第7回日・EUハイレベル経済対話開催、日EU競争力アライアンスの進捗を確認
(EU、日本)
調査部欧州課
2026年05月14日
日本とEUは5月7日、ブリュッセルで第7回日・EUハイレベル経済対話 (HLED) を開催した(プレスリリース
)。日本の堀井巌外務副大臣、赤澤亮正経済産業相、欧州委員会のマレシュ・シェフチョビチ委員(通商・経済安全保障、EU機構関係・透明性担当)に加え、今回初めてステファン・セジュルネ執行副委員長(繁栄・産業戦略、産業・中小企業・単一市場担当)が参加し、2プラス2の形式で行われた。
共同声明(和文仮訳
、英文
)によると、4者はEUとG7および、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)との対話を含む、ルールに基づく国際秩序へのコミットメントを再確認した。また、近年の不当な輸出規制の拡大および有害な過剰生産や市場歪曲(わいきょく)をもたらす非市場的な政策・慣行(NMPPs)に対する深刻な懸念を表明した。
2025年7月の日・EU定期首脳協議で立ち上げた日EU競争力アライアンス(2025年7月29日記事参照)の具体化に向けた進捗も確認された。具体的には、(1)日EU間の重要鉱物共同プロジェクトの実現に向けた、EU重要原材料法に基づく戦略的事業(2025年3月27日記事参照)のマッチング・セッションを通じた進展、(2)蓄電池のサプライチェーンの強靱(きょうじん)化に向けた日EU企業間の協力促進(注1)、(3)ジェトロ、GX推進機構、イノエナジー(注2)の間の協力覚書(プレスリリース)に基づくクリーン技術分野のスタートアップ支援が挙げられた。今後、特に重要鉱物、バッテリー、クリーン技術・エネルギー、鉄鋼、ロボティクス、バイオ技術、防衛・宇宙産業分野において、戦略的物資における補完関係の強化および強靱かつ安全な市場の構築を推進するとした。
また、経済産業省によると、日本からはEUの鉄鋼製品に対する関税引き上げ措置(2026年4月17日記事参照)および産業加速法(IAA)案において電気自動車(EV)補助にかかる「域内産」要件が「EU原産のみ」に限定されたこと(2026年3月13日記事参照)に対する懸念について、申し入れを行った。次回の日EU定期首脳協議に向け、将来に向けた協力の具体化と議論をさらに深めることで一致した。
(注1)日本の電池サプライチェーン協議会、EUの欧州バッテリー同盟(EBA、2018年10月17日記事参照)および業界団体リチャージの間の覚書(プレスリリース
)に基づく。
(注2)欧州イノベーション・技術機構(EIT)の一機関で、クリーン技術分野におけるスタートアップへの投資、エコシステムの構築、人材育成などの推進や、世界的なネットワークの構築に取り組んでいる。
(川嶋康子)
(EU、日本)
ビジネス短信 2333e3dd7b2439da





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