日本からの輸出に関する制度 牛肉の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義する牛肉のHSコード

0201:牛の肉(生鮮のものおよび冷蔵したものに限る)
0202:牛の肉(冷凍したものに限る)

韓国の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2023年6月

畜産物の規格については「食品の基準および規格」「食品添加物の基準および規格」「器具および容器・包装の基準および規格」などに定められています。
畜産物の場合、重金属、異物、細菌および大腸菌群、大腸菌、食中毒菌、ウェルシュ菌、黄色ブドウ球菌、ダイオキシン、ベンゾピレン、放射性物質、残留農薬、残留動物用医薬品、医薬品成分、揮発性塩基窒素(食肉の場合)、酸度および比重(原乳の場合)などの規格が定められています。

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2023年6月

畜産物に残留した農薬および動物用医薬品については「食品の基準および規格」(農薬:第2.食品一般に対する共通基準および規格 3.食品一般の基準および規格 9)畜水産物における残留物質の残留許容基準。 動物用薬品:第2.食品一般に対する共通基準および規格 3.食品一般の基準および規格 8)動物用医薬品の残留許容の基準」)に定められています。
別途動物用医薬品の残留許容基準を定めていない場合は、次の各項の基準が順次適用されます。

別途動物用医薬品の残留許容基準を定めていない場合は、次の各項の基準が順次適用されます。

  1. CODEX基準
  2. 類似食用動物の残留許容基準のうち該当部位の最低基準
  3. 抗菌剤については、0.03mg/kgを適用

*「食品の基準および規格」(韓国食品医薬品安全処告示第2023-56号、2023年8月31日)により、2024年からは、畜産物については「牛、豚、鶏、牛乳、鶏卵」、水産物については「魚類」に対し、「食品の基準および規格」の告示に別途残留許容基準が定められていない場合は0.01mg/kg以下が適用(ただし、成長補助剤、ステロイド性の抗炎症薬は検出されてはならない)されます。

食品別の残留農薬における基準は、韓国食品医薬品安全処のウェブサイト(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでも確認することができます。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2023年6月

重金属および汚染物質、含有禁止の化学物質、食品の成分として使用が禁止される物質などの規定については、関連リンクの「食品の基準および規格」で確認することができます。

畜産物は、食肉の処理過程で、それ以上除去できない大きさより大きな異物や汚染された非衛生的な異物と、人体に危害を及ぼす硬く鋭い異物を含有してはなりません。金属のくずは、食品の中に10.0mg/kg以上検出されてはならず、その金属異物の大きさは2 mmを超えてはなりません。

(1)食肉(製造、加工用原料を除く)、(2)殺菌または滅菌処理またはそれ以上の加工、加熱調理をせずにそのまま摂取する加工品は、サルモネラ(Salmonella spp.)、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)、リステリアモノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、腸管出血性大腸菌(Enterohemorrhagic Escherichia coli)などの食中毒菌について規制値が設けられています(25g当たりn=5、c= 0、m= 0)。また、食肉および食肉製品では結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、ブルセラ菌(Brucella spp.)が陰性でなければなりません。
セレウス菌(Bacillus cereus)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、 ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)などについても食品の種類によって基準が定められています。

韓国食品医薬品安全処は、ウェブサイト「食品の基準および規格」(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでも検索できるように公開しています。
牛肉の重金属基準は、鉛は0.1mg/kg、カドミウムは0.05mg/kg以下です。

関連リンク

関係省庁
韓国食品医薬品安全処(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
食品衛生法(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2017年5月19日施行時のものです
食品の基準および規格(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食品添加物の基準および規格(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2016年11月16日施行時のものです
畜産物衛生管理法(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2017年2月4日施行時のものです

4. 食品添加物

調査時点:2023年6月

食肉加工品への食品添加物の使用は、「食品添加物の基準および規格」で定められています。キャリーオーバーについて、ある食品には使用できない食品添加物が、その食品添加物を使用できる原料に由来したものであれば、原料から移行された範囲内で食品添加物の使用基準の制限を受けません。

食品添加物の品目別使用基準は、韓国食品医薬品安全処のウェブサイト(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで検索できます。

関連リンク

関係省庁
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根拠法等
食品衛生法(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2017年5月19日施行時のものです
食品添加物の基準および規格(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2016年11月16日施行時のものです
食品の基準および規格(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
食品医薬品安全処「食品添加物公典」(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
キーワードで食品添加物の規格と基準が検索できます。
農林水産省「各国の食品・添加物等の規格基準」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

5. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2023年6月

食品容器については、「食品衛生法」に基づき、韓国食品医薬品安全処告示「器具および容器・包装の基準および規格」で定められています。同告示には、器具および容器・包装についての共通の製造基準、共通規格、用途別規格、基準および規格の適用、基準および規格の適合性判定、検体の採取と取り扱い方法、保存と流通基準などが定められています。

