外務省、日本関係船舶がホルムズ海峡通過と発表、国際機関や各国も通航再開に取り組む

(日本、中東、世界)

調査部中東アフリカ課

2026年05月15日

日本の外務省は5月14日、中東情勢悪化によりペルシャ湾に滞留していた日本関係船舶1隻がホルムズ海峡を通過したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。4月29日の日本関係船舶1隻の通過(2026年4月30日記事参照)に続き、今回の通過が実現したことで、ペルシャ湾内に残る日本関係船舶は39隻になったという。また、政府として、ペルシャ湾に残る船舶のホルムズ海峡の通過の実現に向けて、外交努力および調整を積極的に続けると表明した。ホルムズ海峡の動向や日本への影響については2026年4月10日付地域・分析レポート「中東情勢悪化がホルムズ海峡に与える影響」および、2026年4月14日付地域・分析レポート「日本と中東の貿易とホルムズ海峡封鎖の影響」を参照。

国連によると、ペルシャ湾で2,000隻以上の世界の商船がリスクにさらされているという。国際海事機関(IMO)によると、2026年2月末の中東情勢悪化以降、5月11日時点でホルムズ海峡を通る船舶に対し、イラン側から合計38件の攻撃外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますがあった。

IMFと英国のオックスフォード大学が共同で開発した船舶自動認識装置(AIS)情報を基に船舶データを提供する「ポートウオッチ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、5月4日から10日までの1週間におけるホルムズ海峡における通航隻数(1日当たり)の平均は1.6隻で、2025年の1日当たり平均の93.7隻、前年同期の102.4隻から激減している。これは3月1カ月の1日当たり平均1.9隻、4月の1日当たり平均3.0隻の水準も下回り、2019年のデータ公開以降最低水準だった。なお、同通航隻数データにおいて、船舶がAISを切って通航した場合や通信障害などで計上されない場合もある。

国連ではホルムズ海峡に関する専門タスクフォースを設立している(2026年3月31日記事参照)。また、G7やIMOおよび湾岸諸国や関係国もホルムズ海峡の通航の再開に向けて、取り組みを進めている(2026年3月26日記事参照)。オマーン外務省は5月11日、バドル・ビン・ハマド・アル・ブサイディ外相がIMOのアルセニオ・ドミンゲス事務局長とホルムズ海峡の課題の平和的な解決について議論したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

なお、英国政府の5月12日付プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、英国はホルムズ海峡の安全確保を目的とした多国籍軍に装備の配置などで貢献すると発表している。また、各種報道によれば、5月14日に開催された米国と中国の首脳会談においてもホルムズ海峡が解放された状態であるべきだという考えで一致したという。

中東情勢と世界各国の動きは「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」「激動の中東情勢:中東各国への影響と展望」も参照。

(井澤壌士)

(日本、中東、世界)

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