7)農薬の残留許容基準。動物用薬品:第2.食品一般に対する共通基準および規格3.食品一般の基準および規格8)動物用医薬品の残留許容の基準」)に定められています。

別途残留許容基準を定めていない場合は、次の各項の基準が順次適用されます。

  1. 農産物の場合、0.01mg/kgを適用する。
  2. 原料食品の残留許容基準の範囲内で残留が許可される。原料の含有量に応じて、原料農産物および畜産物の残留農薬基準を適用する(乾燥などの過程により水分含有量が変化した場合には、水分含有量を考慮した原料の基準を適用)。

食品別の残留農薬における基準は、 韓国食品医薬品安全処のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(韓国語)でも確認することができます(英語で検索も可能)。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2023年8月

重金属および汚染物質、含有禁止の化学物質、食品の成分として使用が禁止される物質などの規定については、「食品の基準および規格」に定められています。
基準が別途設定されていない加工食品の重金属、カビ毒素などの汚染物質の基準は、原料の含有量に応じて、農・林・水産物の基準を適用し、乾燥などの過程により水分含有量が変化した場合は、重金属、ポリ塩化ビフェニル(PCBs)、貝毒素については水分含有量を考慮して適用します。
韓国食品医薬品安全処は、「食品の基準および規格」をウェブサイトでも検索できるように公開しています。

4. 食品添加物

調査時点:2023年8月

食品中の食品添加物の使用は、「食品添加物の基準および規格」で定められています。 キャリーオーバーについて、ある食品には使用できない食品添加物が、その食品添加物を使用できる原料由来のものであれば、原料から移行された範囲内で食品添加物の使用基準の制限を受けません。

食品添加物の品目別使用基準は、韓国食品医薬品安全処のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(韓国語)で検索できます。

5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2023年8月

食品容器については、「食品衛生法」に基づく、韓国食品医薬品安全処告示「器具および容器・包装の基準および規格」で定められています。同告示には、器具および容器・包装についての共通の製造基準、共通規格、用途別規格、基準および規格の適用、基準および規格の適合性判定、検体の採取と取り扱い方法、保存と流通基準などが定められています。

包装容器のリサイクルに関しては、「資源の節約とリサイクル促進に関する法律」に定められており、製造業者と輸入者は、環境部令「製品の包装材質・包装方法に関する基準等に関する規則」と環境部告示「包装材の材質・構造の等級表示基準」などに従う必要があります。

「資源の節約とリサイクル促進に関する法律」に従い、紙パック、ガラス瓶、金属缶、合成樹脂を包装材として使用している食品の輸入者は、「包装材のリサイクル義務生産者」として輸入する製品に対して包装材の材質および構造の評価を受けなければなりません(前年度の年間輸入額が3億ウォン未満の輸入者または前年度の年間輸入量が1トン未満の輸入者は「リサイクル義務生産者」から除く)。また、リサイクルが困難な有色ペットボトル、ポリ塩化ビニール素材の包装材、ペットボトルに使用する接着剤のうち熱・アルカリ性分離が不可能なものは使用禁止となりました。さらに、韓国内で流通するすべての製品の包装材を紙パック、ガラス瓶、金属、ペットボトルなど9つに分類し、リサイクル可否の程度によって、「最優秀」「優秀」「普通」「困難」の4つの等級を設けています。
このうち、「困難」等級に該当する製品には「リサイクル困難」という文言を表示しなければならず、1,000万ウォン以下のリサイクル賦課金が課されます。
「製品の包装材質・包装方法に関する基準等に関する規則」によると、製品を製造・輸入または販売する者は、リサイクルが容易な包装材を使用し、重金属が含有されている材料の包装材を製造し、流通させないようにしなければなりません。包装材のリサイクルを困難にする重金属の種類、濃度および試験方法などについては「包装材の重金属含有量推奨基準および試験方法等に関する告示」を参照してください。

一方、最近、韓国の食品医薬品安全処は、ペットボトルなどを再生して食品容器の製造に使用しようとする場合において、化学的方法により再生した場合だけでなく、物理的方法により再生した原料についても食品容器に使用することを認めました。従って、一定の基準を順守してリサイクルされた製品については、食品容器として使用することができ、実際に、透明なペットボトルの再生原料を使用した飲料製品が市場に流通しています。