包装容器のリサイクルに関しては、「資源の節約とリサイクル促進に関する法律」に定められており、製造業者と輸入業者は、環境部令「製品の包装材質・包装方法に関する基準等に関する規則」と環境部告示「包装材の材質・構造の等級表示基準」などに従う必要があります。
「資源の節約とリサイクル促進に関する法律」に従い、紙パック、ガラス瓶、金属缶、合成樹脂を包装材として使っている食品の輸入業者は、「包装材のリサイクル義務生産者」として、輸入する製品に対して、包装材の材質および構造評価を受けなければなりません(前年度の年間輸入額が3億ウォン未満の輸入業者または前年度の年間輸入量が1トン未満の輸入業者は「リサイクル義務生産者」から除く)。また、リサイクルが困難な有色ペットボトル、ポリ塩化ビニール素材の包装材、ペットボトルに使用する接着剤のうち熱・アルカリ性分離が不可能なものは使用禁止となりました。さらに、韓国内で流通されるすべての製品の包装材を紙パック、ガラス瓶、金属、ペットボトルなど9つに分類し、リサイクル可否の程度によって、「最優秀」「優秀」「普通」「困難」の4つの等級を設けています。
このうち、「困難」等級に該当する製品には「リサイクル困難」という文言を表示しなければならず、当該包装材の生産者には割り増しのリサイクル賦課金が課されます(韓国環境部告示「包装材のリサイクル容易性における等級評価の基準」を参照してください)。
「製品の包装材質・包装方法に関する基準等に関する規則」によると、製品を製造・輸入または販売する者は、リサイクルが容易な包装材を使用し、重金属が含有された材料の包装材を製造し、流通させないようにしなければなりません。包装材のリサイクルを困難にする重金属の種類および濃度および試験方法などについては「包装材の重金属含有量推奨基準および試験方法等に関する告示」を参照してください。

畜産物(牛肉)の包装方法については、「畜産物衛生管理法施行規則」別表「畜産物の包装方法等」に定められています。牛肉は小売単位(1~5頭の単位を推奨)、部位別(20kg以下の単位を推奨)またはバルク単位(25頭以下の単位を推奨)で包装し、その外部に合格表示をしなければなりません。

6. ラベル表示

調査時点:2023年6月

輸入食品および輸入食品添加物などは、通関をする前までに、消費者に販売する製品の最小販売単位別の容器や包装に「食品などの表示基準」で定められた事項を表示しなければなりません。日本であらかじめラベルを貼り付ける、または印刷して輸入する場合を除くと、輸入申告する前に韓国の保税倉庫でラベルを貼るための作業が必要です。 表示は韓国語で行わなければなりませんが、消費者の理解を助けるために漢字や外国語を混用、または併記して表示することができます。その場合の漢字や外国語は、韓国語表示の活字と同じまたは小さい活字で表示しなければなりません。
畜産物の場合は、「畜産物の表示基準」に従って表示をしなければなりません。具体的な表示内容は、次のとおりです。

  • 製品名
  • 畜産物の類型
  • 輸出国の加工業者名、輸入者名とその所在地
  • 消費期限
  • 内容量
  • 原材料名・成分名と含有量(該当する場合に限る)
  • 容器・包装材質
  • 成分名と含有量(該当する場合に限る)
  • 注意事項:「解凍後に再冷凍しないでください」表示、アレルギー誘発物質表示(該当する場合に限る)など アレルギー誘発物質表示対象食品:卵類(家禽類に限る)、牛乳、ソバ、ピーナッツ、大豆、小麦、サバ、カニ、エビ、豚肉、モモ、トマト、亜硫酸類(これが添加されていて最終製品に二酸化硫黄が10mg/kg以上含有されている場合に限る)、クルミ、鶏肉、牛肉、イカ、貝類(カキ、アワビ、イガイを含む)、松の実、その他(該当する場合に限る)
  • 保管方法(該当する場合に限る)
  • 「対外貿易法」による原産地表示・保管方法(該当する場合に限る)
  • 「遺伝子組換え食品などの表示基準」による表記(該当する場合に限る)
  • 「資源の節約とリサイクル促進に関する法律」による表記
  • 放射線照射に関する表記(該当する場合に限る)
  • その他表示事項(加熱処理方法により「殺菌製品」、「滅菌製品」、「非殺菌製品」で表示)

また、韓国食品医薬品安全処告示「牛・豚の食肉の表示方法および部位の区分基準」に基づき、韓国内でと畜され生産された牛肉については、品質を「1++、1+、1、2、3」の各等級に区分して表示することができます。ただし、韓国内でと畜され生産された牛肉以外の牛肉については、その等級を自律的に表示することができます。

7. その他

調査時点:2023年6月

食品安全・衛生に関する法律には、韓国食品医薬品安全処が管轄している「食品衛生法」があります。この法律は、食品により生じる衛生上の危害を防止し、食品の栄養向上を図り、食品に関する正しい情報を提供し、国民の健康増進に寄与することを目的としています。
この法律に基づいて、食品・食品原料・食品添加物・食品容器・食品器具・食品包装などの食品関連の基準・規格・規則などが定められています。

韓国食品医薬品安全処長は、食品の原料管理、製造・加工・調理・小分け・流通のすべての過程で危害物質が食品に混じることや、食品が汚染されることを防止するために、各プロセスの危害要素を確認・評価して重点的に管理する基準を食品ごとに定めて告示することができます。
総理令で定める食品を製造・加工・調理・小分け・流通する営業者は、この規定により韓国食品医薬品安全処長が告示した食品安全管理の認証基準を守らなければなりません。

また、食品の輸入規制は、韓国食品医薬品安全処が管轄している「輸入食品安全管理特別法」で定められています。同法により、輸入する食品などの海外作業所の名称、所在地および製造品目など、同法施行規則で定める事項を韓国食品医薬品安全処長に登録しなければなりません。また、登録をした海外作業所に対しては、査察官が来日して現地実態調査を行う可能性があります。

関連リンク

関係省庁
韓国食品医薬品安全処(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
輸入食品安全管理特別法(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2021年7月1日一部改正施行時のものです
輸入食品安全管理特別法施行規則(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2021年3月16日一部改正施行時のものです
食品衛生法(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2017年5月19日施行時のものです
食品の基準および規格(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
畜産物衛生管理法(韓国語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2017年2月4日施行時のものです
その他参考情報
ジェトロ「韓国輸入食品安全管理特別法に関する情報」