シンガポールと香港、エネルギー分野における協力覚書を更新
(シンガポール、香港)
シンガポール発
2026年10月16日
シンガポールのエネルギー市場監督庁(EMA)と香港の機電工程署(EMSD)は10月12日、エネルギー分野における覚書(MOU)を更新したと発表した。両機関はエネルギー安全保障と強靭(きょうじん)性の向上を目的として、2020年10月に初めてMOUを締結しており、今回は協力の枠組みを一部拡充した。
MOUは、(1)電力・ガスのシステム・市場、(2)再生可能エネルギーやエネルギー効率化・省エネ、地域冷房、低炭素技術、(3)多国間フォーラムにおける協力の3分野を柱とする。基本的な構成は2020年と同じだが、今回の更新では、第2の柱に、人工知能(AI)のエネルギー分野への活用への言及が新たに追記された。
EMAのプア・コックキョン長官は、これまでの交流が電力・ガスシステムやイノベーション、低炭素技術分野で相互に学ぶ機会となったと評価した上で、「AIやデジタルグリッドといった新たな分野での交流を深めたい」と述べた。一方、EMSDの潘國英署長は、国境を越えた技術交流やAPECにおける共同イニシアチブから今回の新たな重点分野に至るまで、「グリーンで低炭素な未来という共通のビジョンの実現に向けて手を携えて取り組む」と強調した。
シンガポールは近年、エネルギー安全保障の強化と脱炭素化に向け、域内の国際協力を進めている。2022年6月には、ASEANパワーグリッド(APG)の一環として「ラオス・タイ・マレーシア・シンガポール相互電力統合プロジェクト(LTMS-PIP)」が始動し、域内での再生可能エネルギー由来電力の融通が始まった(2022年7月4日記事、2026年1月16日記事参照)。また、インドネシアとの間でも越境電力取引(CBET)を推進しており、両国首脳は2026年7月、関連ロードマップを確認している(2026年7月10日記事参照)。
(広木拓)
(シンガポール、香港)
ビジネス短信 2c83ec5ff270ac16





閉じる