韓国の「食品容器使用再生原料基準」は、廃合性樹脂を破砕、洗浄、溶融などの物理的なリサイクルのプロセスを経て食品容器に使用しようとする場合の具体的なリサイクル方法と基準に関する事項を定めています。

リサイクル事業者は、食品容器に使用する目的で物理的なリサイクルのプロセスを経た再生原料を生産しようとする場合、リサイクルの工程に投入されるポリエチレンテレフタレート材質の廃合性樹脂原料(選別工程を経て圧縮された中間加工廃棄物をいう)は、次の各工程を順守しなければなりません。

  • ほかの材質のプラスチックと混合しないように回収および運搬
  • 選別事業者が無色のポリエチレンテレフタレート材質の食品飲料瓶以外のプラスチック(ほかの材質のプラスチック、混合回収したポリエチレンテレフタレート瓶および瓶の形ではないポリエチレンテレフタレートを含む)と混合されないように別途保管、圧縮、選別した中間加工廃棄物

6. ラベル表示

調査時点:2023年8月

輸入食品および輸入食品添加物などは、通関をする前までに、消費者に販売する製品の最小販売単位別の容器や包装に「食品などの表示基準」に従い、次の事項を表示しなければなりません。日本であらかじめラベルを貼り付ける、または印刷して輸入する場合を除くと、輸入申告する前に韓国の保税倉庫でラベルを貼るための作業が必要です。表示は韓国語で行わなければなりませんが、消費者の理解を助けるために漢字や外国語を混用、または併記して表示することができます。その場合の漢字や外国語は、韓国語表示の活字と同じまたは小さい活字で表示しなければなりません。詳細は関連リンクの「食品などの表示基準」を参照してください。

【表示項目】
  • 製品名
  • 食品の類型(カテゴリー)
  • 輸入者名と所在地、製造会社名
  • 消費期限(滅菌した液状製品は消費期限または品質保持期限)
  • 内容量(※)および内容量に該当する熱量(ただし、熱量は内容量の後に括弧で表示)
  • 原材料名
  • 栄養成分名および1回の摂取参考量
  • 容器・包装の材質
  • 品目報告番号(輸入品には不要)
  • 成分名および含有量(別途定められた製品に限る。例えば、カフェインを1mlあたり0.15 mg以上含有している清涼飲料水にはカフェインの総含有量、注意事項、「高カフェイン含有」の表示をする必要がある)
  • 原産国名
  • 保管方法(別途定められた製品に限る)
  • 注意事項(不正・不良食品の申告に関する表示)
  • アレルギー誘発物質表示(該当する場合に限る)
    表示対象:卵類(家禽類に限る)、牛乳、ソバ、ピーナツ、大豆、小麦、サバ、カニ、エビ、豚肉、モモ、トマト、亜硫酸類(これが添加されており、最終製品に二酸化硫黄が10mg/kg以上含有されている場合に限る)、クルミ、鶏肉、牛肉、イカ、貝類(カキ、アワビ、イガイを含む)、松の実、その他(該当する場合に限る)
  • その他(「食品などの表示基準」で定める個別事項)
  • 「資源の節約とリサイクル促進に関する法律」による表記
  • 「遺伝子組換え食品などの表示基準」による表記(該当する場合に限る)
  • 放射線照射に関する表記(該当する場合に限る)
なお、日本で食品が流通される際に使われる「賞味期限」は、韓国では法的に通用できるものはないため、「消費期限」または「品質保持期限」として表示しなければなりません。
(※)内容量の表記における許容誤差は次のとおりです。
表:内容量の表記における許容誤差
適用分類 表示量 許容誤差
重量 50g以下 9%
50g超100g以下 4.5g
100g超200g以下 4.5%
200g超300g以下 9g
300g超500g以下 3%
500g超1kg以下 15g
1kg超10kg以下 1.5%
10kg超15kg以下 150g
15kg超 1%
容量 50ml以下 9%
50ml超100ml以下 4.5ml
100ml超200ml以下 4.5%
200ml超300ml以下 9ml
300ml超500ml以下 3%
500ml超1L以下 15ml
1L超10L以下 1.5%
10L超15L以下 150ml
15L超 1%
【栄養表示】
飲料水類などは、「食品等の表示・広告に関する法律」により、「栄養表示対象の食品として指定される品目」であり、次の表示が必要です(詳細は、「食品等の表示・広告に関する法律施行規則別表4」を参照してください)。
  1. エネルギー(熱量)
  2. ナトリウム
  3. 炭水化物
  4. 糖類(食品、畜産物、健康機能食品に存在するすべての単糖類と二糖類をいう。ただし、カプセル、錠剤、丸剤および粉末状の健康機能食品は除く)
  5. 脂肪
  6. トランス脂肪(Trans Fat
  7. 飽和脂肪(Saturated Fat
  8. コレステロール(Cholesterol
  9. タンパク質
  10. 栄養表示や栄養強調表示をする場合は、「1日あたり栄養成分基準値」に明示されている栄養成分
これらの栄養成分を表示するときは、次の各号の事項を表示しなければなりません。
  1. 栄養成分の名称
  2. 栄養成分の含有量
  3. 「1日あたり栄養成分基準値」に対する割合

