米モルガン・スタンレー、ダラスに新拠点設立、テキサス州で進む金融市場インフラ集積

(米国)

ヒューストン発

2026年10月13日

米国金融大手のモルガン・スタンレー(本社:ニューヨーク州)は9月28日、テキサス州ダラスに新たな米国拠点を設立する外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますと発表した。同社は6億8,400万ドルを投資し、3,800人超の雇用創出を見込む。州政府は、約4,385万ドルの「テキサス・エンタープライズ・ファンド(TEF)」(注1)を交付する。

テキサス州のグレッグ・アボット知事(共和党)は発表に際し、ダラスを「Y'all Street(ヨール・ストリート)」(注2、2026年7月16日記事参照)と表現し、同地域が米国有数の金融拠点として成長しているとの認識を示した。また、モルガン・スタンレーは進出理由として、成長する金融サービス産業、人材へのアクセス、イノベーション環境などを挙げている。

ダラス・フォートワース地域では近年、金融機関や金融関連企業の集積が進んでいる。ダラス地区商工会議所によると、同都市圏の人口は州全体の約27%を占める一方、金融サービス関連雇用は州全体の約41%を占める。足元では、米国投資銀行大手ゴールドマン・サックスが、ニューヨークに次ぐ米国内第2の拠点として、5,000人超を収容する新キャンパスの整備を進めているほか、2026年7月にはテキサス証券取引所(Texas Stock Exchange、TXSE)が取引を開始した(2026年7月16日記事参照)。また、ニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダック(NASDAQ)もそれぞれテキサス州に拠点を設置しており、金融市場インフラの集積も進んでいる。

また、ダラス市議会は2026年6月、同案件に対する最大1,850万ドルの経済開発インセンティブを承認した。市資料によると、同社は新たな米国業務拠点の候補地をダラスとジョージア州アルファレッタの2都市に絞り込んでいた。市は、拠点予定地を近隣活性化区域(Neighborhood Empowerment Zone)に指定し、固定資産税減免を含む支援策を講じる。州政府もTEF補助金を交付しており、州と自治体が連携して誘致を進めた。

テキサス州ではスペースXやイーライ・リリー(2026年8月19日記事、2026年9月29日記事参照)など、TEF補助金を活用した大型投資誘致が続き、金融、半導体、航空宇宙・防衛、自動車、医療など幅広い分野で活用が進んでいる。2026年度(8月末時点)の関連案件は契約手続き中を含め23件に達している。

(注1)投資先が未確定で州外との立地競争がある大型投資案件を対象に、雇用創出と設備投資の実績に応じて助成する制度。

(注2)米南部で用いられる表現「Y'all」(you allの短縮形)とニューヨークの金融街「ウォール・ストリート」を組み合わせた造語。金融機関や証券取引所の集積が進むダラス・フォートワース地域を指す呼称として用いられている。

(綿谷鮎子)

(米国)

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