資源などの物流の要衝、ホルムズ海峡の状況
(中東)
調査部中東アフリカ課
2026年02月26日
日本の外務省は2月20日、米国・イラン間での協議が続く中、中東において米国の軍事力の増強が進んでおり、不測の事態発生の可能性を排除できないとし、「中東情勢の急激な変化の可能性に関する注意喚起
」を発出した。
各種報道によると、2026年2月17日にイランがホルムズ海峡を一時期、「軍事演習」として一部閉鎖するなどの動きもあった。同海峡を通過する原油は世界の石油消費量の約2割に当たり、資源物流の要衝だ。ホルムズ海峡が閉鎖された際の代替輸送は、サウジアラビアでは紅海沿いのヤンブー港へのパイプライン、アラブ首長国連邦(UAE)ではオマーン湾沿いのフジャイラへのパイプラインなどがある一方、輸送能力は限られる(2025年6月19日記事参照)。
IMFの「PortWactch
」のデータによると、ホルムズ海峡の通航隻数(1日当たり)は、2019年から最新値(2026年2月22日)までの平均が92.6隻、2025年の年間平均が95.7隻のところ、2026年2月16日から2月22日までの1週間の平均は104.1隻でおおむね同水準だ。なお、2025年6月のイランとイスラエルの攻撃の応酬により緊張が高まった際や、2024年のイランのイスラム革命防衛隊による船舶拿捕(だほ)の際も、通航隻数の水準に大きな動きはなかった(2024年4月22日記事参照)。
日本は中東に自動車を輸出し、鉱物性燃料を輸入
2025年の日本と中東の貿易をみると、輸出額は自動車がシェア5割以上、輸入額は鉱物性燃料が9割以上を占める。日本から中東向け自動車輸出額は前年比15.3%増の2兆4,483億円で過去最高だった(2026年2月3日記事参照)。ホルムズ海峡を通るサウジアラビア、UAE、クウェート、カタールなど向けの輸出が多い。
日本の資源輸入における中東依存度は高い。経済産業省が発表した1月30日付の「石油統計速報
」によると、2025年の年間の原油の輸入量は1億3,974万キロリットルで、中東のシェアは93.5%だった。国別では、UAEが最多でシェア42.3%、サウジアラビアが39.8%、クウェートが6.0%で続いた。米国からの輸入量は前年比2.8倍で、シェアは前年の2.4%から4.3%まで上昇した。なお、2025年12月単月では、米国からの輸入が増えたこともあり、中東依存度は88.0%まで低下した。
日本の石油備蓄は254日
経済産業省資源エネルギー庁が2月16日に発表した「石油備蓄の現況
」によると、2025年12月末時点で、国家備蓄が146日分、民間備蓄が101日分、産油国共同備蓄が7日分で合計254日分の備蓄があるという(国際エネルギー機関基準では214日分)。
石油市場動向詳細については、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)「石油・天然ガス資源情報
」も参照。
中東のビジネス環境については「海外進出日系企業実態調査(中東編)」、物流インフラ状況については「地域・分析レポート特集:中東・アフリカにおける物流とインフラプロジェクトの動向を探る」を参照。
(井澤壌士)
(中東)
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