日本からの輸出に関する制度 牛肉の輸入規制、輸入手続き
品目の定義
本ページで定義する牛肉のHSコード
0201:牛の肉(生鮮のものおよび冷蔵したものに限る)
0202:牛の肉(冷凍したものに限る)
関連リンク
- 関係省庁
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韓国食品医薬品安全処(韓国語)
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韓国関税庁(韓国語)
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韓国農林畜産食品部(韓国語)
- 根拠法等
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輸入食品安全管理特別法(韓国語)
/ (ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2021年7月1日一部改正施行版です -
関税法(韓国語)
- その他参考情報
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関税法令情報ポータル(CLIP)(韓国語)
韓国の輸入規制
1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)
調査時点:2024年6月
輸入地域に関する規制
韓国では、農林畜産食品部告示「指定検疫物の輸入禁止地域」で畜産物輸入禁止地域を明らかにしています(指定検疫物の詳細については、「家畜伝染病予防法施行規則」を参照してください)。一方、畜産物は、滅菌、殺菌、加工を行うことにより家畜伝染病病原体の流入を防ぐことができるため、一定のプロセス(農林畜産検疫本部告示「指定検疫物の滅菌、殺菌、加工の範囲と基準」を参照してください)を経た畜産物は輸入できますが、その場合も韓国食品医薬品安全処から「海外作業所」として登録された施設を通して輸出する必要があります。
輸入する畜産物が指定検疫物か、(畜産物を含む)加工食品かによって輸入プロセスを管理する主体も、システムも変わるため、注意が必要です。食品全般(加工した畜産物を含む)については、韓国食品医薬品安全処が輸入プロセス全般を管轄していますが、指定検疫物については、農林畜産検疫本部が輸入したものの検疫を管轄し、検疫が終わってから韓国食品医薬品安全処が管轄します。
畜産物の輸入許容国とその品目については、 韓国食品医薬品安全処のウェブサイト(韓国語)で確認することができます。
現在、日本から牛肉の輸入はできません。農林畜産食品部告示の「指定検疫物の輸入禁止地域」によると、日本は牛肉の輸入禁止地域に含まれており、韓国での販売は禁止されています。指定検疫物の輸入禁止地域から解除された畜産物であっても、韓国食品医薬品安全処から「海外作業所」として登録された施設を通して輸出する必要があります。
海外作業所として承認されている施設については、次の検索サイト(韓国語)で確認することができます。
放射性物質に関する規制
前述のとおり、現在、日本から韓国への牛肉の輸出は不可ですが、輸入できるようになった場合は、次の規制が適用されます。
韓国では、日本産食品に対して、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う輸入規制措置を行っています。宮城県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、長野県、静岡県(13都県)で生産された牛肉については、政府機関発行の放射性物質検査証明書が求められます。13都県以外で生産された製品については、政府機関発行の産地証明書が求められます。これらの証明書は、インターネットの輸出証明書発行システムを通して申請します。詳細は、関連リンクのその他参考情報「農林水産省『韓国による日本産食品の輸出に係る原発関連の規制について』」を参照してください。 韓国政府が定めている放射性物質の上限値は、すべての食品について放射性ヨウ素131は100Bq/kgです。乳・乳製品、乳児用食品などを除くすべての食品に対する放射性セシウム134および137の基準値は100Bq/kgです(乳・乳製品、乳児用食品などは50Bq/kgです)。詳細は関連リンクの「食品の基準および規格」を参照してください。
関連リンク
- 関係省庁
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韓国農林畜産食品部(韓国語)
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韓国農林畜産検疫本部(韓国語)
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韓国食品医薬品安全処(韓国語)
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韓国関税庁(韓国語)
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農林水産省
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動物検疫所
- 根拠法等
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輸入食品安全管理特別法(韓国語)
/ (ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2021年7月1日一部改正施行版です -
家畜伝染病予防法(韓国語)
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家畜伝染病予防法施行規則(韓国語)
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指定検疫物の輸入禁止地域(韓国語)
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畜産物又は動物性食品の輸入許容国家(地域)及び輸入衛生要件(韓国語)
