米財務省、ロシア産軽油の輸入禁止措置を緩和、2027年4月初旬まで
(米国、ロシア、ウクライナ)
ニューヨーク発
2026年10月14日
米国財務省外国資産管理局(OFAC)は10月9日、ロシア産軽油(ディーゼル燃料)の輸入などを米国東部時間2027年4月7日0時1分まで時限的に認める一般許可を発効
させた(注1)。ドナルド・トランプ大統領は同日、自身のSNSへの投稿で、ロシア産軽油の米国などへの供給について、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と合意したと発表していた。
11月3日に行われる中間選挙では、インフレや物価高が争点となっている(注2)。トランプ氏は10月6日、軽油に課される税負担を軽減するための大統領令を発令しており(2026年10月14日記事参照)、今回の措置はこれに続くものと位置付けられる。
一方で、今回の緩和措置は、ロシアのウクライナ侵攻以降続いた、一連のロシア制裁の一部を緩和するものだ。米国では、ジョー・バイデン前大統領が2022年3月に発表した大統領令により、ロシアからの石油や軽油などの輸入が禁止されている(2022年3月9日記事参照)。さらに2022年4月には、ロシアからの原油などのエネルギー輸入を禁止する「ロシア石油輸入停止法(H.R.6968)」が成立した。直近では、2026年9月に、ロシアに対して500%の追加関税の賦課やロシア産エネルギーを輸入している国に対する追加関税の賦課などを定めた法案が成立している(2026年9月18日記事参照)。
このため、今回の措置は、これまでの政権の方針と相反するものとみなされている。ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は10月9日、SNSへの投稿で、ロシア制裁の緩和が「ロシアにとって思うつぼだ」とし、制裁の継続を訴えた。また、超党派の連邦上院議員7人は10月11日、「米国はプーチン氏に財政的な命綱を提供すべきでない」として、政権に対し、方針を転換するよう求める声明
を発表した(注3)。また、緩和措置の発動に際してトランプ政権が連邦議会と協議を行っておらず、その措置の正当性を説明する資料も提出していないとして、「ロシア石油輸入停止法」に違反していると主張した。
(注1)ただし、ロシア中央銀行や財務省などによる、米国の金融機関に保有する口座からの引き落としは認められていない。
(注2)中間選挙で米国民が重視する事項などに関する世論調査結果については、2026年10月8日記事参照。
(注3)ジーン・シャヒーン氏(民主党・ニューハンプシャー州)、スーザン・コリンズ氏(共和党・メーン州)、リチャード・ブルーメンソール氏(民主党・コネチカット州)、リサ・マコウスキー氏(共和党・アラスカ州)、ロン・ワイデン氏(民主党・オレゴン州)、トム・ティリス氏(共和党・ノースカロライナ州)、ジョン・カーティス氏(共和党・ユタ州)。
(滝本慎一郎)
(米国、ロシア、ウクライナ)
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