7. その他

調査時点:2023年8月

食品安全・衛生に関する法律には、韓国食品医薬品安全処が管轄している「食品衛生法」があります。この法律は、食品により生じる衛生上の危害を防止し、食品の栄養向上を図り、食品に関する正しい情報を提供し、国民の健康増進に寄与することを目的としています。
この法律に基づいて、食品・食品原料・食品添加物・食品容器・食品器具・食品包装などの食品関連の基準・規格・規則などが定められています。

食品安全・衛生に関する法律には、韓国食品医薬品安全処が管轄している「食品衛生法」があります。この法律は、食品により生じる衛生上の危害を防止し、食品の栄養向上を図り、食品に関する正しい情報を提供し、国民の健康増進に寄与することを目的としています。 この法律に基づいて、食品・食品原料・食品添加物・食品容器・食品器具・食品包装などの食品関連の基準・規格・規則などが定められています。

韓国食品医薬品安全処長は、食品の原料管理、製造・加工・調理・小分け・流通のすべての過程で危害物質が食品に混じることや、食品が汚染されることを防止するために、各プロセスの危害要素を確認・評価して重点的に管理する基準を食品ごとに定めて告示することができます。
総理令で定める食品を製造・加工・調理・小分け・流通する営業者は、この規定により韓国食品医薬品安全処長が告示した食品安全管理の認証基準を守らなければなりません。

また、食品の輸入規制は、韓国食品医薬品安全処が管轄している「輸入食品安全管理特別法」で定められています。同法により、輸入する食品などの海外の製造会社の名称、所在地および製造品目など、同法施行規則で定める事項を輸入申告する前に韓国食品医薬品安全処長に登録しなければなりません。また、登録をした海外製造業所に対しては、査察官が来日して現地実態調査を行う可能性があります。

関連リンク

関係省庁
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根拠法等
輸入食品安全管理特別法(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2021年7月1日一部改正施行版です
輸入食品安全管理特別法施行規則(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2021年3月16日一部改正施行時のものです
食品衛生法(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2017年5月19日施行時のものです
食品の基準および規格(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
海外製造業所および海外作業場の現地実態調査方法および基準(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2021年4月28日に一部改正公布・施行時のものです。
その他参考情報
ジェトロ「韓国輸入食品安全管理特別法に関する情報」

韓国での輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2023年8月

営業者が販売を目的に、または営業上使用する目的で食品などを輸入する際は、韓国食品医薬品安全処長に輸入申告をしなければなりません。輸入申告にあたっては、通常の通関書類に加え輸出証明書が必要になります。輸出証明書については、関連リンクの農林水産省「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う食品等に係る諸外国・地域への輸出に関する証明書発行等について」「韓国向け輸出証明書等の概要について」を参照してください。

食品を輸入・販売する個人または法人は、事前に「輸入食品等輸入販売業の営業登録」を行わなければなりません。

また、食品を輸入するためには、輸入者または海外製造業所の設置・運営者が海外製造業所の名称、所在地および製造品目など、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定める事項を、輸入申告する前に、韓国食品医薬品安全処長に登録しなければなりません。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2023年8月

