米スペースX、テキサス州に半導体製造拠点「TERAFAB」建設へ、初期投資168億ドル
(米国)
ヒューストン発
2026年08月19日
米国の宇宙開発企業スペースX(Space Exploration Technologies、本社:テキサス州スターベース)は8月6日、テキサス州グライムズ郡に先端半導体工場「TERAFAB(テラファブ)」を建設すると発表
した。同プロジェクトは米電気自動車(EV)大手テスラと共同で推進し、初期段階の投資額は約168億ドルとなる。工場は製造、パッケージング、試験工程を一体化した垂直統合型施設として建設され、総製造面積は1億平方フィート(約929万平方メートル)超を計画している。
スペースXとテスラの最高経営責任者(CEO)を務める実業家のイーロン・マスク氏は、2026年3月にも同計画の始動について発表しており(2026年3月26日記事参照)、同社とテスラの将来的な半導体需要が「年間1テラワット(TW)超の演算能力」に達すると述べている。今回のスペースXの発表でも、現在および将来の世界の半導体供給能力では需要を満たせないとの認識を、あらためて示した。また、テラファブでは、テスラの人型ロボット「Optimus(オプティマス)」や、自動運転車「Cybercab(サイバーキャブ)」向けの推論用半導体に加え、スペースXが構想する宇宙データセンター向け高性能半導体を生産する計画である点を、再度強調した。
4月には、テラファブの先駆的拠点として、テキサス州オースティンに所在するテスラの「Giga Factory(ギガファクトリー)」北キャンパスで、新たな半導体研究開発施設の建設に着手している。
マスク氏は自身のSNS「X」への投稿で、テラファブについて「地球上で最も大きく、最も価値の高い建物になる」としたほか、「完成時には戦争省(国防総省)本庁舎(ペンタゴン)の約50倍の規模になる」とコメントした。
テキサス州はテラファブ計画に対し、3,000万ドルの「テキサス・エンタープライズ・ファンド(TEF)の助成金(注1)」を交付し、州の大型投資案件向け支援制度「JETI(注2)」の対象とする。
ほかにもテキサス州内には、スペースX関連拠点が集積する。州南端のメキシコ国境沿いにあるスターベース市(注3)に、本社と次世代ロケット「Starship(スターシップ」」の開発・製造・打ち上げ拠点を置くほか、中部のマクレガーでロケットエンジン試験施設を運営する。また、州都オースティン近郊のバストロップでは、衛星通信サービス「Starlink(スターリンク)」端末の製造に加え、半導体研究や先端パッケージング事業を展開しており、2025年には同拠点の拡張計画に対し、州の半導体助成制度「テキサス・半導体イノベーション・ファンド(TSIF)」の助成が決定し(2025年3月19日記事参照)、1,730万ドルの助成金が交付された。
(注1)投資先が未確定で、州外との立地競争がある大型投資案件を対象に、雇用創出と設備投資の実績に応じて助成する制度。
(注2)雇用・エネルギー・技術・イノベーション(Texas Jobs, Energy, Technology, and Innovation:JETI)プログラムは、製造、発電、資源開発、研究開発、ハイテクインフラ分野業などの大型建設案件を対象に、投資額や雇用創出規模に応じて学区税の課税評価額を最大10年間50%軽減する制度(特区内案件は追加優遇あり)。
(注3)旧称ボカチカ(Boca Chica)。スペースXが2014年に次世代ロケットの打ち上げ拠点建設地として着工。2021年ごろから使用される「スターベース」の拠点名を、2025年に正式に市名とした。
(キリアン知佳)
(米国)
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