日本のLNG輸入量のホルムズ海峡依存度は6.3%、LNG生産停止中のカタールのシェアは5.3%

(日本、中東、イスラエル、イラン、アラブ首長国連邦、カタール、オマーン、世界)

調査部中東アフリカ課

2026年03月11日

イスラエルおよび米国は2月28日、イランに対する攻撃を開始し、これに対しイランは中東諸国の米軍基地や空港、民間施設などへ反撃を行っている。中東情勢の悪化に伴い、石油や天然ガスの物流の要衝であるホルムズ海峡の通航が停止状態(2026年3月4日記事参照)となり、世界のエネルギー供給に関して注目が集まっている。

このような中、経済産業省は3月10日、液化天然ガス(LNG)の安定供給確保に向けて、電力・ガス事業者、資源開発事業者、商社などと「第4回 電力・ガス需給と燃料(LNG)調達に関する官民連絡会議」を開催したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

発表によると、ホルムズ海峡を経由するLNGの年間輸入量は約400万トンと、日本全体の6.3%であり、現在、電力・ガス会社はこの年間輸入量の約1年分に相当する400万トン弱の在庫を有している。短期的に電力・ガスの安定供給に支障をきたす状況にはないものの、事態が長期化・深刻化するリスクも想定し、対応していく必要があるという。

日本の貿易統計によると、2025年のLNG輸入量では、カタールが日本全体のシェア5.3%、アラブ首長国連邦(UAE)がシェア1.0%でホルムズ海峡依存度は6.3%だった。これとは別に、ホルムズ海峡を通過しないオマーンからの輸入量はシェア4.5%で、中東全体の依存度としては10.8%だった。なお、日本のLNG輸入量は、オーストラリアがシェア最多で39.7%、マレーシアがシェア14.8%、ロシアがシェア8.9%で続いた。

世界の輸出量シェアをみると、米国が21.2%、オーストラリアが19.6%のところ、カタールも19.6%で世界シェアは高い。中東では、オマーンがシェア2.9%、UAEがシェア1.6%だ。

ホルムズ海峡の通航停止とは別途、世界的にシェアが高いカタールの天然ガス施設自体にも中東情勢悪化による被害が出ており、カタールエナジーはLNG生産を停止したと発表した(2026年3月10日記事参照)。

これらの状況を受けて、アジアのLNGスポット取引価格(JKM)をみると、2月27日時点で11.06ドル/100万英熱量単位(mmBtu)だったところ、3月9日時点で24.80ドル/mmBtuまで上昇し、アジア諸国では影響が見込まれる。

なお、国際航空運送協会(IATA)は、中東情勢悪化がジェット燃料の供給に影響し、特に欧州で影響が大きいと指摘している(2026年3月10日記事参照)。

また、日本の原油の輸入は93.5%を中東に依存しており、石油備蓄もあるものの、中東情勢悪化の影響が大きい(2026年2月26日記事参照)。

このような中、日本政府は、イラン情勢を踏まえたエネルギー対策本部を設置したほか、日本の原油の主要輸入元のUAEやサウジアラビア閣僚とも地域情勢や資源の安定供給について協議している(2026年3月9日記事参照)。

現地情勢については、特集「イスラエル・米国とイランの衝突に関する中東情勢、各国の反応」、物流事情については、特集「中東・アフリカにおける物流とインフラプロジェクトの動向を探る」も参照。

(井澤壌士)

(日本、中東、イスラエル、イラン、アラブ首長国連邦、カタール、オマーン、世界)

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