トランプ米大統領、欧州8カ国に対する追加関税発動を取り下げ

(米国、グリーンランド、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フランス、ドイツ、英国、オランダ、フィンランド、EU)

デュッセルドルフ発

2026年01月26日

米国のドナルド・トランプ大統領は1月21日、欧州8カ国を対象に追加関税を課すとする発言(2026年1月20日記事参照)を取り下げるとSNSに投稿した。トランプ大統領は、ダボス会議の機会に合わせてNATOのマルク・ルッテ事務総長と会談。取り下げの理由として米国とNATO加盟国にとって望ましいグリーンランドと北極圏に関する将来的な枠組みに関する取り決めに合意できたためとしている。詳細については、今後議論を深めたうえで発表するとした。

これを受け、デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は22日に声明を発表、ルッテ事務総長がトランプ大統領と会談する前と後に、ルッテ事務総長と対談をしたことを明らかにした。声明の中でフレデリクセン首相は、デンマークは北極圏の安全保障維持のために米国を含む同盟国と建設的な対話を続けていきたいとしながらも、(デンマークとグリーンランドの)主権は交渉材料にはならないとするデンマークのスタンスをNATOは十分に理解しているとし、ルッテ事務総長からもそのように伝えられたと述べた。

グリーンランドのイェンス=フレデリック・ニールセン首相も同日、記者会見を開いた。この中で、ニールセン首相は、トランプ大統領とルッテ事務総長との合意を好意的に捉えながらも、グリーンランドとデンマークに関する取り決めが当事者不在の場で行われることはないとし、今回の合意内容は北極圏の安全保障というゴールについてであるとの考えを示した。また、具体的な合意内容については承知していないと述べた一方、米国との間でハイレベル作業部会を立ち上げ、問題解決に向けた議論を行っていくことが決まっているとした。米国が関心を示している鉱物資源へのアクセスに関する記者からの質問に対しては、米国と建設的な議論を行いたいとし、米国との交渉に応じていく考えを示した。

なお、トランプ大統領による追加関税賦課の方針については、問題解決の手段として、同盟国に対して関税を課すことは誤りと英国が反応する(2026年1月20日記事参照)など、欧州各国は批判を強めていた。

(福井崇泰)

(米国、グリーンランド、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フランス、ドイツ、英国、オランダ、フィンランド、EU)

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