輸入者(または輸入代行業者)は、食品の輸入通関にあたり、関税庁「電子通関システム」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(韓国語)」を通して輸入申告を行わなければなりません。「関税法施行規則別紙第1号の3書式」(輸入申告書)によると、輸入申告時に提出する書類は、インボイス、価格申告書、船荷証券副本、包装明細書、原産地証明書などがあります。

「輸入食品安全管理特別法」によると、食品全般は、輸入申告を行う際に、韓国食品医薬品安全処による食品検査を受ける必要があります。

食品検査の際には、「食品・医薬品分野の試験・検査等に関する法律」により政府から指定された試験・検査機関により検査を受けなければなりません。試験・検査機関は韓国食品医薬品安全処のウェブサイトに記載の「食品専門試験検査機関」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(韓国語)」を参照してください。詳細は「3.輸入時の検査・検疫」を参照してください。
この試験・検査の結果、輸入しても問題ないと判定された食品については、管轄の地方食品医薬品安全庁により「輸入食品等の輸入申告確認証」が発行されます。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2023年8月

食品を対象とする輸入申告書が提出されると、管轄の地方食品医薬品安全庁により、対象食品の輸入条件に従って、「書類検査」「現場検査」「精密検査」「無作為標本検査」などの検査で適合・不適合の判定が下されます。検査の詳細は、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定められています。試験・検査を行う機関は、韓国食品医薬品安全処のウェブサイトに記載の「試験検査機関の指定現況」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(韓国語)」を参照してください。

検査内容としては、成分分析、動植物検疫、残留農薬、重金属、ラベル内容などがあります。「食品の基準および規格」「食品添加物の基準および規格」「食品などの表示基準」などを参照してください。

処理期間については、書類検査には2日間、現場検査には3日間、無作為標本検査には5日間(畜産物の場合は18日間)、精密検査には10日間(畜産物の場合は18日間)を要します。

食品検査にかかる手数料は、「食品・医薬品分野の試験・検査手数料に関する規定」で定められています。韓国食品医薬品安全処のウェブサイト「検査手数料の情報」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(韓国語)を参照してください。

なお、日本から輸入される食品の場合は、食品検査と放射性物質検査が毎回輸入時に行われます。

4. 販売許可手続き

調査時点:2023年8月

食品を輸入・販売する個人または法人は、事前に「輸入食品安全管理特別法」が定めている「輸入食品等輸入販売業の営業登録」を行わなければなりません。外資企業の規制などは特にありません。
営業登録を行おうとする者は、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定めるところにより、営業に必要な施設を備え、営業登録申請書を管轄の地方食品医薬品安全庁の長に提出しなければなりません。また、事前および毎年、輸入食品などの衛生管理に関する教育を受けなければなりません。教育機関、教育内容、教育時間、教育費などの教育に必要な事項は、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定めています。

関連リンク

関係省庁
韓国食品医薬品安全処(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
韓国企画財政部(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
韓国国税庁(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
輸入食品安全管理特別法(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2021年7月1日一部改正施行版です
輸入食品安全管理特別法施行規則(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2021年3月16日一部改正施行時のものです。

5. その他

調査時点:2023年8月

食品を輸入・販売する個人または法人は、毎年、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定めるところにより、輸入食品などの衛生管理に関する教育を受けなければなりません。教育機関、教育内容、教育時間、教育費などの教育に必要な事項は、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定めています。

韓国食品医薬品安全処長は、輸入申告された輸入食品などが次の各号のいずれかに該当する場合には、当該輸入申告の受理を保留することができます。

  1. テロの手段として使用される恐れがある場合
  2. 「感染症の予防および管理に関する法律」による感染症の病原体に汚染されたか、汚染されたおそれがある場合
  3. 人体が危害物質に汚染されたと判断されるが、汚染するかどうかを確認するための検査項目を特定することが困難または定められた試験方法がない場合
  4. 国内で申告および登録などをしていないか、許可、承認などを受けていない農薬、動物用医薬品、遺伝子組換え食品などの物質が使用されていると判断された場合であって、その原料や成分について定められた試験方法がない場合
  5. その他当該輸入食品などにより、国民の健康に重大な危害が発生し、または発生するおそれがあり、迅速な措置が必要な場合

