EU首脳、デンマークとグリーンランドへの連帯と米国への結束した対応を強調
(EU、デンマーク、米国)
ブリュッセル発
2026年01月27日
欧州理事会(EU首脳会議)は1月22日、ブリュッセルで非公式会合を開催した(プレスリリース
)。これは、米国のドナルド・トランプ大統領によるデンマーク自治領グリーンランドの領有に向けた発言(2026年1月13日記事参照)やグリーンランドへの軍事要員派遣を決定した欧州8カ国に対する追加関税の方針(2026年1月20日記事参照)を受けたものだ。トランプ大統領は21日には、グリーンランドに対する武力行使の可能性を否定するとともに、追加関税も取りやめると発表していた(2026年1月26日記事参照)。
欧州理事会のアントニオ・コスタ常任議長は会合後、追加関税の取りやめを歓迎するとともに、いかなる威圧に対しても持てる手段を行使しEUや加盟国の利益を引き続き擁護すると述べた。今後は、EUと米国の通商関係の実効的な安定化に向け、2025年7月に合意した通商協定(2025年7月29日記事参照、2025年8月25日記事参照)の実施に注力すべきとした。なお、同通商協定の実施を巡っては、欧州議会は21日、一連のトランプ大統領の発言を受け、審議を延期することを決定したが、現地報道によると、欧州議会のロベルタ・メツォラ議長は22日、追加関税の取りやめの発表を受け、審議を再開できるだろうとの見込みを示した。
また、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、EUの対応として、デンマークとグリーンランドとの強固な連帯と追加関税の対象となった加盟国への揺るぎない支持を確認するとともに、米国に積極的に働きかける一方で対抗関税やその他の対抗策を準備していたことを明らかにした。ウクライナ支援など加盟国の足並みが乱れる中で(2025年12月22日記事参照)、今回の成果は加盟国の結束に基づくEUの外交戦略における今後の教訓になると強調した。
その上で欧州委は、これまでの北極域における安全保障への取り組みが不十分だったとして、グリーンランドとの関係強化に向けクリーンエネルギー、重要原材料、デジタル接続などの大規模投資パッケージを提案予定だとしている。
(吉沼啓介)
(EU、デンマーク、米国)
ビジネス短信 980f9faef6074710




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