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指定検疫物の滅菌、殺菌、加工の範囲と基準(韓国語)
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食品の基準および規格(韓国語)
- その他参考情報
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農林水産省「韓国による日本産食品の輸出に係る原発関連の規制について」
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動物検疫所「日本からの動物および畜産物の輸入停止を通知・発表している国・地域」
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韓国農林畜産検疫本部「海外作業所承認現状」検査サイト(韓国語)
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韓国食品医薬品安全処「海外作業所照会」検索サイト(韓国語)
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畜産物の輸入許容国家(韓国語)
- ジェトロ「貿易管理制度」
2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)
調査時点:2024年6月
※前述「輸入規制 1 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)」のとおり、日本から韓国への牛肉の輸出は不可ですが、本項目以降は、今後輸出可となった場合に必要となる事項についての記載となります。
書類
韓国向けに畜産物を輸出するには、日本の動物検疫所が行う検査に合格し、検査証明書の交付を受けなければなりません。韓国当局が求める輸入衛生条件を満たしている必要があります。
そのほか、輸入通関にあたって、輸出者側で用意すべき書類には、産地や品目に応じて日付証明書、産地証明書、放射性物質検査証明書などがあります。詳細については、関連リンクの農林水産省「韓国による日本産食品の輸出に係る原発関連の規制について」を参照してください。
施設登録
農林水産省を通じ、韓国当局によって加工を行う施設(海外作業所。日本での「対韓国輸出畜産加工品施設」)の登録を受ける必要があります。
ただし、日本産牛肉は現時点では韓国に輸入できません。
関連リンク
- 関係省庁
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韓国食品医薬品安全処(韓国語)
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農林水産省
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動物検疫所
- 根拠法等
-
輸入食品安全管理特別法(韓国語)
/ (ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2021年7月1日一部改正施行時のものです -
輸入食品安全管理特別法施行令(韓国語)
/ (ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2016年2月4日施行時のものです -
輸入食品安全管理特別法施行規則(韓国語)
/ (ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2021年3月16日一部改正施行時のものです - その他参考情報
- ジェトロ「韓国輸入食品安全管理特別法に関する情報」
-
農林水産省「韓国向け輸出証明書等の概要について」
3. 動植物検疫の有無
調査時点:2024年6月
輸出時は、動物検疫所に対して輸出検査の申請が必要な場合があります。特に、相手国(輸入国)が家畜の伝染性疾病を拡散するおそれの有無についての輸出国の証明を求めている動物、畜産物などを輸出する際には輸出検査が必要です。その場合、書類審査・現物検査などの結果、家畜の伝染性疾病を広げるおそれがないと認められたとき、また、相手国の条件を満たしていると認められたときは、輸出検疫証明書、あるいは、相手国政府が求める様式の証明書が交付されます。詳細は、関連リンクの「畜産物の輸出相談窓口」を参照してください。
一方、相手国が日本の畜産物などの輸入を停止している場合には、輸出検疫証明書の交付はできません。
韓国での輸入手続き
1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)
調査時点:2024年6月
営業者が販売を目的に、または営業上使用する目的で食品などを輸入する際は、韓国食品医薬品安全処長に輸入申告を行わなければなりません。輸入申告にあたっては、通常の通関書類に加え輸出証明書が必要になります。輸出証明書については、関連リンクのその他参考情報の農林水産省「韓国向け輸出証明書等の概要について」を参照してください。
畜産物の輸入を申告する者は、海外作業所の登録(海外作業所の設置運営者は、畜産物に係る輸入申告の前に、輸出国の政府を通じて韓国の食品医薬品安全処の長に対して登録を申請しなければなりません。)をしたうえで、輸出国政府と韓国食品医薬品安全処長との協議のうえ決められた様式の輸出衛生証明書を添付する必要があります。
また、食品を輸入・販売する個人または法人は、事前に「輸入食品等輸入販売業の営業登録」を行わなければなりません。
関連リンク
- 関係省庁
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韓国食品医薬品安全処(韓国語)
-
韓国関税庁(韓国語)
- 根拠法等
-
輸入食品安全管理特別法(韓国語)
/ (ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2021年7月1日一部改正施行時のものです -
関税法(韓国語)
- その他参考情報