「資源の節約とリサイクル促進に関する法律」の改正により、紙パック、ガラス瓶、金属缶、合成樹脂を包装材として使っている食品の輸入者は、「包装材のリサイクル義務生産者」として、輸入する製品に対して、包装材の材質および構造評価を受けなければなりません。
環境部長官は、「包装材の材質・構造評価等に関する業務処理方針」に違反した包装材を製造・輸入するか、これを利用した製品を販売している者に、1年以内の範囲で期間を定めて材質および構造とリサイクルしやすさなどに関する改善を命ずることができますが、その命令を受けた者がこれを履行しない場合には、当該製品の製造・輸入および販売の中止を命ずることができます。

韓国内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2023年8月

「関税法」に従い、輸入清涼飲料水には次の表のとおり関税が課されます。
WTO協定税率のうち、推薦税率(W1)は市場アプローチ物量が設定されている農林畜産物に対する譲許関税のうち推薦機関からの推薦を受けた場合に適用します。未推薦税率(W2)は市場アプローチ物量が設定されている農林畜産物に対する譲許関税のうち推薦機関からの推薦を受けられなかった場合に適用します。

表:清涼飲料水の輸入関税率
HSコード 基本税率 WTO協定税率 RCEP協定税率 備考
2009.1 50% ○ 推薦税率:なし
○ 未推薦税率:54%
WTO協定税率を優先適用
2009.2 30% 24%(中国、ASEAN、豪州、ニュージーランド) RCEPの対象である場合、RCEP協定税率を優先適用
2009.31-1000 50% 35%(中国、日本、ASEAN、豪州、ニュージーランド) RCEPの対象である場合、RCEP協定税率を優先適用
2009.31-2000 50% 35%(中国、日本、ASEAN、豪州、ニュージーランド) RCEPの対象である場合、RCEP協定税率を優先適用
2009.31-9000 50% ○ 推薦税率:なし
○ 未推薦税率:54%
WTO協定税率を優先適用
2009.39-1000 50% 35%(中国、日本、ASEAN、豪州、ニュージーランド) RCEPの対象である場合、RCEP協定税率を優先適用
2009.39-2000 50% 35%(中国、日本、ASEAN、豪州、ニュージーランド) RCEPの対象である場合、RCEP協定税率を優先適用
2009.39-9000 50% ○ 推薦税率:なし
○ 未推薦税率:54%
WTO協定税率を優先適用
2009.4 50% 35%(中国、日本、ASEAN、豪州、ニュージーランド) RCEPの対象である場合、RCEP協定税率を優先適用
2009.5 30% 28.9%(ASEAN、豪州、ニュージーランド) RCEPの対象である場合、RCEP協定税率を優先適用
2009.6 45%
2009.7 45%
2009.81 50% 40%(中国、ASEAN、豪州、ニュージーランド) RCEPの対象である場合、RCEP協定税率を優先適用
2009.89-10 50%
2009.89-20 30% 28.9%(ASEAN、豪州、ニュージーランド) RCEPの対象である場合、RCEP協定税率を優先適用
2009.90-10 50%
2009.90-20 30% 28.9%(ASEAN、豪州、ニュージーランド) RCEPの対象である場合、RCEP協定税率を優先適用
2009.90-90 50%
2201 8%
2202.1 8%
2202.91 8%
2202.99-1000 8% 6.4%(中国、日本、ASEAN、豪州、ニュージーランド) RCEPの対象である場合、RCEP協定税率を優先適用
2202.99-2000 8% ○ 推薦税率:なし
○ 未推薦税率:9%
6.3%(ASEAN、豪州、ニュージーランド) WTO協定税率を優先適用
2202.99-3000 8% 5.6%(中国、日本、ASEAN、豪州、ニュージーランド) RCEPの対象である場合、RCEP協定税率を優先適用
2202.99-9000 8% 5.6%(中国、日本、ASEAN、豪州、ニュージーランド) RCEPの対象である場合、RCEP協定税率を優先適用
  • 「関税法」別表の関税率表
  • 「世界貿易機関協定等による譲許関税規程」のうち別表1のイ
  • 「関税法」第50条
  • 「RCEP協定文」付属書の関税譲許表

関税の納税義務者は、輸入申告もしくは入港前輸入申告の際に、輸入する物品の価格について税関長に申告をしなければなりません。その申告を受けて、物品の性質と数量に応じて関税が賦課されます。
賦課された関税については、申告が受理されてから15日(営業日基準)以内に納付しなければなりません。

