ギアレス風力タービンを製造するVENSYS Energy AGが日本法人を設立
2022年05月26日
VENSYS Energy AGは1990年に ノインキルヒェン(ドイツ南西部)に設立され、風力発電用の永久磁石同期発電機を備えたギアレス風力タービンの開発・製造・メンテナンスを行う。同社の風車の特長は、直接駆動と特許を持つ永久磁石同期発電機(注)を備えたギアレス風力タービンにより、最小限の電力損失で高レベルの効率を実現している点。同社が開発した省メンテナンスの歯付ベルト駆動ブレードピッチシステムに加え、ギアレスタービンも採用しているため、修理・メンテナンスコストを削減することができる。世界で既に 同社が開発した風車が3万2,700 機導入され、6万5,000MWの発電量を誇る。
- 拠点設立
- 2020/09
- 進出先
- 東京都
- 環境・エネルギー
- ドイツ
風力発電機のピッチシステムは、風に対するブレード(羽根)の角度を調節することで、出力を制御し、これにより、変動する風力に対して発電効率が最適化される。ブレードの調整にギアボックスを使う企業が多い中、Vensys社は歯付きドライブベルトを使ったピッチシステムを開発した。ベルトを使ったシステムはギアボックスを用いる場合よりも構造が単純であり、ナセル上部での振動や干渉を受けにくく、費用効果が高いというメリットがある。また、歯付きベルトを介してモーターとブレードとの間で動力が伝達されるプロセスでは、動力が複数の歯に分散されるため、摩耗が最小限に抑えられ、安全性が向上するという利点もある。 顧客企業へのサポート強化及び同社の風車の更なる導入を目指し、2020年9月に東京にVensys Japan株式会社を設立した。
Vensysの日本法人設立に際し、ジェトロ対日投資・ビジネスサポートセンター(IBSC)は、市場情報の提供、および登記、ビザ、税務に係るコンサルテーションを行った。
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(注)
電動機、発電機などの回転電気機械において、磁界をつくるために設ける磁石である界磁に永久磁石を用いた同期発電機。同期発電機とは回転子の回転数で決まる周波数の交流を発生する発電機であり、永久磁石同期発電機の場合、回転子に直流電流を流すための装置(励磁装置)が不要なため、外部の電源回路から回転界磁に電流を導くためのスリップリングやブラシなどの電気接点がなく、構造が簡単で保守が容易である事等の利点がある。
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ジェトロIBSCでは、外国企業・在日外資系企業向けに、拠点設立に伴う登記手続やビザ申請等のサポートなど、企業のニーズやビジネスフェーズに合せた各種支援メニューを用意しています。
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