-
韓国関税庁「電子通関システム」(韓国語)
-
農林水産省「韓国向け輸出証明書等の概要について」
- ジェトロ「韓国輸入食品安全管理特別法に関する情報」
- ジェトロ「輸出入手続」
2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)
調査時点:2024年6月
輸入者(または輸入代行業者)は、食品の輸入通関にあたり、関税庁「電子通関システム(韓国語)を通して輸入申告を行わなければなりません。「関税法施行規則別紙第1号の3書式」(輸入申告書)によると、輸入申告時に基本的に提出する書類には、仕入書(インボイス)、価格申告書、船荷証券(または航空貨物運送状)副本(原本は貨物の引き渡しを受ける際に必要)、包装明細書、産地証明書(関税率の適用などのために原産地確認が必要な場合)などがあり、畜産物(牛肉)の場合には、次の輸入要件証明書類をあわせて具備する必要があります。
- 「畜産物検疫証明書」:「家畜伝染病予防法」に基づき農林畜産検疫本部長に申告し、検疫を受けたことを証明する書類
- 「輸入食品などの輸入申告確認証」:「輸入食品安全管理特別法」に基づき、地方食品医薬品安全庁長に申告し検査を受けたことを証明する書類(地方食品医薬品安全庁に申告する際、衛生証明書が必要)
食品の試験・検査機関については、韓国食品医薬品安全処のウェブサイトの検索ページ 「食品専門試験検査機関」(韓国語)を参照してください。詳細は「3.輸入時の検査・検疫」を参照してください。
関連リンク
- 関係省庁
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韓国食品医薬品安全処(韓国語)
-
韓国関税庁(韓国語)
- 根拠法等
-
輸入食品安全管理特別法(韓国語)
/ (ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2021年7月1日一部改正施行時のものです -
関税法(韓国語)
-
家畜伝染病予防法(韓国語)
- その他参考情報
- ジェトロ「韓国輸入食品安全管理特別法に関する情報」
- ジェトロ「輸出入手続」
-
韓国関税庁「電子通関システム」(韓国語)
3. 輸入時の検査・検疫
調査時点:2024年6月
検疫
輸入時は、「家畜伝染病予防法」により、指定検疫物(牛肉、鶏卵、原乳、加工または滅菌していない畜産加工品などの動物生産物)を輸入した者は、遅滞なく動物検疫機関の長に検疫を申請して検疫官の検疫を受けなければなりません。その際、輸出国の政府機関が家畜伝染病の病原体を広げるおそれがないと証明する検疫証明書を添付しなければなりません。
検疫の期間は3日間であり、農林畜産食品部令で定める手数料(1件あたり2万ウォン)を支払わなければなりません。
申請書は、管轄の農林畜産検疫本部 地域本部に提出することになっており、輸出者、輸出国、取引品名、金額、重量、到着港、生産国、船積み港、船積み日などの貿易情報を記載して提出しなければなりません。
食品検査
検疫手続きが終わり、合格を受けた畜産物は、食品として食品検査などの輸入手続きを進めることができます。
外国から動物の伝染性疾病の病原体の流入を遮断するために制定された「家畜伝染病予防法」に基づく農林畜産食品部告示の「指定検疫物の輸入禁止地域」で、畜産物の品目ごとに輸入できる地域などが決められているため、禁止地域からの輸入は基本的に禁止されます。
なお、指定検疫物ではない場合も食品として食品検査を受ける必要があります。食品を対象とする輸入申告書が提出されると、管轄の地方食品医薬品安全庁により、対象食品の輸入条件に従って、「書類検査」「現場検査」「精密検査」「無作為標本検査」などの検査で適合・不適合の判定が下されます。検査の詳細は、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定められています。試験・検査を行う機関は、関連リンクの韓国食品医薬品安全処のウェブサイトに記載の「「試験検査機関の指定現況(韓国語)」を参照してください。 検査内容としては、成分分析、動植物検疫、残留農薬、重金属、ラベル内容などがあります。「食品の基準および規格」「食品添加物の基準および規格」「食品などの表示基準」を参照してください。
処理期間については、書類検査には2日間、現場検査には3日間、無作為標本検査には5日間(畜産物の場合は18日間)、精密検査には10日間(畜産物の場合は18日間)を要します。
食品検査にかかる手数料は、「食品・医薬品分野の試験・検査手数料に関する規程」により定められています。韓国食品医薬品安全処のウェブサイトに掲載の「検査手数料の情報」ページを参照してください。
なお、日本から輸入される食品の場合は、食品検査と一緒に放射性物質検査が毎回輸入時に行われます。
関連リンク
- 関係省庁
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韓国農林畜産食品部(韓国語)
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韓国農林畜産検疫本部(韓国語)
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動物検疫所
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韓国食品医薬品安全処(韓国語)
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韓国関税庁(韓国語)
- 根拠法等
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輸入食品安全管理特別法(韓国語)
/ (ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2021年7月1日一部改正施行時のものです -
畜産物衛生管理法(韓国語)
/ (ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2017年2月4日施行時のものです -
関税法(韓国語)
-
