技術・工業および知的財産権供与に関わる制度

最終更新日:2023年09月29日

技術・工業および知的財産権供与に関わる制度

南アフリカ共和国(以下、南ア)はパリ条約の加盟国であり、特許協力条約(PCT)にも加盟している。パリ条約加盟国では内外人平等の原則が適用されるため、南アは自国民と同様、外国人(加盟国のみ)の商標についても保護する義務がある。

参考レポート:ジェトロの「知的財産に関する情報(アフリカ)」ページ、および同ページ内「調査報告書・マニュアル」の『南アフリカの知的財産制度およびその運用に関する調査(2019年3月)』を参照。

管轄官庁

企業・知的所有権登録局(Companies and Intellectual Property Commission:CIPC外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
所在地:The DTI campus (Block F-Entfutfukweni), 77 Meintjies Street, Sunnyside, Pretoria, 0001
Tel:+27 (87) 743 7000(国外から)
Tel:086 100 2472(南ア国内)

  1. 特許権
    特許法(Patents Amendment Act 58 of 2002PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(433KB))で規定される特許権は、新規の発明をした創作者に与えられる独占的権利である。南アは、特許協力条約(Patent Cooperation Treaty:PCT)のメンバーであるので、PCTに基づく国際出願により、すべてのPCT加盟国に同時に出願したのと同じ効果を得られる。特許権の存続期間は、出願日から20年。
  2. 意匠権
    意匠法(Designs Act 195 of 1993PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(13.92MB))で規定される。意匠登録は、審美的意匠(Aesthetic Designs)と機能的意匠(Functional Designs)の2つに分類される。
    審美的意匠とは、物品に適用される意匠であり、視覚に訴えて美的感覚を起こさせる意匠をいう。一方、機能的意匠とは、物品に適用される意匠ではあるが、審美的意匠とは異なり、その意匠の機能を保護するための意匠をいう。それぞれ次のような要件が求められる。
    1. 審美的意匠
      • 新規性がありオリジナルなものである。
      • 形状、構造または装飾が美的である。
      • 工業的生産過程での製造が可能である。
    2. 機能的意匠
      • 新規性があり陳腐的でないものである。
      • 形状または構造が機能によって必要とされる。
      • 工業的生産過程での製造が可能である。

    存続期間は、審美的意匠権が登録日または公表日(いずれか早い方)から15年、機能的意匠権が同10年。登録日から3年が経過する前に、登録を更新する必要がある。

  3. 商標権
    商標法(Trade Marks Act 194 of 1993PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(15.39MB))で規定される。商標が登録されると、商標登録者には標章の独占的使用権が与えられる。商標が登録されている場合、他の者は同じまたは類似の商標を使用できず、使用した場合には法的措置が取られる可能性がある。商標法には、団体で使用している商品やサービスの商標を保護することを目的とする団体商標の規定もあり、これにより企業や団体が地名や原産地などを登録することができる。商標権の存続期間は出願日から10年で、その後所定の更新料を支払うことで、10年ごとに更新が可能。
  4. 著作権
    著作法(Copyright Amendment Act 9 of 2002PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(13.92MB))で規定される。文学作品、音楽、絵画、映画、コンピュータ・プログラムなどに関し、著者やデザイナーなどの独占的権利を保護するのが著作権であり、その存続期間は次のとおり。
    1. 記述された作品の場合、著者の没後50年。
    2. コンピュータ・プログラムの場合、最初の公開日から50年。
    3. 録音物、ラジオ番組、テレビ番組の場合は、最初の放送から50年。
    4. 映画は、最初の公開日から50年。
      映画やDVDなどの著作権を取得したい場合は、所定の手続きが必要。

      CIPC:知的財産(INTELLECTUAL PROPERTY外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます