カナダ-米国貿易担当相、対カナダ338条関税の発表後、米USTRグリア代表と2回目の会談

(カナダ、米国)

調査部米州課

2026年08月10日

カナダのドミニク・ルブラン・カナダ-米国貿易・州政府間関係・国内貿易・ワンカナダ経済担当相とジャニス・シャレット対米首席貿易交渉官は8月6日、米国の首都ワシントンで米国通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表と会談した。ルブラン氏とシャレット氏は7月29日にもグリア代表と会談しており、対カナダ338条関税の発表後2回目となる。

両国の閣僚は、米・カナダ間の通商問題について協議したとみられる。米国は7月24日に1974年通商法301条に基づき、カナダ産品に10%の追加関税の適用を開始した(2026年7月24日記事参照)。7月20日には1930年関税法338条に基づき、カナダ産の乳製品、アルコール飲料、自動車部品に対し、50%の追加関税を課す大統領布告を発表している(2026年7月21日記事参照)。また7月1日には、カナダ・米国・メキシコ協定(CUSMA、注1)の延長に向けた3カ国協議が開催されたが、延長合意には至らなかった(2026年7月3日記事参照)。

今回の閣僚会談について、両国政府から正式な発表はない。一方、ルブラン氏は自身のSNS投稿で、「分野別関税(注2)への対応を含め、カナダの労働者、農業従事者、企業に利益をもたらす包括的な合意の実現を引き続き目指す」と述べた。「グローブ・アンド・メール」紙(8月6日)によれば、米国の対カナダ338条関税に関して、適用開始予定日の8月19日までに何らかの合意に至る可能性について、会談後に記者団から問われたルブラン氏は「そう願っている」と答えた一方、具体的な協議の進展には言及しなかった。

ルブラン氏は、グリア代表との会談に先立つ8月5日、米国のケビン・クレイマー上院議員(共和党、ノースダコタ州)およびビル・ハガティ上院議員(共和党、テネシー州)とそれぞれ会談した(注3)。ルブラン氏はSNS投稿で、両議員との会談では、両国の労働者と企業を支える安定的で相互利益的な貿易関係を促進する必要があるとの考えを伝達した。一方、クレイマー氏はルブラン氏との会談について、対カナダ338条関税に関する発表を契機に「(両国の)関係改善や交渉進展に向けた前向きな流れができている」と述べ、カナダとの協議が活発化しているとの認識を示した(「CBCニュース」8月6日)。

(注1)米国では「USMCA」、メキシコでは「T-mec」とも呼ばれる。

(注2)具体的な言及はないものの、338条関税および232条関税の分野別関税を指すとみられる。

(注3)クレイマー氏は2025年5月から米国・カナダ議員連盟の共同代表を務めている。ハガティ氏は上院外交委員会の委員を務めている。

(木村勇翔)

(カナダ、米国)

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