食品衛生法(韓国語)
/ (ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2017年5月19日施行時のものです -
食品添加物の基準および規格(韓国語)
/ (ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2016年11月16日施行時のものです -
食品などの表示基準(韓国語)
/ (ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2016年12月27日施行時のものです -
食品の基準および規格(韓国語)
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食品・医薬品分野の試験・検査等に関する法律(韓国語)
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食品・医薬品分野の試験・検査手数料に関する規程(韓国語)
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指定検疫物の検疫方法および基準(韓国語)
- その他参考情報
- ジェトロ「韓国輸入食品安全管理特別法に関する情報」
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韓国食品医薬品安全処「試験検査機関の指定現況」(韓国語)
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韓国食品医薬品安全処「検査手数料の情報」(韓国語)
4. 販売許可手続き
調査時点:2024年6月
食品を輸入・販売する個人または法人は、事前に「輸入食品安全管理特別法」が定めている「輸入食品等輸入販売業の営業登録」を行わなければなりません。
営業登録を行おうとする者は、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定めるところにより、営業に必要な施設を備え、営業登録申請書を管轄の地方食品医薬品安全庁の長に提出しなければなりません。また、事前に輸入食品などの衛生管理に関する教育を受けなければなりません。教育機関、教育内容、教育時間、教育費などの教育に必要な事項は、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定められています。
また、畜産物の販売は、「畜産物衛生管理法」に基づき、「畜産物販売業」として営業申請を行わなければならず、営業申請を行うためには、販売業態によって施設基準を満たす必要があります。
関連リンク
- 関係省庁
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韓国食品医薬品安全処(韓国語)
- 根拠法等
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輸入食品安全管理特別法(韓国語)
/ (ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2021年7月1日一部改正施行時のものです -
畜産物衛生管理法(韓国語)
/ (ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2017年2月4日施行時のものです -
輸入食品安全管理特別法施行規則(韓国語)
/ (ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2021年3月16日一部改正施行時のものです
5. その他
調査時点:2024年6月
食品を輸入・販売する個人または法人は、毎年、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定めるところにより、輸入食品などの衛生管理に関する教育を受けなければなりません。教育機関、教育内容、教育時間、教育費などの教育に必要な事項は、「輸入食品安全管理特別法施行規則」で定められています。
畜産物衛生管理法により、畜産物を輸入・販売する者は、販売した製品について、消費者から異物(畜産物の加工・包装・流通の過程において正常に使われた原料または材料ではないもので衛生上危害が発生するおそれがある、または食用には不適切な物質)に関する申告を受けた際には、それを韓国食品医薬品安全処長、市長、区役所長などの地方自治団体の長に報告しなければなりません。
韓国食品医薬品安全処長は、輸入申告された輸入食品などが次の各号のいずれかに該当する場合には、当該輸入申告の受理を保留することができます。
- テロの手段として使用される恐れがある場合
- 「感染症の予防および管理に関する法律」による感染症の病原体に汚染されたか、汚染されたおそれがある場合
- 人体に危害物質に汚染されたと判断されるが、汚染するかどうかを確認するための検査項目を特定することが困難または定められた試験方法がない場合
- 国内で申告および登録などをしていないか、許可、承認などを受けていない農薬、動物用医薬品、遺伝子組み換え食品などの物質が使用されていると判断された場合であって、その原料や成分について定められた試験方法がない場合
- その他当該輸入食品などにより、国民の健康に重大な危害が発生し、または発生するおそれがあり、迅速な措置が必要な場合
関連リンク
- 関係省庁
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韓国食品医薬品安全処(韓国語)
- 根拠法等
-
輸入食品安全管理特別法(韓国語)
/ (ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2021年7月1日一部改正施行時のものです -
輸入食品安全管理特別法施行規則(韓国語)
/ (ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2021年3月16日一部改正施行版です -
畜産物衛生管理法(韓国語)
/ (ジェトロ仮訳)
ジェトロ仮訳は2017年2月4日施行時のものです