シンガポールとUAE、包括的経済連携協定の交渉開始に合意

(シンガポール、アラブ首長国連邦)

シンガポール発

2026年10月29日

シンガポールのローレンス・ウォン首相は10月21日、訪問先のアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで、ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領と会談した。両首脳は2019年2月に構築した「包括的パートナーシップ」の深化を確認するとともに、両国間の包括的経済連携協定(CEPA)の交渉開始でも一致した。

同日発表された共同声明では、貿易・投資に加え、エネルギー、人工知能(AI)、先端技術、デジタルインフラ、サイバーセキュリティー、宇宙分野などでの協力拡大を打ち出した。また、UAEによるデジタル経済パートナーシップ協定(DEPA、注1)への加入手続きの進展を歓迎するとともに、投資と貿易の未来パートナーシップ(FITP、注2)の創設メンバー国として、自由で公正な貿易の推進を確認した。さらに、安全保障分野での協力やASEANと湾岸協力会議(GCC)の連携強化も掲げられた。

また、両首脳の立ち会いの下、シンガポール貿易産業省とアブダビ国営石油会社(ADNOC)は、アブダビ・シンガポール合同フォーラム(ADSJF)を通じた共同エネルギータスクフォースの設立に関する覚書(MOU)を交換した。また、シンガポール公益事業庁(PUB)とアブダビ・エネルギー局は水分野で、シンガポール国家環境庁(NEA)とアブダビ公衆衛生センターは病原体媒介生物対策で、それぞれ協力に関するMOUを交わした。

シンガポールとUAEは2007年以降、両国間の経済協力強化を目的として毎年ADSJFを開催している。2026年9月の第17回フォーラムでは、シンガポール貿易産業省(現エネルギー・貿易産業省)とUAE投資省が投資協力に関するMOUを締結していた(2026年10月6日記事参照)。

(注1)チリ、ニュージーランド、シンガポール、韓国、コスタリカの計5カ国(2026年10月現在)が加入するデジタル分野に特化した協定(2026年9月18日記事参照)。UAEは加入交渉中(2025年7月2日記事参照)。

(注2)自由で公正な貿易を支持する中小規模の国々が、貿易・投資に係る課題への対応や新たな機会の創出を目指して2025年9月に立ち上げた枠組み(2026年10月8日記事参照)。シンガポールとUAEはいずれも創設メンバー国。

(広木拓)

(シンガポール、アラブ首長国連邦)

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