カナダと米国、対カナダ338条関税発表後4回目の閣僚級協議、両国首脳に選択肢提示へ
(カナダ、米国)
調査部米州課
2026年08月14日
カナダのドミニク・ルブラン・カナダ-米国貿易・州政府間関係・国内貿易・ワンカナダ経済担当相とジャニス・シャレット対米首席貿易交渉官は8月13日、米国の首都ワシントンで米国通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表と会談した。米国が1930年関税法338条に基づく対カナダ関税を発表後、4回目の閣僚級協議となる(2026年7月31日記事、2026年8月10日記事、2026年8月12日記事参照)。
米国は7月24日に1974年通商法301条に基づき、カナダ産品に10%の追加関税の適用を開始した(2026年7月24日記事参照)。7月20日には338条に基づき、カナダ産の乳製品、アルコール飲料、自動車部品に対し、50%の追加関税を課す大統領布告を発表している(2026年7月21日記事参照)。また7月1日には、カナダ・米国・メキシコ協定(CUSMA、注)の延長に向けた3カ国協議が開催されたが、延長合意には至らなかった(2026年7月3日記事参照)。
今回の閣僚会談について、8月13日時点で両国政府から正式な発表はない。ルブラン氏は自身のSNS投稿で、「交渉は継続中であり、引き続きカナダの国益を推進していく」と述べた。一方、グリア氏は協議後、記者団に対し、現時点で報告できることはないとしつつも、「両国の首脳には選択肢が提示され、協議が行われることになる」と述べた。また、グリア氏がドナルド・トランプ米国大統領と、ルブラン氏らがマーク・カーニー・カナダ首相とそれぞれ協議するとの見通しを示すなど、交渉の進展は見られたものの、何らかの合意に至ったかについては明らかになっていない(「CBCニュース」8月13日)。
ルブラン氏は8月14日、財界関係者で構成される「カナダ・米国経済関係諮問委員会」や各州・準州の通商担当者を集めた会合をそれぞれ開催する予定で、米国との協議の内容について報告するとみられる(「CBCニュース」8月13日)。
対カナダ338条関税の発動予定日(8月19日)が迫る中、「CBCニュース」(8月11日)などカナダの複数のメディアによれば、ルブラン氏とグリア氏は、早ければ8月17日までに、トランプ氏に対し通商合意に向けた枠組み案を提示する見通しだ。カナダ政府は、米国による338条関税の発動見送りや分野別関税の引き下げと引き換えに、米国産品に対する報復関税の撤廃、米国産酒類の販売再開、州政府の調達制限の見直し、乳製品の関税割当の配分方法に関する米国側の解釈受け入れなどを検討しているとされる(「グローブ・アンド・メール」8月7日)。
(注)米国では「USMCA」、メキシコでは「T-mec」とも呼ばれる。
(木村勇翔)
(カナダ、米国)
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