2. その他の税

調査時点:2023年8月

事業または輸入を行う個人、法人、法人格のない社団・財団などは、「付加価値税法」に基づいて付加価値税を納付する義務があります。課税の対象は、事業者が行う「財貨またはサービスの供給」と「財貨の輸入」です。付加価値税の税率は10%で、次のとおり計算します。

  • 付加価値税=(CIF価格+輸入関税)×10%

3. その他

調査時点:2023年8月

「関税法」、「対外貿易法」、「農水産物の原産地表示等に関する法律」により、輸入食品には原産地表示をしなければなりません。「対外貿易管理規程」別表8には原産地表示対象物品が定められており、HSコード2009、2201、2202は原産地表示対象物品です。また、韓国関税庁告示の「原産地表示制度の運営に関する告示」別表2には、2009(果実ジュース)および2202(朝鮮人参飲料、果汁飲料(ジュースを除く)、シッケ(韓国式甘酒))については「小売用最小包装または包装容器などに原産地表示」をするよう定められており、2201(水、鉱水、炭酸水)については「小売用最小包装に原産地表示」をするよう定められています。

原則として、輸入時には、輸入申告の前に原産地表示をしなければならず、輸出国においてあらかじめ原産地表示がなされていない場合には、輸入申告する前に韓国の保税倉庫で補修作業を行う必要があります。補修作業には別途コストがかかる可能性があり、これらの作業は、輸入者が輸入代行者などに委託する業務のため、条件によってコストは異なります。

関連リンク

その他

調査時点:2023年8月

「子供食生活安全管理特別法」により、「食品衛生法」第7条第1項および「畜産物衛生管理法」第4条第2項の規定により基準および規格が告示された次の各目の食品は、「子供嗜好食品」として安全管理が強化されています。

  1. 菓子類のうち菓子(韓菓類を除く)およびキャンディー類
  2. パン類
  3. チョコレート類
  4. 乳加工品の加工乳類、発酵乳類(発酵バター乳と発酵乳粉は除く)
  5. 魚肉加工品類のうち魚肉ソーセージ
  6. 麺類(カップ麺のみ)
  7. 飲料類のうち果実・野菜ジュース、果実・野菜飲料、炭酸飲料、乳酸菌飲料、混合飲料。ただし、主に大人が飲む飲料であることを製品に表示または広告する炭酸飲料および混合飲料を除く。
  8. 即席摂取食品のうちのり巻き(韓国式)、ハンバーガーおよびサンドイッチ
  9. 氷菓類のうち氷菓およびアイスクリーム類

韓国食品医薬品安全処は、「子供嗜好食品」について、安全で、栄養を備えた製品の製造・流通・販売を奨励するために、「子供嗜好食品品質認証制度」を設立し、子供嗜好食品の安全基準、栄養基準、食品添加物の使用基準を設けています。
任意で認証を取得する場合の各基準は、次のとおりです。

  1. 安全基準:HACCP基準に適合した食品、輸入食品の場合は優秀輸入業所および海外優秀製造業所から輸入した加工食品
  2. 栄養基準:糖類を添加していない食品(果実・野菜ジュース)、1回の参考摂取量あたりの栄養素基準値(エネルギー量、飽和脂肪、糖類)を満たしている食品、または栄養素基準値の5%以上(タンパク質)、栄養素基準値の10%以上(食物繊維)、栄養成分基準値の15%以上(ビタミン、無機質)のうち2つ以上含有する食品
  3. 食品添加物使用基準:食用タール色素、合成保存料(パン類、魚肉加工品、飲料類)および化学的合成品(魚肉加工品、カップ麺)不使用の食品
    詳細は、「子供嗜好食品の品質認証の現状」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(韓国語)を参照してください。

子供の栄養を考慮し、一定の基準よりもエネルギー量が高く栄養価が低い食品を「高エネルギー・低栄養食品」として定めています。詳細は「高エネルギー・低栄養食品の栄養成分の基準」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(韓国語)を参照してください。この「高エネルギー・低栄養食品」については、テレビ、ラジオ、インターネットなどでの広告が制限される場合があります。